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*36*
令呪は光り、それを見たジャックがナイフを下ろし、私の元に駆け寄る...上手くいったみたいだ
「よし、成功だ」
手を見ると紋章の模様が少なくなっている...あとは一日待つだけか
「な、なんてもったいない真似を...」
「他に使い道が思い浮かばなかったんだ、許してくれ」
「...ま、まぁいいでしょう」
「ごめんねジャック、また後で」
「うん!」
...
いつもの資料を済ませ、令呪の確認資料も書いて...後ジャックの管理表も一年にまとめて、全部本部に提出しなければならないから大変だ
でもどうにか夕方には帰れる...一息ついてるとマシュがこっちに向かって走ってくる
「マシュ、君から来るなんて珍しいじゃないか」
「いえ、それが先輩を呼んでいる方がいまして」
え?私を?令呪の件かな...
「分かった、すぐに向かうよ...で、場所は?」
「日本支部の入り口です」
「え、外から?」
...
「えっっっ!!?」
入り口前で待機していたのは...嘘だろ、女王メイヴ...
よく見ると若干苛立っているようにも見える...
「す、すみません、待たせましたか?」
「私が怒っているのは遅刻したからじゃないのよ!」
「え!?」
女王は私の手の甲を確認しながら呟く
「ああ、やっぱりそういうことね...あんた、令呪使ったでしょ」
「え、どうして?」
「そうでもなければあんたに用なんて無いじゃない!」
私は何か言っただろうか?令呪の時の言葉を振り返ってみよう
【令呪を得て命ずる!私の元に来るんだ!】
「...あっ!!」
「やっと気付いた?大方ジャックをそばに来るようにしたんでしょうけど、令呪の作用で私までここに来ることになったんだから!」
「電車賃無駄にしちゃったじゃない!」
な、なるほど...女王も一応私のサーヴァントだから、令呪を発動するとジャックと女王、両方が同じ命令を聞いたことになるのか、これは予想してなかった...
となると、迂闊に使えない...ジャックに命じてもこうやって同じ行動を取るとなれば...
「す、すみませんでした...こうなるとは思わなくて...」
「一回だけなら別にいいけど、次の使いどころはよく考えること、いいわね」
「は、はい...」
「じゃ、行きましょう」
「え、行くって...どこに?」
「あんたの家」
「えっ!?」