コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 仲矢金物堂日誌(仮)著:俺
- 日時: 2012/08/01 16:58
- 名前: すずか (ID: 39RfU1Y2)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=327
昔のやつの続きを書こうと探したら見つからなかったから、どうせだし新しく書こうとした次第。ちなみに特に終わりはないです。思いのまま行き当たりばったりでストーリーが進行します。
相も変わらずコメディ一途で行く気満々です。
コメントとか貰ったらちょっとテンション上がって一時的に頑張ったりするかもしれません。
※大好きな某ゲームキャラクターと、大好きな某漫画キャラクターをモチーフにした人物が登場します。多分どちらも、元ねたを知ってる人は多分分かります。気付いた人は生温かい目で哀れんでください。
※参照はシリアス・ダークにて書いてる小説です。厨二病と妄想の権化です。
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- 36 ( No.55 )
- 日時: 2012/02/02 05:11
- 名前: すずか (ID: qR5RLktN)
「……何ニヤニヤして見てはるんですか」
「いやー。なあ、村山?」
「何にもないさ。ああ、光もいつの間にか成長したなあ」
「雄人さんもみっちゃんも途轍もなくウザいっすわ」
トップクラスにウザかったらしい。途轍もなくって滅多に頭に付けねえぞ普通。
突然、仲矢がポンと手を叩いてクルリと回転しながらこちらを向いた。何と可憐で華麗なスピン、流石仲矢。ふわりと広がる黒髪も素晴らしい。ちょっと右に体を傾けて手を後ろに組んで停止したのもまたよろしい。
「ところで、みっちゃんは何しに来たのかねっ?」
「あー、そうそう」
「おい村山てめえ!?」
「あ!?何だ突然!?」
「お前みっちゃんとか呼ばれてんのかよ!!何だよそれ!!」
「お前どこまで嫉妬力高いんだよ!?」
思わず胸倉を掴んでしまったぜ!てへぺろとか言ったら許されるかな!!
「てへぺろ」
「死ね」
「すいませんでした」
まあそうだろうな。相手が村山で良かったぜ。これが卓巳だったら蹴りか拳あるいは両方を食らっていた。本気モードで。
「んー?なんだなんだ、雄人くんもゆうちゃんって呼ぼうかっ」
「くぉ」
「何ですかその蛙潰してもうたみたいなアホくさい奇声」
光が凄い冷たい目で思いっ切り見下してきたけど、今それどころじゃねーわ。仲矢にゆうちゃんって呼ばれる破壊力やばいわ。これ続けてたら身が保たん。
「……1週間に1回程度でお願いします」
「何だよその微妙な頻度」
「しょーがねえだろ死ぬだろ」
「死因は?」
「萌死」
「むしろ雄人さんの脳内が燃死してるんちゃいますか」
「さっきからお前容赦ないよな」
「関西人っすからしゃーないっすわ」
「しれっと嘘を吐くな」
お前さっき関西住まいは3年間だけって言ってたよな。
「話全然進まねーな。光、ちょっと新さん呼んできてくれね?」
「了解っすわ」
携帯をパタンと閉じて、奥へと消えていく。村山が苦笑しながら俺を見る。
「まー、ちょっと捻くれてるが仲良くしてやってくれ。悪い奴じゃないから」
「俺、新さん級のイケメンがこの狭い範囲内に2人もいるとか思ってなかったわ」
「普通そうだよなー。俺は小さい頃からずっと付き合いがあったからそういうの思ってなかったけどよ、中学の頃ぐらいに『あ、仲矢家と相原家って実は反則級の顔立ちしてんのか』って気付いたわ」
それまでの村山の顔立ちハードルは常人とは比べ物にならない高さだったんだろうな。本人は割と平々凡々だが。
- 37 ( No.56 )
- 日時: 2012/02/25 19:41
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
「それで結局、何の用だ?」
3パートも引き延ばしてしまった。茶々を入れる奴が多すぎる、俺を含め。
「あ、お前には言ってなかったっけ?俺今バンドやってんだけどさ」
「それは聞いたな」
「そうか。そのバンドのメンバーなんだよ、光と新さん」
「ほー」
そういや店長はベースが弾けたな。「特技は何ですか」「全部です」の店長だからベースも人並み以上には上手いんだろう。
「光も楽器ができるのか」
「あいつはシンセと作曲だな。結構良い曲作るんだなこれが」
「何でこの界隈のイケメンはさも当然のようにモテスキルを揃えてるんだ?」
「イケメンだからじゃねーのか」
「成程」
すげー納得したわ。モテスキルも含めてイケメンなわけだな。
「それで用っていうのは」
「みっちゃんみっちゃん、ジャジャーン!見て見てお兄ちゃんイケメンバージョン!」
あなたのお兄さんはいつもイケメンですがね仲矢さんと思ったけれども、仲矢の得意げな顔がこれまた反則級の愛らしさなのでそんなこと言えない。村山はしげしげと雑誌上の店長を眺める。話を遮ったことを怒らないあたり、仲矢には割と甘い。というか未だかつて仲矢に甘くない奴を見た事が無い。
「おおー。イケメン度5割増しだな」
「でしょーっ?ふふー」
今の仲矢さんは愛くるしさ度5割増しですがね。生涯見てきた中で一番可愛いどや顔が今目の前にあります。
「あたしがコーディネートしたんだから当然でしょ?」
「うわ相原さんいつからそこに!?」
「さっきよ!」
さっきっていつだよ!つい一瞬前までその入口スペースは無人だったよ!すげーびびったわ今!!
