コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 仲矢金物堂日誌(仮)著:俺
- 日時: 2012/08/01 16:58
- 名前: すずか (ID: 39RfU1Y2)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=327
昔のやつの続きを書こうと探したら見つからなかったから、どうせだし新しく書こうとした次第。ちなみに特に終わりはないです。思いのまま行き当たりばったりでストーリーが進行します。
相も変わらずコメディ一途で行く気満々です。
コメントとか貰ったらちょっとテンション上がって一時的に頑張ったりするかもしれません。
※大好きな某ゲームキャラクターと、大好きな某漫画キャラクターをモチーフにした人物が登場します。多分どちらも、元ねたを知ってる人は多分分かります。気付いた人は生温かい目で哀れんでください。
※参照はシリアス・ダークにて書いてる小説です。厨二病と妄想の権化です。
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- 41 ( No.60 )
- 日時: 2012/02/25 19:57
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
「ほな俺は帰りますわあ。せやからどけ」
立ち上がると同時に相原さんを蹴り出して光が店から出て行った。最後まで相原さんの扱いが酷かったな。
「あ〜ん、光ぅー……もう、あのツンツン具合が病み付きになっちゃう」
赤くなった頬に両手をあてて、とろけるような笑顔で呟く相原さん。実はドMなんじゃねーかこの人。あんだけ邪険にされてそれでもこのラブ具合ってのがぱねえ。不屈の精神すぎる。
「……いつからあんな感じだったんだ、相原さんと光は」
「ひーくんがこっちに戻ってきてからかな」
「その頃もうあたしは芸能界入りしてたから、大阪に行かなかったのよね。それでしばらくして光が帰ってくるじゃない、そしたらあの見た目にあの口調よ!?今までもツンツンだったけど、それが大阪弁バージョンなのよ!?メロメロになっちゃうのもしょうがないわよ!!ほんっと天使よね!!!」
「はあ」
わかんねえ。同意できるの見た目だけだわ。
「店長をモデルに引き込むんだったら、光もモデルに引き込んだりしないんですか?」
「するわけないでしょ!?光を公衆の面前に連れ出したりしちゃったら、日本中が骨抜きになっちゃうじゃない!!」
「……」
今のはちょっとどん引きした。溺愛越えて狂愛だなこれ。
「ははは、風香さんは変わらないですねー」
「何お前爽やかに受け止めてんの!?」
「ほんと仲良しだなー、良いなー」
「あれを見て仲良しって言える仲矢さん凄いっすね!?」
慣れって怖いな。この2人、あの凄惨な光景を微笑ましいものとして捉えているぞ。
ちょっと羨ましげにそう言う仲矢をボーッと見つめていた店長が、不意に仲矢の頭を撫で始めた。え、何それ俺もしたい。
「……」
「えへへー」
「っおい雄人!!しまえ!!その携帯を即座にしまえ盗撮だぞ!?」
「離せ村山っ!!この仲矢を撮らずしてこの携帯が作られた意味は成さんっ!!!」
「携帯の意味は基本通話とメールだからな!?」
- 42 ( No.61 )
- 日時: 2012/02/26 20:02
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
その日はそのまま解散となり、翌日の学校。結局仲矢は撮れなかった。なかなかにショックだった。
「よー、おはよう」
「……貴様のせいで仲矢の極上笑顔がっ!!!」
「お前いつまで根に持ってるんだよ!?」
後1週間ぐらいは恨むかもしれんな。それぐらいあの仲矢は可愛かったんだよいやマジで。天使。
