コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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君は太陽
日時: 2010/07/20 15:28
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

初めまして。
時雨とかいてしぐれといいます。
初小説なので上手くかけないかもしれませんがよろしくおねがいします。

注意
これは恋愛系じゃなく友情系です。


登場人物

叶 美夜(かのう みよ)
とある中学に転入してきた転入生。
主人公。
過去につらい思い出があるため人が苦手。

山守 鈴音(やまもり すずね)
そこらへんにいる普通の女の子。
美夜の前の席。
明るくてやさしい。


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Re: 君は太陽 ( No.47 )
日時: 2010/04/21 18:30
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

13話

退院して次の日。
体育祭があった。
学校の行事なんてあまり気にしてなかったからその日になるまで知らなかった。
そういえば、鈴音がお見舞いのときにいってたようなきがする。
どうでもよかったからきいてなかったんだっけ。
私はリレーのアンカーだったはず。
鈴音は二人三脚だ。
それ以外のときは寝ていようかな。
でも応援しなきゃ鈴音が怒るだろうし・・・やめとくか。
開会式がおわりどんどんと種目がおわっていく。
いまのところ私のクラスは2位だ。
「あ、もうすぐ私の番だ。いってくるね」
鈴音はパートナーと一緒にならびにいった。
もうすぐ鈴音の番なのか。
見届けておこう。
意外と鈴音たちは速かった。
1位でゴールした。
だけどまだ2位のままだ。
昼食の時間はお弁当なのだがやけに大きかった。
「あ、なるほど。お婆ちゃんが朝早くおきてたのはこのためか」
お婆ちゃんはしってたのか。今日、体育祭があること。
私はもう鈴音の出番がおわったので暇になり、暇つぶしをしながら自分の種目をまった。
『リレーに参加する人は入場門の近くにお並びください』
とアナウンスがきこえた。
「がんばってね」
鈴音が笑った。
私はうなずき、入場門のところへ行った。
私がきたときにはもうほとんどの人がきていて、ストレッチをしていた。
この種目は1番得点が得られるのでみんなはりきっているのだ。
だからこの種目には陸上部の人が多い。もしかしたら私以外全員陸上の人かもしれない。
賞金なんかでないのに、どうしてそこまでがんばれるのだろう?
入場して1番目の走者がならぶ。
パンッ!
いっせいに走り出した。
さすが陸上の人たち。次々にバトンが渡されていく。
考え事わする暇のないまま私の番になってしまった。
私は2番目にバトンをわたされた。
1番の人は今1位のクラスだ。このままいけばあのクラスが1位になる。
だが、ここで抜かして1位にゴールしたら逆転勝ちだ。でも今1番を行ってる人は陸上のエースらしい。
別に私はこのままでもいいのだが、自分が本気を出さずにそれで2位のままだったら・・・
よーし、やるか。
ダッ。
ゴールはもう近い。もしかしたら間に合わないかもしれない。
だけど、ラストスパートってのもやりたくないわけじゃないんだよね。
速く。速く走って追いついた。
あとはテープを切るだけ。
手を伸ばして———
きった。
どっちが?
判定は?
負けたの?
「こっのほうが早かったです」
向けられた指の先は・・・私?
ワァァァとクラスの人たちが私を囲む。
閉会式で表彰される。
帰るときもみんなが喜ぶ。
とても心地よい光景だ。


だけど、結局私はそれを受け入れることができなかった。

Re: 君は太陽 ( No.48 )
日時: 2010/04/25 11:07
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

14話

体育祭がおわり、道にはもみじがちらちらと。
秋だということをいわれてるようだ。
あと5ヶ月。
あと5ヶ月で美亜の———
やっぱりあの過去は私のトラウマだ。
一度思い出すと忘れたくても忘れない。
記憶にしみついてくる。
頭が痛い。
ひざをつくと隣で声がした。
そっか今下校中か。
でも無理だ。
我慢できない。
私はその場に倒れこんだ。

ふと目を開けると、もう夜だった。
下校したのが夕方だから3時間ぐらい寝てたのだろうか。
居間からお婆ちゃんがでてきた。
「鈴音ちゃんがねぇ電話してきたのよ。美夜ちゃんが倒れたって。ここまで運ぶのに苦労したわ」
お婆ちゃんは悲しそうな目で
「なにかあったの?」
ときいてきた。
「ちょっと思い出してたの」
それだけしかいってないが何を思い出したのか分かったみたいだ。
そしたらもっと悲しそうにして
「つらかったね」
というと部屋からでていった。
お婆ちゃんにはあのときのことを説明したがすこしおさえていったので真実はしらない。
真実をいったらお婆ちゃんがおかしくなってしまうかもしれない。
たった一人の家族だ。失うわけにはいかない。
鈴音にはいつかは話さないといけないかもしれない。
あのときのことえをきいて一緒にくるかこないかはあの子次第だ。
もし離れていったのなら。
それはそれでいいのだろう。
また独りになるだけだ。

