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*71*
「ここが森羅の本部だ」
男の後を着いて行き、たくっちスノー達は大きなビルのような所に入っていく
広々とした建物に、たくっちスノー達は様々な感想を漏らす
たくっちスノー
「はえー、政府公認なだけあって流石に広いな」
カイザー
「イメージと違う」
たくっちスノー
「まぁ、仮にも企業だしさ、ウチが変なだけさ」
ミカヅキ
「...なんだか、よくわからないな」
カイザー
「安心しろ、俺たちもよくわかってない」
チーズパイダー
「この作品の展開も...」ボソッ
たくっちスノー
「おい」
チーズパイダー
「申し訳ありません」
メタ発言をそっけなくこなすマガイモノ達、作品から離れた存在だからこんな事を話しても何ら問題はないのだ。
「そういえば名前を言ってなかったな、俺の名前は有栖零児(ありすれいじ)、そちらの言うとおり、森羅のエージェントの一人だ。」
ルミィ
「一応聞いておきたいのですが...人間、ですよね?」
零児
「ああ、俺は人間だ」
ミカヅキ
「良かった、たくっちスノーみたいに化物だったらどうしようかと」
そんな事を言っていると、たくっちスノーが露骨に不機嫌な顔をする
たくっちスノー
「悪かったね、化物で...」
ミカヅキ
「いや、そういう意図で言ったわけでは...」
ミカヅキ
「ん?『俺は?』」
零児
「ああ...」
零児
「超常現象を相手にする以上、人間だけでは不可能なことも行わなければならない。」
零児
「そんな時の為に、森羅にも妖怪のエージェントがいる」
「...ん?帰ってきたか零児、どうだったんじゃ?」
零児
「今回発生したゆらぎはまずまずと言ったところだ」
零児はデスクに座る金髪の少女と話す
零児
「...と、こいつが俺の相方の小牟(シャオムゥ)、仙狐と呼ばれる種族だ」
チーズパイダー
「アレがバーチャルのじゃロリ狐娘ユーチューバーおじさんって奴?」
カイザー
「アレの何処がバーチャルなのか答えてみろ」
たくっちスノー
「ツッコむ所はそこじゃない....つーか、え?アレ?」
たくっちスノーは小牟を見て、先程とは別の違和感を感じ取っていた
小牟
「む?...ぬしも狐か?」
たくっちスノー
「まぁ狐の姿を借りただけに過ぎませんけど...えっ、ちょっ、おいくつ?」
小牟
「わしは天下のピチピチ765歳じゃ!」
カイザー
「765をピチピチと言えるメンタルを尊敬する」
零児
「小牟によればまだ若い方らしいがな」
たくっちスノー
(自分より763歳も差があるなぁ)
たくっちスノー
「で、ご趣味は?」
小牟
「ゲーム!アニメ!プロレス!って感じで...」
たくっちスノー
「やべぇ...プロレス以外自分と同じだ。」
小牟
「ゲーッ!!ここでまさかのキャラ被りじゃと!?」
たくっちスノー
「自分はあんたを意識したつもり無いのに!!なんで!?」
チーズパイダー
「大丈夫だよたくっちスノー様、強いて言えば性別が違うから」
たくっちスノー
「何が、どう、大丈夫なのかい!?」
たくっちスノーが焦ってコードメイカー兄弟に詰め寄るのを無視して、零児は話を進める
零児
「...と、無駄話が過ぎたな、小牟、この二人はゆらぎで別世界へと送り込まれたそうだ、身分証明を済ませた後、送り返す準備をしておけ」
小牟
「合点じゃ!」
たくっちスノー
「...はぁ、落ち着いた、ミカヅキ達は森羅に任せるとして、自分達はどうしようか」
カイザー
「そういえばウィンドⅠは呼び出せないのか?」
たくっちスノー
「それが無理だ...多分魔力がない世界だからだと思う」
カイザー
「マジか」
小牟
「零児、あやつら何者じゃ?」
零児
「お前に似た方は森羅に似た組織の者と言っていたが...」
小牟
「ふむ...」
たくっちスノー
「ミカヅキ、ルミィ、恐らくだがこれで君たちとはお別れになる、元々自分や零児達の事件とは無関係だからそうあるべきなんだ」
カイザー
「後はリーミナも早く送り返したい所だが、あの調子だからな...」
チーズパイダー
「というかまだ再開出来てないからね」
ミカヅキ
「まぁ、確かに俺たちはただの迷子だからな...」
カイザー
「世界規模の、だがな。」
ルミィ
「でも、いいの?」
たくっちスノー
「何が?」
ルミィ
「せっかく面白そうな展開になってきたのに」
たくっちスノー
「こっちは仕事なんだよ...働く人間の代わりはいるけど、お前達の代わりは存在しないって黒影言ってたんだ、帰る準備を...」
その言葉に、零児は足が止まる
零児
「...今、『黒影』と言ったか?」
たくっちスノー
「えっ?...黒影を、メイドウィンを知ってるんですか?」
零児
「....ああ。」