「あっ、高砂君!!」
「ん?」
同じクラスの、えー名前何だったか、山田さん(仮)が声をかけてきた。何だ突然。こっちは名前覚えてないぐらいには交流がないぞ。
「高砂君って美鈴保の家でバイトしてるんだよね?」
「あー、うん」
ああ、店長の話か。もう知れ渡ってんのか。女子の連絡網ってのはほんとはえーな。
「バイトまだ募集してたりしない?」
「いや、もうしてないなー」
「そっかー、残念。美鈴保のお兄ちゃんとキャッキャウフフしてみたかったのに」
結構欲望に忠実だな、山田さん(仮)。
「あ、店長と日頃仕事してる立場から言うけど」
「何?美鈴保のお兄ちゃんのイケメン度合?」
「違う違う。店長を見るなら、雑誌見たイメージは完全に捨て去ってから見た方が良いぞ」
「へっ?」
「顔はそのままだけど、いやむしろそのままだから、顔以外のイメージとの落差にショックを受けるだろうから」
これだけは本当に言っておきたい、店長を見に行く女子高生全員に。あの雑誌が真の姿だと思っちゃいけない。むしろアレまやかし。幻。
「……どんな人なの?」
「えーっとなあ……村山」
「投げんな。うーんとなー」
村山も巻き込んでうんうん唸りながら出た結論は、
「仲矢のアホの子能力を1としたら、5ぐらい?」
「しかも能力に『無表情』『人に迷惑をかける』が追加されてる?」
「すごい分かりにくい!!」
俺でも分かんねえ。
- 43 ( No.62 )
- 日時: 2012/03/05 21:31
- 名前: すずか (ID: sursjWUQ)
「あ、ちなみにさ伊藤さん」
伊藤さんだったわ。山田さん(仮)は虚像だったわ。
「なにー?」
村山がゴソゴソと鞄を漁る。発掘されたものは件の商店街イベントのビラだった。
「仲矢の兄ちゃんと俺バンド組んでるんだけどさ、次の次の日曜日に商店街のイベントでライブやるから、暇だったら来て」
「マジでー!行く行く!生見たい!!」
「ちなみにバンドメンバーは俺以外イケメンだ」
「ほんとー!?めっちゃ期待しちゃうよ!しかしまー、相変わらず村山君は謙虚だねぇ」
「いやいや、謙虚とかじゃなく事実だって」
わあ爽やかスマイル。やはり爽やかさというのは顔じゃなく人柄から滲み出てくるんだろうな。村山はほんと好青年だな、もし娘がいたら村山みたいな奴を旦那にしてーわ。
「何か言いたいことでもありげな顔だな?」
「ナンデモゴザイマセンヨタクミサン」
ほれ見ろ、イケメンの卓巳からあふれ出るこの陰湿オーラ。黒々としてるぞ、ナマコの如く。
「ナマコをチョイスした理由を100文字以内で説明せよ。内容によってはチョキで殴る」
「何でバレてんの!?」
何だあのオーラ、人の心を読める能力でも付加してんのか。どこの魔王だあいつ。むしろ前世魔王じゃね。あとチョキで殴るのは止めてほしい。
「加賀もライブ来ねー?人は多けりゃ多いほど嬉しいんだが」
「暇だったら行く」
「おう、期待してるぞー。ほい、チラシ」
「ん」
「あ、俺も欲しい」
「あいよ。俺ちょっとチラシ配ってくるわ」
村山が席を立つ。貰ったチラシに目を落とすと、『このイケメンがバンドします!!!』という特大の吹き出しと共に、店長がでかでかと載ってた。これ作った奴、もうちょっと文章練れよ。
「店長プッシュしすぎじゃね?」
「まー、餌は新さんぐらいしかいないんじゃねーの」
光もいるけど、そういえば卓巳は存在を知らないんだっけか。卓巳と光を会わせたら、とことん気が合うか合わないか両極端になりそうだ、似た者同士っぽいし。
「……あー、どっかで感じた雰囲気だと思ったら、卓巳だったか」
イケメンで毒を吐く。卓巳の方がツンデレがない分きついけど。
「誰の話だ?」
「昨日会った商店街のとこの中学生、村山と仲矢の弟分みたいな?」
「ああ、光か」
「だから何でバレんの!?」
完全に面識ないよな卓巳と光!?まさか俺の預かり知らぬところで友好深めてんの!?
