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*56*
「ただいま、ジャック」
立香が帰ってくる頃、ジャックはDVDを取り出して閉まっている所だった
「ああ、観てたんだ...どう?面白かった?私も後で見ないとな」
「うん そうだね」
帰った後のジャックはまた前の日のように暗い表情をしていた
「...面白くなかった?」
「そんなことはないよ ただ...」
「ただ?」
「...それより きょうのばんごはんはなに?」
「ああ、今日はロールキャベツにしようかなって...」
...
別の頃マシュの部屋ではマシュとダ・ヴィンチがDチームの人員のチェック票を眺め、サーヴァントの教育管理が出来ているのか調べている中、ロマニが入ってくる
「失礼するよ」
「ドクター・ロマン、どうしましたか?」
「今回は大事な話があってね...座ってもいいかな」
「はい、紅茶は必要ですか?」
「必要ない...ああ、そちらも日本支部の仕事かい?」
ロマニはダ・ヴィンチの隣に座り、真面目な顔でマシュ達に話す
「日本支部がサーヴァントを我々の知らない目的で動かそうとしている可能性がある」
「というと?」
「今日の昼頃、藤丸君に会ってランチ中にそういう話が出てきたのさ...『カルデアはサーヴァントを正義の為に使う組織と聞いた』と」
「正義のため?カルデアはサーヴァントの使い道をまだ決めていないのではなかったのですか?」
「彼が嘘をついているとという可能性は?」
「可能性は薄い、彼は今時では見ないくらいの純粋な若者だ、何せ昔見ていた正義の味方とやらに今でも憧れ続けてここに来たわけだからね」
「正義の味方...先輩がそんなことを」
「僕ら的には本当に正義の為に使ってくれるなら願ってもないくらいなんだが...レオナルド」
「ああ、是非君にも見てほしい」
ダ・ヴィンチはDチームのチェック票とサーヴァントの健康管理表をロマニに渡す、サーヴァントの満足度とマスターの報告が一致しているものは立香を含め少数だったのだ、サーヴァントを平和利用する事を掲げる組織にしてはあまりにも扱いがぞんざいだ
「虚偽の報告がこうも多いとな...マリーが僕らを日本に送ったのも頷けるよ」
「ちゃんとした食事を与えている事がわかる藤丸君はともかく、他の者達は何をしているのだろう?」
「マシュ、今度は藤丸君以外のマスターの動向も探っておいてくれ」
「了解です、それと...さっき言っていた正義の味方について詳しく教えてくれませんか?」
END