コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】
日時: 2012/01/11 21:53
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

スレ設立日時 2011/09/02 21:50

小説大会銅賞ありがとうございます。

初めまして。こんにちは。ハネウマと申す者です。
ここではギャグ小説を投稿していきます。
とある漫画に影響されて、僕にもあんな面白いものが書けたらなぁ、でも画才は皆無だからなぁ、と悩んで出した結論が小説という形で妄想を具現化するというものでした。
複雑・ファジーの方では「ジアース 〜沈んだ大陸〜」という小説を執筆終了、現在「ジアース 〜沈んだ大陸外伝〜」という小説を投稿しています。気が向いたら見てやってください。
参照のURL、ブログの方は毎日更新中なのでこれも気が向いたらでいいので見てやってください。
では彼らの日常へ。

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Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.67 )
日時: 2011/11/22 23:48
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第二十二話「それは強者と強者とのぶつかり合いである」2/2





「あのぅ、あくる先輩?」エルしぃがいつもの声で言う。僕の下半身の機能が無くなろうとしているのになんだその声はきみ天然すぎるだろ!

「なぁに、エルしぃたん」あくる先輩と呼ばれた女はコンマ一秒かからず表情を柔和な笑顔に変えてエルしぃの方を向いた。

 そうだ、今や僕を助けられるのはエルしぃしかいない! どうか、救いの手を!

「カップラーメンのスープって美味しいですよね!」なぁに言ってんすかこの子はー!

「美味しいわよねぇ、でもエルしぃたん、後でアタシの股間の愛の汁であなたを満たしてあげるわ」何この人! レズビアンだ! そして相当、変態だーッ!

 ……レズ? 変態?

「もしかして……あなたは……」「黙れ股間にゴミぶら下げた存在価値皆無の下等生物」

 もしかしてあなたは、茶飯高校に名を轟かせる変態四天王の一人、十六夜百合……? だとしたら、相当やばい! やばいぞこれは! ちなみにやばいと心の声で言ったのはこれで七回目だ!

 もうなりふり構ってなんかいられない。相手が女性だろうと、僕は本気でもがくしかない! そうしなければ、確実に、ちょん切られる!

「動き回るんじゃねぇ、この変態!」「あなたが言いますか!」

 十六夜百合——あくる先輩は叫んだ。

「食らえ! あくる流秘奥義、『なんかよくわかんないけど行動不能になっちゃう謎のアレ』!!!」

「ぐはっ!」うわあああ! なんかよくわかんないけど行動不能になったーッ!

 力を失い、倒れた僕をあくる先輩は冷たい目で見下ろす。どれくらい冷たいかというと多分南極点でちゃぶ台囲みながら冷凍みかんを食べつつ母さんに「あんた、イカ臭いわね」と言われた時の背筋ぐらい冷たい。

「エルしぃをたぶらかしたお前は最早、この世に存在することを許されない……」いやなんか勘違いされてるー! 勘違いでTNK削ぎ落とされるー!

 (将来結婚して子供が生ませたいという華々しい未来の)死。それを確信した僕はこれまでにないほど力を入れて目を閉じた。

「なんだよ忠弘ー、お前やっぱロリコンなんだなぁ」耳に飛び込んできたのは。

 僕の家の扉が開き、姉ちゃんがエロ本を示しながら言ってきた。そ……それは僕のお気に入りの“To LOVEりすぎて俺の股間がBIN☆BIN”じゃないか! ではなく!

「姉ちゃん、助けてくれ! 今この人に殺されそうなんだ!」僕は必死に助けを求める。

「殺される? ……おいアンタ、どこの誰だか知らねぇが、私の弟に手ぇ出してんじゃねぇよ」

 流石姉ちゃん! かっこいい! やっぱり家族愛は素晴らしい!

「私の作ったゲテモノを試食する生贄がいなくなるじゃねーか!」訂正。流石でもなくかっこよくもなく素晴らしくもない。

「いやいや、お言葉ですがお姉さん」あくる先輩が手を振って否定を示す。

「殺しませんよ? ただ股間の棒をカットするだけです」「あぁ、それならいいや」姉ちゃあああああああああん!!

