完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~
*26*
―――かぐや先輩っ!敵が手に届かない範囲にいたらどうするんですか?今の俺じゃあ近づけない……。
―――そんなの簡単よ。相手だってこっちを攻撃するのにずっと遠くにいるわけないでしょ?こっちに近づいた時を狙って叩き落としなさい!それと、二度と手の届かない範囲に行かない様に翼“道具”は潰しておくことよ
――――……はい!かぐやさん!
―――それがわかったら1本勝負するんでしょ?今度は一太刀ぐらい浴びせなさいよね……。
※
そうだ。
敵が空を飛んでいようと関係ない。叩き落としてしまえばいい。
かぐやさんの教えは、オレがちゃんと受け継ぐ。
あの人の存在が誰の頭から消えても、オレはちゃんと覚えてる。
あの人は、オレの永遠のヒーローだから……!
「らぁぁぁぁっ!!」
微弱に、だが僅かながら低空飛行をし始めたフェスト。
その隙を聖が逃すはずがなく、屋根を踏み台の様に思い切り踏みこむと大きくジャンプした。
―――ジャギン!
フェストに突っ込むかのように勢いよく接近するとそれを如月で切りつける。
生命体維持不能まではいかなかったものの、かなり深い切り傷がフェストに刻まれていた。
その証拠に段々フェストの飛行高度が低くなっていく。
「……かぐや先輩みたいに一撃必殺ってわけにはいかなかったけど……でも、あと一回斬ればやれる!」
そう意気込んで再びジャンプした聖だったが――その刹那、フェストの翼が彼を襲う。
予想外の反撃に聖の反射でも対応できず、もろに攻撃を喰らってしまう。
「ぐふっ……!」
受け身は取れた。
しかし、腹部に直接ダメージを喰らってしまったので口からは血が出ていた。
だが彼の目は光を失っていない。
「なんのこれしき。次は仕留める!」
地へつきそうなぐらい低空飛行するフェスト。
聖はそこへ向かって力一杯如月を振る。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
――――ズドォォォォォン……!
十文字傷をつけられたフェストは、力なく崩れ落ちた。
倒したことを理解した聖はホッとしたように座り込んだ。
「はー……。やっぱアダプターの身の俺には空中戦は辛いぜ……。……!?」
どこか異常を感じて聖は上を見上げた。
そこには2体のフェストが空を飛んでいた。
驚きを隠せない聖は声を荒げる。
「な…んで!さっき倒しただろ!?」
そう叫び、苦しい体を引きずりながら屋根伝いに移動する。
だが、高く空を飛んでいるフェストたちには届きもしない。
このままでは、確実に死者が出る。
「くそ!こっちだフェスト!こっちだって言ってんだろ!?」
如月を振り回しながら彼は叫ぶ。
だがそれも虚しくフェストは違う方向へ行こうとしていた。
「やめろ―――――っ!!」
叫んだ、その時だった。
「リザルテ」
―――――ドドドドドドドド!!
砲撃のような光球がフェストを貫いた。
唖然として光球が出た方を見る。
「全く。郡司の言った通りだったわ。2体もいたなんて」
「か、ぐやさん」
そこには。
8年前からずっとその背中を追っているヒーローの姿。
斧を携え、凛とした面立ちは昔から変わらない。
***
やっとオリキャラ様出せました…!
すみませんナル姫さん、聖君すごくマヌケなことになってます…汗
これからも出せたらいいなぁ、と思います…www