コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】
日時: 2012/01/11 21:53
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

スレ設立日時 2011/09/02 21:50

小説大会銅賞ありがとうございます。

初めまして。こんにちは。ハネウマと申す者です。
ここではギャグ小説を投稿していきます。
とある漫画に影響されて、僕にもあんな面白いものが書けたらなぁ、でも画才は皆無だからなぁ、と悩んで出した結論が小説という形で妄想を具現化するというものでした。
複雑・ファジーの方では「ジアース 〜沈んだ大陸〜」という小説を執筆終了、現在「ジアース 〜沈んだ大陸外伝〜」という小説を投稿しています。気が向いたら見てやってください。
参照のURL、ブログの方は毎日更新中なのでこれも気が向いたらでいいので見てやってください。
では彼らの日常へ。

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Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.27 )
日時: 2011/09/22 14:06
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第十一話「それは特定の相手に対して情報を伝達するための文書のことである」





 一時限目。数学。僕の苦手な教科、更に教えるのは苦手な教師。こいつは滑舌悪いし声低いしで聞き取りにくく、そのせいもあって授業中いつも眠たくなる。ついたあだ名は催眠術師ミスターK。

 その催眠術師がこちらに背を向け黒板にチョークで黒板を叩くように白い文字を記しているタイミングを見計らって、前の席の外さんが手紙を渡してきた。小さく折り畳まれたそれに引かれた罫線がノートの切れ端を使っていることを示している。

 ニシオカにパスしてくれ。中身は見るな。そう小さく呟いた外さんはすぐに前を向き、ノートを取る素振りを……するわけがない。そのまま机に突っ伏した。

 僕は外さんの不真面目さに呆れつつも、結局は共犯者になる道を選んだ。

 後ろを向かず、すぐ後ろの席のニシオカに無言で手紙を渡す。手から手紙が離れるのを確認した後、僕の意識は再び黒板に羅列された記号に向けられた。

 それも束の間。

「忠弘ォ! なめてんのかウンコ野郎!」

 “ニシオカ”はあだ名だ。本名を“西尾かれん”という。今背後から聞こえてきたドスの利いたセリフは男っぽいが、れっきとした女だ。だがたまに男よりも男らしい。思春期だろうというのに男にも女にも分け隔てなく同じ態度で接する、さばさばした奴だ。

 で、何で今僕の首は絞められてるんだろうね?

「こらニシオカ座れ、騒ぐな。いや、西尾か」「先生、どっちも『にしおか』です。言い直せてません」「言い直したんだよ! 漢字にしてみればわかる!」

 僕は後ろの襟を掴まれて恐るべき力で上に引っ張り上げられている。絞まってる絞まってる! ギブギブ! ギブアップ! ギブアンドテイク! 意味分かんねぇ!

「忠弘お前、俺を侮辱しやがって! 何が『女性ホルモン枯れ枯れかれんさんその胸膨らむどころかへこんでますよw 忠弘より』だァ! 俺はへこんでねぇし乳首があれば十分なんだよ!」

