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31話「やってみせる」
「……は、ルーシィ達!グレイは!!!?」
しばらくボケッとしていたナツは、すぐにルーシィ達にグレイの安否を聞く。
返事はなく、ハッピーとジュビアの嗚咽が聞こえる。
「どうしよう、グレイがいない…!」
「融合した、のか…?」
「そんな………!」
全員は信じられないのか、ただただ下を見ている。
目の前の鏡は、青くなっていた。
まるで、一つの目のようだ。
「っふざけんなよ!俺は今、みたんだ!全員の契約を解除した!」
「ナツ…、」
「戻って来いよ!グレイ!」
返事は、ない。
「グレエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!」
いつのまにか、外の怪物は消えていた。
《…え?消えてるって…?》
「!グレイの、声!?」
ナツ以外にも、全員に聞こえたらしい。
外の奴等もだ。
「…グレイ?どこだ。」
リオンは上や辺りを見わたすが、何もない。
「グレイ!どこだ?」
「ナツ、匂いは?」
「………そこら辺全部。」
「まさか、…あれ?」
「デジャヴです…!!」
「完・全・融・合ね。」
《いやああああああああだあああああああああ!!!!》
グレイがいるのは、蒼い蒼い海の底のようなところ。
上のほうに、太陽の光が入るように青く輝いている。
浮遊感もある。
「俺…ナツに吐かれるのか……!」
《吐かねぇよっ!》
「ていうか、俺の右目は何があったんだ。」
未だにグレイの右目には、何かの紋章になっている。
多分、とリッカが呟く。
「メイキースの紋章ね。これはメイキースが、創ったから。」
形は、勾玉と勾玉が反対に移っていて、それを四角で囲まれているようなもの。
青色の目は、とても綺麗だ。
「俺どうすれば……。」
『グレイ!聞こえるか!?』
「ルド!」
ウォーレンの念話で繋がっているのか、頭にルドの声が響く。
『無事なんだな、よかった。』
「無事じゃねぇよ、ナツに吐かれる。」
《失礼だぞ!てめぇ!》
ぎゃーぎゃーと騒ぐナツを、黙らせルドは話を続けた。
「グレイを兆年孤独唄から分離させられる方法が、つかめたぞ!」
《な、なんだってええええ!》
全員の声が頭に響いて、うるさい。
ルドは少し苦笑いをして、話を続ける。
『グレイの取り込まれた鏡に、ナツが全身の魔力で殴る。』
「おー、簡単じゃん。」
『…いや、違う。グレイも、中から兆年孤独唄の魔力と自分の第二魔法源を使うんだ。』
「…わかった。」
「…待って!」
ルーシィが、ハッとしたように気づく。
「それって、兆年孤独唄を壊すの?」
『ああ。』
「グレイはっ?グレイはどうなるのよ!!」
一斉に、全員の顔が青ざめる。