コメディ・ライト小説(新)

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フルーツ・ランク
日時: 2025/03/05 08:31
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

[はじめに]
初のコメディ・ライト小説を書いてみました!
ファンタジー小説に入れようか迷いましたが、考えた結果、こちらに提示することといたしました。

※読みやすくなるように、空白などを利用しております。

[あらすじ]
何故か突然、魔法少女になってしまった花咲中学校の生徒たち。一方で、「フルーツキング」と呼ばれるグループ組織が、学校や町の人たちを危険にさらしてしまう。しかし、「フルーツキング」が人間を危険にさらすのには、とある理由があって・・・。

※2月7日に更新いたしました。

[みなさんへ]
この小説は、作者が毎日管理しております。こちらに届いたコメントは、24時間以内に返信させていただきますので、よろしくお願いいたします。

※作者が体調不良などの場合は、各お話にて詳細をお伝えしていきますので、コメントを送信したのに、返信が来ないという方は、そちらを閲覧してください。

小学生を対象しておりますので、あえて分かりやすく、そして少しフィクションっぽくアレンジしております。また、お若い方にも読めるよう、常用漢字以外は使わないようにしています。

※一部に、誤字や脱字等があるかもしれません。見かけた場合はコメントにてお伝えください。

[目次]※ずいじ話を増やしていきます。
>>1第1話 私はりんご!
>>2第2話 いじられるということ
>>3第3話 そっか
>>6第4話 復讐
>>7第5話 一番きらいな授業
>>8第6話 三人の関係
>>9第7話 休み時間
>>10第8話 でも、りんごは・・・
>>11第9話 魔法は初めて!
>>12第10話 物や人を浮かす魔法※短編
>>13第11話 結局
>>14第12話 転校生※コラボ開始!※長編
>>15第13話 先生※長編
>>18第14話 そして、コロンは・・・
>>19第15話 演奏会
>>22第16話 友達になりたい!
>>23第17話 秘密のこと※長編
>>26第18話 とある作戦※長編
>>29第19話 一大事
>>30第20話 先生対生徒
>>31第21話 捜索※長編
>>34第22話 力を合わせて※長編
>>35第23話 戦いは初めて!
>>38第24話 れもんの異変
>>39第25話 最高の魔法少女は・・・
>>40第26話 りんごといちご
>>41第27話 れもんの力
>>42第28話 シャインマスカット
>>43第29話 イケメンバトル!?(長編)
>>44第30話 亀森先生(長編)
>>45第31話 りんごとコロン(長編)
>>46第32話 最高の魔法少女であり・・・
>>47第33話 日常茶飯事(短編)
>>48第34話 球技大会 前編
>>??第35話 球技大会 後編
※>>を付けて、各お話にリンクできるようにしました(>>のコピペOK)。

[注意していただきたいこと]
・荒らしとみられる行為をしてはいけません。
・この小説はフィクションです。
・この小説は、小説カキコにて連載しております。
・途中で気分が悪くなってしまった方は、閲覧をすぐに止めてください(1時間につき、5~10分程度の休憩をすすめます)。
・他サイトへの誘導とみられるスレは、対処いたしかねますので、ご理解ご協力をお願いいたします。
・この小説の各お話および本文(>>を除く)を別ページ(サイト)でご利用する場合には必ず、作者名(小説嫌いな医師)とこの小説名(「フルーツ・ランク」)を書いてください。

ぜひ、小説の世界をお楽しみください!

