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マスターさんは晩御飯に悩んでいる。(完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 78ページ)
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【最終回】
「これからも、貴方と君と」

次の日、立香は有給を与えられ家でおとなしくしていたが

「マスター」

メイヴが家にやってきて立香を引っ張りだし、そのまま車に乗せられた


「女王、車持ってたんだ...」

「私だって腐ってもライダーよ、こんなの乗りこなせるわ」

運転席からハンドルを離さず、後ろも向かずメイヴは話す
...一体何の気まぐれだろう?立香はずっとそんなことを考えていた

「ねぇマスター、私も見たの...『正義の味方』」

「!」

「酷い話だった、ただただ報われない陰湿な苛めよあんなの」

「どうして?あの人は懸命に...」

「第一話で車に引かれそうになった子供覚えてる?」

「え、ええ...」

「アレは当たり屋よ」

「えっ?」

「それと第18話、正義の味方が配りものをしていたシーン」

「ああ、手作りのバッグやドレス...あの人あんなことも出来るなんてすごいよな」

「あれは数分後に売り飛ばされていたわ」

「えっえっ」

「正義の味方は確かに正義を通した、だけど住民はそれを利用し続けた...そして死んだときには誰も気にかけもしない」

「.....」



「正義の味方の死を悲しんだ者は、誰もいなかった...新たなカモを今か今かと待ち続ける、それが正義の味方のラストシーン」

「.....」

「ごめんなさいね、貴方の思い出を壊すような真似をして...でもこれが真実なの、貴方は随分と可哀想な人に影響を受けてしまった」

立香はなにも言えず、固まる

ようやく分かってしまった...何故親が見せたがらないのか、何故マシュが見ることを止めたのか
何故...私は正義の味方になれなかったのか


「けどね」



「藤丸立香はサーヴァントに対しては間違いなく『正義の味方』になれた」


「え?」

「貴方が愛し信じてくれる限り、私たちはそれに応える...それがマスターとサーヴァントというものよ」

「あ、ああ...」


「そして、サーヴァントはマスターが不要と判断すれば切り捨てる...クーちゃんのようにね」

立香はここで気付く、普段ならメイヴとべったりであるクー・フーリンの姿がない

「あの人はどこにいったの?」

「自分のマスターとケリを付けてくると言ってたわ...そして、こんなことも言っていたわ」





『あいつは俺が来るずっと前から、救いようが無かったんだな

「あいつって? 」

「貴方も知っているはずよ、クーちゃんのマスター...実はそいつはね...」

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