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*137*
「その……光の槍はぁぁぁ……!帝ぉ!まだ生きていたのかぁぁぁぁぁっ!!!!」
「やああああああああああああっ!」
(これなら、行ける!)
――――ギィィィィィン!!!!
躊躇いなくかぐやは光の槍を掴む。
そして大剣を振りかざすクローディアの脇腹をズバッと切り裂いた。
すると、血液とともにストライドが溢れ出す。
「がああああああああっ!忌々しい……っ。8年前を思い出す…!」
「……!まさか、兄さんを殺したのは……っ」
「そうだ、この俺だ」
傷口を抑えながらクローディアは不気味な笑みを浮かべる。
驚きの言葉に大きくかぐやの目は見開かれる。
そして、チャキッと光の槍をクローディアの首元に充てる。
「どういうこと!?あの侵略はアンタがやったの!?」
「ああそうさ。偶然だったな。侵略したあの時、あの男――帝と交戦した。奴が姫君の子孫だと知った時は驚いたよ。だから奴の心臓を奪おうとしたが奴は強かった。己の死と国のために命を捨て、俺のソウルブレイブの力の大半を奪った!自らを王の鍵へと姿を変えて!」
「―――っ」
「かぐや!呑まれるな!」
郡司がくじらを抱えながら叫んだ。
真実を受け止めきれないかぐやはフラフラとしていた。
顔は真っ青でグシャッと頭を掻いた。
隙を見つけたクローディアはこれぞとばかりに再び大剣を振りかざす。
「今度こそ死んでもらおう!姫君!」
「かぐやさん―――っ」
くじらは吐血しながら叫んだ。
その瞬間、かぐやはハッとなり、光の槍でそれを受け止めた。
「……なぜだ……っ!さっきまで狼狽えていたお前がどうして……!」
「兄さんに強く生きろって……!言われたのよ!だからこんなところでくたばるわけにはいかないのよ!!」
――――ドォォォォォォン!!!!
かぐやはすべてのストライドを込めた。
そして巨大化した槍をそのままクローディアに振りかざした。
メキメキメキ……。
と、轟音を立てる光の槍をクローディアが回避できるはずもなく。
「ぐ……あああああああああああああああああっ!!!!」
――――ドゴォォォォォン!!!!
クローディアの体ごと神殿を貫く。
神殿の柱は罅が入り、そしてそのまま崩壊していった。
「……大丈夫か?かぐや」
「ええ。それよりくじらが……」
ヨロヨロと覚束無い足取りでくじらを背負う郡司に近寄った。
くじらはぐったりしながら不安定な息遣いをしていた。
「……4/3以上の血を抜かれて生きてるのがさすがってところだな。でも早く病院に連れて行かないと……」
「おいかぐや!ついでにクソSランク!」
「瀬良さん!」
バララララ……。
と、破壊された神殿の空から瀬良の声が聞こえる。
瀬良は飛行船に乗っていた。
そこには、三城隊のみんなも乗っていた。
「お前らラスボス倒したらしいな!早く乗れ!後ろのトップギアがくたばりそうだ」
「ああ。頼むよ」
「くっ……。くくくく……」
飛行船がかぐやたちのもとへ近寄り、くじらを乗せようとした瞬間。
倒したはずのクローディアが低く唸るように笑っていた。
かぐやと郡司は驚いたようにバッと彼のほうを見る。
クローディアは傷口を抑えながら虚ろな目をしていた。
「貴様らは気が付かなかったようだが……最後のソウルブレイブの攻撃は日本へ飛んでいる……!国を破壊する力をもってな!これで……神は復活できなくても日本は終わりだ!ははははは……は」
そういうと、カクンと腕の力が無くなり、クローディアは二度と動くことが無くなった。
「日本へ……!?」
「どうすれば……!」
郡司は睨むように空を見上げた。
(くそ!こう言う時だけなにも観えないだなんて!)