コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく【オリキャラ募集中】
- 日時: 2012/01/11 21:53
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
スレ設立日時 2011/09/02 21:50
小説大会銅賞ありがとうございます。
初めまして。こんにちは。ハネウマと申す者です。
ここではギャグ小説を投稿していきます。
とある漫画に影響されて、僕にもあんな面白いものが書けたらなぁ、でも画才は皆無だからなぁ、と悩んで出した結論が小説という形で妄想を具現化するというものでした。
複雑・ファジーの方では「ジアース 〜沈んだ大陸〜」という小説を執筆終了、現在「ジアース 〜沈んだ大陸外伝〜」という小説を投稿しています。気が向いたら見てやってください。
参照のURL、ブログの方は毎日更新中なのでこれも気が向いたらでいいので見てやってください。
では彼らの日常へ。
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- Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく ( No.2 )
- 日時: 2011/09/02 21:58
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
第一話「それの味は想像し難い」その2
椅子に座る。改めて“ブツ”を眺める。
レーズンと納豆が混在する謎の食物。てらてらと光る納豆、そしてその粘り気により糸を引いたレーズン。姉ちゃんはこの二つがマッチすると本気で思ったのだろうか。
いや、思っていない。さっき「苦痛を分かち合うってわけね」と言っていた。即ち、これは単なる思い付きから発展した僕虐め!
僕はなんとか反撃の糸口を探ろうと脳の回転を速める。が、姉ちゃんの言葉により回転は別のベクトルへと回り始める。
「やっぱ食べたくないの? あのねぇ。レーズン納豆を何だと思っているの?」姉ちゃんこそ僕のことを何だと思っているんだ。
「レーズン納豆はね、テレビでも紹介されてたのよ? 調理法はうろ覚えだけど、ちゃんとテレビの通りにやったはずだわ。だから安心して頂戴」姉ちゃん自分でゲテモノって言ってたのになんだその言動は。
ピンポーン。結局反撃の狼煙を上げられぬままインターホンが来訪者の存在を知らせる。「来たかな」僕は立ち上がり、外の友達と少し会話をして玄関の鍵を開ける。
「どーもー」「久しぶりぃ!」「あ、忠弘のお姉さん。お久しぶりです」「ぶりっす」
外さんとケンタウロス、この二人は姉ちゃんの言葉を聞いて絶句した。
「ま、まぁ、そういうわけだから……」「しね忠弘ォ!」外さんの腹パンが僕を襲う。すぐ手が出るあたりケンタウロスより不良っぽい。
「いいか忠弘、よく聞け! お前はこれを一人で食べなければならない! その訳を知りたいか!」外さんが腕組みして倒れた僕を見下ろす。
「これの最高の味付けは何だと思う?」「はぁ?」普通に市販の納豆に付属されたタレを混ぜたものにレーズンを入れ掻き回しただけに見える。
「何だっていうんだよ」「忠弘、それはな……」
——お姉さんの、愛情だよ。
「外さん……」「忠弘……」
僕は怒りの叫びを上げた。「おたんこなすのおたんちんがあああああッ!!!」起き上がりざまに外さんの腹に頭突きしてやった。「うわああああ死語おおおおおお!!!!」
「お前たち、やめるのだ。お姉様の御前であるぞ」ケンタウロス何でそんな姉ちゃんを崇めてるような事言ってんだ。
僕はため息をつき、改めて外さんとケンタウロスを見た。その時、僕の脳裏によぎるものがあった。
千載一遇の……チャンス!
「クックック……」「何よ、いつにも増して気持ち悪いわね」「姉ちゃん……あんたは今の自分の立場が分かっているのか……?」
僕が黒いオーラを放つのに反応して外さんもオーラを纏い始める。「姉ちゃん……三対一だ……僕たちが協力すればあんたなんかぶほぉっ!」
右ハイキックが僕の頭に炸裂、僕は再び床に伏した。涙目になった僕は姉ちゃんを見上げる。邪悪なオーラを纏った姉ちゃんは「調子のんなや忠弘……」と舌打ち混じりにのたまった。
「そ、外さん……」僕は外さんに助けを求める。
「いや、俺お姉さん襲おうとか思ってないし。そんな女性を虐待しようなんて微塵も思ってないし」ソットーこのヤロー!