[前書き]
第1話の作成から、わずか3日で閲覧回数が140回を超えることができました。
また、第1話の作成から、24日で閲覧回数が400回を超えました。
応援していただきまして、本当にありがとうございます。

Q 一話に何分くらいかけて作っているのですか?
A 20から30分くらいですかねえ。1分間に100文字くらいのペースで書いていますので。結構、考えてみると、思いつくんですよねえ。それでいて、フルーツにしたりとか、いじられたりとか、他の話とはなるべくかぶらないように製作しております。

※第一話の「私はりんご!花咲小学校に通う、ふつうの小学生!」は、中学校(中学生)ということにしてください。申し訳ございません。

[「フルーツ・ランク」キャンペーン]
2025年「フルーツ・ランク」をお読みいただき、ありがとうございます。

「自分の作品を作者に見てもらいたい!」や「こんな設定にしてほしい!」などがあったら、コメントにて投稿してね!
また、作者の年齢と誕生日を当てられた方には、りんごからのコメントも投稿させていただくね!(雑談提示版を見ると、ヒントが書いてあるかも!)
※25歳2月11日→25211(例)

※あまりにも不快な内容ですと、返信できない場合がございます。

第27話 れもんの力 ( No.41 )
日時: 2025/02/26 13:21
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「うわあああああああああああああ!!」
まるで赤ん坊のようなうめき声をあげる、大樹と秀平だが、もういちごは直ぐそこだった。また、こんな外で裸になってしまっては、生徒にははずかしがられ、谷口先生にはしかられるだろう。しかし、足が動かせない大樹と秀平にとっては、これはどうしようもないことだった。
(もうだめだ・・・)
また、あの時みたいに、フルーツ・キングに服を食べられてしまう。もう二人は、目をつむるしかなかった。その時だった。何かの魔法を感じた。一瞬だったが、それは確かに魔法だった。いちごも、それに気づき、すぐさま手で魔法を防いだ。
「だれ!?だれの魔法よ!!私の計画をじゃまするのは!!」
すると、こちらに向かって一人の女の子が歩いてきた。それは、れもんだった。服装は、やはり魔法の服姿だった。大樹と秀平は、初めて見るその姿に、興奮してしまっていた。れもんの魔法の服は、黄色に輝いていて、りんごとはまた違っている。
「そっか、この魔法はあんたのだったってことね。ずいぶんときたえてるみたいじゃない」
れもんは、そっと口を開く。大樹と秀平には、どういう意味かさっぱり分からなかった。
「まあね。昔から毎日、魔法使いにあこがれて、練習してたから」
「まだ生徒は、直接こうげきするしかできないと思っていたけれど、まさか魔法でこうげきしてくるなんて。めずらしい魔法使いだねえ。魔法でこうげきできるのは、フルーツ・キングだけだと思っていたよ。あんた、フルーツ・キングだよね?」
「・・・そうだけど」
れもんは、まだ強気でいた。
「フルーツ・キングであるくせに、そっちの味方をするわけ?」
いちごは、相変わらず上から目線だ。
「別にいいでしょ。私がどっちの味方になるかは、私が決めることだし・・・」
れもんは、あせっていた。まさか、れもんがフルーツ・キングだったなんて、誰も思いもしなかった。しかし、そのことが事実だとしたら、大樹と秀平でさえ、口をぽかんとしていた。
「このことを、ドリアン様に伝えたら、どうなるかしら?」
「・・・・・・」
れもんは、その一言にばとうされたのか、何も言えなくなってしまった。
「いやだよねえ、ドリアン様に怒られるって。今からならさ、まだやり直せるよ?秀平と大樹をやっちゃおうよ?」
いちごは、相変わらず元気だ。しかし、れもんも負けてはいない。
「私は・・・私は、フルーツ・キングでありながらも、大樹と秀平を守るから!」
いちごは、その言葉にがくぜんとする。そして、深い溜息をついた。
「ま、いいよ。じゃ、3人まとめてやっつけちゃうんだから!」
いちごは、れもんに向かって「あまリーヌ!」と唱えた。れもんは、急いで逃げようとするが、そのすさまじさに当たってしまった。そのまま、足が急に動けなくなり、前へ倒れてしまった。
その姿を見たいちごが、倒れているれもんの前に来て、にやにやとしながらあおってきた。
「惜しかったねえwあまリーヌの魔法は、私にとって最強の魔法なの。逃れられると思わないでねw」
こんな笑顔、見たくもなかった。まさか、今まで魔法の練習をしてきた自分が、いちごに負けるなんて思っていなかったから、だから、逃れられると思っていた自分が恥ずかしい。
「さあ、いちごにあんな魔法を送ってきたんだから、まずはあなたからだね。いちごをいじった罪は重いよーw」
軽べつするように言われ、れもんはいらついた。しかし、ここで抵抗できるわけはないと分かっていたので、れもんはにらみつけるしかなかった。自分がこれから、どうされるのかは分かっていた。だからこそ、恥ずかしい思いや悔しい思いが心の中にあった。
「うわー、怖い顔ーwいちごをにらんだって、何も変わんないよ?」
誰のせいでこうなっているんだと言いたくなってきた。いちごの立ちながら、れもんを見下すその姿は、まるで自分の方が上だと主張しているかのようで、すごく悔しかった。
「あまリーヌにかかった者は、みんないちごのやりたい放題なんだよねwあんたの魔法の服、いただくね!」
そう言って、いちごは、れもんの服に手を差し伸べた。
「フルーツ・キングではね、相手の服に手を当てて、マルミエールって唱えるの。すると、相手の魔法の服の力は全て、フルーツ・キングの方へ行き、あんたたちの魔法の力は全て吸収される。さらに、マルミエールの副作用で、対象となった魔法の服はこの世からなくなるってこと。まあでも、いちごをあんな魔法でいじってきたんだから、取り上げた方がいいね。そんなフルーツ・キングをかいめつさせるような魔法は、いちごがもらってあげる」
れもんは、今までにないほどの怒りに満ちていた。
「ふざけないで!あんたたちなんかに魔法を渡すわけないでしょ!これは、練習してきてやっと成功した、特別な魔法なの!」
大事そうに自身の魔法の服を守るれもんに、いちごは再びにやけた。
「特別な魔法だからこそ、フルーツ・キングは欲しがるんだよ。まあ、あんたが嫌がったところで、魔法の服はいただくけどね」
れもんは魔法を唱えようとした。しかし、足が動けないせいか、まったく使えなかった。大樹と秀平も、がんばって足を動かそうと試みるも、やはりダメみたいだ。

