コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】
- 日時: 2015/05/12 05:03
- 名前: HIRO (ID: bfv3xRAx)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=17751
皆様、本日は遊びに来ていただいて、誠に御礼申しあげます。
私はHIRO、とあるしがない社会人。
この度は【複雑、ファジー】版で連載中の小説
【リーマン、異世界を駆ける】スピンオフを書く許可を頂き、書かせていただくことにしました。
主人公は私自身が投稿したオリキャラ。
貴族にしてヤンキーな青年フォルド
狼の獣人にして元奴隷の少女セシリー
破天荒にしてサル顔の青年サルベグサ
従者にして苦労人なトラブル
この四人の珍道中を書かせていただきます
それでは、皆様、よろしければ私の拙い文での、案内をお楽しみください。
『原作』【リーマン、異世界を駆ける】は上のURLから、どうぞ
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.18 )
- 日時: 2015/04/23 20:31
- 名前: HIRO (ID: n3KkzCZy)
さてさて、やぁ、神様だ今日も早速話を始めていこう。
前回までのあらすじ
なんやかんやあって、ヤンキー獣人と従者を連れて旅に出る。
第二章【ヤンキーと始まりの街オラクル】
「す…す…す…す…」
「スッゲ————!」
開口一番、フォルドの口から大声で出されたのは、感嘆の声だった。
「落ち着けよ、フォルド、まずは宿屋をだな」
そのとなりに立っているのはトラブル、フォルドの旅仲間の一人、元々は貴族であるフォルド専属の従者をしていたが、なんやかんやで今はフォルドと共に旅をしている。
「フォルド!フォルド!あそこにある食べ物美味しそう!」
目をキラキラと輝かせ尻尾を振っているのは、セシリー、元々はフォルドの父親のデブ親父に奴隷として買われたけど、なんやかんやあって今はフォルドと共に旅をする仲間だ。
「よっしゃセシリー旨いもんたらふく食わしてやる、付いてこい!」
「ホント、ヤッタァ!」
フォルドとセシリーは勢いよく美味しそうな匂いをさせる屋台へと突撃していくね。
「はあ、あのバカ、仕方ないな」
トラブルもしぶしぶ屋台へと向かって歩きます。
そうして屋台の料理に舌鼓をうちながらフォルド達は歩いています
「フォルド、ここはフリーダムとは違うんだぞ、もっと慎重に行動をだな」
「うっせーなぁ、解ったっていってんだろ」
「本当かなぁ」
トラブルが説教それをフォルドは面倒そうに返す口喧嘩をする中、セシリーはうつむいたままだね。
「私も、あのご飯食べたかった」
どうやらあの屋台のご飯を食べれなかったみたいだ。
「あぁ、まだ売ってるってのに獣人に売るものなんかねえっだってよ、あー腹立つ」
フォルドは最後の一口を乱暴に口へと放り込みます。
「仕方ないね、ここはルテティアでも1、2を争う歓楽街『オラクル』獣人への風当たりも強いんだろう」
トラブルは歓楽街オラクルについての詳しい話を始めていきます。
曰くルテティアでも有数の大都市である
曰く奴隷及び獣人への偏見はかなり高い
曰く冒険者や旅人が集まる都市でもある
曰く街の中央には大きな賭博場がある
「まぁ、こんな感じかな、解ったフォルド」
「ああ、うん、解ったわ」
「それならいい、それじゃ宿屋だけど」
「あ、トラブルそれ一人で探しといて、これあれば俺に連絡とれっから、そんじゃーなー」
フォルドはポケットからピアスを取り出すと、トラブルに私、セシリーを連れて大通りを走り去っていったね。
「おい、待てよ、フォルド!はぁ、仕方ない宿屋探しにいくか」
トラブルはピアスをポケットに入れ一人歩き始め、今日の宿屋を探すのでした。
続く
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.19 )
- 日時: 2015/04/27 18:05
- 名前: HIRO (ID: k9gW7qbg)
やぁ、神様なのだよ、続きを話していこうか。
トラブルと別れた、フォルドとセシリーの二人はオラクルの町を仲良く並んで歩いているね。
フォルドの手には焼き鳥の刺さった串が沢山握られており、一口で一本を食べてしまうね。
セシリーはそんなフォルドを横目に街の中を目を輝かせ歩いている。
