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*28*
...寿司か、そういえば大人になってからは回る方も贅沢に感じて一回も行ってなかったな
「寿司を間近で見るのも久しぶりな気がする...」
「あんた、どこまで貧乏生活してんのよ...あのサーヴァントも哀れね」
「本当にそうだ、ジャックは可哀想だ、私の給料が低いばかりに...クー・フーリンさんみたいなのを従えてた本部の人なら何十万、いや何百万も貰えるんだろうなぁ」
「どうだか...お前、本部の人間をどれだけ知っている?」
「え?うちの日本支部に入ってきた後輩のマシュに...本部のサーヴァント、ダ・ヴィンチさんだろ?あと女王の詳細を調べるように頼んできた医療班のロマニ・アーキマンさん」
「ロマニ...ああ、ドクター・ロマンか、そいつの事しか知らねぇのはある意味幸福者だな」
「え?」
「いいか藤丸、俺の事は絶対にロマンに漏らすな...場合によってはてめぇを殺さなきゃならねぇ」
「ちょっと、クーちゃん!」
「お前が捨てたマスターだろうが...まだ信用に値するような存在なのか、まだ分からねぇだろ」
「分かった、貴方の事は黙っています...これが原因で無関係になったところで貴方には関係のないことですし」
「ああそうだな、俺のせいでお前が首になったところで俺は困りやしない」
「ちょっと、少しは仲良くしなさいよ」
「初めて会った相手にか?」
「黙々と美味しそうに食べてるジャックが一番行儀良いってどういうことなんだ...うぐぐ」
いかん寿司だ、三人とはいえこのままじゃ取られて私の分が無くなる、どれ食べようか、マグロはジャックにあげたいしサーモンにしよう、鮭この間食べたし...ああそうだ、聞いておかないと
「女王メイヴ、聞くまでもない事だけど念のため聞きたい」
「何?」
「今の生活は、楽しいかい?」
...
「おかあさん」
「ん?」
...あれ、私は一体?女王の昼御飯に参加して、それから何かを話して...答えは聞けていない
目が覚めた頃には女王の姿はなく...クー・フーリンさんが立っていた
「いつまで寝ている、もう6時だ」
「えっ...そんなに!?大変だ、すぐに資料をまとめないと!!ジャック、カルデアに行くぞ!!」
「うん、わかった」
いかんいかん...すぐに準備をしなくては、女王に迷惑をかけてしまった
「おい、藤丸」
「...何?」
「お前はサーヴァントを奴隷だと思ってるやつが居たら...何をする?共感するか?怒りに任せ殴りかかるか?」
「私は...そうだな、奴隷なんてバカらしい考えなんて思い付かないよ、家族のように生きることの楽しさでも教えてることしか出来ないな」
「.....そうか」