「大樹、秀平、ごめん・・・」
大樹と秀平は、れもんの方を向く。れもんは、今にも泣きだしそうな目で、こちらを見ていた。
「なんだよ急に!」
秀平が、少し怒り気味に答えた。
「守ろうとしてたのに、こんなにすぐにつかまっちゃって・・・」
「別に悪いのはれもんじゃねえよ・・・悪いのはいちごだ!」
「そうだそうだ!」
大樹も秀平に同情する。
「ああもう、うるさいわね!静かにしないと、あんたたちから先にやるよ!」
いちごは、大樹と秀平にどなった。すると、大樹と秀平はだまりこんでしまった。
「でもさ、ほんとにかわいそうだねw助けは誰も来ないんだねwつまりさ、君たちは見捨てられたんだよw」
いちごは、れもんの耳元でささやく。
「ち、ちがう!見捨てられてなんてない!」
「あきらめの悪い生徒だね!もうあきらめな!」
そして、そのまま、いちごはれもんの魔法の服に触れた。れもんは、必死に自分の身体を守った。大樹や秀平がいる前で、恥ずかしい姿をみられるわけにはいかなかった。
「さあ、いくよ!マルミエー・・・」
その時、何かが見えた気がした。非常にまぶしい光だった。でも、なぜか見覚えがあった。いちごは、その魔法に気づき、すぐに体を防いだ。
(今までにない魔法の威力、このままだと負ける・・・!)
その光は、強力な魔法だった。それが数秒間にわたって続き、やっと光が消えたかと思うと、いちごはその場にたおれこんでいた。奥の方から、校長先生がこちらに向かって歩き出す。校長先生は、魔法の服姿で登場してきた。茶色いスーツで、何とも言えない格好良さがあった。校長先生は、たおれているいちごの前に来た。その顔は、非常に怒っているのが、いちごでさえも分かった。そして、大気や秀平、れもんにかけられていたあまリーヌの魔法は、消えていく。
「動ける・・・」
れもんは、思わず声を出してしまう。大樹と秀平も、久々の足の感覚に大喜びだ。
そして、三人は喜んだ後に、いちごの方をにらみつけた。
「な、なによ!もう、ゆるさないから!」
そう言って、いちごは逃げ出そうとする。しかし、足がすくんで動けなかった。
「なんで、動けないのよ!」
いちごはあせっていた。急に足が動かなくなってしまったのだ。
「私の魔法の力だ。反省するよう、足を動かせないようにしておいた」
校長先生が答える。
「うそ・・・でしょ・・・じゃあ、ずっといちご、このままってこと・・・?」
いちごは、絶望してしまう。いちごは、三人に泣いてあやまるが、三人が許してくれることはなかった。
それを、こっそりと見ていたぶどうがいた。その様子を見て、大変だとすぐにフルーツ城に戻り、ドリアンに、そのことを報告した。
「なんだと!?あのいちごがつかまった!?」
「はい・・・」
ぶどうは、ドリアンの怒りに言いにくそうにしていた。
「くそうっ!また、フルーツ魔法使いのしわざか!一体、どうすれば・・・」
ドリアンが悩んでいる時に、誰かが奥から現れた。
「わたくしにお任せください!」
そう言ってきたのは、シャインマスカットだった。顔はイケメンで、ぶどうの弟らしい。
「シャインマスカット!?本気で言っているのか!」
ぶどうはおどろき、声を張ってしまった。
「はい、兄上!わたくしであれば、イケメンな男性に化けることができます。そして、転校生だと名乗れば、フルーツ・キングとバレる心配もないでしょう。ドリアン様、いかがでしょうか!」
「うむ!よく分かった、では明日から頼むぞ!」
「はいっ!」
その声ははっきりとしていて元気だった。
まさか、再び新たなライバルが現れるとは、まだ花咲中学校は知らないのであった。