「け、ケンタウロス……」「俺は元々お姉様側の人間だ。手料理なら喜んで食べよう」不良の癖に行儀がいいなテメー!
「嬉しい、食べてくれるのね? じゃあ三等分したから、是非どうぞ〜♪」「あの……やっぱり僕……」
「拒否したらあんたのパソコンのフォルダにあるえっちな画像全部母さんに見せるわよ!」「ちょっ……見つからないよう笑える画像フォルダの中に紛れ込ませてあったのに何で知ってるんだよ!」「知らなかったわよ。へーえ、ホントに持ってるんだぁ」
どうしたって敵わない。弱肉強食の世界の存在を見に沁みて痛感させられた。
僕ら三人は椅子に座りテーブルに置かれた“ブツ”を見て青くなった。ケンタウロスですら萎縮している。
今から僕たちは、運命を共にするかけがえのない仲間だ。
「ジュースの奢り……三本で頼む」「……分かった」
僕たち三人は、同時にレーズン納豆を掻っ込んだ。
絶叫が、マンションに響いた。
それは、僕たちの結束の証。
- Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく ( No.3 )
- 日時: 2011/09/02 22:13
- 名前: 由羽 (ID: Lay1j2X4)
……ぷっ、吹きました!あ、すみません、由羽です。
こち亀の英語バージョンが特に。やばい、思い出したらまた吹きそうに……。
ギャグのセンスがありますね!漫画に挫折したんですか?私は恥ずかしながらも描いてます……(/ω\)
それでは。短くて済みません。
- Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく ( No.4 )
- 日時: 2011/09/03 11:12
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
コメントありがとうございます!励みになります!
僕の貧しいギャグのセンスが一番発揮されているのは第三話でしょうか。
実はブログの方に既に第五話まで書いてあるんです。他はともかく、第三話だけは自信があるのでそれまで待っててくださると嬉しいです。でもあの話は好みが分かれるかもなぁ・・・
短くなんかありません。褒めてくださった、これだけでしばらくやる気が持続します。ありがとうございます。
コメントで「面白いんじゃん?」「読んだよ」「ここをこうするといい」というような事を書いてくださるだけで僕は喜びます。
これからもどうかよろしくお願いします。
- Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく ( No.5 )
- 日時: 2011/09/03 16:06
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
第二話「それは言葉遊びの定番と呼ばれている」その1
「なぁなぁなぁ! 俺すごいダジャレ思いついた!!」
一時限目の終わりのチャイムに反応した教師の授業終了の号令の直後、僕の前の席の、寝そべっていた外さんが振り向いてこっちにむかって叫んだ。アホ毛がなびく。相変わらず休み時間だけは元気な野郎だ。
「聞いて驚くなよ」「うん」
「布団がふっとんだ!」
……。
お前さぁ。
「忠弘、何だその目は」「知ってるか? そのダジャレはあまりに有名で知ってる人はいないほどの、それこそ一般常識として知っているもんなんだぞ」
「ヒャハハ、面白いこと言うなぁ」「お前の頭の方がオモシロイことになってるよ」
「何の話だ?」ケンタウロスが短く伸ばした顎鬚をさすりながらやってきた。僕と外さんの席は壁際なので、ケンタウロスは俺の背後で壁に背中を委ねる。僕は両方の顔が首を傾けるだけで見える体勢になるように椅子を引き足を横に投げ出して体を捻る。
「いやこいつがふざけてさ」「俺すげぇダジャレ思いついたんだよ!」「何だ?」
外さんは満面の笑みで。「布団がふっとんだ!」
…………。
「な? ふざけて——」僕は呆れた眼差しで外さんを一瞥した後、ケンタウロスが遊びのくだらなさによるジト目を外さんに向けていると信じて彼を見上げた。
「ふ……布団が……」あれ?