「うわー風香さん。超久しぶりっすね」
「きゃー満君じゃなーい。しばらく見ないうちに大きくなっちゃって」
「半年ぶりぐらいですかね?背も伸びますよそりゃ、育ち盛りっすもん」
光と面識があるならば、当然相原さんとも面識はあるわな。今の会話からして頻繁に会ってはいないようだけど。
「今日は仕事ないんですか?」
「今日の仕事は夜中のラジオだけだから、しばらく暇なのよねー。というわけで、新にちょっかいをかけに来ました!てへ!」
「てへっ、って」
「何よ年増のオバチャンは似合わないってー?失礼ねまだピチピチの23歳よ、失礼しちゃうわっ」
語尾に星が付きそうなぐらいキャピッとした発言だけど、それすら様になってしまう相原さん。恐ろしすぎる。
というか、今この店人口密度凄いぞ。綺麗どころ率も。
- 38 ( No.57 )
- 日時: 2012/02/25 19:43
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
とりあえず玄関口に密集しすぎだろう、という話になったので店内に入って適度にばらける。それでも割と狭い。4人も同時に人がいるとこ見たことないしなここ。
そういえば以前、これで本当に経営は大丈夫なのか、と店長に聞いたことがある。そしたら驚いたことに、ネット通販の方の収入がすこぶる良いと言われた。機械に強いとは前に聞いたけど、金物屋とネット通販の結びつきは予想外だった。つーか、俺はそのネット通販の方の仕事は手伝わなくていいのか?何のためのバイトだ俺?
そんな物思いにふけっているうちに光が店長を引き連れて帰ってきた。うわ輝いてる。あの床の1タイルだけイケメン密度おかしい。
「みっちゃん、連れてきたでっ……!?」
さっきと変わらずダルそうな無表情で戻ってきたと思いきや、みるみるうちにその無表情が焦り顔へと変貌した。その視線の先には相原さん。そんなに驚くことだったか?
そして、劇的に表情が変化した人がもう1人。たちまち輝く笑顔になったその人は、
「きゃああぁああああああぁーっ!!!!光うぅぅぅぅぅぅぅぅぅーっっっ!!!!!」
光へと一目散に飛び付いた。
「ちょっ、何でおるんや姉ちゃん!?抱きつくなボケェッ!!!」
「もう相変わらず可愛いいいぃぃぃぃぃ〜ッ!!!流石あたしの天使ッ!!!!」
「キモイわッ!!!はよ離れろ!!!」
「あぁんツレナイのねやっぱり!!!でもそれでこそ光なのよねえええぇぇーッ!!!どうしてこんなに可愛いのかしらッ!?」
「知るかアホォッ!!!ええからさっさとその手を離さんかいッ!!!!」
うわあ。
「……何でだろうな、あんな美人に抱きつかれてるのにちっとも羨ましいと思えないんだが」
「まあアレはな。愛情を注ぐっていってもあれだともう変態の域だろ」
凄い蚊帳の外から会話をしてる気分になってくる。何あの空間。すっげーピンク。相原さんだけだけど。光はどう見ても本気で嫌がってる。
「光光っ、久しぶりに会ったんだからお帰りのチューはッ!?」
「誰がするかッ!!!!」
「見ての通り、風香さんは光を溺愛してんだよな。光は辟易してるみたいだが」
「あれだけ惜しみない愛情を食らったら逃げたくなるわな」
「どーもアレを昔から見てるとテレビに出てる風香さんがまるで影武者か何かに見えるんだよなあ……」
確かにファンが見たら卒倒しそうな光景だわ。ついでに光の命が危ない、闇討ち的な意味で。
「相変わらず仲が良いですなー。でも私とお兄ちゃんも仲良いよねっ?」
「……きゃあー。美鈴保おー」
「店長無理はしない方がいいですよ」
何だその棒読み。
というか、結局村山の用事は何だったのか聞いてねえな。
- 39 ( No.58 )
- 日時: 2012/02/25 19:44
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
「……凄い今更なんやけど、みっちゃんは何で来たんや?」
「やっと言えそうだな……」
