コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ずっと、いっしょだよ。
- 日時: 2012/11/08 20:54
- 名前: るな (ID: xEKpdEI2)
はじめまして!
るな といいます。
文章表現も、人としても未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。
さて、記念すべき一作目は『ずっと、いっしょだよ。』です。
どうか最後までお付き合いください。
まずは主な登場人物紹介から。
・美並瑠々(みなみ るる)
性別:男
年齢:14歳
性格:優しくて姉思い
設定:幼いころから入退院を繰り返している。璃々とは双子。
・美並璃々(みなみ りり)
性別:女
年齢:14歳
性格:明るくて弟思い
設定:弟・瑠々の病気が治ると信じている。瑠々とは双子。
ヒーロー・ヒロインの設定はこんな感じです。
詳しいことは小説から感じ取っていただけたらなと思います。
続いてあらすじを。
幼いころから心臓に病気を患っていた瑠々は、病院生活が多かった。そんな瑠々を支えていたのは、瑠々の双子の姉・璃々だった。璃々は瑠々の病気が治ると信じていた。だが、瑠々は知っていた。自分の命が長くはないことを——。
ざっとこんな感じです。
では、はじまりはじまりー!です!
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- Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.60 )
- 日時: 2012/12/26 16:52
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
ⅡⅩⅤ-②
璃々に笑いかけて病室を出た。
出て間もなく、僕は胸の痛みと息苦しさに襲われた。
いや、痛みと息苦しさが激しくなった。
璃々の前ではできるだけ平静を装った。
だけど、病室を出て璃々から離れたら、そんな余裕は無くなった。
廊下にある手すりに掴まるけど、手に力が入らなくてそれすらできない。
もうすぐナースステーションってところで、僕はその場に四つん這いに倒れ込んだ。
「…うっ…、うぅ…」
心臓が一回鳴るごとに痛みは増していき、胸を締め付ける。
それに身体がついていかず、息切れが激しくなり疲れてくる。
もう四つん這いでも辛くなって、廊下に横たわるようになった。
「…瑠々くん!しっかり!病室に行こうね」
この声は…深織先生。 どうしてここに?
まあいいや。そんなこと考えていられない。
脂汗が吹き出して身体中濡れている。力は入らないし、眼も開かない。
意識は今にも途切れそうだ。
「……んせい。…み、おり先、生…。璃々が……目を…さまし、ました…」
僕を僕の病室に戻した深織先生は、ガチャガチャと何かをしている。しばらくしてから腕に小さな痛みがあったから、おそらく点滴だろう。
「なあに、瑠々くん」
「…璃々が……目を…さまし…ました……」
喋ることすらままならない。でも深織先生はしっかり僕の言葉を聞き取ってくれた。
「分かったわ。瑠々くんも、しっかりしなきゃ。璃々ちゃんがせっかく目を覚ましたんだから。ね?」
僕は力無く口元だけ微笑んだ。
「……先生…、僕…もう、ダメです…よ…」
「そんなことないっ。あなたは生きるの!諦めたら、もう治らないのよ!?」
「…治る、なんて…。……生きる…なんて…、とっくの昔に…うっ…諦めました…」
胸の締め付けは遠慮を知らずに増していく。
段々僕の意識も遠のいていく。
「瑠々くん!しっかりしてっ…、お願いだから…!」
「…先生……ごめんね……ありがとう…」
「瑠々くん…?瑠々くん!」
僕の頬に一筋の涙が流れた。
「瑠々くん!瑠々くん!!ねえ、お願い!瑠々くんっ!!」
そして僕は、何も見えない、何も聴こえない世界へ飛んだ。
- Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.61 )
- 日時: 2012/12/26 17:04
- 名前: 詩音 (ID: ex27zm0y)
瑠々ぅー!!
もの凄く嫌な展開!(半泣き)
続き、気になります。やばいよぉ〜。
やっぱり表現上手だね。
更新超期待。
追伸
妹はまだハイハイ出来ないのー。
- Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.62 )
- 日時: 2012/12/26 17:05
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
今、書いてるから待ってて〜!
これからはたぶん、璃々ちゃん中心かも。
こうご期待!!
- Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.63 )
- 日時: 2012/12/26 17:20
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
ⅡⅩⅥ
瑠々くんが戻ってこない。ナースステーションはすぐそこのはずなのに。それに何やら廊下が騒がしい。
嫌な予感がした。
『璃々!』
「瑠々くんっ」
だけどそこにいたのは奏ちゃんだった。
「奏ちゃん…」
「璃々、良かった。…落ち着いて聞けよ?」
「…うん…」
「瑠々が…瑠々が、死んだ」
その瞬間、周りがすべて白黒の世界になった気がした。
瑠々くんが、死んだ。
信じられなかった。ううん、信じたくなかった。
だって、瑠々くんは「戻ってくる」って言ったもの。
「絶対戻ってくる」って。
「嫌…。嫌よ…!瑠々くんが死んだなんて…。ウソだよね?璃々をからかっているんでしょう?ウソだって言ってよ!ねえ奏ちゃん!!」
いくら言っても奏ちゃんは私と目を合わせてくれない。
私はベッドを抜けて、瑠々くんの病室へ行こうとした。
だけど力が入らなくてよろけてしまう。そんな私を奏ちゃんが支えてくれた。
「落ち着けって。今、唯花さん呼んでるから。まだ瑠々の病室立ち入り禁止なんだ。もう少し待ってて」
立ち入り禁止…。
瑠々くん、本当に私は独りなんだね。
瑠々くんみたいに独りに慣れていない私は、これから生きていけるの…?
「璃々ちゃん、目を覚ましてくれて良かったわ。あ、奏太くん、来てくれてたのね。ありがとう。じゃあ、もう聞いたかしら…?」
お母さんの目が赤く腫れ上がっている。ここに来るまでずっと泣いていたんだろうな。
「まだ…瑠々くんに会えないの…?」
「そうね。もう少し掛かるかしら…」
なんでだろう。今にも「お待たせ」って瑠々くんが来てくれそうな気がするの…。
- Re: ずっと、いっしょだよ。 ( No.64 )
- 日時: 2012/12/27 10:47
- 名前: るな (ID: D//NP8nL)
ⅡⅩⅦ-①
しばらくして、やっと瑠々くんの病室に入れた。
三人で一緒に来たはずなのに、いつの間にかこの部屋には私と瑠々くんの二人きりになっていた。
時間が経てば経つほど瑠々くんが亡くなったって事実が突きつけられるだけなのに、今にも目を開けそうな瑠々くんが亡くなったなんて信じたくなかった。
「…ねえ、瑠々くん…?起きてよ…。璃々のこと、独りにしてしまうの…?ねえ…もう一回『璃々』って呼んでよ…」
静かに涙が零れた。
拭っても拭っても、流れる涙は止まらない。
瑠々くんの眠っているベッドの布団に顔をうずめて、私は声もなく泣いた。
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