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*24*
...あの世界で藤丸立香を呼び出そうとして、何回失敗したのかしら
別に会いたいわけでもない、ほんのちょっとした実験に過ぎなかった
最初あの世界に来たときはよく分からなかったけど、何回も巡るうちにこれがサーヴァントにおける『夢』だと気付いてきた
そして考えた、私の夢ならどんなことでも出来るんじゃないのか?そう、どんなことでも...
でも失敗した、何故だかいつも立香を呼び出そうとしても、あいつのサーヴァント...ジャック・ザ・リッパーばかりが出てくる
帰ろうと思えばすぐ消えていくのはありがたいのだけれど...
「女王」
「なに?」
「夢でお前のマスターと会うってのは上手くいってるのか?」
「全然よ、わざわざ出向くのも面倒だからこうして何か聞けないかと思っていたのに...」
「お前も物好きだな、マスターとは決別したんだろ?」
「そうね、でも興味はまだ残っているわ」
「ねぇクーちゃん、あいつは私を目標としているの...私という存在に追い付くためにあの男はどこまでやるのか...楽しみじゃない?」
「相変わらず趣味の悪い女だな」
「人間観察もれっきとした趣味よ?」
「...何にせよわざわざ会うまでもねぇよ、お前のマスター、ここに来るからな」
「そうなの?...というか、なんでクーちゃんにそんなことが分かるのよ」
「俺が本部のサーヴァントだと忘れているのか?知りたくなくても耳に入ってくる...お前のマスターはお前を探しに来る」
「へぇ...みすぼらしい格好でのこのことやってきたら叩き出してやるんだから、覚悟しなさい」
立香、私は貴方の住んでるところより良い家を建てたし自分で収入源は確保した
それ以外の問題点も貴方と暮らしてきたときよりもよっぽどマシになったわ
貴方が私のマスターと名乗るならば私に追い付きなさい、私が満足できるくらいの魔術師になりなさい
それがサーヴァントを従える者の使命なんだから
「さてクーちゃん、お客さんが来るのなら存分にもてなしてあげないとね」
「俺には関係のないことだ、一人でやってろ」
「そんなこと言わないで、貴方だってマスターとの接し方を学ぶべきよ」
「くだらん、あいつらは俺達を出来の良い奴隷としか思っていない」
「...少なくとも立香だけは別よ」
END