日本語文章ルール

基本姿勢は「読者に対する配慮」

自分一人が読むだけなら、人が読むのが相当困難な書き方をしてもいいし、どんな用法や言葉がどんな意味で広く使われてきたかなど、まったく気にしなくても問題ありません。

しかし、小説は、自分以外の『人』に読んでもらってはじめて『存在』できます。
したがって自分の小説をこの世に『存在』させるために、人に読んでもらう際に困難がないよう日本語の使い方や意味に配慮することが必要になってきます。

このサイトじたい横書きなので、日本語のあるべき姿(?)とは異なっていますが、文章作成の基本がまだよくわからない、という方々向けに、いくつか代表的なものだけですが参考までにまとめてみました。

社会の一般通念なんぞ要らん、知らんということで独自の文体・意味を駆使した小説を書くことも、一つの手法ですしそれを否定するのではありません。しかし広く一般化している了解(基本)を知らない雰囲気は、読者に即座に見抜かれますし、読まれる以前に敬遠されてしまうなら、とても残念でもったいないことです。
終わりまで読んでもらってこそという視点から、とくに意図的な部分以外は、一般的な表記・用法であることが基本です。

小説家の本分は面白い小説を書くことなので、個人的に好きならいいですが、学者や校正者ほどに精通する必要はないでしょう。やや中毒性があるので、表記や文法に細に入りこみすぎないほうがよいようです。
ちなみに、+αとして一般的なエディタソフトの使い方やその応用を知っておくと、これからの時代は便利かもしれません。

変換ミスや覚え間違いの多い言葉について

意外とまちがって覚えている言葉が多いですね。
ただし、正解(○)か不正解(×)かという部分にはあまりとらわれすぎると、ふと気づいたときには誰にも通じない言葉を使っていた、なんていう事態も起こりかねないのでおすすめしません。

この世に生きるなるべく多くの人に、今同じ意味合いで(想いが)伝わることが、言葉の何よりもまず大事な役割です。無用な逸脱を避けたり文法に従うのは大事ですが、今もっとも最適に伝わると思う生きた言葉を、攻めの姿勢で主体的に選んで大事にしてください。
過去の人は、あなたがこれから書く文章を読むことはできないし、どの言葉が今と同じ意味で正確に未来永劫ひき継がれていくかなど分かりません。

実体として死んでいる言葉を「正式だから」といってみけんにしわを寄せて、大多数に読まれてもわかってもらえないのに無理して使ったところで、逆に人同士の円滑なコミュニケーションを阻害する要因になることも多いです。
「正確な日本語」は、日本語の「歴史(過去)」として知っておくことは、有益だしおもしろいはずです!
でも、偶然と必然の流れ=自然である言葉の「あるがまま(今)」も、同じように愛したいですね。

ちなみに、「正確な」日本語の使用法や変遷を細かく知っておくととても有益だろうなあと思うのは、今この瞬間よりも過去に書かれた小説やその他書物を読み解くとき。
国語辞書は、今この瞬間にかなり近い過去までの言葉の用法をまとめたものなので、自分にとって読みやすいと思うものでいいので、1冊手元にあると非常に役に立ちますね。

  • まずは、句読点の基本をおさらいしましょう……「句読点」をご覧ください。