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閲覧数1000突破、本当にありがとうございます!
記念で久しぶりに、イラスト掲示板にてイラストを上げようと思ってるのでお楽しみに。
ただ来週は習熟テスト、そしてその後には期末、それが終われば受験勉強一筋……。
ギャ―――――――スッッ(ろくきせキャラ一同「むう、どした?(困惑)」)
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〈美鈴(めいりん)side ※初〉
みなさん、こんばんにちはです♪
紅魔館にて門番を担っております、紅美鈴(ほんめいりん)と申します。
さて、私は只今、かまぼこ花子隊や柱の皆さんと一緒にウンドウカイをやっているわけですが。
少々、困ったことになっていまして……。
美鈴「……おかしいですよ、咲夜さん。そんなに拒むなんて……」
咲夜「ダメよ美鈴……私、私っ」
咲夜「美鈴と一緒に走るなんていやぁぁぁぁぁぁ!!」
美鈴「言っときますけど、しっかり傷つきましたからね咲夜さん!!」
私は、嫌がる咲夜さんの両手首をつかんでコーナーに連れて行こうとするんですが……。
咲夜さんもまた、私に連れて行かれるまいと腕に力を籠めています。
私が引いたお題は、『フルネームが七文字の、女の人』。
それで、パッとひらめいたんですよね。
『いざよいさくや。あ、咲夜さんでいいじゃないですかぁ! ちょうどご一緒したかったし!』
なのにどうしてでしょうか、そんなに嫌がられるなんて…。
ずっと膠着(こうちゃく)状態の私たちを、先ほどから幻想郷メンバーがじろじろと見学している。
霊夢「……咲夜、いい加減美鈴のお願いを聞いてあげたら?」
咲夜「嫌です(ツン)」
華扇「なにもそんなに嫌がらなくてもいいじゃないですか。ねぇ」
レミリア「そんなこと言ったら、いずれ美鈴が泣くわよ。ねえフラン」
フラン「え、美鈴泣くの?」
美鈴「泣きません゛っ!」
ルーミア「涙目だけど大丈夫か―?」
美鈴「余計なお世話ですっ」
ちらりと向こう側を見ると、炭治郎くんが夏彦さんを捕まえています。
どうやら一緒に走ってくれるようにあちらも説得しているようですね。
あああ、誰か助けてください……!
このままじゃ有為さんやミツバさんの努力が無駄になってしまう……!
美鈴「何で咲夜さんはそんなに走りたくないんですかぁ!」
咲夜「そんなの決まってるじゃない! 運動会なのよ。走るのよ! 服に汚れがつくじゃないっ」
魔理沙「洗えばいいだろ」
パチュリー「私たちがこっちの世界に来て早二カ月。それまでずっと帰還方法が見つからずね…」
小悪魔「つまり、洗濯できる場所がないって、いうことでしょうか?」
うーん、紅魔館にあるような洗濯器具は、この時代にあるのでしょうか。
有為さんは転移術が使えると聞きましたので、彼女の力で何とかできないでしょうかねぇ。
っていうか……運動会なんだから服が多少汚れることは当たり前ですよ咲夜さん!!