そんな風にのどかに歩いていると、中央広場の角で他よりも大きな声が響いてきた。
「俺の名前はサルベグサ、町から街への根無し草、各地で魅せてきた、大道芸、一度見てってくれないかい、そーらよっ!」
声を出しているのは、フォルドよりも背が高く足も手もかなりの長さだ、特徴的なのはそんな体よりも、顔である。
「サルの獣人?」
フォルドが小さく呟く通り、彼の顔はサルのような顔でした。
「フォルドすごいよ、あのサルベグサって人、沢山ボール投げてんのに1つも落ちてない」
サル顔のサルベグサは袋からこぶし大の大きさのボールを見事にジャグリングさせていました。
「ふっ、俺はあれよりもっとやってやるぜ、おいっそこのおっさん、果物をよこせ、オラオラァ」
フォルドは横合いにちょうどあった果物屋から大小様々な果物を掴むと張り合うようにジャグリングをして見せる。
「フォルドもすごーい」
「ハーハッハッハァ、負けてたまるかぁ、おっさん、果物追加だぁ」
フォルドは笑いながら巧みに果物つかんだそばから投げを繰り返していく、その間にもノリのいい店主は果物を投げ足していく。
「おおっやるねー兄ちゃん、これは負けてられねえなぁ、よっしゃぁ」
サル顔の男も器用に足で袋からボールを取り出すと足も使いだして、先程の倍の数でジャグリングを始めます。
「さ、さすがにもう無理だわ、降参だ降参」
フォルドはサル顔の男の見事な曲芸に怖じけづき果物を全て店主の方に投げ返し最後の1つをセシリーへと投げます。
「おっさん、1つ交わせてもらうぜ、お代は果物に忍ばせたよ」
「おぅ、毎度あり、兄ちゃんすごいなぁ、あのサル相手にあそこまで張り合うたぁなぁ」
「あのサル顔の奴って有名なのか」
「最近、町に来た、芸人だけど、この数日であそこまでの客がいるほどの、芸人だよ、ん?今日は終わりみたいだな」
サル顔の獣人はジャグリングしていたボールを蹴りで袋に入れ直し、見事にフィニッシュを決めていた
そして終わった後にフォルドとセシリーの方に歩いてくると
「いやー兄ちゃん、器用な奴だな、もしかして同業者」
フレンドリーな笑顔を浮かべながら、話しかけてきた
「うんにゃ、旅人だよ、今のは俺の友達が教えてくれた、遊び」
首を横に振りながら、そう答える。
「遊びでそこまで出来るなんて大した奴だよ、なあ、兄ちゃん、名前は何て言うんだ」
「俺か俺の名前はフォルドって言うんだよろしくな!」
「おう、よろしくな、俺はサルベグサ、気軽にサルサって読んでくれ、フォルド」
「おう、サルサ!よろしく」
「そっちの綺麗な狼少女は」
「セシリーです、よろしくです」
「おう、よろしく、セシリーちゃん」
「よし、サルサ、一緒に飲まねえか、俺がおごってやるよ、着いてこい」
「お、マジかゴチになりまーす」
そんな会話をした後、フォルドとサルベグサとセシリーは近くの酒場へと入っていくのだった 。
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.20 )
- 日時: 2015/04/27 22:23
- 名前: yesod (ID: ZKCYjob2)
サルサさん登場ですね
ジャグリング勝負、ゴチです!
町の露店ではしゃぐセシリーさんもかわいかったです^^
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.21 )
- 日時: 2015/04/29 17:08
- 名前: HIRO (ID: 59tDAuIV)
やぁ、かみさまなのだよ、話を始めていこう。
フォルド、サルベグサ、セシリーの三人は酒場に入りフォルドとサルベグサは酒を飲んでおりべろんべろんに酔っぱらっていた。
「ゲラゲラゲラ、おもしれえ、やべぇ、腹がよじれる、おま、最高すぎるわ」
「アッヒャッヒャッヒャ、まだまだあるぜ、サルベグサの大冒険はだなー」
サルベグサはこれまで旅をしてきた場所や出来事をフォルドとセシリーに話している、内容は酒も入っているのか大袈裟な内容もある。
フォルドは大きく笑いながら、セシリーも目を輝かせ話に聞き入っていました。
そんな楽しげな昼下がりの午後
「マスター酒を出せ」
酒場のドアを開けて入り近くのテーブルに髭もじゃの大柄な男とその取り巻きが座る。
「申し訳ありません、ただ今、切らしておりまして、お待ちいただければ、お出ししますが」
マスターはテーブルに近づき、申し訳無さそうに頭を下げたね。
「お前、獣人に出す酒はあって、人間に出す酒はおいてねぇのか?あぁ!」
髭もじゃの男はマスターに大きな怒鳴り声をあげる。
