コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】
- 日時: 2015/05/12 05:03
- 名前: HIRO (ID: bfv3xRAx)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=17751
皆様、本日は遊びに来ていただいて、誠に御礼申しあげます。
私はHIRO、とあるしがない社会人。
この度は【複雑、ファジー】版で連載中の小説
【リーマン、異世界を駆ける】スピンオフを書く許可を頂き、書かせていただくことにしました。
主人公は私自身が投稿したオリキャラ。
貴族にしてヤンキーな青年フォルド
狼の獣人にして元奴隷の少女セシリー
破天荒にしてサル顔の青年サルベグサ
従者にして苦労人なトラブル
この四人の珍道中を書かせていただきます
それでは、皆様、よろしければ私の拙い文での、案内をお楽しみください。
『原作』【リーマン、異世界を駆ける】は上のURLから、どうぞ
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.33 )
- 日時: 2015/05/23 20:40
- 名前: HIRO (ID: bfv3xRAx)
神様です、はなしを始めたいと思いますよ。
時間はサルベグサの頼みを聞いて数時間後、既にオラクルにも夜の帳が降りてきた所、中心地にあるカジノ城の裏手側にある扉だもちろんカギがかかっている、そこに男三人がそれぞれの武器を持って集まっていた。
フォルドは狼の仮面をつけ、両の肩で担ぐように、持っていた。
トラブルは手を怪我しないように包帯を巻き、口元に黒のスカーフをして顔を隠します。
サルベグサも口元にスカーフをして顔を隠します、手には二つの短めの棒を鎖で繋げた武器ヌンチャクをもちます。
「準備は完了、後は突っ込むだけだな、いくぜ」
フォルドは二人より先に前に出て扉に向けて棒を振るおうとする。
「まてまてまて、そんなことしたらすぐに見つかって、犯罪者扱いだ、俺に任せろよ」
サルベグサがフォルドの肩をつかみ、止め扉の前に立つと。
ポケットからヘアピンを取り出すと、器用な手つきで扉を開けてしまう。
「器用なもんだ、そんじゃしんにゅ〜」
サルベグサが入っていくのに続いて、フォルドとトラブルも入っていく。
「ネサラがいるのは地下の牢屋だ、牢屋へ続く階段には衛兵が歩いてる、気を付けろ」
サルベグサを先頭に慎重に進んでいく。
やがて衛兵の目を潜り抜けて三人はネサラの牢屋の前に立つ。
牢屋の中のネサラはボロボロだ、あの勝負の後に治療さえ、受けてないのだろう。
「ネサラ!大丈夫か、今助けてやっからな」
サルベグサは牢屋にかけより、カギの解錠を始める。
「その声はサルサか、何故こんな所に」
「お前を助けるためにじゃねぇか、よし!次は腕輪を」
ネサラが困惑してるのを余所にサルベグサは牢屋のカギを外し、腕輪を外す。
「うっし、用事はすんだな、この調子なら簡単そうだな、とっとと逃げんぞ」
フォルドが踵を返し元の道を引き換えそうとすると
「…………………どこから逃げるのですか」
柔和な笑みを浮かべて、カジノの支配人アーノルドは微笑む、その両隣には重厚な首輪をつけ、目を虚ろにしたワニと熊の獣を連れて。
「ま、まじかよ」
フォルドは額に冷や汗をたらす。
「私の大事な商品を盗むとはいい度胸ですね、さぁ、不届き物を噛み殺してしまえ」
ワニはフォルド目掛けて飛び付いていく。
熊の方はサルベグサ目掛けて爪を降り下ろす。
「ちくしょう、応戦するぞ」
そういいながらフォルドは噛みつこうとするワニの口に棒をつっかえさせ防御する。
「親友を助けたのに、死んでたまるかよ、ホアヂャアア」
サルベグサも自前のヌンチャクを使い熊へと応戦する。
「トラブル、ネサラを連れて町の外に逃げろ、既にセシリーが荷物まとめてそとで待ってる、俺達もすぐに追い付く」
「フォルド!………わかった、負けるんじゃないぞ」
トラブルはボロボロのネサラをかばうように階段へと走り出す。
「まて!獣どもそこのカラスを逃がすな!」
アーノルドが叫び指示を出すも、熊もワニもフォルド達に阻まれ動けなかった。
「えぇい、使えん獣どもが、お前らはそいつらの相手をしてろ!」
