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*73*
一方カルデアでは、ロマニとダ・ヴィンチが一人の男を呼び寄せていた
「やあやあ、よく来てくれたね...君は随分えらいことをしてしまったようで」
「何のことだか」
年配の男性はとぼけたように言うが、ロマニは冷静に資料を置く
「とぼけても無駄だよ、サーヴァントをドレイのように扱おうとした件...解雇した者を徹底的に絞り上げたところ、皆君に関わっていたことが明らかになった」
「それに君がそういう考えを持っていたということ...まあ、そっちはたまたまなんだけど」
「そういう考え?何を根拠に?」
ダ・ヴィンチはポケットからDVDを取り出す
「『正義の味方』...!!何故こんなものが!!」
「いやいや、日本は君の作品の大ファンがいたみたいでね...あくまでも主人公だが...さて、マイナーな作品だからと調査を怠った我々にも非はあるが、何か反論はあるかい?」
「何年も前にスタッフに暴行を加え芸能界から追い出された、映画監督さん?」
...カルデア日本支部を混乱させ、賛同者を集めサーヴァントをコキ使った首謀者...それは立香が愛してやまない正義の味方の...創造主だった
「なんで?なんであんな立派なヒーローを作れる奴がこんな真似を?」
「立派なヒーロー?...あんなものが!?スタッフやあいつと同じで思い通りにならず勝手に死んだ奴が!?」
男性はDVDを掴んで投げ飛ばし、何度も何度も踏みつける
「...正義の味方を殺したのは、脚本と俳優のアドリブなんだ、私が指示していないのに勝手に...コキ使われる方が死んだ方がましだって...たかがキャラクターに同情なんかしてどうする!?」
「使えるものはなんでも搾りカスになるまで利用し!使えないなら捨てて!どんなものでも思い通りにならなくては気がすまない!それが人間だろう!!」
「正義というのは正しいとい漢字があるんだ!自分が正しければなんでも正義だ!そして...」
「力があり上位に立てるものこそが正義なのだ!!」
男の力説の最中でダ・ヴィンチはロマニに問いかける
「あれがマウンティングって奴かい?」
「ああ、どうやら彼は何がなんでも思い通りにならなければ気がすまないらしい、自分の都合が働くのは創作の世界だけさ」
「だが創作の世界でさえもうまく行かなかった!!何故スタッフは拒んだ!固有結界も巻いたのに!」
「固有結界だと?」
「あっ」