Re: 君は太陽 ( No.49 )
日時: 2010/05/03 18:48
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

15話

次の日、鈴音が迎えにきてくれた。
「学校いこっ」
昨日隣で倒れてしまったから心配してくれたのかもしれない。
「昨日どうして急にたおれたの?」
「ちょっと思い出しただけ」
「倒れるほどなの?最後まで聞いてないからわからないけど」
最後まで・・・・・・教える機会はくるのだろうか。
「人それぞれ」
私には刺激がつよかった。
目の前でされた光景に驚いて目を背けれなかったからあれを全部見た。
最初から最後まで。
あれは私のせいでもあるのだ。
でなかったら美亜は今も———
また痛くなってきた。
倒れそうなほどじゃないが。
鈴音に気づかれないとように歩き出した。

夕日が沈みかけているころ私達は公園にいた。
誰もいなくて貸切状態だ。
「話ってやっぱりあのことなんでしょう?」
「うん。これを聞いた後にまだ友達でいるかいないかきく。あと、同情で友達やるならやめるから」
前の学校の子はそうだった。
同情で私の近くにいた。
今度はそうでないと信じて私はいった。
「私の親が双子の姉、美亜を殺したんだ」

Re: 君は太陽 ( No.50 )
日時: 2010/05/07 23:02
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

16話

美亜は頭がいいということでよくテレビにでていた。
私の頭は悪くないが11歳で高校にはいけない。せいぜい学年のトップでいることだけ。
それでも美亜は「すごいね」といってくれた。
美亜のほうがすごいのに。

いつからだろう、親が喧嘩をやり始めたのは。
私達の前で堂々と。
美亜が
「こっちいこう」
と悲しそうな顔でいった。
美亜は何で親が怒ってるのか分かったみたいだ。
私はどうでもよかった。
親の喧嘩は子供の喧嘩と同じだ。理不尽な言葉を並べて自分が正しいと思ってる。
それと比べれば美亜は大人だと思う。
子供なのにおとなしいし、悪口いわないし、他人を見下さない。
自慢すらしない。むしろ自分自身が他人より衰えているって思っている。
正直すごい。
私には無理だ。
そこが美亜のいいところだけど。
私と美亜は二人で一部屋をつかっている。
それなりの広さでけっこうつかいやすい。
その部屋の隅で美亜がうずくまっていた。
「・・・・・・なにしてるの」
「喧嘩してる声がきこえるの」
リビングで喧嘩している親の声が二階のこの部屋まで聞こえる。
そういえば美亜は喧嘩とその声が苦手なんだっけ。
下から
「美亜の面倒は私がみます」
とか
「おまえは美夜の面倒をみとけ」
とかがきこえた。
たぶんこれは離婚してだれがどっちをとるかを決めてるみたいだ。
いや、どっちが美亜をとるかだ。
私はどうでもいいのかもしれない。
夕飯を食べに下におりたがまだ喧嘩は終わっていなかった。
「俺が美亜を育てる」
「なにいってるの?私いやよ、あの子育てるの」
あの子とは私のことだろう。
その時にわかった。
私はここに必要ないのだと。

ここに私の居場所はないのだと。

Re: 君は太陽 ( No.51 )
日時: 2010/05/13 22:00
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

17話

学校から帰ろうとしたとき校門のところに美亜がたっていた。
「一緒にかえろう」
今日が初めてじゃなかったが久しぶりだった。
たぶん親の喧嘩が原因だろう。
私は「うん」と短く返事をして美亜と並んだ。

「ただいま」
美亜はいった。
返ってくるはずないとわかっているのに。
だが
「おかえり〜」
返事が返ってきた。
しかもご機嫌で。
昨日はそんな感じはなかった。
むしろあと一週間は余裕に続きそうなほどだったのに。
今日けりがつくとはおもわない。
絶対なにかたくらんでる。
なのに美亜はほっとしてまた元気よく「ただいま!」といった。
私服に着替えたあと美亜はテストが返ってきたと解答用紙を机に並べた。
100点や90点がほとんど。
だけど親の反応は
「美亜、まだこれだけしかとれないの?」
きびしかった。
なにがいけないのだろう?
とてもすごいじゃん。
「今度は100点を1つでもいいから増やしなさい」
美亜は「・・・はい」と悲しそうな目で解答用紙をながめた。
なんか説教されそうな雰囲気だったので自分の部屋にいった。
数分後とぼとぼと美亜が部屋にはいってきた。
「美亜はすごいよ」
美亜は私をみて笑った。
「ありがとう」
この二人だけのときが一番落ち着く。
両親なんかどうでもいいから。
美亜がいればいいから。
ずっと傍にいて。


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