コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】
日時: 2013/02/17 23:10
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: TZln3PE9)
参照: 放置タイム終了です

空土「作者www少年自衛官落ちてんじゃねェかw勉強しろよww」
作者「俺が勉強したらお前の時間止まったまんまなんだぞ!それでいいのか?」
拳正「手前の脳は中二の夏から時間止まったまんまだけどな。いいかげん勉強しろ」

自虐から入る嫌な厨二小説です。逃げろ毒されるぞ

こんにちは!初めましての人も、また会いましたねな人もとりあえずはクリック感謝です。

カゲプロ風に言うと『目に入れなくてもイタい』話です。不自然の味方Pとも言って下さいw

今回はリメイクとして、かなりパワーアップして全力で取り組んでいきたいと思います。

ご注意
・僕は重度の廚2患者です。のであちらこちらにバカみたいな描写が入ります。
・僕は掛け持ちをしています。しかも学生なので更新頻度はまばらです。
・藤田嫌いって方はさようなら。荒らしもゴメンです。チェンメなども苦手です。帰って下さい。
・こんな僕の駄文をパクる人なんていないと思いますが、いちお言っておきます。


コメントが来たら一人感激の演舞を踊ります。是非コメを恵んで下さい。
応援と拍手と暖かいまなざしをヨロシクお願いします。
***********************************

目次↓です。本編を読むときはこちらからどうぞ!
 >>30

登場人物 (剣道部一年生&二年生)>>56

今は無いですが、この小説の番外も書いていきたいと思います。

もらい物などその他の情報類。
motooさまから「岡村友美」ちゃん書いて貰いました!美少女!!>>10



前作含めのお客さま。

takashowくん (リア友、大親友。時折本名をばらすA級犯罪者がァ!)
みらーさうんど。ちゃん (リア友。パない小説を書く住民でもあります。コラボしたいなー。)
みうちゃん (またもやリア友。部活の後輩で次期部長。がんば!)
リンさん (名前を見て鏡音さん家の娘さんを想像するのは僕だけじゃ無いはず!)
煉ちゃん (多数の二次小説を持つリア友。イナヅマヲタでございます)
チャラ子さん (リア友。あえて説明しない。)
烏兎さん (かっこE名前ですNE。HAHHAHA〜N) ※テンションが迷子
イカさん (イカした小説をかく住民。・・・あっ!わざとじゃありませn((殴  )
箕羅為さん (ミライ、と読むそうです。明日にきらめけ 何とかかんとか ゴー!ニコg)強制終了。
愛河 姫奈さん (コメディで小説を絶賛カキコ中です。もう戦友みたいなものかな♪)
コルくまさん (前作からこの駄文を読んで下さっていた方です。灯ちゃんが推しだそうです。)
バンビくん (リア友です。まだ小説初心者ですがセンスがあります。開花を待ちましょう)

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Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.54 )
日時: 2012/08/27 10:24
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: 7gBpjPib)

「ちょ、ちょ、ちょっと亦紅さん!??どういうことですか!」
「ああ?俺をぶっ飛ばせってことだ。今から俺と喧嘩すんだ。勝ちゃあいいんだ。」
「そういうことじゃなくて!勝手にそんなルール変えちゃダメですって!」
僕は勇気を振り絞って言ってみたが見事に一笑に付された。

「あ゛あ?冗談はよせ。さっき花火おもっくそルール変えてたじゃねーか?」
「うぐっ・・・!」
整体師並の精度で痛いところを正確に突かれた。っていうかどこで仕入れてきたんだそんな情報。

「・・・遊楽さん!どうなんですかこんなときは!」どうにかなるだろうと多少の希望を込め聞いてみた。
「もっ・・・亦紅の言うとおりにするっ!!」
「えええ!!」僕は思わず彼に詰め寄っていた。
「負けましたか!もしかして亦紅さんの威力に負けたか?ええ?おんどりゃあ!!」
「ちょ、博人くん。人間が違ってるよ?」
友美に指摘され、気付いた。
「あっ、すいません、おんどりゃあ。」
「おっ、おんどりゃあ!??」

