コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 音色に君をのせて(完結。番外編更新中)
- 日時: 2017/04/08 08:54
- 名前: Ria (ID: L2AVnGiq)
眠れ眠れ
緑の息吹たちよ 健やかに
小さき華
芽生え 風になびく 僕の唄
初めてその歌声を聞いたのは、裏庭で。
声が高く、伸びのある綺麗な透明感のある声。
でも、どこか声に儚さを感じる。
触ったらすぐに消えてしまいそう—。
私はその歌声を、目を閉じて聞いていた。
——————————
初めまして、Ria(リア)と言うものです(^ ^)
更新は不安定です。
少なくとも1週間に1度の更新を目指して頑張りますが、更新できない時もあると思います(・_・、)
その時は気長に待っていただけると嬉しいです。
コメントも大歓迎です。
よろしくお願いします。
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目次
>>1-74 本編
>>75 あとがき
>>80 キャラ紹介
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- Re: 音色に君をのせて ( No.51 )
- 日時: 2016/09/20 20:41
- 名前: Ria (ID: 31lZGh9F)
玄関をゆっくりと開く。
前は、まるで他の家に入っているような雰囲気だった。
それが、今は。
「おかえり」
「ただいま」
少し素っ気ないが、母が声を返してくれる。
それだけで、充分だった。
「お母さん、二階で待ってるね」
顔の表情は固いままだけれど、きっと、私も変わった。
「ええ」
階段を上がり、私は楽譜に手を伸ばした。
美蘭がいたから。
私はこの楽譜を作ることができた。
「(美蘭…)」
私、前に進めたよ。
だから—。
その時。
階段からドスン、と音が聞こえてきた。
最初は転んだのかな、と思ってそのまま部屋にいた。
が、部屋に上がってくる気配はない。
「お母さ—」
ドアを開けた瞬間、私は手に持っていた楽譜を落とした。
- Re: 音色に君をのせて ( No.52 )
- 日時: 2016/10/02 09:20
- 名前: Ria (ID: 31lZGh9F)
…私、あれからどうしたんだっけ…?
そうだ…。
偶然早く仕事を上がった父が、家に入ってきて…。
救急車を、呼んだ。
「(嘘つき…)」
こんなこと、思ってはいけないことは分かっている。
けれど、思わずにはいられなかった。
医師からは、ただの過労だと言われた。
父はしばらく母と話をしていた。
私は、少し1人になりたくて、病院を歩いていた。
いや、きっと探していたんだと思う。
ここは、鈴音がいる場所だから—。
いつもの病室にはいなかった。
名前は書いてあるのだが、姿がなかった。
廊下を歩いているのかも、と思いゆっくりと歩く。
「おうた!おうた!」
「きかせて!」
歌。
子供たちが必死におねだりしているようだった。
私は歩くのをやめ、壁に寄りかかった。
「(鈴音かもしれない…)」
その答えは、合っていた。
それは、あの時、私が心を奪われた歌で。
眠れ眠れ
緑の息吹たちよ 健やかに
小さき華
芽生え 風になびく 僕の唄
…
「いつもそこでとまっちゃうんだね」
「つづきはぁ?」
「…また、今度、かな」
鈴音の歌は、途中で止まった。
- Re: 音色に君をのせて ( No.53 )
- 日時: 2016/10/02 09:29
- 名前: Ria (ID: 31lZGh9F)
そういえば、その先を私は知らない。
聞いたことがない。
いつもそこで止まるから、そこで終わりだと思ってた。
「つづき、いつになったらきけるのー?」
「…〝僕〟が進んでから、かな」
俺、じゃなくて、僕…。
俺、は鈴音。
でも、僕は…。
「美鈴?」
気が付くと、真横に鈴音が立っていた。
「えっ、いやっ、その…」
そうだ、父と母が探してるかもしれない。
「また、今度…!」
「…?うん」
好き、なんて自覚した途端、目すらまともに合わせれなかった。
私は来た道を戻って行った。
僕、それもまた鈴音。
だけど、それは歌っている時の君。
彼の歌は儚い。
あの歌詞の続きが、あんなに悲しいなんて。
今の私は、何も知らなかったんだ。
- Re: 音色に君をのせて ( No.54 )
- 日時: 2016/10/07 23:13
- 名前: Ria (ID: jQF4W0MP)
家族の暖かさ。
母の病室に戻ると、2人は笑顔で迎えてくれた。
いつもだったら、怒っていたのに。
「美鈴」
手招きをして合図をする父。
「(名前呼ばれたの…いつぶりだろ…)」
ずっと待っていた。
美蘭が亡くなる前の、明るさ。
それが、少しずつ、戻ってきていた。
「ピアノ、また今度ね」
「…うん」
「父さんにも聞かせてくれよ」
「…うん」
病院の、夜。
鈴音はいつもの歌を、口ずさむ。
「続きは…」
子供達に言われて、正直、焦った。
本当は、続きなんて—。
—知りたくない。
- Re: 音色に君をのせて ( No.55 )
- 日時: 2016/10/10 20:02
- 名前: 花野 千聖 (ID: 8PS445C3)
どうも!タイトルに惹かれてやってきた花野千聖《はなの ちさと》です!
泣きました〜!すごく切なくて悲しいのにその中に温もりがあって。もう感動も感動、大感動です!
これからも更新続けて下さい!よろしくお願いします!《むしろこちらからお願いします》
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