さて、長文となってしまいましたので、今回はここまでとさせていただきます。ついに、いちごをやっつけましたが、次回からは新たなライバルが登場しそうです!この後の、りんごたちの学校生活が気になります!それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!残り23話を目標としておりますので、第50話までお付き合いいただければと思っております!また、ランクシリーズを作成しようと思っております!ランクシリーズとは、○○・ランクという名のシリーズのことです!第一作は、「フルーツ・ランク」でしたので、第二作は「ベジタブル・ランク」など、どんどん続きを書いていきたいと思っております!とりあえず、「フルーツ・ランク」は第50話までのつもりですので、よろしくお願いいたします!

第28話 シャインマスカット ( No.42 )
日時: 2025/02/26 14:40
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

5月2日。今日も通常通りの花咲中学校。今更って感じではあるが、ここは魔法と通常授業を勉強する学校であった。その為、土日も基本的には学校がある。

「皆さん、はじめまして!」
そう言ってりんごのクラスの教室に入ってきたのは、シャインマスカットこと青木水魔だった。
「青木水魔です!よろしくお願いします!」
そう言うと、水魔は生徒たちに向かってキラキラとしたウインクを放った。そのウインクに、周りの女子は「キャーキャー」とさわぎ始める。りんごは、うるさくなりそうだと、先に耳をふさいでいたが、耳をふさいでも聞こえてしまう女子の高音に、りんごは悩まされる。れもんの方をこっそりと見ると、あの陰キャっぽいれもんでさえも、水魔のとりこにされていた。
(うそ・・・)
りんごは、少し衝撃的だった。
(たしかに水魔の顔はイケメンだし、格好いいけれど、あのれもんが熱中するなんて、どう考えてもおかしい!)
ちなみに、りんごは大樹によってだまされてから、男子のことは全員きらいになった。
なのでもう、男子にはまったく興味はない。

