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*73*
零児は話してくれた。
数年前、メイドウィンはブラックナイツという組織と戦うため森羅にやってきたこと、
自身が知る上で五人のメイドウィンが存在すること、
今回の大きなゆらぎの件はその時の事件と類似していること、
ゆらぎの原因はヘリオスという組織だということ。
たくっちスノー
「...黒影。」
チーズパイダー
「まさかあの黒影様がそんなことをねー」
たくっちスノー
「五人のメイドウィンって事は自分が生まれる前の事...」
零児
「メイドウィンは今どうしてる?向こうの事だからこちら同様行動に移してると考えているが」
零児のその質問に、たくっちスノーは目を反らしながら答える
たくっちスノー
「...黒影は、亡くなりました。」
小牟
「えっ」
小牟
「な、何を言っておる、あやつは不老不死じゃぞ、そんな事が...」
たくっちスノー
「....」
零児
「よせ...そうか、あいつは死んだのか。」
零児
「この仕事は時に命を賭ける、そして駆け引きに勝てなかった奴は大勢いる」
零児
「...あいつも、そうなってしまったワケだ」
たくっちスノー
「...ええ、今は彼の意思を継ぎ、僕が局長を務めています、局長といっても代わりが見つかるまでの代理ですが」
零児
「なるほど...」
たくっちスノー
「...では仕事の話を進めましょう、有栖さん」
小牟
「こやつ急に敬語を使いだしたぞ」
たくっちスノー
「僕だってプライベート時と仕事の両立ぐらい出来るんですよ、センパイ?」
小牟
「せ、先輩て...」
先程と打って変わって淡々と話を進めるたくっちスノーに、カイザー達は若干引いていた
カイザー
「相変わらずたくっちスノー様の敬語は慣れないな...」
チーズパイダー
「そうだね兄さん、謎の気色悪さがあるね...」
たくっちスノー
「失敬な」
たくっちスノー
「それで、こちらの話になりますが...こちらもヘリオスを追っております、その途中で発見したのがこちらのミカヅキ氏達でありまして...」
零児
「なるほど、詳しく聞かせてくれ」
たくっちスノー
「はい。」
たくっちスノーは今まで起こったことを全て話した。
零児
「もう1つの時空、『アナザーワールド』か...」
小牟
「そういうことが...いや、ありえなくはないのじゃが...」
小牟
「タイムパラドックスがどうとか考えるのはひとまずやめておくとして...」
たくっちスノー
「実は僕達もあなた方でいう『ゆらぎ』に巻き込まれた可能性がありまして...」
零児
「...」
たくっちスノー
「時空を跨ぐ乗り物等があるなら貸してもらえないでしょうか?もちろん金は支払いますが...」
零児
「無くはない。」
小牟
「あるにはあるが...まだ試作段階じゃ、とてもこの人数で乗り回す事が出来るとは思えん」
たくっちスノー
「そうですか...」
零児
「だが互いに倒す相手が同じな以上、黙って見過ごすわけにもいかないな...」
たくっちスノー
「でも、我々は現状なにも出来ませんからね...出来ることと言ったら」
たくっちスノーはミカヅキ達の方を見る
ミカヅキ
「....」コクッ
零児
「ああ、準備は出来たか?」
ミカヅキ
「ああ。」
零児
「それなら早速...」
そんな時、チーズパイダーのスマホから着信音が
たくっちスノー
「出ていいよ」
チーズパイダー
「はい、コードメイカーですけど」
【たしか、たくっちスノーの部下でしたね?...僕です、天背院です】
チーズパイダー
「たくっちスノー様に変わった方がいい?」
【はい】
チーズパイダー
「天背院からだって」
たくっちスノー
「ミカヅチから?....たくっちスノーだ」
【たくっちスノー、そちらはいまどこに?】
たくっちスノー
「自分は今、【ナムコクロスカプコン】の世界だ、お前こそ何処に?」
【僕は...ほら、ベルファストですよ】
たくっちスノー
「ベルファスト?それって確かお前の管理している世界の王国だよな?」
【ええ...ですので冬夜さんやリーンさん的には元の世界に帰れた事になりますね...】
たくっちスノー
「ん、スマホ太郎達も居るのか?」
【それなんですが...何か、変なんですよ】
たくっちスノー
「変?」
【ええ...まだ探索段階に過ぎませんので、また連絡します】
たくっちスノー
「了解」
たくっちスノーはスマホの通話を切り、チーズパイダーに返す
零児
「誰からだ?」
たくっちスノー
「メイドウィンの一人から...」
たくっちスノー
「長い時間の間に、メイドウィンもかなり増えたんですよ」
たくっちスノー
(...天背院、一体時空に何が起きたんだ?)
【次回予告】
ミカヅチ
「ベルファスト...の、はずです」
ミラ
「はずって...」
ミカヅチ
「仕方ないでしょう、分からないんですから」
冬夜
「僕にはいつも通りに見えるけど...」
ミカヅチ
「まぁ、何せこの世界は...いえ、なんでもありませんよ」
冬夜
「?」
ミカヅチ
「...おっと、ちょっと失礼していいですか?」
レウォル
「どうした?」
ミカヅチ
「ちょっと仕事がたまってまして...」
次回
【第八話】
「転生チートに『期限』はあるのか」
「申し訳ありませんが、貴方のその能力は期限切れです。」