「ネットの友人。世界ってせめーよな」
深めてたわ。
- 43.5 ( No.63 )
- 日時: 2012/03/15 22:56
- 名前: すずか (ID: NHSXMCvT)
時間は流れて、イベント当日。とりあえず、バンド3人組(店長・村山・光)+部外者3人組(俺・仲矢・卓巳)は金物堂で少し早めに集合、ということになっていた。現在時刻10時45分。集合時刻は11時。割と光は律義なのか、俺がやってきた時には既にいた。そういうわけで、村山と卓巳を暇つぶしをしながら待つ。
「はい次の問題ー」
レジカウンターで黒マジックでキュコキュコとスケッチブックに文字を書く光。残り3人は光と向かい合う形で並んで丸椅子に座っている。
「どん」
勢いのない掛け声で、光がスケッチブックを立てる。書かれた文字は、「関西弁で『する』の謙譲語」。
「はいっ!」
「はいみーさん」
「されるやねん!」
「ハズレすわ。ちゅーか無理矢理すぎすわ」
詰まるところ暇なので関西弁クイズをしていた。発案者仲矢。光って仲矢の言う事結構良く聞くよな。
「……」
「はい新さん」
「されるねん」
「ハズレすわ」
「はいっ」
「はい雄人さん」
「おされになるねん」
「ハズレすわ。というか3人とも、とりあえず語尾に『やねん』付けておけば何とかなるやろ思考止めて欲しいんすけど」
なぬ、看破されていたか。光が紙を一枚捲る。
「正解は『しはる』ですー。『校長が痴漢をしはる』とかいう風に使います」
校長何やってんだよ。
※ちょっと文章量が足りないし、あっても無くてもいい話だから.5ということで。
- 44 ( No.64 )
- 日時: 2012/03/29 21:26
- 名前: すずか (ID: NWU2GU14)
「ちーっす」
「おっす」
卓巳が来たことで、6人全員が集まった。村山がよっ、と声を挙げて立ち上がる。
「じゃあ揃ったし、早速行きますかー」
「ああ。あまり時間も余裕がないしな」
「何時集合なんですか?」
「10時5分」
「何で集合10時にしたんですか走らないと間に合いませんよ!?というか集合時間知ってる誰かが異議を唱えろよ!!」
「いやー、まあ遅れたところで怒られるわけでもないし。じゃあのんびりでもいいかと思ってさ」
村山がギターケースを担ぎ、店長もベースケースを担ぐ。うわぁ相変わらず何しても引く程様になるのなこの人は。世界トップクラスのベーシストです、とか紹介されても何か納得してしまいそうな謎のオーラ。
ぞろぞろと連れだって外へ出る。既にイベントそのものは始まっているので、いつもより人通りはかなり多かった。
「結構人来んのな」
「割と伝統行事だからな。商店街総出のイベントだから、気合い入ってんの」
いつもとのギャップに少し驚きながら歩いていると、村山の袖をちょいちょいとつまむ手が現れた。
「ん?どうした光」
「……助けてみっちゃん、何やめっちゃ見られてて居心地が悪いねんけど。俺何もしてへんのに」
いや、普通見ると思うわ。だって今このメンバー、三分の二は美男美女だぜ。ぱっと見の見栄えが良すぎるもん、視線が集まるのは当然だろ。
「お前は相変わらず人の視線が苦手だな」
「……敵わんわ」
こくりと頷く光を見た周りの女子大生ぐらいの集団が、可愛いー、と軽く黄色い声をあげる。いや、確かに今はちょっとしゅんとしてるから、小動物系の可愛らしさを見出してるかもしれないけど、コイツ卓巳とタメを張れるドSだぞ、俺に対しては。他は知らんが。
「その性格でバンドとかして大丈夫なのか、お前」
「……ステージの上は別っすわ。見られるべくして見られるのは覚悟決めてるから平気なんすけど、仰山の人に勝手にジロジロ見られるのは嫌いです。せやから雄人さんこっち見んといてください」
「どうしてお前はそうしれっと俺を貶めるかな」
何で俺こんな扱い悪いの?
「……ほんま嫌やねんけど。何で俺こんな見られんのやろ」
無表情の中にげんなりとしたものを含ませながら、独り言を漏らす。自分の顔のレベルを理解してその言葉を発してるのだろうか。
「まさか……お前も無自覚か」
「何が無自覚なんすか?」
「光、イケメンってどんな奴だ?」
ぴっ、と店長を指差す。分かってるじゃないか。
「お前も同類だ」
「……あり得へん」
頭抱え出したぞ。どいつもこいつも自分のステータスぐらい把握しておけよ。
「……雄人」
「何すか店長」
「視線が……」
「ああもうめんどくさい!!!ダッシュ!!とりあえずダッシュ!!」
「よっしゃーダッシュ!」
「仲矢さんかわいー!」
これはこれで視線を集めてしまったけど、全員駆け足でそんなことに気付いていなかったからこれでよし。可愛い仲矢も見れたし。
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