露骨に狼狽える友美を尻目に花火に向き合った。
「どうします?花火くん。勝目・・・あります?」

「大丈夫。行けるよ。」
花火は小さく親指を立てた。
「根拠は?」
「だって亦紅先パイは言ったじゃん。『モコウ先パイを吹っ飛ばせ!』って。」
「はあ・・・。」
「吹っ飛ばせばいいんだよ要するに。そしてらルール違反に入らないし何か言われてもそうやって回避できる。」
流石は花火だ。論理打っている。そう関心したあと、後ろを振り返った。

「あやめさんたちは・・・・・しそうにないですね。」
「あたり前じゃないですか。私たち女子は頭脳派なんですから。」
詩子と雪乃はともかく、灯と友美が頭脳派かは甚だ疑問なのだが、突っ込む必要は無いだろう。

「ひゃはー!どうすんだてめーら?とっととしねーとこっちから行くぜ?」
指の関節を鳴らしはじめる亦紅。「くっそー・・・。なめられてるね。」と花火は悔しそうな顔をしている。

「んじゃ、もう行くよ博人くん!覚悟決めたかい?」
「いや、勢いで勝てる敵ではないと思うんですが。」
「二対一ならどうにかなるかもさ!」
「その二対一でボコボコにされた記憶があるんですけど。」
「ひゃはー!ようやく闘る気になったか?」
「なってません!」
「越えなきゃいけない壁があるんスよ。」
「避けて通って下さい。遠回りしましょう!」

「うだうだ言ってないで!行くよ!!」
耐え兼ねた花火が亦紅に向かってばっと飛び出した。あ〜もう僕知らない。好きにするがいいさ。と心の中で悪態をついたその時。頭上に影が射した。

Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.55 )
日時: 2012/09/28 22:53
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: 7gBpjPib)

「モコォォォ!!!!待てやコラァ!」
どっかで聞いたことがある怒号が辺りに響き渡った。花火は足を止め、亦紅は笑い、女子たちは空を仰ぎ、遊楽は石を手で弄び、黄色はトンボを追いかけた。あなた一人だけ何か違うんです。

声の発し主はそばの木の枝に立ち、木刀を肩にあてがっている。
「後輩と決闘なんて趣味の悪ィことしてんじゃねェか?なァモコよ?」
「チッ、空土かよ・・・。面倒くせえ。」
吐き捨てるように亦紅は言った。空土はやはりニッ、と笑うとひょいと木から飛び降りた。

「とっこらせっと。桜にしちゃァ随分背ェ高ェなこの木。」「何しに来やがった空土?お前の出る幕はねーぜ?」
「久しぶりだモコ。何話ぶりだ?「話ってなんだ?」まあ、いい。聞けや。言いてェことがあんだよ。」
顎を上げて挑発的に言うと、咳払いをし、いきなり声を張り上げた。
「切妃亦紅ォォォ!!!貴様は俺の愛する後輩に危害を加えようとしたァ!死すべき恥だ!万死に値する!!だから、この俺が!月とゼウスに代わってお仕置きよ!!!」


・・・・空気とはこんなに固まるものなのか。カッチカチだぞ?ゾックゾクするやろ?富士山山頂か!
今まで空土の方を向いていた亦紅を始め、女子たちや三年先輩たちは180°違うあさっての方向を向いている。
空土は舌を鳴らし、「これ徹夜で考えたネタつったんだが・・・・。」とこぼした。
「ってか空土さんこんなところで茶を濁していていいんですか?拳正さんに負けますよ。」
フォローを兼ねて僕は聞いた。
「ああ、そんなことなら心配いらねェや。」手を顔の前で振った。「とっっっっっくの昔にゴールしたから。」