アーノルドはそう言い残すと階段へとかけ走っていった。
さぁ、フォルド達のラストバトルだね。
続きはまた今度だけど。
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.34 )
- 日時: 2015/06/10 22:58
- 名前: HIRO (ID: hVaFVRO5)
随分と間が空いてしまったな、神さまだ。
はなしを続けよう。
フォルドとサルサに襲いかかるはサルサよりも遥かな巨体を持ち鋭いキバとツメをギラギラと光らせ、その眼は目の前の二人をただの獲物として狩り尽くそうとする熊と。
何百ものキバを口の端から光らせ、深緑をした鱗は薄暗い証明に照らされ不気味に見える、そして熊と同じように獲物を見る目でワニは二人を見つめていた。
そしてその首にはコロシアムで戦ったネサラ達と同じような黒い首輪がされている。
「こいつら、もしかしてあの時戦った熊とワニか!?」
フォルドは直感的に二人の正体を見極める、確かに目の前の熊とワニはあの時フォルドと戦った奴だ。
「おそらく、あの首輪でで強制的に操ってるんだろうな、さすがはルテティアの科学力か」
サルサも苦々しい顔を浮かべてヌンチャクを構える。
「俺がワニをやるからサルサは熊を頼む終わったら、とっとと逃げ出そう」
フォルドが短めの説明をしてワニへと走り出す、ワニの方も大きく口を開け噛みつこうとする。
フォルドはその動きを見切り、横へ避け、拳を当てる。
しかし、強固な鱗に覆われたワニの体には決定的な一打にならなかった、そして、ワニはすぐさま振り向き、顎を開ける。
フォルドはすんでのところで噛まれずにすんだ。
「くそ、まともに戦ってたら埒があかねえ、首輪をどうにかできりゃぁ」
フォルドは一度下がりワニと距離を開ける、サルサの方も苦戦しており一度下がってきた。
「サルサ首輪だけを壊すんだ、俺らじゃ勝ち目なんかねえ」
「んなことは、わかってる、じゃあどうすりゃ出来んだよ」
サルサはフォルドの言葉に必死な声で答えを求める
「そんなん、知るか、テメーで頑張れ」
フォルドはサルサに怒鳴りワニへとまた向かい打つ、サルサも半場ヤケクソ気味に熊へとヌンチャクを振るう。
フォルドはとにかく真っ正面には立たないように立ち回り首輪だけを狙ったが、頑丈な首輪は壊れない。
がむしゃらにフォルドは戦い続けていると。
ワニの背後を偶然にもとったすかさず尻尾をつかみ。
振り回す、1回、二回…………何回も回し続ける。
やがてフォルドはワニを離すと、偶然にもそれは熊の首輪へとぶつかる両方とも部屋の隅へと吹き飛んでいく、その衝撃により二人の首輪は外れた。
「よっしゃ、ラッキー、このままスタンドを追いかけんぞ、いくぞサルサ」
フォルドは吹き飛んでいった二匹を盛大に無視して、トラブル達が逃げた方へと駆け出す。
「ちょっ、待ってくれよ俺ぁ、もうへとへとだぁ」
サルサもそんな情けない声をあげながら駆け出したのだった。
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.35 )
- 日時: 2015/06/14 12:29
- 名前: HIRO (ID: 32zLlHLc)
神さまですます
話を続けますです。
フォルド達がワニと熊と大乱闘を交わす間にネサラに肩を貸して、トラブルは裏門へと急いでいた。
「小僧、何故私を助けようと、必死になる」
背負われたネサラは呻くようにトラブルに問いを投げる。
「……僕の親友困ってる奴、悩んでる奴がいたら全力で助ける、それが人間でも獣人でもかまわないってのが、この旅のモットーらしいです、なら親友の頼みは聞かないとでしょう、さぁ、そろそろ出口です頑張ってください」
トラブルは息を切らしながらネサラを離さないようにしっかりと掴む、しかし怪我人の足ではどんなに急いでも、やがては追い付かれる、やがてアーノルドは二人に追い付き、先程は激情に歪ませた顔に張り付けた様な笑みを浮かべて二人に声をかけた。
「フフフ、私をここまでてこずらせるとは、驚きです、ですが貴殿方の命もここまで、衛兵!」
アーノルドが呼ぶと、通路の奥から何人もの兵士が槍を構えてトラブルとネサラを囲んだ。
「さぁ、観念するといい、そうですねネサラを置いて後日、お詫びに金貨1000枚を頂ければ、貴方や貴方の仲間は見逃してあげましょう」
ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべ続けるアーノルド、反対にトラブルとネサラの顔は渋い顔へと変わる。
「さあ、早く選びなさい、見捨てていき生きるか、見捨てずに死ぬか、さぁ!」
アーノルドは一層強い口調で迫っていく、兵士の槍もトラブルの眼前まで近づいていく。
「…………答える必要はねぇよ」
通路の奥から低くそれでいてはっきりとした声が聞こえる。
「お前みたいな奴は、俺が潰す、そんで、皆で逃げ帰って見せる!!」
後ろから怒声をあげながら兵士に全力の拳をぶつけ一撃のもとに叩き伏せられていく。
やがて、それはトラブルの前にいる兵士に回し蹴りを喰らわせ姿を見せる。
黒い狼の仮面を被り、顔を隠し全身を黒い服に包んだ男だった。
「待たせたな!」
その男は構えを直してアーノルドへと相対する。
「ききき、貴様ぁ、な、何者だ、私の商売道具は愚か兵士にさにまで手を出すとは」
アーノルドはひどく狼狽したようすで、狼の仮面をつけたおとこに呼び掛ける。
「俺が俺の名前はシュトライト2世、このルテティアを変えて見せる男だ!」
高らかに男………フォルドはそう叫び、アーノルドへと突進する。
「えぇい、兵士どもこの男を叩きのめせぇ」
アーノルドはまだ周りにいた兵士をフォルドへとけしかけた、さぁフォルドどうなるか。
以下、次回
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.36 )
- 日時: 2015/06/14 17:25
- 名前: HIRO (ID: 32zLlHLc)
さあさあさあ、神さまですよー
話を続けますよぉー
フォルドは自らに槍を向ける兵士を蹴りで拳で体で後ろにいるネサラを守るように叩き伏せていった。
トラブルも兵士達の体をいなし投げ飛ばすことによって加勢する。
「もういい、これが天の運命なのだ私のことはもういい、お前らだけで逃げるんだ!」
ネサラはフォルド達に願うように悲痛な叫びをする。
「何が天の運命だ!俺は最後まで諦めねえぞ、絶対にだ!」
フォルドは兵士への拳を止めずに振り向かずネサラに声だけを返す。
「そういうことです、ネサラさん、親友が諦めない限り、僕も戦い続けますよ」
トラブルもフォルドに加勢して兵士達を捌いていく。
「えぇい、敵はたかが小僧二人だぞ何故倒せんのだ」
アーノルドはいまだ倒れないフォルドとトラブルに苛立ちを隠せず叫ぶ。
やがて兵士は残らず倒され立っているのはアーノルドだけになる。
「これで全部か、最後はアンタだけだ、ここで俺らを見逃してくれんなら、何もしねえで逃げるけど?」
フォルドはアーノルドに仮面でくぐもって、逆に怖く聞こえる声音で問う。
その声は少し疲労の色を見せてもいる
「ハッハッハこれで全てかと思ったのか、まだ私の部下は沢山いるぞ、ハッハッハ終わりなのはお前らだ」
アーノルドの声と共に奥の通路から先程と同じように兵士が出てくる。
「ちくしょう、なんなんだよ、いや、こんなところで負けてたまるか、やってやるさ」
フォルドはまたも囲む様に出てきた兵士達に叫び出す。
「……………グォオ」
アーノルドの後ろにある通路から低く呻くような声がする。
「ウォオ……………」
先程とは違う鳴き声がする。
「ウォォォォオオオ!!!」
その声の主、大きな熊は何人もの兵士を巻き込みフォルドの元へと駆けてきた。
兵士達は仲間が一瞬のうちに吹き飛ばされたことに焦り驚きを隠せないでいる、すると
「グォォォォオオオ!!!」
次はワニが自慢の尻尾を振り回し、兵士達を壁へと吹き飛ばしていき、気絶させてしまう。
「なんだ、いきなりなんなんだ!?」
アーノルドは何が起きたのか解らないのか、声をあらげ後ろから来た熊とワニをにらめつける。
「おうおう、クソ野郎が俺たちを良くもこきつかってくれたなぁ、どうしてくれんだ、ぁあ!」
熊の方突如、人間の姿に戻り、威圧感がこもった声でアーノルドへと怒声を浴びせる。
「オレサマ、オマエ、マルカジリ」
ワニの方も顔はワニであるが体を人間の姿に戻すと片言でアーノルドへ話しかける。
「もしかして、お前ら、あの熊とワニか!?」
フォルドは指差し驚く。
「ああ、アンタが首輪を壊してくれたお陰でこいつの洗脳から逃れた、感謝する」
