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*47*
………何故フィーネとガオーンが料理を作るに至ったか。
それは少し前まで遡る。
………
ーーーーーーーー
フィーネ達が兵士の料理を運んですぐの事であった。
閣下
「陛下!!デデデ陛下!!」
デデデ
「一体なんゾイ騒々しい!ワシは今食事中で……」
エスカルゴン閣下がカップ麺をすするデデデを引っ張り出し、兵士の食事を見せる。
そこにあったのはそれはそれは見事な精進料理。
デデデ
「なぬ!?」
……
デデデ
「あいつらがあんないいモノを食ってたとは知らんかったゾイ……そもそも口が無いから食費がかからんと思って雇ったのがワドルディだったはずゾイ」
閣下
「そうは言われても実際誰かが作って食ってるわけでして」
デデデ
「じゃあ毎日食費はいくらかかってるんだゾイ」
閣下
「あーそれはですね……ざっとこれくらい」
デデデ
「ホゲー!!」
請求書に書いてある桁外れの食費を見て、デデデは頭を抱えてすっ転ぶ。
元々借金重ねのこの城に、こんなもの払えるわけがないのだ。
デデデ
「これじゃワシは貧しくなるばかりゾイ……」
場面は変わって、プププビレッジのあちこちにあるテレビ。
デデデ
【弁当屋ゾイ!かくなる上は安い弁当屋を雇うゾイ!】
閣下
【ということでワドルディ達の弁当を作りませんかー?希望者の方はこぞって入札を!】
デデデ
【落札したら大儲けゾイ!グワハハハハ!】
勿論、それは逃走者達も聞いており……
オーダイル
「おい、大儲けだってよ」
サンドラゴ
「ありゃいいねぇ、数が多ければそれだけ利益が出るって訳だ」
サンドラゴ
「オーダイル、やってくれるね?アタシに金出させたからには」
オーダイル
「仕方ないよな……ま、実は俺も興味あるんだよ」
………
レオン
「ビジネスチャンスだ!!」
雪
「うわっ、君いたんだ!?」
レオン
「儲けになりそうな話ならどこにでも湧いてくるのが俺よ、まぁ俺も分前欲しいってのはある」
レオン
「この情報を時空に発信してあちこちから入札させれば情報料で俺も儲けだ!」
雪
「………今回一応逃走中も兼ねてるから邪魔はしないでね?」
レオン
「あー逃走中……クソッ、案の定世界移動に1万ジーカもかかるようになっちまった………いや、普通に行くと隣の世界でも3万はかかるからお得ではあるんだが………」
そしてこちらも。
ガオーン
「あ、見て!あの兵士ちゃん達のお弁当を募集だって!」
介人
「え?じゃあもうアレ食べられなくなっちゃうんだ」
ジュラン
「まぁ予算無いんならしゃーないっしょ、落札代金は払えるっぽいけど」
フィーネ
「………」
フィーネ
「私、やります!」
介人
「え?」
フィーネ
「私はお金が欲しい訳ではありません……愛です!」
フィーネ
「新しく降り立った、私にとっては初の別世界……この世界にも私の愛を送りたい……」
フィーネ
「なので、私の愛を込めたお料理を兵士の皆さんに提供します!」
ジュラン
「お姫さん……」
ガオーン
「それ……」
ガオーン
「凄くいいよ!!だったら、僕もここの兵士ちゃん達に愛を込めた料理を作りたい!」
ガオーン
「僕にも協力させてくれないかな!フィーネ姫!」
フィーネ
「はい、よろこんで!」
介人
「え、逃走中は!?」
ガオーン
「後からなんとかするから〜!」
フィーネ
「ではキッチンへ!」