相原さんに抱きつかれたままなのはもう諦めたのか、さっきよりも更にダルそうに言葉を発する光に対して、村山がしみじみとそう言った。そうだよな、これだけカオスにされたら発言なんてできなかったよな。同情する。
「あ、新さんにも伝えておかなきゃならないんですけどね、次の次の日曜日に」
「もう光−、無視するなんてひどいじゃないのっ!放置プレイ!?これ放置プレイなのね!!光からの愛の鞭なのねッ!!!」
「お前いい加減黙っとれやッ!!!」
光が思いっ切り相原さんを蹴り飛ばす。あれは痛い。痛いぞ。
「痛ッ!!!でも光だから許すわ!!!」
「だから何で抱きつくねん!?」
相原さんの不死身さはちょっと尊敬に値するな。何かああいうビニール人形あったよな、倒しても倒しても起き上がるやつ。今の相原さんまさにそれだわ。
「結局俺はまた言えない感じかこれ?」
「あ、みっちゃんすまん。コレが話遮ってもうて」
あの大人気女優、相原風香をコレ扱いする光の勇気に乾杯。姉の扱いってそれぐらいなんだろうか。
「俺にも話があるって言ったな?バンドか?」
「相変わらず新さんは察しがよろしくて。次の次の日曜日に商店街でちょっとしたイベントみたいなのをやるらしいんですけど、それにバンドで出てくれないかって親父から話が」
「別に構わないが」
「その日は特に何も用はないで」
「やだ光ったらー、その日はあたしとデートでしょー?」
「知らん」
バッサリ行くなあ。いやあそこまでベタベタされてたらそうなるかもしれんけど。
「そう言うと思ってたんでもうオッケー言っておいたんですけど」
「事後承諾!?」
「いや、普通だからこれ。この2人常に暇だし」
「日曜はほとんど人が来ないからな」
「どーせいっつもパソコンしてるだけやから全然問題ないっすわ」
このイケメンコンビ、時間の無駄遣いが酷いな。
- 40 ( No.59 )
- 日時: 2012/02/25 19:45
- 名前: すずか (ID: z/pBun1e)
「ん、俺の用はそれだけだ」
あれだけ待たされたり遮られたりしていたのに、文句の1つも言わずに笑顔で要件を言い終わる村山。ほんとコイツ人が良いよな。俺的には卓巳より村山がモテるべきだと思う。全国の女子高生よ、村山となら幸せになれるぞ間違いなく。
「了解っすわ。あ、そういえば新さん」
「何だ?」
持っていた学生カバンをごそごそと漁り、例の雑誌を取り出した。皆買ってるのなそれ。
「これ見ましたわ。学校でもネットでも凄い評判になってますよ」
「それは嬉しいな」
「あと推測も飛び交ってますわ。このえげつないイケメンは何者やって。情報が何もないからアホみたいな予測だらけで笑えますけど」
「ほう」
まあなるだろうなー。匿名ってところも逆に話題を広げてしまったのかもしれない。
「特におもかったんはあれですね、コラージュ説」
「ぶっ」
「おもろいでしょ雄人さん」
「こんなイケメンは存在しない説ってことだよな、面白いなそれ」
「おめでとうございます、新さんは遂に人外認定っすわ」
「ありがとう」
「礼言うとこちゃいますよ」
「褒めてなかったのか」
「褒めてはいましたけどそこは突っ込むべきとこですわあ」
店長関西人じゃねーからなあ。突然ボケをかまされても対応できない。むしろ普通の会話でも時々対応できてない。
「ねー新ー」
今度は、未だに光から離れようとしない相原さんが店長に話を振る。
「ん?」
「またモデルする気ないー?さっき光が言ってたように、評判凄いのよ。電話が殺到したらしいわよ、モデル事務所とか他社の出版社から」
「……しばらくはやりたくないな。疲れる」
「ずっと能面棒立ちだっただけじゃないアンタ」
「視線が……」
「それとっても残念な発言ってわかってる?」
これ店長が言うからやれやれ程度で済むのであって、リアル引きこもりとかが言ったら真剣に対人恐怖症可能性を考える発言だよな。
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