「では、まずズボンを脱がして……」あぁ、もうダメだ。僕の脳は絶望に満たされた。

 しかし——

「やぁやぁ、あくるじゃないか、どうしてこんな所にいるんだい?」

 ——希望は残されていた。

「なんだ、今忙し……」あくる先輩は振り向く。「……あ、あんたは!」

 紺色のハーフコートを着ている男だった。髪の色も紺色に染まり、目の色も紺色。ゆっくりと、しかし威圧感を感じさせる足取りで近づいてくる。

「きみたちがギャーギャーうるさくして俺の集中力が欠けたせいで……」その紺色の男は言った。

「俺が積み立てていた削ってない鉛筆一本の上に更に鉛筆を立て続けることでできた十八メートルのタワーが崩れてしまったじゃないかああああッ!」なんかこの人も只者じゃないー!

「紺野龍一……またの名をディープブルー・ドラゴン。変態四天王の一人で、その変態能力は“どうでもいいことに命を懸けること”……。今回熱中したのは、ペンシル・タワーのギネス記録への再挑戦、か……」なんかあくる先輩が解説しだしたー! まるで小説のようだー!

「あくる。俺をよく知るきみなら、俺と同じ“変態四天王”と呼ばれるきみなら、今の俺の怒りが分かるだろう?」その男は暗いオーラを纏い始める。こ、これは……紺色のオーラ! 見える! オーラが見えるぞ!

「とんだ邪魔が入ったものね。あんたにとっちゃ無駄だろうから、謝らないわ。戦うしか、ないってわけね……」あくる先輩もオーラを纏い始めたぞ! こっちはピンクだ!

 ピシィ、と空気が張り詰めた。車が近くをエンジン音とタイヤの摩擦音を撒き散らしながら通ってゆく。その車の音が聞こえるか聞こえないかの領域に入った時、静寂が戻って来ようとした時、紺色と桃色が動いた。

「裂けろ肉棒! あくる流最終奥義! “股座断罪掌”ッ!!」

「下れ天誅! ディープブルードラゴンディザスター・ナンバーセブン! “レヴォリューション・ドラゴン”!!」

 その動き、視認不可能。

 ただ、紺色と桃色が、交錯したように見えた。

 二人はすれ違ったのだろう。先程までとは二人の位置が逆だ。僕の近くにディープブルードラゴン、遠くにあくる先輩。

 それから二人は力を失い——倒れ伏した。ものの数秒の、出来事だった。

 僕は感動していた。極限まで高めた変態性が、こんな奇跡を起こすなんて。それは少年漫画の王道をゆく、強き、誇り高き戦士の闘いの終わりに似ていた。その終わりがもたらす魂の震えに、僕は静かにため息をつく。

 神秘の力を持った二人の修羅。僕はそれに敬意を表し、以後それを忘れる事はないだろう。

 そして、エルしぃは言った。

「やっぱりー、カップラーメンはミルク味がいいよねー!」

 あのーすいませんもうちょっと空気読んでもらえませんかね。




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独り言
ついに変態四天王が揃ったー!
こいつら使ってあんなことやこんなことを書いてみたい。わくわく。

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.68 )
日時: 2011/11/29 18:35
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第二十三話「それは一般的に災難や事故などによる怪我を負った人や病人のもとを訪れ慰める行為である・忠弘の周辺の人々の場合」1/2





 ベッドは暖かかった。

 窓から見える初冬の景色にも幾分か慣れ、それゆえに少し退屈な気分を持て余している。

 僕は佐藤忠弘。今、茶飯市総合病院にて入院中だ。入院した理由は、茶飯高校変態四天王の一人であるあくる先輩の必殺技、“なんかよくわかんないけど行動不能になっちゃう謎のアレ”を食らってなんかよくわかんないけど行動不能になってしまったからだ。

 リハビリのお陰で、一日でなんとか自力で歩けるようになった。入院二日目、更なるリハビリが僕を消耗させている。

 しかし、僕には楽しみなことが一つあった。

「よ、忠弘」「美人看護婦いるかー?」

 それは、友達がお見舞いに来てくれるということだ。

「外さん、僕と会って第一声がそれかよ。そこそこ美人だよ、看護婦さん」僕は上体を起こし、笑顔になる。

 外さん、ケンタウロス、ワンダー、ミスドの四人がやってきて僕のベッドの傍に立った。

「まぁ、お前みたいなロリコンは美人看護婦がいても意に介さないだろうけどな」外さんがにやにやしながら言う。

 僕は同じくにやつきながらツッコむ。「ハッハッハここには他の患者さんもいるんだよ黙れコノヤロー」

「……もう一度言うけど、お前みたいな、『ロ』『リ』『コ』『ン』は……」「はい面会謝絶ですので外さんは帰ってください」

 ケンタウロスが顎鬚を撫でながら言う。「すまんな、外さんは最近ツッコミ不足で体調が悪いのだ」ツッコミ欠乏症……だと……?