「それならよかったです・・・・ってえええ!!!」
僕なりのノリツッコミだ。未だに亦紅は違う方向を向いている。黄色はちょうちょを追いかけている。なにしてるんだあなたは。

「早すぎやしませんか!いくらなんでも!!」
「なんだおめェ知らなかったのか?このクロスカントリーは毎年やってるんだよ。」
「はあ・・・。」
「俺達ァいつどこで何をするってこと覚えてんだよ。伝統だよ伝統。OK?」
全然OKではない。するといままで隠れていた遊楽は空土がきたことにより安心したのかいきなり前に歩み出てきた。そして言う。

「亦紅。流石に試練自体を変えるってことはダメだと思うだけど・・・・。」
「あ゛あ!!?」
「んなっ!すいません!!生まれてきてすいません!」
ササッと空土の影に隠れた。三年生は何がしたいんだ。
「ひゃはー。んでだ空土。お前なぜUターンしてきたんだ?さっきの寒いギャグを言うためじゃねェだろ?」

「あーそうだったなー。てっきり忘れるとこだったわ。」
そう言って空土は頭をかいた。辺りは騒然。女子もいつの間にか空土を正視している。
「モコ。そんなに誰かと闘いてェのか?」
「・・・何が言いたい?」
「おめェが急造した第三の試練延長戦のことだよ。なーにが『モコウ先輩を吹っ飛ばせ』だ。このクロスカントリーは伝統だぜ?んなバカげた試練がこれから取り入れられちゃ困る。・・・つーことでだ——」
そこで空土は木刀を亦紅の喉に突き付けた。なんとも言えない緊張感が場を支配する。
「ここで試練ごとおめェを叩き潰すっつってんだ。」

Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.56 )
日時: 2012/08/29 11:56
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: OXm6els4)

今更ながらも登場人物

月島博人(つきしまひろと)
剣道部 1−Bクラス ♂
カキコ1地味な主人公。おとなしめな性格。ツッコミ役。
すっ飛んだキャラがひしめく剣道部の中で唯一真っ白。
一年生にしては身長は高い方。やややせ型。


岡村花火(おかむらはなび)
剣道部 1−Eクラス ♂
副主人公。どう考えてもこっちの方が主人公っぽい。友美専属のツッコミ役
年子の姉である友美に手を焼いている。
髪の毛を黄色に染めており、袖をわざと余らせた改造制服を着用。
身長は低い方。コンプレックス。



任内拳正(ひとうちけんせい)
剣道部現部長 2ーAクラス ♂
カキコ1出番が少ない部長さん。お堅い性格。現在、女子キャラと会話していない
空土とはトムとジェリー状態。仲良く喧嘩しな。
短髪を逆立てている。二年生にして175cmを超えておりがっちりとした体格。



西首空土(にしくびくうど)
剣道部現副部長 2−Cクラス ♂
いろいろな人の尺を喰いまくっている大罪犯。飄々とした性格。
実力は剣道部随一。柔道なども心得ている描写がある。
制服はかなり着崩して着用。私服の時だってある。快楽主義。
茶髪に染め、ところどころを跳ねさせている。165cm前後。やせ型。



岡村友美(おかむらともみ)
剣道部 1−Bクラス ♀
ヒロインもどき。あくまで「もどき」他の女子キャラが人間として強烈すぎる。純なキャラがいない。
天然系。とんちんかんな言動を繰り返し、周り(主に花火)を困らせている。
髪型は外ハネのショートカット。花火を真似てやや黄色い。尚、身長は低い。


杉原あやめ(すぎはらあやめ)
剣道部 1−Eクラス ♀
毒舌少女。超ドS。友美にだけ甘い。基本的に丁寧語を使う。
論理主義。無駄な事をしない。
表情を滅多に変えないため本心があまり見えないポーカーフェイス。
メガネをかけている。眼光がものすごく鋭い。


