コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ずっと、いっしょだよ。
日時: 2012/11/08 20:54
名前: るな (ID: xEKpdEI2)



はじめまして!


 るな といいます。


文章表現も、人としても未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。



さて、記念すべき一作目は『ずっと、いっしょだよ。』です。



どうか最後までお付き合いください。




まずは主な登場人物紹介から。



・美並瑠々(みなみ るる)

性別:男
年齢:14歳
性格:優しくて姉思い
設定:幼いころから入退院を繰り返している。璃々とは双子。


・美並璃々(みなみ りり)

性別:女
年齢:14歳
性格:明るくて弟思い
設定:弟・瑠々の病気が治ると信じている。瑠々とは双子。



ヒーロー・ヒロインの設定はこんな感じです。

詳しいことは小説から感じ取っていただけたらなと思います。



続いてあらすじを。


幼いころから心臓に病気を患っていた瑠々は、病院生活が多かった。そんな瑠々を支えていたのは、瑠々の双子の姉・璃々だった。璃々は瑠々の病気が治ると信じていた。だが、瑠々は知っていた。自分の命が長くはないことを——。



ざっとこんな感じです。


では、はじまりはじまりー!です!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.35 )
日時: 2012/12/20 18:14
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅡⅩⅠ‐①

発作が起きてしまった瑠々くんを寝させようとしたら、自分も寝てしまったみたいだ。
私が起きたときはまだ瑠々くんは寝ていた。


「瑠々くん…」


私は急に不安になって、瑠々くんの首に手をやった。しっかり脈は動いてた。
ふと時計をみたらもうお昼近かった。だけど空は暗くて、風も吹いていた。

そう言えば少し早い台風が来るとか言ってたっけ。その時携帯がなった。


「もしもし。…あ、奏ちゃん。どうしたの?…え?うん、わかった。今から行く。じゃあ、あとでね」

私は電話を切って、病室を出た。

奏ちゃんは私たちの母校の中学校で待ってるって言ってた。

台風が本格的になる前に行こう。

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.36 )
日時: 2012/12/20 18:17
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅡⅩⅠ‐②

「奏ちゃん!一体どうしたの?こんな天気に…」


風が強くて思わず声も大きくなる。私は奏ちゃんのそばに寄っていった。

だけど前に行くのも一苦労だ。奏ちゃんは吹き飛ばされそうな私の体を支えてくれた。


「俺、お前に伝えなきゃいけないことがあるんだよ。

 俺、お前のことが好きだ。ずっと、中学の時から」

「え?でも奏ちゃんは佐代と付き合ってたじゃない…」

「あれはただの噂。俺も佐代も、付き合ってるつもりなんてなかったよ」


中学時代、奏ちゃんと佐代は付き合ってるって学校中の常識だった。頭が良くてサッカー部のエースの奏ちゃんと、美人の佐代のカップル。

小学校から一緒だったから佐代が美人だってこと、あまり気づかなかったけど。


「でも、璃々は瑠々ばっか見てただろ?あの時のお前に告っても、いい返事はもらえなかっただろうし」

「じゃあ、なんで今なの?」

「璃々が好きだって気持ちは今でも変わらない。だけど今日話すつもりは本当はなかった。それでも、今日は璃々に会わなきゃいけなかった。親友に頼まれたからな、これを渡してくれって」


奏ちゃんがポケットから取り出した物は、小さな小瓶だった。


「本当は昨日の予定だったんだけど、リサイタルだったんだろ?開けてみ?」


中に入っていたのは黄色い紙の手紙。瑠々くんの字だ。


「『僕がいなくなっても、君は独りじゃない。君は君の幸せを見つけて。 読み終わったら、海に流してください。僕の願いが叶うように』」


瑠々くんもあの言い伝え、忘れてなかったんだ。

お父さんに教えてもらった、あの言い伝え。


「海に行かなきゃ…」

「はぁ!?こんな天気なんだぞ?明日でもいいじゃないか!」

「ダメだよ!瑠々くん、また発作起こして寝てるんだよ?いつ逢えなくなるか分からないの!この願いは、前にも言ってた。瑠々くんは私のこと、本当に想ってくれてる。そしたら私はそれに応えなきゃ!」

「だからって、こんな日に行かなくてもいいだろ!」


奏ちゃんは私の腕を掴んで私を止めてる。だけど、私はそれを振り切って、お母さんたちが昨日演奏していた会館に向かった。

あそこが一番ここから近い海。奏ちゃんもついてきた。
海はすごく荒れていた。波は高くて、今まで見てきた海とは考えられないくらい暴れていた。


「やっぱり止めよう。無理だって。行ったら波に呑まれるぞ!」

「瑠々くんの願いを叶えるならそうなったっていい!奏ちゃん、離して」

「無理だと思ったらすぐ戻ってこい」


私は頷いて、奏ちゃんの手を離した。もっと前に行ったら本当に呑まれそうだった。私はできるだけそばに行って瓶を流した。

すると…

今までで一番高い波が来た。

「危ない!!」
海水が掛かる前、奏ちゃんの声が聞こえた。

奏ちゃん、ごめんね。止めてくれたのに。

でも、瑠々くんに頼まれたこと、後にする訳にはいかなかったの…。

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.37 )
日時: 2012/12/21 22:10
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅡⅩⅡ

