完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ろくきせ恋愛手帖
作者: むう  (総ページ数: 113ページ)
関連タグ: 鬼滅 花子くん 2次創作 オリキャラあり 戦闘あり ろくきせシリーズ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~

*25*


 私の通っていた小学校にも七不思議がありまして。
 私実際、トイレで花子さんならぬ幽霊を見たことがあるんです。
 人が怖がるところを見るのが大好きなSの作者、今日も執筆頑張ります!

 ちなみに今回は【つか花=つかさ×花子】なので、好きな人是非楽しんでね!

 ****************************


 〈花子side〉


 放送室の扉には、立ち入り禁止と書かれた紙が貼られてある。
 ドアノブを回したが、鍵がかかっているようだ。
 仕方なく、焦る気持ちを必死に整えながら、扉を拳で叩く。



 ドンドン!!


 その大きな音に気づいたのか、中でガサゴソと言う音が聞こえる。
 よかった、人がいなかったらどうしようかと思った。
 そう、俺がほっと肩の力を抜いたの直後、扉が外れた。


 大事なことなのでもう一度言おう。
 扉が、外れた。



 バンッッ!!! という音と同時に扉が吹っ飛び、俺とほぼ同じ…ちょっと甲高い声音が響く。



 つかさ「あ、ま、ね、だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!」
 花子「つかさうるさッぐえッ……」
 つかさ「あーまーねー! 久しぶりぃ〜〜ッ! うわぁぁぁぁ〜い!」


 キラキラと、そう、アイドルでも見つめるように、つかさの表情にパァッと花が咲く。
 つかさはそのまま、扉を吹っ飛ばした勢いのままに、俺の体に飛びついた。
 がしっと背中に腕を回され、ぐいぐいと力を籠められて、俺の体は前後に揺れる。


 花子「つかさ、うるS……グフッ」
 つかさ「普は俺のオモチャなんだよねー!」
 

 注意したのに全く聞かないつかさ。
 前後左右に俺の体をブンブンブンブン振り回した後に、「もーいっか」とやっと手を離した。
 歓迎してくれるのはとても嬉しいことなのだけど、性格が性格だけに疲れる……。

 え、さっきオモチャって言った?
 

 つかさ「うん♪」
 花子「一応聞くけど、好きな遊びは?」
 つかさ「うーん、普『で』遊ぶコトー」

 ………アマネデアソブコトデスッテ!?
 普『と』じゃなくて、普『で』って言ったよね?
 ぞわっと背中に良くないものが流れて、俺は一歩彼から距離を取った。

 
 花子「あ、いけない! ここに来た目的を忘れゴフッッ」
 桜「さっさと要件を言いなさい」

 ここに来た目的を忘れていた。そういおうとしたが、七峰が投げた分厚い図鑑が俺の頭上にドン!
 ちかちかと、頭上に星が瞬き、視界がぐらっと揺れた。

 桜「さっさと要件を言いなさいって言ったのだけれど」
 花子「今のはそっちが悪いよ! しかも投げたのって……」
 桜「広辞苑だけど」
 花子「サラッと言わないでサラッと!!」


 信じられないかもだけど、この七峰桜とか言う高校生。
 数百ページの広辞苑をたやすく片手で持ってぶん投げるほどの怪力。
 しかもそれが見事クリーンヒットするんだから、恐ろしい……。


 花子「じ、実は8番が暴れてて、2番が8番にやられて、それで」
 桜「ちょっと待って。もうちょっと具体的に説明して」
 花子「無限階段の怪異が七不思議8番なんだ。それで、学校の怪談の決まりに基づいて(続く)」


 これまでの経緯をかいつまんで伝えると、つかさは「ふぅん」と喉を鳴らし、七峰は首を傾げた。
 俺は腕に抱いていた2番を七峰に預けると、手当をするように頼んでみる。


 桜「分かったわ。確か放送室に救急箱があったと思うから、やってみるわね」
 花子「なんで放送室に救急箱が?」
 桜「誰かさんが本を投げられるせいで、いっつも頭から血を出してるのよ」

 いや、それ犯人君ジャン。
 あなたが日向が部屋から帰るたんびに、広辞苑だの七不思議の図鑑だのを投げてるからだよ。
 

 そーいや、今日は日向は休みなのかな?
 いつも「愛の試練」だとか、謎のエコーの言葉を吐く日向が今日に限って休み?
 

 つかさ「そーなんだよね。今日は一度もあってないかな」
 花子「……何かあったのかな」
 桜「まさか。夏彦が勝手に敵につかまることなんて…………・……………………あるわね」


 あるんだ!!?
 日向、しっかり!! これじゃあ七峰にダメ男と思われるだけだよ!


 つかさ「それで、普はなんで俺のところに来たの? 俺と遊びたいから…じゃないよね」
 花子「実は、…………ヤシロたちを救う、協力をしてほしいんだ」


 しっかりと、二人の目を見て俺は話しかける。
 おかしな話だ。敵同士なのに、協力をお願いするだなんて。

 でも今は、彼らにしか頼めないんだ。
 俺だって、彼らと協力するのはすっごく不安だけど、二人しかいないんだ。
 だから、お願い。


 つかさ「いーよ?」


 スコーンと抜けるように、つかさが言った。
 緊張感ゼロ、不安もなし。当たり前だよとでもいうような調子で。

 俺は拍子抜けして、自分とそっくりの彼を爪先から頭まで眺める。


 花子「ホ、本当に、いいの?」
 つかさ「いーよ。だって俺、普と一緒にいられるだけでラッキーだもん!」
 花子「…………確かに、いつも満面の笑顔で駆け寄ってくるよね」
 つかさ「普も、満面の笑顔で来てもいーんだケド」

 …できれば俺も満面の笑顔を作りたいんだけど、多分できるようになるのはもうちょっと先かな。
 でも、こんなにあっさりOKするなんて……。

 あ、そうだ、肝心なことを聞いてない。


 花子「今回の件は、放送室メンバーの仕業ってみていいよね」
 桜・つ「は?(ん?)」
 花子「え?」

 間抜けな返答に、思わずこっちも間抜けな返答を返してしまう。
 あれ、違うの?
 いつものように、ラジオ使って凶暴化させたりとか、してないの?


 桜「しようと思ったんだけど、生憎夏彦がいないものだから、来るまで待ってるのよ」
 つかさ「夏彦、クラス全員の女のコに連絡先交換してるんだってー」
 花子「そ、そなんだ。日向、かなりチャラいね」
 桜「あら、今頃分かったの?」


 違うみたいだ。彼らの仕業じゃないってことは、8番は元からあんな感じだってこと。
 つまりは、自ら好んで、人に危害を与えてるってことだ。
 やっぱり、そのままにしちゃダメだよね。


 俺は大きく二度頷く。やっぱり、8番は姿を現してはならない。
 依り代を壊して、大人しくさせなくちゃ。
 でも、そのためにはどうしたら………。


 その時だった。


 ??「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」



 ネクスト→悲鳴の正体は一体? 次回もお楽しみに!
 



 
 

24 < 25 > 26