徳井灯(とくいあかり)
剣道部 1−Dクラス ♀
いつも何かを食べている(口の中に詰め込んでいる)大食い少女。
そのため、まともに立派なセリフを言ったことは無く、いつも子音f行の言葉を発している
ただ、まともに喋っても友美並の頭のスペックのため、とんちんかんなことしか言わない
茶髪でショートボブ。よく食べるのにやせ型。



杜山詩子(もりやまうたこ)
剣道部 1−Dクラス ♀
愛を愛している愛オタク。何かにつけて「愛っ!素晴らしい!」と感嘆している
愛に次ぎ、「和の心」も同様に愛している。ただ、それらへの思いは極めて歪。
拳正なみに真面目人。愛LOVEが発動していないときは基本おしとやか。バカ騒ぎする事はない。
髪は背中まで届くロングなストレート。剣道部女子の中で一番背が高い。


矛白雪乃(ほこしろゆきの)
剣道部 1−C ♀
ゲームマニア。曰く、「特技はゲーム」と自己紹介するほど上手いらしい。
無口。口を開くことは少ない。声が小さく、セリフの前後に「・・・」がつく。
存在感が極端に薄い。博人に「地縛霊か」と思われているほど。
髪は三つ編みにしている。肌がかなり白い。

Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.57 )
日時: 2012/08/31 09:21
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: TZln3PE9)

「ひゃっはー!そいつはおもしれーや!わざわざガッコに来た甲斐もあるもんだ!」
「大きな口を聞くんじゃねェや。今日おめェは完膚なきまでに叩き潰されるんだからな。」

次第に興奮していく亦紅に冷めたままの空土。その二人の間には火花が散っていると思いたい。
「ひゃっはー!愉しいじゃねーか!こんな時を待ってたんだ!!」

亦紅はいきなりしゃがみこみ、足元に転がっていたこぶし大の石を勢いよく投げ放った。
球速はかなり速い、が何の苦もなく木刀で弾いた。

「空土ぉ!!冷めたツラしてんじゃねーやい!おらぁ!」
そのまま、亦紅はこぶしを振り上げ、空土に向かって殴りかかった。個人的に空土に勝ってもらいたいのだが。

———・・・で?空土は何故避けないのだ?


その瞬間、衝撃の展開に僕は目を疑った。空土の頬にものの見事にこぶしがクリーンヒットしていたのだ。あしたのジョーよろしくもんどり打って吹っ飛ばされる。
「く・・・「「「空土さぁ————ん!!???」」」」

慌てて性別学年関係無しに皆が空土に駆け寄る。相手だった亦紅も複雑な表情で輪の中にいる。
「く、空土さん!?まさか敗けるとは思いませんでしたよ!」「我が人生に・・・・一片の悔い無し・・・・。」
「悔いてください!!っていうか死ぬんですか!!?」
「ちょっ、空土どうしたんだよお前?」
心配そうに亦紅が覗き込んだ。もはやこの人のせいとも言えない。
「いつからお前そんなに弱くなったんだよ?小学生ん時の方が手応えあったぞ。まるで手加減してるような・・・・———」

亦紅は全て理解したように目を見開いた。反射的に一歩飛び退いたのだろうが、もう遅い。

スパアン!亦紅の体はいきなり凄いスピードで真上に飛ばされた。そして、その元には膝をつき、木刀を振り切っている空土の姿。
さっき空土が立っていた枝に亦紅は引っかかった。じたばたとするが、複雑に絡んでいるようで枝からは外れない。
空土は何も無かったかのようにゆるりと立ち上がった。ポンポンと制服の裾を叩き、土汚れを落とす。すると片手で口を覆い、下を向き、肩を上下させた。どうやら笑っているらしい。