「オレサマ、オマエ、カンシャスル」
熊とワニはフォルドに例をいって、またアーノルドへ向き直る。
「き、貴様らあああ、恩を仇で返しやがって、ふざけんじゃねえぞ皆殺しだ皆殺しにしてやる」
アーノルドは先程までの不適な笑みはどこへやら顔を怒りで歪めて倒れている兵士から剣を奪うと、構え始める。
「おーとっ、それまでだアーノルドさん、ちょっとお話いいかなぁ」
「今度はなんなんだぁ!!」
後ろから肩を叩かれたアーノルドは煩わしいと思いながらも振り向く、そこには一枚の書類と小瓶を持つ猿顔の人間が立っていた。
紙にはアーノルドのカジノの記帳だった。
小瓶の中身は錠剤みたいなものだった。
「案外もうけてるんだな、でも、確かカジノ経営って一部はお国に上納すんじゃないの、その記述が乗ってない見たいだけど、それにこれってルテティアで禁止になった覚醒剤じゃね、そこんとこどうなの、これしかるべき場所に持ってったらどうなるかな、ん」
猿がおの男サルベグサはニヤニヤと作ったような笑いを浮かべアーノルドへ詰め寄る、アーノルドの顔は赤色から青色へやがて土気色へと変わる。
「な、何が、望みだ、いってみろ」
アーノルドは観念してその場に崩れ小さな声で呟く。
「そんじゃ、ネサラとそこの熊とワニの獣人はもらっていくね、さ、いこうぜ、じゃあなアーノルドさん」
サルベグサはアーノルドの肩を叩きながら、書類と覚醒剤を渡して出口へと歩いていく。
「ネサラ肩かしてやる早く出ようぜ、そこの二人もとっとと町から出ようぜ、そこの熊とワニも」
サルベグサのひとことでフォルド、トラブル、ネサラ、熊とワニの獣人は出口へと歩くのだった。
そのうしろには茫然自失と行った風体で倒れた兵士達の真ん中にへたりこむカジノのオーナーアーノルドがいたのだった。
次回、第2章、最終話
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.37 )
- 日時: 2015/06/20 23:18
- 名前: HIRO (ID: bfv3xRAx)
やあやあ、神さまだ、これでにさ2章は最後だよ。
フォルド達はカジノから逃げ出し路地裏で集まっていた、既にフォルドは仮面を外している。
「お前ら、見たか、あの顔、久々にスカッとしたぜ」
フォルドはケラケラと笑い周りに目をむける。
「はぁ、まだまだ元気なんだね、それはそうと、この後はどうするんだ、まさか正門を突破するとかじゃないだろうな」
息を整えたトラブルはフォルドへと話しかける。
「え、違うの」
フォルドは真顔でそう答える。
「はぁー、バカだとは言ってきたけどこれほどとはね」
トラブルが盛大にため息をついてるのを無視してフォルドが辺りを見渡す。
「おっ、なんだよ、おあつらえ向きに、逃げ道があんじゃねえか、よし、これで逃げんぞ」
フォルドは『それ』へと向かい逃げ出す。
「うぇ、こっから逃げるのかい、仕方ないか、いよっと」
トラブルもフォルドに続き逃げ出す。
「まさか、こんな逃げ道を使うとはな、ネサラ大丈夫か」
「大丈夫だ寧ろ、こうして逃げれるんだから、それだけで幸運だ」
サルベグサとネサラも『それ』へと近づき逃げ込む。
続いて熊とワニも逃げ出すのだった。
ところかわってオラクルの外。
フォルドの背嚢に背中を預け膝を抱えて体育座りをするセシリーがいた。
「フォルドたち、だいじょーぶかなぁ、ここで待ってれば帰ってくるのかな?」
不安げにセシリーは呟く。
「でも、ここの川なんだか臭いな、お魚さんも苦しそう」
セシリーがいるのは川の前、その川はひどく汚れている、恐らくオラクルからでた生活排水であろう。
そんな風にセシリーが待っていると。
「おほっ、アニキ、アニキ、あれ見てよ、獣人だぜ、一匹だけなんて珍しいぜ」
ボロボロの服に身を包んだいかにもな山賊がセシリーを襲いかかる。
「シャシャシャ、ホントジャンヨ、取っ捕まえて売れやぁ、金になるぞぉ」
兄貴分な山賊も襲いかかる。
「え、いや、、助けて、フォルドぉ」
セシリーは抵抗するまもなく、腕を掴まれる。
「なぁなぁこの袋、金が沢山だ」
「ダメッ、フォルドのお金とっちゃダメだよ」
セシリーはフォルドの荷物を守ろうと懸命に抵抗するが山賊はそれ以上の力を持っていた。
しかし、山賊の盗みは成功しなかった。
