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*50*
57:42
たくっちスノー
「あーーーーー暇だよーーー!!なんで鍵開けられない仕様にしちゃったんだ俺はーー!!」
ロッカーに入って早数十秒、たくっちスノーは既に飽きが来始めていた。
昨今の時代、片手間で暇を潰せる技術が発達しているとはいえ流石に手も伸ばせないほどの密閉空間ではやることもない。
そもそも手を伸ばしたらどう考えても扉にぶつかる。他のスタッフ達はというと、まだロッカーに入らず自分の作業に没頭していた。
たくっちスノー
(……なんか俺だけ1人浮いてる気がするんだけど、何一人だけ楽してんの?みたいな感じになっちゃったじゃん!)
たくっちスノー
「あぁもう、こういう時にリーダー権限でなんか出来たら楽なのに!」
たくっちスノー
「ていうか他の奴らもフィーネも何してんだよ!空きロッカー残り7つだぞ!」
たくっちスノー
「かと言って向こうも真剣にやってんだから、邪魔するのも悪いんだよなー………」
と、その時電話がかかってくる。
たくっちスノー
「もしもし?」
カノコ
【よ!リーダー暇してる?】
たくっちスノー
「カノくんか……何?俺の事冷やかしに来たか?」
カノコ
【いや、なんかロッカーに入ったはいいんだけど暇でヒマでしんどいんで】
たくっちスノー
「……奇遇だね」
たくっちスノー
「今俺も君とおんなじ状況さ!!」
カノコ
【あっははははははははは!!!】
カノコ
【ま、いいじゃないっすか】
カノコ
【それで暇つぶしに何かやりたいんですけど】
たくっちスノー
「そうだなー……あ、そうだ、俺らがやったのとは別でオークションしてたよな?」
カノコ
【弁当がどうのこうのってでしょ?そっちのもふもふ頭が真剣にやってるやつ】
たくっちスノー
「フィーネの事ちゃんとした覚え方しなさい、プラークに怒られるの俺なんだよ」
カノコ
【で、それが何?】
たくっちスノー
「それをさ……」
……
その一方、残りの特別スタッフであるアサルと大地は……
大地
「そろそろ俺達もロッカーを見つけて入らないとまずいんじゃないですか?」
アサル
「それはそうだが……」
アサル
(さっきからリーダーとカノがひたすらイタ電してきた事もあり、あの中凄い退屈なんだろうなってのは伝わるし)
大地
「……ん?アサルさん、タブレット見てください」
アサル
「どうした?何かあるのか?」
タブレットを開くと、さながら広告のように端っこに何かが始まっていた。これは…
大地
「……ライブ配信?」
アサル
「そういえばこの世界のテレビでそんなのやってたな………いいのか?そんな事して」
大地
「一応昔の逃走中にはストーリー系?みたいなのあってゲームと繋がりが出てくるやつもあったってたくっちスノーさんな言ってました」
アサル
「今回はコレがそうだと?」
大地
「多分……」
アサル
「しかしこれじゃまるで実況者みたいじゃないか……絶対暇つぶしで作ったな」
アサル
「先手打って自演で盛り上げておくか……」
大地
「あっ、ロッカーあった……この中で……」
大地は1人、ロッカーに入り……安全な空間でライブ配信されている弁当入札を見ることにした。
大地
「そういえばたくっちスノーさんお気に入りのフィーネ姫も参加してたんだっけ、間に合うのかな?」