コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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君は太陽
日時: 2010/07/20 15:28
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

初めまして。
時雨とかいてしぐれといいます。
初小説なので上手くかけないかもしれませんがよろしくおねがいします。

注意
これは恋愛系じゃなく友情系です。


登場人物

叶 美夜(かのう みよ)
とある中学に転入してきた転入生。
主人公。
過去につらい思い出があるため人が苦手。

山守 鈴音(やまもり すずね)
そこらへんにいる普通の女の子。
美夜の前の席。
明るくてやさしい。


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Re: 君は太陽 ( No.57 )
日時: 2010/06/13 12:07
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

23話

近くの公園のベンチ。
夜なので誰もいない。
夜に散歩をする人たちもいない。
たぶん私の家のところにいっいるからだろう。
こんな都会じゃない町で殺人事件は今回が初めてだからだ。
みんな物珍しそうに見ているに違いない。
私はさっき警察からわたされた手紙をみた。
今日の朝、美亜がなにか書いていたのを思い出す。
絶対こっちをみないでね、と悲しそうな顔で忠告した。
ラブレターでも書いてるのだと思った。
じゃあ何で悲しそうな顔を?
疑問に思ったが別にいいだろうとかき消した。
きっと、これを書いてたんだ。
私は震える手で手紙を開いた。
『美夜へ
たぶんこの手紙を見たときは私はもうこの世にいないかもしれません。生きているとしてももうじき死んでしまうでしょう。
どうしてこうなったか今からお話します。
私は私が殺される日の昨日の晩聞いてしまったんです。両親が美夜を殺す計画を。二人は美夜をうまなければよかったといってました。
両親は美夜のいいところをしらないのです。
だから私は美夜を守ることをきめました。
私は後悔していません。
美夜を一人にして悪いと思います。
私の予想では二人が殺したのが美夜じゃないとしれば
混乱するでしょう。
そして———・・・。
こんな人が姉でごめんなさい。
最後にあなたをだましてごめんなさい。
私はあなたが私の分なで生きてくれることを、
そして私意外の「友」と呼べる人物が美夜の前に現れることを願います。
美亜より』
読み終わるころにはもう泣いていた。
雫が頬をつたう。
私は手紙を握り締めた。

美亜は最初からしっていた。

私が死ねばよかったのに。
だけど
『私はあなたが私の分まで生きてくれることを』
それが美亜の願いならば。
「・・・・・・なんだよ。こんなの一方的じゃん」
私はそう、つぶやいた。

Re: 君は太陽 ( No.58 )
日時: 2010/06/13 19:02
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

24話

『今度の誕生日は何がほしいの?』
『何でもいいよ。いや、どーでもいいよ』
『どーでもいい、ね。この嘘つきさん』
『うるさい・・・。じゃぁ、あれがほしい』
『ん?ああ、写真立て?いいよ。じゃぁ私はあれを頂戴』
『んー?銀扇草か?美亜は銀扇草が好きだね———』

はっと目が覚めた。
ここは病院。
美亜はまだ生きている。かろうじて。
私は看護士さんに許可をとって美亜の病室へ向かった。
看護士さんは哀れみの目で私をみていた。
ドアをあけると美亜が眠っていた。
もう起きることはないだろう。
ベットに近づき手を握る。
まだ少しだけ暖かい。
この少ししかない温もりももうすぐなくなる。
美亜の手を強く握った。
「・・・・・・み・・・よ・・・?」
弱弱しい声がきこえた。
私の握っている手の主から。
「・・・美亜・・・?」
「ごめんなさい・・・・・・あなたを一人に・・・して。・・・これ・・・を」
美亜が手を握ってないほうの手をだす。
そこには、私が駆けつけたときも持っていた誕生日プレゼントが。
「一日・・・おくれたけど・・・・・・誕生日・・・おめで・・・とう」
私はその誕生日プレゼントをうけとった。
「それから・・・・・・」
私はなにもいわない。
普通はしゃべるな、とか言うのだろうけどもう死ぬことが決定しているのだ。
美亜の最後の言葉を最後まできいてあげたい。
「ありがと・・・う。・・・・・・ずっと・・・大好きだよ。美夜・・・」
「・・・うん。そんなこと・・・しってるよ」
美亜は笑っていた。
死ぬ最後まで。
私は美亜からもらったプレゼントをあけた。
その中には、写真立てが入っていた。

数日後、美亜、父、母の葬式が行われた。
写真の中の美亜が綺麗に笑っている。

美亜はたくさんの思い出と銀扇草に埋もれ、この世を去っていった。

Re: 君は太陽 ( No.59 )
日時: 2010/06/14 22:22
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

25話

私は親戚の家をまわりながら一学期の終業式まで過ごした。
私は自分でいってなんだが結構成績がいい。
だからそれなりにかわいがってくれたが親が人殺しなのだ。
一緒に住もうという人はいなかった。
それで夏休みを利用してお婆ちゃんの家に引っ越したのだ。
お婆ちゃんは警察からは事件のことを教えてもらってない。
私が教えるといって言わないでもらった。
私は3人とも不審者にやられたと教えた。
居間に昔撮った集合写真を美亜からもらった写真立てにいれて飾った。
あの時はまだやさしかったのに・・・人は変わるものだ。
もうあの日にはどう足掻いても戻れないんだな。
写真立ての美亜と私はこういう日がくることを予想しただろうか。
夏の涼しい風が私の頬をなぞった。