「ククククク・・・・ハハハハハ・・・・ハァーハッハッハ!!ウケる!ケッサクだ!!世紀の喜劇だ!!カッコつけたバカが情けなくぶっ飛ばされたぞ!!!ハァーハッハッハ!!!」
含み笑いは次第に大笑いに変わり、しまいにはキャプテン・クックばりの大嘲笑になった。大げさに手を広げ、天を仰いでみせる。
ア然とする僕たち一年生と三年生を尻目に木刀で亦紅を示す。

「おめェバカか!!俺が正攻法で行くと思ったか?これまでの47戦の中で一回も俺が真正面突破したという記憶があるか!? ば———か!!!」
「空土てめえ!!!下ろせここから!」
亦紅は枝から足掻いてみる。が、そう動けば動くほど複雑に絡んでいくことに気づかない。

「てんめえ!卑怯な手ぇ使いやがって!お前それでも人間か!!!」
「最恐の不良がんなこと言うんじゃねェよ。おめェそれでもアウトローか?」
「黄色!念動力でこっから下ろせ!!この最低ヤローをぶん殴る!!」
「・・・・ああっ!トンボだ!まてー!」
「てめーらぁ!!」

そこで空土は踵を返し、顔だけで僕たちを振り返り、
「行くぞおめェら。あのモコみてェな喧嘩人形に付き合ってたら命100あっても足りねェから。」
歩き出した空土の後ろで僕以外の一年生は顔を見合わせ、頷き合う。そして少しの助走をつけて一斉に叫んだ。

「「「「「「こんの卑怯もの——————ッ!!!」」」」」」
「ウンヌゥバッ!!」

一年総出の綺麗なドロップキック。空土は情けなくうつぶせに地面に倒れた。

「なっ、何してんだよおめェら。俺ァおめェらがモコのバカに殺されっかも、って思ってあの行為なんだぜ?」
「やり方が0点だ!何なんだ今のは。死んだふりからのただの闇討ちじゃないか!!」
「あんなのどう考えてもおかしいよ!!いくらなんでも違う!!」
「見損ないました空土さん。一週間近づかないで下さい。」
「ふふぉふぉふぉふぁふぃふぉ!ふぉんふぃふぁ!」
「美しくない!!愛が感じられないッ!!」
「コードネーム・・・・『マケイヌ』で・・・よろしいで・・・しょうか?」

口々に罵倒の言葉を空土に浴びせかける。空土の体を足で踏むにじりながらだ。
「ちょっ、おめェらやめ!俺はだってな・・・」「「「「「「だってじゃないッ!!!!」」」」」」


合わせたように声を揃え、トドメの腹部へのジャンピングキック。空土は「ヒドゥバッ!!」と呻き、体をVの字に曲げてから力尽きた。
「先に行きます!頭冷やして侘びの言葉を考えてから追いかけて下さい!」
あやめが吐き捨てると皆一斉に歩いて行った。それを慌てて三年二人が追いかける。僕と空土が残された形となった。

「なんで俺が・・・あいつらに謝らなければいけねェんだ。」
仰向けで悲しそうに空土は呟いた。
「・・・・さあ。でも間違いなくあの人たち空土さんに感謝してませんよ。」
「やっぱそうだな。うん。」

「・・・・・とりあえずっ!」
僕は調子をつけて立ち上がった。寝転んでいる空土に笑いかける。
「とりあえず亦紅さんはあそこから下ろして下さいね。そして真摯の言葉を。んで、僕は亦紅さんとは闘いたくなかったので。来てくださってありがとうございました。僕は感謝してますよ。」

Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.58 )
日時: 2012/09/24 07:25
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: kG6g9hX2)
参照: おひさしぶりです。

「え——。今回は汚ねェ手ェ使ってすんませんした——ッ!」

・・・・どうしてこうなった?

