コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ずっと、いっしょだよ。
日時: 2012/11/08 20:54
名前: るな (ID: xEKpdEI2)



はじめまして!


 るな といいます。


文章表現も、人としても未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。



さて、記念すべき一作目は『ずっと、いっしょだよ。』です。



どうか最後までお付き合いください。




まずは主な登場人物紹介から。



・美並瑠々(みなみ るる)

性別:男
年齢:14歳
性格:優しくて姉思い
設定:幼いころから入退院を繰り返している。璃々とは双子。


・美並璃々(みなみ りり)

性別:女
年齢:14歳
性格:明るくて弟思い
設定:弟・瑠々の病気が治ると信じている。瑠々とは双子。



ヒーロー・ヒロインの設定はこんな感じです。

詳しいことは小説から感じ取っていただけたらなと思います。



続いてあらすじを。


幼いころから心臓に病気を患っていた瑠々は、病院生活が多かった。そんな瑠々を支えていたのは、瑠々の双子の姉・璃々だった。璃々は瑠々の病気が治ると信じていた。だが、瑠々は知っていた。自分の命が長くはないことを——。



ざっとこんな感じです。


では、はじまりはじまりー!です!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.25 )
日時: 2012/12/16 16:46
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅩⅥ

「こうやって、お前たちに父さんたちの演奏聴かせるの、初めてだな」

「うん。今までCDでしか聴いたことなかったから、なんか新鮮」


父さんが僕の頭をいじりながら言った。意外にも父さんは髪の毛のアレンジが得意なようだ。しかも雑誌で見るような髪型だった。


「父さんて、こういうこと出来るんだね」

「え?ああ、元々こういうこと好きだったしな。まあ、髪型は昨日雑誌見て決めたけどな」


……なんだ。雑誌見たんだ。


「もっと近くにいてやれたら、こんなこと、毎日してやるのにな。ごめんな、近くにいてやれなくて」

「そんなことない。元はといえば、僕が病気だから父さんたちはたくさん仕事してるんじゃないか。僕こそごめん」

「瑠々が病気だからこそ近くにいてやらなくちゃいけなかったんだ。お金なんて、ここでも稼げたんだ。なのに俺たちは二人と離れることを選んだ。親として、失格だな」

「だからそんなことないって!なんで父さんも母さんも自分を卑下するんだよ。僕も璃々も、父さんたちのこと自慢なんだよ?そんな風に言わないでよ…」


それっきり僕たちは話さなかった。

いや、話さなかったんじゃない。


話せなかったんだ。

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.26 )
日時: 2012/12/17 17:11
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅩⅤ

懐かしい人の姿が、そこにあった。


「伶姉ちゃん!」

「お、璃々。久しぶり」


5年前よりも大人っぽくなった伶姉ちゃんは、ちょっと太った長居先生と一緒にお母さんたちの公演を見にきていた。


「いつ戻ってきたの?連絡してくれれば良かったのに」

「昨日だよ。急に電話が来たと思ったら君たちのお父さんからでさ。日本で7月7日に公演を行うから見に来ないかって。その連絡が来たのは三日前だよ」


三日前と言ったら、お母さんたちが帰って来た日だ。随分急な話だな。


「7月7日って言ったら二人の誕生日だし、日本に帰ってくる良い機会だと思ったんだよ」


いつの間にか長居先生が来ていた。


「先生!久しぶり!会いたかったよ」

「ああ、私もだよ。二人とも元気そうで良かった。…ああ、瑠々は重体だったんだっけ」


長居先生は私の頭に手を乗せてポンポンと軽く叩いた。


「もう!璃々はもう子供じゃないんだよ?今日で19歳なんだから!」

「ああ、知ってるさ。でも私にとっては二人とも、まだまだ子供だよ。それに、二人とも一緒に会えて良かった」

「えっ…?」

「ちょっとお父さんっ…」


先生が言いたいことはよく分かった。

『瑠々がまだ生きていて良かった』

そういうことだ。瑠々くんは二十歳まで生きられないって言われてたから。

正直、私だってもう長居先生に会えないと思ってた。二人では。

信じなくちゃいけないのに。
私が諦めちゃいけないのに。


「先生、当たり前じゃないですか。僕と璃々は、ずっと二人一緒なんですから」

「瑠々くん…」

「先生、伶姉、お久しぶりです。お元気でしたか?」


瑠々くんはずるい。何でいつも助けてくれちゃうの?私はいつまで経っても子供のまま…。


「璃々、少し外に行ってくる。すぐに戻ってくるから」
そう言って私は会館の外に出た。いつの間にか雨が降っていた。

「…今日は天の川、見れないな…」


雨はだんだんと体に染み込んでいく。
なんでか、目からも水が出てきて、もうびしょ濡れ…。


「璃々っ!」


後ろから瑠々くんの声がした。
雨で周りの音、あまり聞こえなかったけど、瑠々くんの声だけははっきりと聞こえた。


「ほら、風邪ひいちゃうよ?中行こう?」


瑠々くんの優しさが、恐い。

この優しさに触れることが出来なくなった時、私は堪えられるの…?

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.27 )
日時: 2012/12/17 17:13
名前: ハリー・ポッター (ID: geEvUTTv)

( ・∀・) イイネ!

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.28 )
日時: 2012/12/18 17:14
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ハリー・ポッターさん、ありがとうございます!
初めてコメントを頂きました!!

これからもぜひ読んで下さい!

Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.29 )
日時: 2012/12/19 17:17
名前: るな (ID: D//NP8nL)


ⅩⅣ‐①

「璃々、少し外に行ってくる。すぐに戻ってくるから」


そう言って璃々は外に行ってしまった。追いかけないと、璃々がこのままいなくなってしまうような気がした。


でも今は…。


「…行っておいで。泣かせたくないんだろ?」

「先生…よくそんなこと覚えてますね」


そう言いながらも僕は璃々の元へ行った。外は雨が降っていた。


「璃々っ!」


璃々は小さい体をビクッとさせた。
びしょびしょに濡れた冷えた体を。


「ほら、風邪ひいちゃうよ?中行こう?」

「……うん」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



この掲示板は過去ログ化されています。