「ミスドにツッコミ役やらせようとしても、コイツつまんねーツッコミしかしてこねぇし」と外さん。

 ミスドが外さんを向いて指差して言う。「安藤だ。ていうか何だよ! 俺のツッコミ『お前は藤原不比等か!』のどこが悪いんだよ!」なにその高度なツッコミ!?

 ワンダーが頭の後ろで腕を組んで笑いながら言う。「ハハハ、俺もツッコミ役やらされたんだけど、『お前はロナウジーニョがボールを一度も落とす事なく四連続でクロスバーに当てるテクニックを披露した時に驚いてた撮影スタッフの一人が愛用している眼鏡についた僅かなホコリか!』ってツッコミしたらダメ出しされちゃったよ」それ最早ボケだろ!

「よーう忠弘ー」「美人看護婦いるかー?」ニシオカとユウユウがやってきた。

「何でニシオカは開口一番外さんと同じこと言うんだよ……」僕は少しげんなりする。「ま、来てくれてありがとう」

 ニシオカが真剣な表情で問う。「動けないんだろ? ちゃんとチ○コ動くか?」

「ああ、心配ない。元気ビンビン、水揚げされた魚のようにピチピチだ」「何で外さんが答えるんだよ」

「え!? そこは『僕の股間のビッグマグナムは魚の硬さのそれとは比にならないだろ!』とツッコむところじゃね!?」「はい『断固』面会謝絶なのでニシオカさん帰ってください」

 ニシオカとユウユウの二人と一緒にいることが多いあの人の姿が見えない。「そういえば、西城さんは?」

 腕を組んで壁によりかかっていたユウユウが答える。「ああ、姫なら友達と一緒に来るってさ」

「お前も友達だろ?」「俺は恋人だ」「『自称』でしかないことをよく堂々と言えるな」

 誰かが病室に入ってくる音。

 ニシオカが気づく。「おっ、噂をすれば」

「忠弘くーん、やっほー」「美人看護婦いるかなぁ?」西城さんとエルしぃが手をつないで僕の前に姿を現した。両方天然娘だ。クラスは違えど、類は友を呼ぶらしい。

「美人看護婦についてはツッコまないとして、二人とも来てくれてありがとう」手を振られたので小さく振り返す。

 異性にお見舞いにきてもらえるなんて僕は幸せだな。……ちなみにニシオカとユウユウはこういう時には異性にカウントされません。

「今日はー、エルしぃと姫ちゃんで、お見舞い品を持ってきましたー!」エルしぃが満面の笑顔で言う。

 僕は驚いて、「えっ、そういうのいらないってメールしたのに」と遠慮の仕草をする。

「よいではないかよいではないかー。じゃじゃーん! はい、忠弘くん」西城さんがバッグから取り出した物を僕に渡す。

 円盤状のそれは金色に鈍く輝いていた。

「…………シンバル…………」

「音がないと寂しいかなーって思って借りてきましたー!」「きましたー!」「すいませーん誰かこの二人の極度天然ボケ症候群を治療してあげてくださーい」

 シンバルを擦り合わせる。エルしぃと西城さんが満足ならいいか……。





続く

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.69 )
日時: 2011/11/29 21:16
名前: 由羽 (ID: GlYhyGNP)

まず、これです。

音 沙 汰 な し で す み ま せ ん !

テストやら小説の連載やらHPの制作やらでまったくこれませんでした><
黒笑顔の回、楽しんでみました! にやにや笑いが止まらない^^

今度、最後まで一気読みしますねー

では!