 外さんが机に突っ伏したまま肩を震わせて笑っているのがわかる。滅びろ。

 見上げるとニシオカは長い髪を垂らし切れ長の目をつりあがらせてこちらを睨んでいる。丸く生えた眉毛、俗に言う麿眉が特徴的なその顔は怒りに歪んでいた。

「ぢょっど待っだ……誤解だ……死ぬがらやめでぐれェ……」必死で声を絞り出しなんとか初のテレビ出演の理由が殺人事件に巻き込まれたからになることは免れた。

 少し落ち着いた後、僕が恨んだのはニシオカではなく外さんだった。外さんにも僕の受けた苦しみを味わわせてやろう。

 背後のニシオカの方を向く。

「なぁ聞いてくれニシオカ」「なんだウンコ」「……その手紙には『忠弘より』と書いてあったんだな?」「そうだよウンコ」

 仮にも女の子なんだからウンコ連呼するのはやめなさい。

 僕はいつものことだがニシオカの類い稀な麿眉毛に感心しながらこっそり話す。「あのな、この手紙は外さんが書いたものであって」

「何ィ!!!」ニシオカがガタンと音をたてて立ち上がる。皆の視線が再びニシオカに集中する……と思ったらあんまり集中してなかった。皆寝てた。流石催眠術師。

「待った、制裁は休み時間にしてくれ僕たち目立っちゃってるから」と言ったところ、ニシオカは逡巡の仕草を見せた後、おとなしく席に座った。

 その後も催眠術師の催眠術……じゃなく、授業は続く。顔を洗って眠気を覚ましたい衝動に駆られたのはこれで何度目だろう? と思っていると、右肩に手が乗った。ニシオカの手だ。

 その手がつまんだ手紙に気づき、僕はその小さな畳まれた手紙を受け取る。“外さんへ”と書いてある。外さんへの恨みの言葉が綴られているのだろう。僕は黙って外さんにその手紙を届けた。ったく、僕は郵便集配人じゃないんだけどな。

 さぁて勉強に戻るかぶべらっちょす!

 いつものように授業を受けようとした僕の頬に外さんのバックブローがヒットして思わず謎の悲鳴を上げてしまった。

「忠弘お前ふざけんなよ!?」外さんが叫ぶ。いつもふざけてるお前に言われたくない。

「こら外山……あぁ外山に何を言っても無駄か、えーこのxは……」ふざける生徒をスルーする! 催眠術師必殺! 職務放棄!

「痛いよ外さん」「俺は心がいてぇよ! 何だよ『お前のアホ毛ってお前のアホっぽさを象徴しててお似合いだよなwそのうちアホ毛増殖して頭ん中手遅れになるんじゃねwwwバロスwww 忠弘より』って!」

 背後で押し殺そうとしたが見事にそれに失敗している笑い声が聞こえる。滅びろ。

「待て待て、おかしい! 何で僕がそれを書いたことに」「忠弘ォ!!!」

 誰の叫びかと思ったら窓際の席のケンタウロスだった。「何だこの手紙は! 『その顎鬚だせぇから僕が顎ごと剃り落としてやろうかwww 忠弘より』とは何だ!」

「忠弘! 『必殺シュートとかガキかよwwwあ、精神年齢的に小学生でしたねサーセンwww 忠弘より』って手紙が来たんだが後で蹴らせろよ!」なっ、ワンダー!?

「忠弘。『お前みたいな生徒会役員がいるからこの学校の偏差値は微妙なんだよwwwさっさと辞めたらどうですかデクノボーさんwww 忠弘より』という手紙を送ってくるとはいい度胸じゃないか、休み時間、覚悟しとけよ」ちょっ、ミスドまで!?

「忠弘くん! この『糞ビッチ女さっさと退学しろよwww 忠弘より』って何!?」「佐藤忠弘、『ずっとあなたのことが好きでした。結婚してください。忠弘より』って手紙が来たんだが俺は男だぞ?」「佐藤、『小学生の女の子ハァハァ』って手紙が来たが俺の妹はお前にやらんぞ!」「佐藤くん最低!」「忠弘ふざけんな!」「忠弘いい加減にしろ!」次々と立ち上がるクラスメートたち。

 どうしてこうなった。





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後書
神楽さんのオリキャラを早速出してみました。あだ名は西岡だと本名と間違われるかなと思ってカタカナで書きました。
オリキャラを使うのはこれが初めてなので神楽さんのお気に召したか戦々恐々です。
以上。

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.28 )
日時: 2011/09/21 20:52
名前: 神楽 ◆7ZwAdm0uqc (ID: qlgcjWKG)
参照: うりゃほい←




 うあわわ!!
 なんか全力で感謝です!!

 本当ありがとうです!!

 想像した通りで嬉しいかぎりです@
 ありがとうございます!!