少し時間が経って、やっと周りの声が収まってきた。女子が一斉にさわぎ出すと、鼓膜が破れそうになる。
水魔はおそろしい奴だと、りんごは認知した。
「ありがとう!ありがとう!」
水魔が席へと歩くたびに、女子はみんな、水魔に注目している。
水魔は、一番後ろの席になった。しかし、よりによって、水魔とりんごは1mしか離れていないのだ。
(恰好いいー・・・はっ!)
りんごは、いつの間にか水魔のことを見てしまっていた。となりだからとはいえ、水魔を見てしまうなんて。
(だめだめ!また、大樹のときみたいにだまされるに決まってる!)
そうだとは分かっているが、どうしてもちらちらと見てしまう。意識したくないのに、逆に意識してしまう感覚、これこそが恋・・・?
(な、私なに考えてるんだろ!)
となりにいたれもんが、りんごに声を掛けてきた。
「りんごちゃん、かお赤いけどだいじょうぶ?」
「だ、だ、だ、だいじょうぶだよ!ははw」
何とか笑ってごまかすが、れもんにはバレバレだろう。
すると、大樹と秀平が後ろを向いてきた。現在、授業中なのに。
「なあ、数学ってマジで難しくない?」
「ねえ、ノート見してよ。ここの問題わかんなくてさあ」
「え、えっと・・・」
りんごは困ってしまう。大樹と秀平がいじることをやめたあの日から、なぜかぐいぐいとりんごに話しかけてくるようになった。りんごのとなりにいたれもんが忠告する。
「それくらい、自分でやりなさいよ。それに、いま授業中でしょ?こっち向いてないで、前向いててよね」
れもんの正論に、大樹と秀平はあきたように言う。
「はいはい、分かったよ」
「これだから、れもんちゃんは」
愚痴を吐きながら、2人は前を向いた。
「せっかく、いちごのときに助けてやったのに。なんなのよ、こいつら」

しばらくすると、となりから不可解な音が聞こえてきた。りんごは気になり、となりを見てみると、れもんがノートに絵を描いていた。そして、描き終わったのか、シャーペンを机の上に置き、こちらに見せてきた。
「どう?谷口先生の似顔絵」
その絵は、まさに谷口先生が怒った時にそっくりだった。とてもうまいけれど、これを谷口先生が見たら、なんて言うだろうか。りんごがそんなことを考えているうちに、谷口先生はれもんに気づき、こちらに向かって歩き出した。
「れもんちゃん、早く消した方がいいよ・・・」
りんごが小声で話す。
「なんで?せっかく書いたのに!それよりさ、この目の部分とか・・・」
れもんが話している途中に、先生がれもんの前に立った。その顔は、ものすごい怒りだった。
「れもんさん?ちょっと、職員室に行きましょうか」
れもんは、涙目になる。
「え、えっと、あの、いやです!」
「いいから来い!」
そのまま、先生に誘導されてしまった。

れもんが職員室に行っている中、教室は先生がいなくなり、静かになってしまった。みんな、れもんのことが心配で話すことができなかった。しかも、この教室は、前にも述べた通り、職員室の上にあるのだ。なので、少しでもうるさくすれば、先生がすぐにこちらに来るというわけである。

しばらく時間が経ち、れもんが教室に戻って来た。しかし、その顔は笑顔で、何事もなかったかのようだ。れもんが席に着いたところで、りんごはこっそりとれもんに聞いた。
「れもんちゃん、だいじょうぶだった・・・?」
「うん!谷口先生の似顔絵がね、よく描けているってほめられたんだ!」
「え・・・?よかったね・・・」
そしてりんごは、そのまま机の上にたおれてしまった。
「うん!あれ、りんごちゃん、だいじょうぶ!?」
「心配して損したよ・・・」
「ほんとに・・・だいじょうぶ・・・?」
れもんは、りんごの姿に余計に心配になってきた。谷口先生が、授業の続きをしようとしたところで、りんごがたおれているのに気づく。
「もう、りんごさん!授業中にねてはいけませんって何度も言ってますよね?早く起きなさい!」
先生にしかられてしまう。
「ねてるんじゃないのにー・・・」
りんごは、泣きながら声を出していた。そして秀平が、後ろを振り返る。
「そういえば今日、国語の宿題の提出日だってさ」
「・・・うわーん!!」
りんごは、ついに大泣きしてしまう。国語の宿題なんて、つい忘れてしまっていた。
「ちょっと秀平、あんた何てこと言うのよ!」
「えっ!?おれはただ、国語の宿題の提出日を教えてあげただけなのに・・・」
秀平のやさしさは、もはや絶望しているりんごにはとどかないのであった。