Re: 君は太陽 ( No.60 )
日時: 2010/06/27 21:13
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

26話

「というわけ。鈴音が私の家でみた私に似た子は双子の姉の美亜なんだ」
ひとまず長かった過去の話が終わってブランコにすわった。
鈴音は
「・・・うっわ、美夜って昔からハードな人生おくってたんだ・・・」
引いた目でみた。
好き好んでなったわけじゃないし。
「ふ〜ん、じゃあさ私はその『友』になるのかな」
「それが決まるのはこれから」
そういえば本当に何で鈴音に話したんだろう。
あの子は私が冷たくしてもくじけなかったからで。
鈴音は?
私的にはこの子は普通とかわらない人しか思えない。
でもそうじゃないから話したわけで。
フム、謎だ。
「ま、いいじゃん美夜ちゃんが生きてるし。美亜ちゃんだってそれを望んだんでしょ?」
それはそうだが。
いったい私が生きて何になるのだろう。
私は美亜より何も出来ない奴なのに。
「あの、もしかしてさぁ」
鈴音はあきれたように言う。
「美亜ちゃんと比べたりしてます?」
「え?・・・ああ、うんそう。そうだけど。何か?」
それの何が悪いといわんばかりに鈴音をにらみつけた。
鈴音ははぁー、とため息をついていった。
「どうして比べるかなぁ。美亜ちゃんは地元の有名高校に通って、有名大学に受かりそうでしかも性格もいいときた」
うん、と私はうなずく。
「すごいよ。すごいすごい。私も学年トップの美夜もとどくことはないよ。で、何で比べる必要があるの?美亜ちゃんは私たちと住む世界が違うのに。むしろ学年トップの美夜をほめてもいいくらいなのに」
「・・・えと・・・?」
「えっと、ようするに・・・・・・あのなんか言葉でいうとはずかしけど・・・」
といって顔を赤らめる。
さっきまでけっこういい雰囲気だと思ったのに。
「つ、つまり、美夜は美夜でいいんだよ」
・・・・・・・・・うっわ、恥ず!こいつ今恥ずかしい言葉いったよ・・・。
うん、言うのをためらったのがよく分かるよ。
でも、なるほどそれでいいのか。
それでいいんだ。
「・・・うん、ごめん」
鈴音はうん、とうなずいた。
「じゃあ、私もうかえるね」
分かってもらえてうれしいのかとてもニコニコしている。
「うん、また明日」
鈴音が見えなくなって考えた。
鈴音に教えた理由を。
初めてあってから今までを思い返した。
最初はきらっていて気づけば傍にいて。
温かかった。

ああ、そっか。

あの無駄な元気さといい、
あのやさしさといい、

———鈴音は美亜に似てるんだ。

私はやっと理解した。
いや、たぶん最初から知っていた。
ただ、いやだったのだ。
鈴音と美亜が似ている、と思うのが。
心のどこかで拒絶していた。
「なんだ。簡単な理由じゃん」
私は心のどこかでホッとした。
鈴音と離れなくていい理由ができてよかった、と。

Re: 君は太陽 ( No.61 )
日時: 2010/06/23 22:42
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

27話

「・・・・・・・・・・・・・・・・・んふぁ・・・っ」
眩しい朝日で目が覚めた。
ああ、長い夢をみていたようなきがする。
そういえばあんなことがあったな、と思い出に浸る。
「・・・じゃなくて」
今日、学校じゃん。
時間もあまりないし。
目覚まし時計鳴った?
見てみると・・・・・・とまっている。
昨日ちゃんとセットしたから・・・気づかぬうちにとめたってことか。
さっさと着替えないと。
「美夜ちゃーん」
お婆ちゃんの声がきこえた。
「鈴音ちゃんがきたわよー」
ああもう。
鈴音のやつめ。
15分もくるのが早い。
「美夜ー?起きてるー?」
「おい・・・私は今着替え中なんだけど?」
「いいじゃない。用意、手伝ってあげる」
と勝手にかばんをとって教科書などを
「って、なにもないじゃない」
用意することができなかった。
あたりまえだ。
「おき勉してるから」
「なにしてる。この受験生」
つっこまれた。
そっか、過去のこと話してから1年たつのか。
時が過ぎるのははやいな。
「ねぇ、誕生日プレゼントなにがいい?」
「・・・・・・は・・・?」
誕生日プレゼント・・・?
えーっと・・・ああ、そっか忘れてた。
私、今日が誕生日だった。
いけないいけない。
「んー、好きにすれば?」
「・・・うわぁ、そんなこといっちゃうんだ」
だってなにもほしいものないし。
「いいよ、私が決める。文句なんかいわないでね」
最初からこの展開を望んでいたようにいった。
なにかいい物をみつけたのだろう。
誕生日プレゼント、なんになるんだろう。
ご飯を食べて、靴をはいた。
「いってきます」
「いってきまーす。お婆ちゃん、夜はパーティーだよ。用意しといてね」
「わかったわ。お婆ちゃん、腕振るっちゃうわよ」
なんか去年以上に意気投合しちゃってるし・・・。
私は小さくため息をついた。


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