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.29 )
日時: 2011/09/22 17:59
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

神楽さん、コメントありがとうございます!励みになります!
こちらこそ感謝します!ネタ不足なので、それを提供してくださったことに!
想像した通りでしたか、よかった〜。これからも隙あらば登場させたいと思います。
改めて、コメントありがとうございました。

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.30 )
日時: 2011/09/22 18:57
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第十二話「それは一般的にナス科 植物タバコの葉に含まれる精神作用のある依存性薬物であるニコチンを摂取する手段、または行為を指す」





 俺は学校の屋上で奴と対峙していた。

「……おい。生徒会役員である俺に喧嘩を売ってるのか」「まさか。……まぁ、俺は不良だからちょっとした『遊び』がミスド、お前に不快な思いをさせるかもしれないがな」

 目の前の高杉健太郎、通称ケンタウロスは金網にもたれかかり煙草をくわえてにやついている。顎鬚が生えていて、迫力のある顔だ。その目で睨まれたら俺でも動じざるを得ない。

 高杉は所謂“不良”だ。といっても、どこのグループに属しているわけでもなく、一匹狼を気取っている。

 不良としての行動は、生徒に人気がない教師の授業を欠席したり酷い時にはメチャクチャにしたりする。メチャクチャにする時には何故か教師に新鮮なイワシを投げつけたりする。この前はマグロだった。

 高杉の標的にされる教師は生徒にウザがられていることが多いため、生徒が教師に味方することは少ない。生徒も「やっちまえ!」と思っているのだろうが、俺は違う。生徒会役員として、この学校の生徒の見本として、高杉に対抗してきた。

 俺がイワシをガードして代わりにサンマを投げつける等、俺と高杉の戦いは続いた。そして今、ついに高杉は喫煙という高校生としてあるまじき行為に出てしまったのだ。

 俺は高杉を睨みつける。体格がいい高杉を俺はやや見上げる形になる。「今すぐその口にくわえたものを提出しろ。今すぐにだ」

「火ぃ点いてないのだからいいではないか」高杉はにやつきながら答える。

 俺は静かな屋上に響き渡る声で叫ぶ。「そういう問題じゃない! 煙草を未成年が持っているだけでそれは犯罪だ! お前は折角努力して入ったこの高校を退学してもいいというのか!」

 高杉は答えない。そのにやついた表情に罪悪感は欠片も感じられなかった。

 俺は悲しみに襲われる。「俺はお前が嫌いだった。だがどこかで信じていたのだ、お前が喫煙などしない男であると」

 風が俺と高杉の間を渦を巻いてそよろと響く。

 俺は裏切られた。「俺は教師に言うぞ。俺は生徒会役員だ。生徒の模範だ。お前のその行動はこの学校の生徒として、やってはいけないことだ。最大の処罰を覚悟してやっているのだろうな?」

 高杉は煙草をくわえたまま話す。にやにや笑いは変わらない。「覚悟? 何故俺がそのような覚悟をせねばならんのだ」

「まだわからないのか!」俺は声を張り上げる。「お前は現在進行形で犯罪を起こしている! 見損なったぞ高杉!」

 俺は記憶が頭の底からよみがえってくるのを感じていた。高杉と英語のテストの首位争いをしたこと。高杉とイワシの鮮度を如何に保ち続けるか議論したこと。高杉とイワシ喫茶に入って全品を注文して味について討論したこと。高杉とイワシの萌え要素について六時間激論したこと。高杉と以下略

 嫌だ。俺は高杉と別れたくない。今になってわかった。毛嫌いしているように見えて、本当は高杉は俺の友達だった。

 だがそれでも、俺は正義を貫き通す!