秀平がちょっとかわいそうですね。今回は、少し茶化せてみました。作者、りんごが泣くところが大好きなので・・・。次回はもう少し、水魔について書こうと思います。今日か明日には必ず投稿しますので、お楽しみにしていてくださいね!それでは、またお会いしましょう!

第29話 イケメンバトル!? ( No.43 )
日時: 2025/02/27 15:25
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

そして、長く感じた数学の時間は幕を閉じた。これは、りんごたちのへいぼんな休み時間のときのことである。ちなみに、花咲中学校では、制服めちゃくちゃおしゃれと魔法の服(体育着的存在)がある。

「りんごー、これお願いねー!」
りんごは、女子の呼びかけに応答し、急いでその場へ行った。女子は、りんごに段ボール箱を持たせた。りんごは、めちゃくちゃ重くて、いっしゅんたおれそうになるくらいだった。

結局、大樹と秀平のいじりは無くなってきたが、まだ女子からのいじりは後を絶たなかった。
「何が入ってるの?」
「それはねー、ひ・み・つ!教卓の上にお願いねー!」
もう女子はりんごに任せっきりである。
「うん、わかった・・・」
りんごは、中身が気になりながらも、見ないことにした。見たしゅんかん、何が起こるかわからない。得体のしれないものを持っていることに、りんごは少し恐怖を覚えた。その時、コロンがポケットから顔を出した。
「プレゼント?よかったね!」
「これは・・・プレゼントじゃないと・・・思うよ・・・」
りんごは、重い荷物に苦戦していた。れもんを呼ぼうか迷ったが、勉強していていそがしそうだったので、声をかけにくかった。

そして、何とか荷物を教卓の上まで持ってくることができた。
「はあっ・・・はあっ・・・」
段ボール箱を勢いよく置いたため、みんなが教卓の方に注目する。しかし、りんごにとって、それはどうでもよかった。とにかく、重い荷物をもって、もうヘトヘトだったのだ。りんごは、よたよたとしながら、自分の席へと歩き、座った。となりには、さっきの時間、似顔絵のせいで数学ができなかったためか、一生懸命ノートに書いていた。
「ああ、もう!なんで、こいつの字は、こんなに見にくいのよ!」
れもんは、愚痴を吐きながらもノートを書いていた。どうやら、この字からして、移させてもらっているノートは秀平の物らしい。修平は、字の汚さでクラスでは評判なのだ。れもんは、まるでこちらに聞こえるかのように愚痴を吐いてくる。ストレスがたまりやすい人だから、仕方ないのかもしれないけれど。
「ああ、も~!」
れもんの堪忍袋の緒が切れそうなところで、りんごは声をかけた。
「あの、よかったら、私のノート見る?」
れもんは、りんごの方を見るなり、くらいつくように話しかけてきた。
「えっ?いいの?」
「うん」
「ありがとー!」
そう言いながら、れもんはりんごのノートを見て、秀平のノートなんてそっちのけにした。
「うわー、やっぱ見やすいわー。ノートの字ってやっぱ、その人の性格に出てるからなー」
結局、れもんはどうしても独り言を声に出してしまうらしい。でもよろこんでもらえてよかったと、りんごは感じるのであった。