「も、もう一度言ってくれ」「布団がふっとんだ!」「ぬおおお! なんと革命的な響き!」ケンタウロスは額に手を当て仰け反り、驚愕を表すそのポージングを保っていた。そのまま仰向けに倒れこんでしまえ。
「ちょ、ケンタウロス」「な? いいだろ? 革命的だろ?」「うむ。実に感慨深い。俺は今、後世に残るであろう偉大なダジャレが誕生した歴史的瞬間に立ち会ったのだな……」
はいはい、そういうネタね。わかりましたよ。僕もノってやりますよ。
「しかしよくこんなダジャレ思いつくよなぁ、お前天才じゃねーの? ん? 将来は高名な学者か?」
外さんの顔が一瞬で片目を細め片目を見開く、馬鹿にしてんのかコラ、という表情に変わった。
「何言ってんだ俺が天才だというのは認めるがこんなダジャレ誰でも知ってるだろ」
「それなのにこのダジャレを知らないふうに振舞うのはあれか常識がないのだな」
こ……こいつら……!
「ま、忠弘は馬鹿だから仕方ないか」二人は冷淡に言い放つ。
この野郎共! 僕をはめやがった! アレか? レーズン納豆の時の恨みなのか!?
「おい、人が折角ノってやったのになんだその態度は!」その僕の言葉を合図に冷めた表情の二人は噴き出してゲラゲラ笑い始めた。お前らレーズン納豆食わしたろか。
「お前らぁ!」「まぁ落ち着けよ、お前のノリのよさを試しただけなんだ」「じゃあ最後の蔑みはなんだよ! 今度姉ちゃんの新作試食会にお招きしてやろうか!」
「だが」ケンタウロスが腕を組み目を閉じる。「『布団がふっとんだ』……。なかなかどうして侮れんダジャレよ。最早ダジャレの代表格と言っても過言ではない」
「じゃあ俺たちで新世代のダジャレを生み出そうぜ!」また外さんが妙なことを。
- Re: 茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく ( No.6 )
- 日時: 2011/09/03 18:51
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
第二話「それは言葉遊びの定番と呼ばれている」その2
「まずケンタウロスから!」「うむ。『石がストーンと落ちてきた』」
くだらねー!
外さんがケンタウロスを指差す。「イイねぇ! 英語を交えたあたりがイイ! 次、忠弘!」
「僕か? うーん……。『馬が旨い』」我ながらくだらねー!
「つまんねぇな……」「うむ……」なんか皆テンション下がったー!
「ホラ、次、ケンタウロス」外さんに再び布団がふっとんだと叫ばれたら殴ってしまいかねないので再びケンタウロスに振る。
「『雪が降ってまスノウ』」ケンタウロスはキリッと言い放った。
何でこいつはいつも英語を交えたがるんだろう。
「イイなぁ! 流石『英語の試験だけは高得点とるんだけど授業態度はあんまりよくないよね』の異名をもつケンだ!」「おいそれは異名というのか」
「次! あんまり期待してないけど忠弘!」
あーもう適当でいいや。「『イカれたイカ』」
「すげぇつまんねぇな……」「うんむ……」あれ? また酷評!? てかお前らその反応わざとじゃないのか!?
「次、思いついた」ケンタウロスが小さく挙手する。「『砂をここに、はサンドこう』」
普通に日常会話の中で言われても気づかなさそうだな。
「イイんじゃねぇ!? 流石は以下略! 次、お前のセンスに一抹の希望も持ててないが忠弘」サラッと酷いこと言いやがって。
じゃあこれなら。「『小回りするコマ』」
「お前……それユーモア欠乏症だから病院行って治してもらってこいよ……」「ううむ……」そんな病名聞いた事ねぇよ!
「じゃあ外さん! お前の頭ん中には何か面白いダジャレあんのかよ!」「うむ。聞きたいな」
外さんはニヤリと頬を緩ませ、「聞きたいか?」ともったいぶる。
「聞きたい」「教えろ」
「それはな……」
気づけば教室内には生徒たちは次の体育に行ったためか僕たちしかいなかった。静寂が教室を支配しそこは数秒間沈黙に満たされた空間となったことを僕らは知る。数秒間でしかないはずのその時間はやがて体内時計の針を鈍らせる事に成功する。その特別な時間に、僕とケンタウロスは息をのんだ。
「……布団がふっとんだ!」
殴打された音が教室内でわずかにその存在を示した。
それは、ある種の友情の証。
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