美鈴「いーきーまーすーよ――――!!」
咲夜「いーかーなーい――――!!!」
ああ、話が全く進まない。
ハァ――――ッと私が大きく息を吐いたとき、視界が急に暗くなる。
誰かが目の前に立ったようだ。
ゆっくりを顔を上げると、彼らとの視線がパチッとぶつかった。
その中の一人、眼鏡が似合うおさげの女の子はおっとりと口を開く。
メイ「どうかしたんですかぁ?」
咲夜「め、メイさん!」
メイ「はい、シジマメイですよぉ。困ってるようでしたので来ちゃいましたぁ。白組ですけど」
おさげを揺らしてニッコリとほほ笑むメイさんの隣で、黄色の髪の少年はキョトンとしている。
そしてその彼の横では、白色の狐と小さい女の子が毛づくろいをしている。
善逸「どうした? 同じ色だし、なんかあったら力になるよ」
ミライ「ミライは、時間すすめられなくてつまんないの。つかまっちゃうなんて……」
ヤコ「フン、自業自得よ。大人しくしてなさい」
美鈴「ぜ、善逸さぁぁぁん、聞いてくださいよぉ! 咲夜さんが、酷いんですぅぅ!」
善逸「お、お、落ち着いて。お、俺もさぁ、皆酷いんだよ!」
美鈴「何がですか?」
尋ねると、善逸さんは肩を震わせて、苦虫を嚙み潰したような表情で私の肩を掴んだ。
え?と困惑して彼の表情を伺うと、とたんに善逸さんは泣きだしそうな顔で、
善逸「この甘い空気感、いたたまれなくてさぁ!!」
東方キャラ一同「は、はぁ……」
善逸「睦彦や、伊黒さんや、茜やしのぶさんや光や花子や……とにかく、カップルが多いのよっ」
美鈴「は、はぁ……。ご、ご苦労お察しします……」
ご苦労お察しするといってるけど、私もなにがなんだかさっぱりわからない。
つまり、この運動会特有の甘々な雰囲気に嫌気がさしたってことなのでしょうか……。
確かに、目を引くカップリングは多いですが、あなたには禰豆子さんがいるでしょう?
メイ「つまりあなたは、禰豆子さんと一刻も早く付き合いたいと言うことですかぁ?」
善逸「そ、そそそ、そうなのよっ。さすがシジマさん話が早いわっ」
メイ「エソラゴトの世界の主人公になれば、禰豆子さんと付き合えますけどぉ」
善逸「ほほほほ、本当っ? 俺エソラゴト2回目だけど、またやってくれんの?」
メイ「はい。今は大嫌いな七番様もいませんの…………」
寧々「シ~~~ジ~~~マ~~さ―――――ん………?(シュッシュッシュ)」
メイ「や、八尋さんっ、なんですか? パレットナイフを振り回さないでください危ないです!」
霊夢「どうしたの、寧々」
寧々「エソラゴトの世界に閉じ込めるなんて絶対ダメ! っていうか…私、そこで色々と……あったのよ! それで凄く怒ったし、まぁ楽しかったけど、もう二度と虚構の世界にはいかないって決めたの!」
色々とあった。
その色々というものがなんなのか、聞いてみたい気持ちもしましたが、それは心の中に。
寧々「そそそ、それに! そんなことしなくても、花子くんにお願いしたんでしょ?」
メイ「お願い?」
寧々「ええ。花子くんと出会ってまだ日が浅かった頃に、サービスで……」
※詳しくはろくきせ番外編1話「お願い叶えて下さい」参照。
善逸「そうそう、俺叶えてほしいっつったのに、未だに全然進展しないの! どういうこと!?」
咲夜「どういうことって言われても………」
美鈴「そうですね……って、話がずれちゃった。行きますよ咲夜さんっっ!(グイッ)」
咲夜「だからいかないって言ってるのにぃいいいいいい」
メイ「……ハァ。世話が焼ける人たちですねぇ」
呆れたようにメイさんが呟き、いつも手にしているスケッチブックを開く。
空白のページに鉛筆でさらさらと書いているのは、咲夜さんの絵。
そしてそのページを下にして振って見せると。
ポンッッ
咲夜(分身)「い、たたたたた………」
魔理沙「うおっ。咲夜が二人!?」
メイ「本人が嫌がっているようでしたのでぇ、分身を出現させました。そちらと話をどうぞ」
さ、さすが七不思議さんですね!
一枚の絵から分身を作り出すなんて、本当に尊敬します!
よし、そうと決まれば!
美鈴「行きますよ咲夜さん! スペカぶっ飛ばしましょう! ほら、連続殺人ドールって!」
咲夜(分身)「ちょ、ちょっと私だって嫌なのにぃぃぃぃぃっ」
私は分身の咲夜さんの手を掴んで、ようやく、ようやくコーナーへと足を踏み入れたのでした。
なお、コーナーの真ん中でむうさんがダイニングメッセージのように「ヘボ眼鏡……」と言っていたことは見なかったことにしておきますね。