コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

君と進む未来なら【お知らせ】
日時: 2014/02/17 12:53
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: oq1piOCI)

はじめましての人ははじめまして、瑞咲と申します。

以前書いていた小説は結局続けることができなかったのですが、夏休みを利用してまた新しい小説を書こうと思います。
続かなかったらごめんなさい。でも精進しますので…!!

今回は乙ゲー風で書いていきたいと思います!
祈祷師の少年少女のお話です。

文才とか皆無ですがお楽しみください!
あとコメください!!



————<目次>—————


ストーリー >>1
登場人物 >>2
用語説明 >>3


プロローグ1 >>4
プロローグ2 >>5


   【共通編】

第一話>>06 第九話>>18  第十七話>>30  第二十五話>>50
第二話>>07 第十話>>19  第十八話>>31  第二十六話>>57
第三話>>10 第十一話>>29 第十九話>>33  第二十七話>>60
第四話>>11 第十二話>>21 第二十話>>34  第二十八話>>63
第五話>>14 第十三話>>25 第二十一話>>38 第二十九話>>68
第六話>>15 第十四話>>27 第二十二話>>41 第三十話>>77
第七話>>16 第十五話>>28 第二十三話>>44 第三十一話>>80
第八話>>17 第十六話>>29 第二十四話>>47


   【圭太編】

第一話>>85 第六話>>102 第十一話>>122
第二話>>89 第七話>>105 第十二話>>125
第三話>>90 第八話>>106 第十三話>>131
第四話>>95 第九話>>113
第五話>>96 第十話>>117


   【旭編】

第一話>>142 第六話>>164 第十一話>>178
第二話>>145 第七話>>165 第十二話>>183
第三話>>147 第八話>>170 第十三話>>188
第四話>>152 第九話>>176 第十四話>>194
第五話>>155 第十話>>177


   【凌輔編】

第一話>>198 第六話>>214
第二話>>199 第七話>>218
第三話>>205 第八話>>219
第四話>>206 第九話>>223
第五話>>207 第十話>>226

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47



Re: 夕闇茜空 ( No.4 )
日時: 2013/11/30 16:58
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: qZbNjnvV)

   【プロローグ1】



 六月中旬の午後六時。夕闇が迫り、茜色に染まった空の下。
 セーラー服を身にまとい、鞄の他に竹刀入れを背負った私——町田沙依は、友人と一緒に校門を出た。
「もう暑いね〜」
「いつの間にか夏が来てたよね」
 隣を歩く親友の咲は、首から下げたスポーツタオルで汗を拭った。

「まだ早いけど、夏といえば夏休みだよねぇ。咲はどっか出かけたりするの?」
「うん、親戚の家に行ったりするかも。沙依は?」
「私はまだ未定かなー。でも多分暇だと思うから、いつでも遊びにさそって!」
「へへっ、わかってるよぉ」
 笑い合っているうちに別れ道に迫り、私は咲に手を振って一人で歩き出した。

 ——と、その時。

「————!」
 気配を感じた。
「近くにいる…!」
 私はその方角へ走り出した。


 この世には、今は亡き者の思念である「霊」が存在する。

 通常なら、早いうちに霊界へ導かれるが、稀に生きた人間の邪心に触れ、悪霊と化すことがある。
 また、この世への未練から霊界を抜け出し、悪霊となるケースも存在する。

 私はその悪霊を払う力を持つ、「祈祷師」である。


 たった今、私は悪霊の気配を感じ取ったのだ。
 ちなみに、祈祷師は霊感が強いため、いつでも霊の気配を察知することができるのだ。

 数分後、廃ビルの屋上にいる、目当ての悪霊を見つけた。
 私は強い眼差しを向け、悪霊に近づいていく。
 そして、ずっと背負っていた竹刀入れから、一本の長い指揮棒を取り出し、大きく振った。

 すると、廃ビルの壁をつたっていた蔦が一斉に動き出し、悪霊に絡みついた。
「はぁっ!!」
 もう一度振る。今度は穏やかに吹いていた風が唸り、刃と化して悪霊を切り裂く。
 悪霊はそのまま消滅した。


