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*73*
―外―
「!?怪物!?」
目の前に現れるのは、怪物。
おぞましいそれに、一気に戦闘態勢へと入った。
「…何が、起きているのだ…。」
ポツリと、マカロフが呟く。
(グレイ…。)
リオンは舟を見つめ、すぐに目を逸らした。
(今は、こっちだ。)
「いくぞおおおおおおおお!」
「「「「「「「おおおお!」」」」」」」
―舟―
「アリア…貴方の分まで、やってあげる…。」
「やらせねーよ!」
ナツは拳に炎を纏い、アイリの下へ走り出す。
アイリは妖美に微笑み、武器のレイピアをにぎりしめた。
「蔦のレイピアよ、あいつを絡めろ!」
レイピアに絡まっていた蔦がナツの手足を拘束し、上に持ち上げる。
そのまま、ナツは叩き落された。
「っぐああああ!!!」
「ナツ!」
「貴方の相手は、こっちね。」
リッカはルーシィの腹に蹴りを入れる。
かは、と薄い声がもれた。
「っうぅ…!『星の大河』!!」
「星霊の武器!?っああ!」
リッカの足を星の大河で縛り、壁に打ち付ける。
それを、グレイは見ていることしかできない。
体も動かない、声もでない。
ただただ、それを見ていることしか。
(そんなの、嫌だ。アイリ、やめてくれ―)
「!グレイ…?」
グレイの目から、涙が伝う。
声もなく、ただただ涙を流していた。
「…アイツだって、悲しんでんだ。」
「!?っ、が!!」
「グレイだって、悲しんでるんだ!こんなの嫌だって!!」
「うるさい!」
「あそこに落ちてる人形。あれ、アリアっつーんだろ?」
「そうだ、それが何?」
「お前も、人形だろ!?」
「ええ、そうよ。」
アイリは自嘲気味に、哀しげに笑ってみせた。
一筋の光の涙を、知らぬふりをして。
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