目が覚めたとき、隣に璃々はいなかった。代わりに切羽詰まった深織先生がいた。


「瑠々くんっ…、璃々ちゃんが海で溺れたって。今処置してる」


話を理解するのに時間が掛かった。


「璃々ちゃんと一緒にいた人が来てるけど、会える?」

「はい…」


病室の入口に立っていたのは、僕の数少ない親友だった。


「瑠々、ごめんっ。璃々を止められなかった!本当にごめん!」

「奏太…、謝るな。璃々を止めてくれたんだろ?それに、璃々は…助かるって。ここの先生は凄腕ばかりだからな」


助かるなんて、分かりっこない。

ただそう思わなきゃ、僕の心が崩れてしまいそうだった。


「中学卒業するとき、俺に小瓶渡したろ?それを璃々に渡したんだ。そしたら海に行くってきかなくて…」


僕は記憶を巡らせて、その内容を思い出した。

僕が書いたんだ。 海に流してと。

だとしたら僕のせいだ。奏太は何も悪くない。僕との約束を守ってくれただけだ。


「奏太、ありがとな。覚えててくれて。璃々のことは今は何も分からないから座れよ。二人だけなの、久しぶりだし」


僕はベッドの横にあった椅子に奏太を座らせた。


「なあ、僕が奏太にあれを渡した理由、知ってるか?」

「…え?それは頼める友達がいなかったからだろ?」

「はは、失礼だな。まあそれもあるけどさ。奏太、璃々のこと好きだったろ?だから、僕が死んだときに璃々を守ってほしかったんだ。…あの時はそう思ってたんだけどな。今こんな状況になったら、そんなこと言えないな。それに、お前にも彼女の一人二人くらいいるだろ」

「いや。俺はずっと璃々が好きだったから。近くにいる女なんて、佐代と可奈子くらいだったな」


奏太は一時期佐代と噂になったことがあった。「めんどくさいから」という理由で二人ともあまり誤解を解こうとはしなかった。
奏太は僕にだけ言った。

「俺の好きなヤツ、他にいるんだ」って。


「僕が死んだらさ、璃々のこと頼むよ」

奏太は頭だけで頷いた。


「瑠々くん!…璃々ちゃんの処置が終わったって。話があるから、来てほしいんだけど」


深織先生が息を切らしてやってきた。

「ちょっと行ってくる」

「俺も行きたいんですけど」

「いいわよ。来て」


僕と奏太は深織先生についていきある部屋に来た。中には何度か病院で見かけたことのある、確か…坂木剛先生がいた。

「座って」

坂木先生に言われて長机の前にある椅子に腰掛けた。


「美並さん…あぁ、璃々さんの容態ですが、普通病棟にいれますが、意識が戻ったら奇跡と呼んでいいでしょう。意識が戻ればその後は大丈夫だと思われます」


坂木先生の話した璃々の容態は、良いとは言えないということだ。しばしの沈黙のあと、僕は口を開いた。


「…では、普通に璃々と会えるんですね?」

「ええ。普通に行き来して大丈夫です。ただ、あなたも入院している身。あまり無理をしないほうが自分のためですよ」

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.38 )
日時: 2012/12/21 22:14
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅡⅩⅡ

「あ…」


奏太は先に璃々の病室に行った。僕だけ一度病室に戻ると、見慣れた顔があった。


「可奈子、どうしたの?こんな急に」

「璃々が運ばれたって聞いたから…」

「情報回るの早いなぁ。もう聞いた……」


すると、可奈子は遮るように言った。


「違うの…!ホントはね、瑠々に言いたいことがあって…。中学のときに言えれば良かったんだけど、言えなかったから…。あのね、私、瑠々のことが好きだったの…。瑠々が璃々のことをすごく大切にしてるとことか、優しいとことか、でも少し弱くて、守ってあげたかった…。でも瑠々には璃々がいたからさ、言ってもムダだって判ってたから…」


「可奈子…」

「だけどいつ言えなくなるか判らないから…」


判ってたことだけど、改めて実感した。

僕の命はもう永くないということ。


「ありがとう、可奈子。可奈子が僕のこと好きで嬉しいよ。でも…僕はもうすぐいなくなっちゃう。もし可奈子と一緒になったって、可奈子を幸せになんかできない。だから、ごめん」


「そう言うと思った。大丈夫だよ、私は。だけどひとつだけ、お願いしていい?」


可奈子はそう言って僕の耳元で言った。


「キスして」


自分でも顔が熱くなるのがわかった。僕は可奈子とキスをした。璃々とは違う感触。でもその中に璃々と似た温かさがあった。


「ありがと、瑠々。これで次にいける」

「え?」

「私、お見合いするの。多分そのまま婚約する。パパがね、早めに結婚させたいみたい。実を言うとこの報告にきたんだよ。私の好きな人も違う人を愛してるからいいんだ。パパの言いなりになってる訳じゃないの」

「…そっか。幸せになって」


それしか言えなかった。だって可奈子はもう自分の道を決めてるから。

しかも、僕のことは振り切ってるみたいだし。


「じゃ、璃々のお見舞行ったら帰るね…って、璃々の病室聞いてないや。案内してもらってもいい?」

「もちろん。僕も行くし」


僕と可奈子は、璃々と奏太の待つ病室に向かった。

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.39 )
日時: 2012/12/21 22:14
名前: ハリー・ポッター (ID: geEvUTTv)




いいですね・・・。

これからも頑張ってください!


更新待ってます!









ちなみに私も
”無限!2人のゆーじょー!”
という小説書いてます。

よかったら遊びに来てください!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



この掲示板は過去ログ化されています。