ここは大体育館の前。校舎裏をしばらく進むとここに至るのだ。灰色の壁に赤いスプレーで「赤志族ここに参上!!」とかきなぐられているのがなんとも痛々しい。
少し前にも言った通り、律狩中は部活動が盛んだ。
特に運動部が。そんなプロメーターに比例して、運動器具は上質だ。体育館はその上質な運動器具の代表格と言っていい。
律狩中の全校生徒は1000人を軽く超える。その大衆が体育館に一同に集ったとしても少し余裕がある程度だ。こんな巨大な体育館で複数の部活が激しい陣地争いを繰り広げているのは前述だろう。

と、僕にしては少々モノローグが長くなったのは理由があった。

・・・・状況把握がうまくできない。なんだ?何なんだ。どうしてこうなった。

体育館の入口の前に腰掛けがあると考えていただきたい。木質のベンチだ。そこに剣道部一年勢が仲良く座っているのだ。その傍らには三年生の遊楽と黄色が笑いながら佇んでいる。なんでだ?なんでこんなところにいるんだ?何の意図がある?

僕と空土の歩いてくる姿を見つけると彼女ら(彼ら)は皆同時に立ち上がった。一瞬の狂いなく。一コンマも違わず。六人全員が一斉に立ち上がったのだ。あなたたちはマリオネットか?
そして無機質な動き、真顔で僕たちの元まで歩み寄るとこれまた全員が同時に右手を前に出した。
流石の空土も面食らっている。

「ちょっ、おめェら・・・何がしてェ・・・?」
「・・・・・ってください。」
「ああ?」
「謝ってください私たちに。当然ここに来たからには反省もしてるのでしょう。」
「・・・・チッ。しゃァねェや。」
空土は露骨に不快そうな顔をし、両膝を地に付けた。

「え——。今回は汚ねェ手ェ使ってすんませんした——ッ!これから真っ当な道を進んでいきますんでどうぞお許しをーッ!」
割り切ったように深々と頭を下げた。しばらくして「面を上げて」と花火の声。

「今の言葉、嘘じゃ無いよね。」
「・・・あァ。」空土はうなづいた。「もうあんな事はしないね。」
「しねェって言ってんだろ?」「今度から喧嘩は正々堂々とするね?」
「あァっつってんだろ。」
「今日からあたしのうまい棒買ってくるね?」
「あァ・・・・って待てコラ灯。チョーシこくのもいいかげんにせェよ。」

「空土さん。口を慎んでください。」
「・・・・・はい。」
空土は明らかに不足そうな顔をした。僕も空土の心が分からないでもない。
「では、空土さん。直ってください。今日の真摯なあなたの気持ち、忘れないでください。私は許すことにします。」
「いや、許すっていうか、俺は悪いことをした記憶は無いんだが・・・・。」
「また蹴られたいのですかあなたは。」
「分かった!もう!俺が悪い!悪いから!なっ!」
空土が慌てて頭をブルブル振る。そこで友美が咳払いをする。

「じゃ、もうこの事は済んだということで!進もっか!」
「友美の言うことならば仕方ありません。不問ということにしておきましょう。」
「いや、すでにごちゃごちゃなってんじゃねェか?」
「うるさい。皆、行きましょう。」
言って以下一年組は身を翻して歩いて行った。僕と空土が苦笑しながら木刀を掴むと立ち上がり、追いかける。三年生も続く。

そして、だ。空土が一年生勢を追い越した時、彼女ら(彼)は顔を見合わせ、頷き合った。鼻歌を吹きながらポケットに手を入れ、飄々としたような表情で歩いている空土に向かって一年生たちは駈け出していく。
「こんなことで許されるわk———」」」」」」」
全員が地面を蹴る一瞬前に空土はくるりと振り返った。
「手は抜かねェぞ?んにゃろ」

彼女(彼)らの心を見透かしたような空土の表情。つまりは口元を愉快そうに歪め、眼には明らかな敵意が宿っている。握っていた木刀を胸元で構え直し、その瞳孔が描く、赤い線。

——ちょっ、空土さん・・・??

僕がその状況を理解する前に、花火はおろか友美や雪乃たち女子たちの体も、かなりの勢いで白い校舎の壁に叩きつけられていた。


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