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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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「―――なんで、こんなことしたんですか?」

「―――っ」


2人とも、答えようとしない。
でも、綾美たちがじっと見続けると、ユリが口を開いた。


「…みなさんに…迷惑掛けたくなかったんですっ…。わたしのためにいろいろやってくれるのは、すごくうれしかったけど…でも、申し訳なくって…」


ポロポロと、ユリの目から涙が溢れ出てくる。


「―――ユリさん」

綾美が、ユリに向かって、歩んでいく。
そして、ふわりと微笑んだ。


「わたしたち、ユリさんが大切だから、守りたいんです。自分でやりたくて、やっているんです。それは、今までユリさんがわたしたちに優しさをくれたからです。―――ね、おあいこでしょ?」



「でも、わたし、何もしてな「してますよ」

みんなも、にっこりと笑う。


「今まで、みんなを気遣って、自分から行動してましたよね。手伝いもしてましたよね。それも全部、ユリさんの、優しさです」


   そう、これは、恩返し。

     いろいろ、優しくしてくれて、ありがとう、って


「ユリさん、あなたが好きだから、みんなは命をかけて守るんです。――――信頼してるんです。だから、迷惑掛けたくないのなら、迷惑をかけたくない、って、ユリさんから言ってほしいんです―――」


みんなの気持ちを乗せた、綾美の言葉。

ユリの目から、また涙があふれてきて―――。
でも、これは悲しいんじゃない。苦しいのでもない。


   ―――うれしいから


「―――はい…。すみませんでした、それから、ありがとう―――…」


ユリも、にっこりと微笑む。
まるで、花が咲く瞬間のように、美しく―――。

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