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.70 )
日時: 2011/11/30 16:33
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

11月が終わるとか・・・ウソだろ・・・?(独り言)


>由羽さん

僕からも。
一 ヶ 月 以 上 登 場 を 待 た せ て し ま っ て す い ま せ ん !
お忙しい中、再び来てくださってありがとうございます。
黒笑顔は後で再登場させるつもりです。
ではもしよければ、また。

Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】 ( No.71 )
日時: 2011/11/30 18:49
名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/

第二十三話「それは一般的に災難や事故などによる怪我を負った人や病人のもとを訪れ慰める行為である・忠弘の周辺の人々の場合」2/2





「あ! ムスカせんぱーい!」エルしぃが病室の入り口に手を振る。

「おっす忠弘」「美人看護婦(ビューティフォーナイチンゲール)いるか……?」吹奏楽部のバスパートの連中がやってきた。

「ムスカ先輩、エタブリ、銀、来てくれてありがとう」これで来てくれたのは十一人だ。僕はなんて幸せ者なんだろう。これだけいると一人だけベッドなのがちょっと恥ずかしいな。

「アサヒは『なんかフリスビーを投げたらどこまでも飛んで行っちゃって今それを追いかけてカリフォルニア州まで来ちゃったのでお見舞い行きません』だそうだ」ムスカ先輩が青い携帯電話を開いて言う。

 僕は思わず笑いをこぼして呟く。「アサヒのヤロー絶対言い訳する気ないな」どうせまた屋上とかでロボット作ってるんだろう。

「……体、大丈夫なの……?」「容態憂慮(大丈夫?)」銀とエタブリがいつもの無表情で僕に問う。

 僕は全然大丈夫であることを仕草で表す。「ああ、大丈夫。明日の昼頃には退院できるってさ」

「え!? お前一週間は退院できないんじゃなかったのかよ!」外さんが素っ頓狂な声を上げる。

「ああ、それは外さんに貢ぎ物……見舞い品を持ってきてもらうための嘘情報だ」「ひでぇ! ちょっと本気で俺が持ってるラノベ『とある大豆の天然成分(イソフラボン)』を貸してやろうかと思ったのに!」「なんか知らんが美容に効果がありそうだな」

「何はともあれ、明日退院できるならそれはよいことだ」ケンタウロスが顎鬚を撫でて言う。

「あんまり心配する必要も無かったかもね」「全くだ。俺には一応生徒会の仕事もあったんだぞ」微笑んでワンダーが言った言葉にミスドが同意する。

「ま、俺は元々心配してなかったけどな」「ひゅー、ユウユウはクールだねぇ」背中を壁に委ねながら腕を組んで言ったユウユウをニシオカが茶化す。

「あさって、学校来れるんだね!」「ふむー、これもシンバルのお陰ですなー!」エルしぃが嬉しそうに手を合わせ、西城さんがシンバルを褒める。

「そりゃいいな。丁度明後日は部活の合奏の予定だ。あ、三日間チューバを吹いてないからって下手な演奏はやめたまえよ?」ムスカ先輩が軽く僕に忠告。

 僕は嬉しかった。僕のことを心配してくれる人たちがいる。僕のことを友と認め、話し相手になってくれる人たちがいる。そんな、当たり前のことの素晴らしさがそこにあった。

「さぁて、そろそろ帰ってトマト戦隊ナスレンジャー見るかー」「あ、外さん。……みんな」

 十一人が僕を見た。

 僕は微笑む。「ありがとう」

 外さんがにやついた。ケンタウロスが髭を撫でた。ワンダーが歯を見せた。ミスドが頭を掻いた。ニシオカが舌を出した。ユウユウが目を閉じた。西城さんが手を挙げ笑った。エルしぃがにっこりして小首を傾げた。ムスカ先輩が頷いた。エタブリが何か呟いた。銀が口角を僅かに上げた。

 みんなの「どういたしまして」が聞こえた気がして、僕は更に顔をほころばせる。

 そうだ、僕は今、みんなの中の十二人目として繋がりあっているんだ。その繋がりの糸を大切にして生きていこう。いつか、切れない糸になるまで。

「じゃあな」「じゃーねー」みんなが口々に僕に別れを告げ、病室は再び静かになった。

 そして僕は手元に目線を落とし、忘れ物に気が付いた。

「…………シンバル…………」





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後書
最終回じゃありませんよ?(・。・)


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