完結小説図書館
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*26*
内装もとんでもなかった、キラキラして部屋が広くて家具も沢山あって...私との違いを強く思い知らされる
「広すぎて落ち着かない...」
「まずはその貧乏癖から治すところからね」
...それはいい、本題に移らなくては
こんな家に住むような生活...個人的にも非常に興味深い
「で、私の事でしょ?この家はもちろん私が働いて稼いで建てた立派なマイホームよ」
「待った、働いたって...サーヴァントも仕事ができるのかい?」
「ええ、身分証さえ発行して偽名でも名乗っておけばバイトぐらいなら出来るわよ」
「そうなのか...それで何を?」
「立香、私はサーヴァントになる前から...いや、サーヴァントとしての存在証明として、男の相手が得意だったの」
「話術読心術体術、私は男を手駒に取る事で侵略を繰返しコノートの女王として神話を生きた」
「今の時代にも男を手懐ける仕事があったと知ったときは、私のためにこの仕事があるのだと思ったくらいよ」
...う、それはまさか...夜の仕事、というやつか?
あまりやってほしくはないのだが、あの女王はそういったことが得意分野だと聞いている...うーん...
「私のもとに来る男なんて単純よ、酒を浴びながら甘い一言を浴びせるだけですぐ駒になる」
「そんな情けない男にはならないでよね、藤丸立香」
「あ、ああ...」
そうは言われてもな...私はまだまだ平凡な人間だ、もちろん追い付かなくてはならないとは思っている、だが彼女の事を知るたび、聞くたびに不安になってしまう自分がいる
『私は彼女のマスターとして相応しい存在になれるのか?』
「なんだメイヴ、また男連れてんのか」
...男の声?
「ああ、立香は知らなかったわね...クーちゃん 」
「クーちゃん?」
「クー・フーリン、本部から引っ張り出してきた私の大事なサーヴァントよ!」
扉の角から尖った刺青の入った長身の男が睨み付けていた
クー・フーリン...聞いたことがある、女王メイヴと同じケルト神話、アルスターの代表的な英雄、『ランサー』としてサーヴァントの記録が大量に残っているという...そしてクー・フーリンとは...
数多くの男を従えた女王メイヴが、生前から最も執着している存在であるのだ