「てめーらぁ、人の荷物と仲間に手ぇだしてんじゃねえ」
よく通る、大きな声で山賊アニキにドロップキックをきめる、その隣からトラブルは山賊子分の鳩尾を潰す。
二人の姿は川にでも落ちたかのようにずぶ濡れだ、それになんだかドブ臭い。
どうやら彼らは町中に流れる地下水道から下ってきて脱出してきたようだその服は煤やらほこりで汚ならしい。
後ろからはサルベグサ達も走ってくる。
山賊達は恐れをなして凄まじい異臭にも耐えかねて、武器も投げ捨てすぐさま逃亡してしまう。
「ハン,腰抜けどもが、おととい来やがれ、大丈夫かセシリー」
フォルドがセシリーの方を振り向くとセシリーはぼろぼろと大粒の涙を流して、わめき出す、寂しかった、怖かった、等々だ。
やがてセシリーが泣き止むと。ネサラが口を開いた
「此度は私を救い出してくれてありがとう、感謝する」
ネサラは深々とお辞儀をする。
「そう、かしこまんなって、サルサの友達は俺の友達だからな、助けんのは当たり前よ」
フォルドはびしょ濡れのシャツを脱ぎ今は上半身裸だ。
「そうか、サルサ、いい友人を見つけたのだな」
ネサラは今度はサルベグサに振り向きお辞儀をする。
「そ、そんなことないぜ、俺こそあの時はごめんな、俺がしっかりしてれば」
サルサは照れ臭そうにいって、そのあと、少し悲しそうにする。
「妹の事は気にするな、また、さがしにいけばいい、さて、どこから行ったものか」
ネサラはアゴにてを当てて考えるポーズをする。
「あーそれなんだけどよ、こっからずっと東に行くと町があるんだ」
フォルドは頭をかきながら喋り出す。
「その町の酒場で『フリーダム』って店がある、たぶんお前の妹もそこにいるよ」
「な、なんだとそれは本当か、リアーネが、そこにいるのか」
ネサラは驚きを隠さずフォルドの肩をつかみ迫る。
「いってえよ、確かそんな名前だったか、アンナさんが拾ってきた珍しいカラスの獣人だ」
東の空を見てネサラに言葉を返す、いつのまにか夜は開け眩しい太陽が上がってきていた。
「おお、久々のシャバの太陽だ眩しくって仕方ねえぜ」
熊の獣人は目を細めて太陽に向き直ると笑みを浮かべる。
「タイヨウ・スゴク・カンドウ」
しゃがれた声でワニの獣人も感嘆の声を漏らす。
「小僧………いや、フォルド、こうしてお前のような知己に出会えたこと感謝せねばな」
ネサラはフォルドの肩から手を離し太陽を一瞥すると、すぐさまフォルドに向き直り、礼をすると太陽が登る輝く空へと飛び立ってしまった。
「案外、ネサラってせっかちなんだな、あ、そうだ!おい、そこの熊とワニそれとサルサ、お前らもネサラについてけ、あいつ一人じゃ町に入れねえだろうしな、これと、あとこれ、門番に見せれば通してくれっから、こっちは旅の餞別とアンナさんに渡しといて」
そういって熊の手に不思議な紋様が施された指輪と金貨の入った袋を渡すのでした。
「よし、そんじゃあな、縁があったら、また会おうや、トラブル、セシリーいくぜ」
フォルドは太陽を背中に背嚢を背負い直し、大股で歩き出した。
「ま、まってくれ」
突如、声がかけられる。
「フォルド、お前はこれからも、ネサラみたいな困ってるやつを助けてくのか」
サルサだった、それはフォルドに向けた、疑問ずっとサルサが抱えていた疑問だ
「さぁな、そんな大それた目的のある旅じゃねえし、でも、そんな旅もいいかもな、困ってる奴を助ける、うん、面白いじゃん」
フォルドは少し考えてから、今思い付いた様に話だし笑い出す。。
「ははっやっぱフォルド、アンタってサイコーだよ、俺もその旅付いてっていいかな」
サルベグサはフォルドにそう提案し出す。
「…………いいぜ、そうと、決まったら、熊、ワニ、そっちは任せたぜ、よっしゃ、そんじゃぁ、いくか、トラブル、セシリー、サルサ」
フォルドは勢いよく今度こそ駆け出していく
「待ってくれよフォルド」
トラブルは少し慌て遅れながら走る。
「熊さん、ワニさん、バイバイ」
セシリーは熊とワニに手を降りながらフォルドを追いかける。
「よっしゃ、どこまでもついてくぜ大将」
サルサはフォルドに並んで走り出す。
「大将?なんか格好いいなその呼び方、さーて、次はどこにいこうか」
絢爛豪華なオラクルの街を飛びだした、ホコリまみれでドブ臭い青年3人と少女。
彼らの旅はまだまだ続く。
第2章 終
See you next time