 これが、私の祈祷師の力だ。
この指揮棒——頭部に赤い輪がついている1.6メートルほどの杖を使い、
風や草、火、水などの自然物を操ることができるのだ。

 母の家系に生まれた女は、代々この力を受け継いでいるのだという。
 つまり、母の女先祖は皆、祈祷師として悪霊払いを行ってきたらしい。

 ちなみに、祈祷師には攻撃系と浄化系の二つのタイプがある。
私のこの力はもちろん攻撃系だ。
 そして攻撃系は若者向けの力であるため、学生期を過ぎると祈祷師降板となる。


「ふぅ、任務完了っと」
 私は伸びきった蔦をもとに戻し、指揮棒を竹刀入れにしまった。
この指揮棒がないと強い力が発動できないため、教師には「曾祖母の形見なんです」と言い訳して、
常に持ち歩いているのだ。

 放り投げておいた鞄を持ち、私は帰路についた。

Re: 夕闇茜空 ( No.5 )
日時: 2013/11/30 17:01
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: qZbNjnvV)

   【プロローグ2】



「ただいまー」
 玄関のドアを開けると、お母さんが出迎えてくれた。
「おかえり、沙依。…あら、もしかして悪霊に会った?微かに霊力を感じるわよ」
 元祈祷師であるお母さんは、祖母…つまり、お母さんのお母さんより
強い霊感を持っている。

「うん。でも雑魚だったよ」
「そう、お疲れ様。ところで、帰っきたところで悪いんだけど、話があるの」
「何の話?」

 とりあえずリビングに移動する。すると、お母さんは真剣な表情で話し始めた。
「夏休みの間、白金町に滞在してもらいたいの」
「白金町?」
 聞き覚えがある町だ。
 少し考えて、すぐ思い出した。
「確か、遥姉さんが結婚してから住んでいる町だよね。
 あと、小さいときに行ったことがあるよね」
「あら、よく覚えているわね」

 遥姉さんとは、お母さんのお姉さんの娘…つまり私の従姉のことだ。
 二十五歳で、去年結婚したばかりである。
 母方の実家で新年や夏休み中などの長期休日中に顔を合わせる程度だが、私達は仲が良い。

「で、何で遥姉さんが住んでる町に?」
 すると、お母さんは驚くべきとこを言った。
「実は今年の夏、白金町に強力な悪霊が現れると言われているのよ。
 それも、浄化が効かないほど強いらしいの。」
「えっ!?」
 私は目を見開いた。

 祈祷の威力は浄化の方が強い。
 しかし、浄化は言霊の攻撃なので、あまりにも強力な悪霊は言霊をはね除けてしまうのだ。

 だが、そのような悪霊が現れたためしはない。
 もし現れた場合、倒すのは相当手間がかかると言われている。

「浄化が効かないから、攻撃系で攻めて倒すしかないってことね」
「そうよ。あと、もちろん一人で倒す訳にはいかないから、もともと白金町に住んでいる祈祷師と協力して
退治することになるわ」
「えっ!ほんと!?」
 私は思わず立ち上がった。

 一般人の友達はそれなりにいるが、祈祷師の友人が出来たことはない。
 というか、攻撃系の祈祷師と会ったこと自体ない。
 浄化系の大人や遥姉さんと一緒に退治したことはあるけど。

 だから、初めての祈祷師の友人が作れるチャンスなんだ!

 目を輝かせている私を見て、お母さんは優しげに笑った。
「ふふっ、仲間が出来るのはいいことよね。
 …どう?悪霊払い出来そう?」
 お母さんに尋ねられ、私は思い悩んだ。

 祈祷師の友人は欲しい。
 でも、私に強力な悪霊を倒すことが出来るのだろうか。

 そんな私に、お母さんは言った。
「沙依、確かに不安かもしれない。
 けど、遥ちゃんは沙依の力を信用して、あなたを白金町に呼んだのよ。
 沙依なら倒すことが出来る、って」