「その煙草を提出しろ! 今すぐにだ!」

「嫌だと言ったら?」高杉はマッチ棒を取り出す。理科室から取ってきたのだろうか。

「ふざけるな!」俺はマッチ棒を叩き落とそうとしたが、俺の腕は空を切るばかり。高杉に運動能力で敵うはずもない。

 高杉はついに、煙草に火を点けた。

「おい馬鹿、やめっ……」

 シュウーッ……

 煙草の先端が光り始める。高杉はそれを床に捨てた。

「驚いた? これな、煙草型花火」





 (  ゜д゜)





 花火が弾ける音を聞きながら、俺は虚しさを噛み締める。

 パチ……パチチ……パチ……

「風流だろ?」

「……良き哉……」

 パチ……パチチ……

 ……パチ…………










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後書
上手く書けなくて顔文字に頼ってしまった・・・できれば使いたくない伝家の宝刀、忌むべき禁術だったんだけど・・・
ま、ギャグ小説だし、別にいっか!!

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.31 )
日時: 2011/09/25 17:53
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第十三話「それは変形、(生物の)変態を意味する」その1





「はぁ……何でこんなことに……」

 僕の「今日こそはみっちり練習するぞ」という決意はムスカ先輩によって打ち砕かれた。

 吹奏楽部の練習場所である一年E組に入った途端、先に来ていたムスカ先輩に「忠弘お前アサヒ探して来い」と命令されたのだ。

 サボり魔の女アサヒは部活に来る時は大体遅刻する。来てもしばらく携帯いじったり携帯いじったり挙句の果てには携帯いじったりしてなかなか練習を始めない。

 ——チューバ一つじゃ合奏に厚みが出ない。同じチューバ吹きとしてお前がアサヒを探して連れてくるんだ。

 そう言われた。「後輩の態度を正すのは先輩の仕事じゃないですか?」と返すと、「私はエルしぃと愛の歓談をする予定があるからパス」と即刻拒否られた。堂々とサボり宣言しちゃったよ最近この人を先輩として尊敬できなくなってきたよ。

 音楽の低音を支えるチューバ吹きは、確かに一人では厳しいものがある。だがしかし……。

「もう……『バルス!』とか言って先輩に刃向かっておけばよかったかな……」

 僕は困っていた。アサヒのいる一年D組の生徒に聞いたところ、「自分の机を抱えてどっか行ってから行方不明」だそうだ。机を抱えて行く所といえばあそこだよな、と思い当たる場所があったら誰か教えてくれ。

 僕はいっそ校内放送で呼び出しちゃえばいいんじゃね公開処刑的な意味でと思ったがそうすることもせず、とりあえず校舎をうろついて教室を覗いては去り覗いては去り、と実らぬ努力を重ねていた。

 三階から四階への階段を上ってすぐの所にある国語研究室を覗いて、ノックして名乗るのが生徒の教師に対する礼儀だろと軽く怒られた後に研究室の扉を閉めてため息をついた時だった。

 銀が華奢な腕に鞄を肩にかけて持ち階段を上がってきた。僕の方をちらりと見て、無言で通り過ぎようとする。

「銀」僕は呼び止めた。「よ。銀にしては遅いじゃん。ホームルーム長引いたの?」

「……ええ……」銀は無表情で間を置いて答える。

「お疲れ。で、聞きたいんだけど、アサヒがどこにいるか知ってる? 今探してるんだけど」

「……別棟屋上のペントハウス裏……」いや何で知ってんの!?

「あ、ありがとう。僕後で練習に行くから。じゃ」銀に感謝の合図を送りながら僕は階段を下りる。

 一階から三階は渡り廊下で生徒たちのクラスがある棟と化学室などがある移動教室の時に使う棟が繋がっている。僕は三階に下り、渡り廊下でクラスの棟に戻ってそこから屋上を目指した。

 机を持って屋上に行く……これは一体どういうこった……。

 その時、忠弘の脳に電撃走る!

 机を持っていく→それに乗る→落下防止の金網を乗り越える→I can fly!!

「や……やめるんだアサヒ!!」焦燥感に襲われ、僕は屋上への階段を駆け上る。

 屋上へ続く扉を開けると、そこにはだだっ広い屋上がひっそりと広い空間を持て余し青空を見つめて開かれていた。

 アサヒの姿はない。ペントハウスの裏だったか。僕はそこを目指し歩く。





続く


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