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*27*
「クー・フーリン...こんなところにはぐれサーヴァントがいるなんて...」
「はぐれサーヴァントか...ま、本部を見切った身である以上カルデア側としてはそういう見解か」
「え?本部を見切った?」
「おい、お前は女王メイヴに用があって来たんだろ、俺に構ってる暇はねぇよ」
「そうよ、そっちこそジャック・ザ・リッパーはどうしたの?変なことしないでしょうね」
「それに関しては問題ないと思う、よくしつけたし...」
「...そういや、ジャック・ザ・リッパーも元野良サーヴァントらしいな、何故あんたはそいつを引き受けた?メイヴがいながら」
「甘えさ」
「甘え?」
「人間というのは弱い生き物なんだ、複数の人間と暮らすことに慣れてしまうと一人でいるときすっごい苦しくなる」
「たった一人で暮らすという寂しさに辛くて耐えられなくなる人間が大勢いる、離婚された男がしつこく女にメールを送るのは寂しいのが嫌だからさ」
「...私もそうだったのだよ」
「だから丁度...同僚が扱いたくないと投げ出したジャックと一緒に過ごすようになったんだ、自分勝手で最悪だろ?」
...もしこれを知ったら、ジャックは怒るだろう
いや、怒るどころではすまないさ、利用しているのと...何ら変わらないのだから...
それでも、私は...
「...おい藤丸、お前飯は済ませてきたのか?」
「え?...ああ、もう11時半か、もう帰らないと」
この距離だと帰るまでに昼が終わってしまう...昼は少しお金はかかるが外食をするしかない...
「良いじゃない今日ぐらいここで食べてっても」
「え?そちらの食材を使うのはちょっと申し訳ないよ」
「別に料理してもらわなくても出前取るわよ、クーちゃんは寿司が良い?それともピザ?」
「いらねぇよ、サーヴァントに飯は不要だって言ってるだろ」
「え?そうなの?」
「サーヴァントは魔力があればいくらでも活動できる、食事なんてのは魔力を供給する手段に1つに過ぎねぇ」
「え?じゃあ貴方はどうやって魔力を?」
「魔術師の血を吸っている、飯を食うよりは効率が良い」
「まるでヴァンパイアのようだ...」
「お前らが従えてんのはそういう化け物みてぇな連中って事を忘れさせねぇ為だ」
「...魔力が欲しいのなら、私の血なんていくらでも持っていけ」
「お前はいい、魔力が微塵も無さそうだ」
「まあそちらから見ればしたっぱ中のしたっぱだからね」