完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ろくきせ恋愛手帖
作者: むう  (総ページ数: 113ページ)
関連タグ: 鬼滅 花子くん 2次創作 オリキャラあり 戦闘あり ろくきせシリーズ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~

*67*


 〈桜side〉

 本部のテントで放送をしていた私は、思わずホッとため息をついた。
 只今、仁乃睦コンビと有為ミツコンビの接戦。仁乃睦コンビが若干速いかしら。
 持参した水筒の水で喉を潤し、私は再びマイクに口を近づけた。


 桜『只今、白組が仁乃睦コンビから炭治郎くんに代わりました。紅組も美鈴さんに交代です』
 夏彦『両者、お題ボックス目掛けて走っていきます』


 睦・仁「頼んだぞ美鈴!!」
 美鈴「はい、お任せください~」

 ミツバ「頼んだ竈門くん!」
 炭治郎「了解!!」

 遠くからワーッと歓声が上がる中で、さっき睦彦くんと派手にぶつかったむうの悲鳴が混じる。
「へ、ヘボ眼鏡じゃないもん……」としくしくと泣いている。

 ああ、あのもっけと有為ミツコンビにやられたのね。
 乱暴しないように言っておいたんだけど、あの二人話を聞かないから。

 夏彦「おい、チビ。さっき七不思議様が呼んでた気がしたんだけど」
 つかさ「んー?」
 夏彦「お前あんまり兄ちゃんを困らせるんじゃねぇぞ~」
 つかさ「しないよ。だって俺、あまねスキだもん」

 あっけからんとこの子が言い、机に置いていた白のハチマキをしめて椅子から立ち上がる。
 体操服が若干大きくて、まるでハロウィンのお化けのようだ。

 つかさ「ジャー俺、そろそろ出番だから行くね!」
 夏彦「おう。行ってらっしゃい。頼むから殺しだけはしないようにな」
 つかさ「はーい。ネーネーサクラ、応援してくれるよね?」
 桜「……期待してるわ」

 私はそう答えると、再びコーナーに視線を移した。
 炭治郎くんと美鈴さんが、設置されたお題ボックスから引いたくじを眺め、各自「うおっ」とか、「ええええ?」とか言っている。


 夏彦『おっと、お題はなんだったのでしょうか。お嬢は何だと思います?』
 桜『そうね……。炭治郎くんはどうやらこっちに向かってるけど……』


 炭治郎くんの姿が次第に近づいてきて、その足は私たちがいるテント前で止まった。
 はァはァと息を切らしながら炭治郎くんは、横で競技の様子を眺めている夏彦をチラリ。

 炭治郎「すみません桜さん。一旦、夏彦さんもらってもいいですか?」
 桜「ええ、あれは空気みたいなものだから。いてもいなくても異常はないわ」
 夏彦「え?」

 どうやらお題は夏彦に関係があるものだったようね。
 何が書いてあったのかしら。
 
 桜「それで、お題は何だったの?」
 炭治郎「はい、こちらです」


 私は彼から渡された紙を開き、そして。
 盛大に吹いた。




 『お題。連絡先を交換してくれる人』

 

 

66 < 67 > 68