 その言葉が、私の背中を押した。
 私は口を開く。
「私、行く。期待に答えなくちゃね。
 あと、強力な悪霊なんて放っておけないもんね」

 お母さんはにっこりと微笑んだ。
「沙依ならそう言うと思ったわ」
「まあねー!」

 忘れられない夏が、幕を開けようとしていた。

Re: 夕闇茜空【共通ルート】 ( No.6 )
日時: 2013/11/30 17:04
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: qZbNjnvV)

   【第一話】



 そして、夏休みがやってきた。

 私は特急電車の車窓から、移り変わる景色を眺めていた。
 あと三十分ほどでx県の中心都市にある駅に到着する。
 そこで電車を乗り換え、二駅を超えたら、白金駅に着く。そこで遥姉さんが待っているとのこと。
 滞在中…というか夏休み中はずっと、遥姉さんが旦那さんと住んでいるお家に
 居候することになっている。

 終業式の翌日に白金町へ行き、始業式の二日前に帰ってくる、ということを聞いたときは驚いたが、
強大悪霊が現れる前後は、何らかの余興なのか、
悪霊の数が大幅に増えるというので、納得できた。
 ちなみに、強大悪霊が現れるのは、八月の中旬らしい。

 つまり今年の夏休みは、学校の友達とは一切遊べない、学校の課外や部活ができない、ということだ。
 友達には「二学期遊ぼうね!」と言ったら「おk!」と笑顔で返事をしてくれた。

 課外については、「白金町にある白金高校の課外を受けさせてもらう」ことで解決した。
 なので、制服を持ってきている。

 部活——所属している華道部は、もともと部活日数が少ないので問題なし。
 ちなみに学校には「法事で白金町に行く」と言い訳してある。

「祈祷師仲間もだけど…学校も楽しみだなぁ…」
 課外を受けさせてもらう白銀高校は、二年前までは男子校だったらしく、女子生徒はほんの数人、
しかも一、二年生にしかいないとのこと。
 私が通っているのは共学だから、あまり問題はないと思う。

「でも、浮かれてちゃだめだよね。本来の目的は悪霊払いだもんね」
 自然豊かな景色を眺めながら、私は気を引き締めた。


- - - - - - -


 およそ四十分後、大きな問題はなく、白金駅についた。

 しかし遥姉さんから一通のメールが。
『ごめん、五分くらい遅れそう。南口で待っていて(´・ω・`)』

「五分くらいでメール寄越すなんて姉さんらしいな…。
 ってか顔文字使うとかかわいいなぁ…」
 一人ニタニタしながら、南口にあるベンチに座った。

 駅周辺は多くの人が訪れるため、自然と発達する。白金駅も例外ではなく、
 駅ビルはないが周りにはショッピングモールや商店街があり賑わっていた。
 田舎だと想像していた町とは違い、普通に市みたいだ。

「遥姉さん、そろそろ来るかな」
 そう呟いたその時、足元に何かが転がってきた。

「ん…?」
 見ると、そこには一個の夏みかんがあった。

「あ、すみませーん!」
 ふいに聞こえた声が自分に向けられたものだと気付き、顔を上げた。
 そこには、こっちに向かって走ってくる、一人の男子がいた。

「それ投げてくださーい!」
 なるほど、この夏みかんはあの男子のものなのか。
「はーい!」
 私は夏みかんを取り、放り投げた。男子がうまくキャッチする。

「あざまーす!!」
 と、頭を下げた男子に——感じた。

(…霊力…!?)

 でも、これは悪霊の放つものではない。
 これは…遥姉さんや浄化系の祈祷師から感じ取ったことのある…
 茫然としているうちに、男子は走り去ってしまっていた。

Re: 夕闇茜空【共通ルート】 ( No.7 )
日時: 2013/11/30 17:07
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: qZbNjnvV)

   【第二話】



 男子が走っていった方角を茫然として眺める。
「今のって…?」
 首を傾げたその時、懐かしい声がした。

「サヨちゃーん!」
 はっとして聞こえた方を向く。すると、走って来る遥姉さんの姿があった。
「あ!遥姉さん!」

 私も走り寄り、そのまま遥姉さんに抱きついた。
「久しぶり!サヨちゃん」
「会いたかったよぉ〜」

 改めて遥姉さんを見る。少し小柄な身体に、綺麗な黒いロングヘアー。
 モデル顔負けの美人さんだ。
 また、綺麗なのは容姿だけではない。性格も淑やかで心優しい。
 とどのつまり、私の従姉はマジ天使!ってこと。