「まーまー落ち着けって、酒は楽しく飲まねえとさ、ほら俺達のやるから機嫌直せよ」
サルベグサが髭もじゃ男に近づき、酒の瓶を差し出し、飲むように促す。
「このサルがァ、獣人の施しなぞを儂が受けるものか!」
髭もじゃ男はサルベグサが持った酒瓶をはたき落としてしまう、瓶は大きな音をたて割れてしまう、中からは琥珀色の酒が零れていく。
「てめっ、酒が持ったいねぇじゃねえか、マスターに悪いだろ」
「ふん、そんなに言うなら、そこの狼の獣人かお前が獣らしく舐めればいいじゃねえか」
髭もじゃ男は臆面もなく鼻をならし床に零れた酒を指差し、いい放つ。
「てめぇ、ふざけんなよ、その鼻っ柱、へし折ってやる」
サルベグサは髭もじゃの胸ぐらを勢いよく掴み、殴り抜ける。
髭もじゃの体は吹き飛び、他の客を巻き込んでいく。
「「「お、おやぶん」」」
取り巻きの男達がようやく立ち上がり、おやぶんと呼ばれた髭もじゃ男に近づく。
「サルサ、そこら辺にしとけよ、落ち着けって」
フォルドもサルベグサの肩を掴み諭すように話した。
「俺は怒ってんだよ、獣人をまるで獣みてぇに言いやがって『人』なんだよ、人間も獣人もよぉ!」
サルベグサは怒りを顕にした表情をして髭もじゃ男や酒場の人に聞こえる大声で話す。
「あー、えっと、おさわがせしました〜、セシリーっ酒場から出るぞ」
フォルドはその場の空気に耐えきれず、サルベグサとセシリーを引っ張って、外へと出ていくのでした。
「覚えてろよ、クソザルが、ツレの奴も一緒だ皆殺しにしてやる」
髭もじゃ男は立ち上がり出ていくフォルド達にそう言うだけでその場からは動こうとしませんでした。
- Re: リーマン、異世界を駆けるスピンオフ【ヤンキー、異世界を巡る】 ( No.22 )
- 日時: 2015/05/05 17:02
- 名前: HIRO (ID: 59tDAuIV)
神様なんです、お話を続けます。
酔った勢いで髭もじゃ男を殴り飛ばした酒場を出て中央広場に戻ってました。
「サルサ、酔ってたからって殴るのは、無かっただろ」
「ああ、正直やり過ぎちまった、と思う、それでも、俺はアイツの言葉は許せないんだ」
フォルド達は横並びになり道を歩きながら話し合う。
「俺の顔ってサルみたいだろ、この顔のせいで昔は獣人の仲間だなんだって、弄られたものさ」
サルサは淡々と昔話を始めた。
「でもよ、ホントの獣人はもっと、ひでぇ扱いを受けてるって知った時は驚いたさ」
フォルドもセシリーも何も言わずにサルサの昔話を聞く。
「ただ、顔が違う耳が違う尻尾がある、角がある、ってだけで差別すんのは可笑しい、人間も獣人も、同じ人なんだ、きっと友達になれるはずさ………と、俺は思うのよ、変かな?」
それは他の人が聞けば滑稽だなんだと笑い飛ばすか、下らない、つまらないと蔑む声をあげているだろう、だがフォルドはその感情のどれでもなく涙を流していた。
「感動したっ、俺も常々そう思うんだ、お前ホント言い奴だな、俺、お前みたいな奴ホント大好きだわ」
フォルドは称賛の声を浴びせながら、手を握り上下に大きく振る。
「お、おう、変わった奴だなお前も、こんな獣人か人間かわからねえ中途半端な俺のことを気に入るなんてな」
サルサは戸惑った様子を一度浮かべ次には笑顔でそう返すのでした。
「フォルド、なんかポケットが光ってるけどどうしたの」
そんなやり取りをしているとフォルドが面倒そうな顔をしてポケットをまさぐると、緑色のピアスが光っており、そこからはトラブルの声が出てきた
「あー聞こえるかい、フォルド、今夜の宿屋が決まったよ、カジノ街の宿の部屋を借りた、カジノ街の門の前に来てくれると助かる、中央広場から北通りを行けば着くはずだよ」
「了解、すぐそっちに向かうよ、そんじゃ」
フォルドがそういってピアスをポケットに戻すとピアスの光は消えてしまいます。
「おいおい、それってクレイリアの魔法道具だろ、しかも超高価な通話のピアスじゃねーか」
「まあな、家出したときに、使えそうなものは、親父と兄貴の部屋からぶんどってきたからな、よし、セシリー、トラブルの所にいくか、サルサ今日は楽しかったぜ、さいなら」
「おう、俺もお前みたいな面しれえ奴と会えてすんげー楽しかったぜ、またな」
「あのボールさばき、すごかったよ、また見せてね、サルサさん」
「はっはっは、ありがとな、セシリーちゃん、こっちもまたみに来てくれよ」
サルサはその場で北通りに入っていくフォルドとセシリーを中央広場で見送るのでした。
すでに太陽は沈みかけ、夕陽を作り出していました。