「ごめんね、待たせちゃって」
「ううん、気にしないで」
「ありがとう。じゃあ、家まで案内するね」
 遥姉さんの車に乗り、私達は駅を後にした。

「ここから車で十分ほどよ。
 あと、言い忘れていたけど、夫も元祈祷師だから、気を張らなくていいからね」
「そうなんだ!元ってことは、攻撃系の祈祷師?」
「ええ。もともと白金町に住んでいる人なの」
「へぇ〜。で、いつから付き合っていたの?」
「さ、サヨちゃんも恋バナするようになったのね…」

 そんな会話をしている間に、二ノ宮家に到着。

「ただいまー」
「お邪魔しまーす」
 玄関に入ると、端正な顔立ちの男性…遥姉さんの旦那さんが出迎えてくれた。

「二人とも初対面ね。こいつが主人の純平よ」
「はっ、初めまして、町田沙依です。これからよろしくお願いします!」

 少し緊張しながら頭を下げると、純平さんは微笑んだ。
「ああ、君の事は遥から聞いているよ。俺は二ノ宮純平。元祈祷師だ。よろしく」
 その笑顔を見て、やっぱり美女は美男と結ばれる運命なんだな…と思っていた。

「サヨちゃん、まだ町に着いたばかりだけど…今回の件について説明してもいいかしら?
 もちろん無理にとは言わないからね」
 今回の件…つまり悪霊のことだろう。
「大丈夫だよ。私も早く知りたいから」

 遥姉さんと純平さんに促され、私は客間に移動した。
 椅子に座ると、遥姉さんが話し始めた。
「じゃあ、早速概要を…話したいんだけど…」
 遥姉さんはそこで言うのをやめ、純平さんと顔を見合せ苦笑した。

「え?どうしたの?」
 はてなマークを浮かべる私に、ケータイを手に持った純平さんが言った。
「どうやら、この町の祈祷師…君と一緒に退治することになる奴らが、
 今すぐ君に会いたがっているようでね」

「えっ!?」
 心臓が大きく跳ねる。

「だから、先にそいつらと面会するのでいいかな?」
「は…はい!」

 純平さんは軽く頷き、白いカーテンがかかった窓に向かって言った。
「おーい!入ってこーい!」
 え?そ、そこから!?
 私が驚く間もなく、窓が開き、カーテンが捲られた。

「失礼しまーす!」
 そして、四人の人間が、客間に上がってきた。

 さっきの声の主と思われるやや茶色い髪の男子に、

 前髪をヘアピンで留め俯いている男子、

 一番背が低く、むすっとしている男子、

 茶色い縁の眼鏡を掛け、にこにこしている男子。

 全員、私と同い年くらいの男子だった。

 その上、四人の中には…

「あ…さっきの!」
 茶髪の男子を見て、思わず声を上げた。
 間違いない。さっき南口で夏みかんを投げてやった男子だ!

 本人も気付いたらしい。
「あぁ!駅で会ったよね!君が例の祈祷師だったのかぁ〜」

 その言葉に、はっとする。
「えっと…この人達が、白金町の祈祷師…なんだよね?これで全員?」
 遥姉さんがうなずく。
「ええ。言い忘れていたけど、全員サヨちゃんと同い年の男子なの」

 だ…男子だけえぇ!?

 茫然とする私に、四人の祈祷師は言った。
「これからよろしくな!」
「…よ、よろしくお願いします…」
「別におれたちだけでもよかったのに」
「いいじゃん、女の子いたほうが華やかだし!」

 私…男子だけの中で、やっていけるのかなぁ…?

Re: 夕闇茜空【共通ルート】 ( No.8 )
日時: 2013/07/27 11:05
名前: 夜兎 (ID: KZLToguX)

初めまして(^^)/
乙ゲー好きなので更新楽しみにしてます

今共通ルートということは
後半から個別ルートになるんですか?


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47