しばらくして、秀平と大樹がトイレから戻ってきて、れもんを見るなり、秀平はおどろいていた。
「お、おい!なんで俺のノート見ねえんだよ!」
れもんは、書くのをやめて、秀平の方を見た。秀平はとても、イラついていた。相手が貸してほしいと言ったのに、それをそっちのけにされたら、イラつくのも無理ないだろう。
「だって、字が見にくい(醜い)んだもん」
れもんは、秀平にイラつかれているにもかかわらず、平常心だ。
「それってダジャレ?はははw」
大樹は、思わず笑ってしまう。
「笑いごとじゃねえよ!」
秀平に怒られる。りんごは、今日の秀平はいつもに増してイラついてるなと思った。
「ごめんなさい!」
大樹は、秀平の怒りにおどろき、急いであやまった。
「れもん、それでさっきなんて言った?」
「えっ?だから、字が見にくい(醜い)って言ったのよ。見てる方が気分悪くなりそう」
「なんだと!?人から借りたものを感謝の気持ちもなく放っておくとは!許さねえ!!」
秀平がなぐりかかろうとしたところで、大樹はそれを止める。
「秀平!今はやめようよ!みんな見てるし、あと30秒でチャイムなっちゃうし・・・」
「チッ、この続きは2時間目休みだ。覚えてろよ」
そう言って、秀平は地団駄を踏みながら、自分の席に座った。
大樹も、秀平に続いて自分の席に座る。
それを確認したれもんは、こっそりと愚痴を吐いた。
「はあ。男子って、なんでこんなにつかれるのよ」
となりに居るりんごは、居心地が悪かった。こうして、2時間目が始まる。
「おはよう!」
亀森先生がチャイムと同時に教室に入ってきた。しかし、女子はまだ、初めての水魔に夢中だ。
まさか、あの亀森先生でさえも引き離すとは、水魔はおそろしい奴だとりんごは思った。
これには、亀森先生も笑うしかなかった。本当は心の中ではやきもちをやいているのだろう。しかし、それを我慢している。先生という立場であるために。りんごは、亀森先生を助けたいと思ったが、どうしたらいいのか分からなかった。水魔は、女子に向かって、まるでシャインマスカットのようなかがやいた笑顔を見せた。
(よしよし、これで女子はわたくしの味方だ)
再び、女子が「キャーキャー」とさけびだす。
水魔は、いちごとは違う作戦で、花咲中学校をおそう予定だった。いちごは、男子を味方につけたので、水魔はその反対をし、女子を味方につけることにしたのだ。
(案外、女ってちょろいなw)
水魔が再び笑いをみせる。その笑いが、おそろしいものだとは誰も知らずに、女子はただ、声を上げるだけだった。

今回はここまでとさせていただきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ちなみにですが、小説カキコではお気に入り登録をしておくと便利です。詳しくは、小説カキコのルールをご確認ください。それでは、また次回に会いましょう。

第30話 亀森先生 ( No.44 )
日時: 2025/02/27 16:31
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

授業が始まっても女子は水魔に大注目。亀森先生は、どうしたらいいのか分からずにいた。いつもなら、女子は亀森先生に注目しているはずなのに、今日はいつもとは違った。これもすべて、水魔のせいだ。亀森先生は、仕方ないとそのまま話を進めた。
「それでは、今日はこちら、ランクを付けてもらいます」
そう言うと、生徒達は一気にランクの方へと目をやった。ランクは、まるでバッジのような形をしていて、大きさは3cmほどしかなかった。
「このランクは、必ず左胸に付けてください。そうしないと、効果が現れませんので。
ちなみに、ランクには5つの種類があり、魔法がうまく唱えられれば、自動的に星の数が増えます。つまり、星の数が多いほど、優秀ということです」
今までにはなかった物をもらえることに、生徒達は興奮気味だった。
前の子からランクを受け取ると、自主的にバッジが動きだし、りんごの左胸に飛び乗った。ランクが突然動き、りんごはびっくりしてしまう。
「あの、このランクって勝手に動いたりする・・・?」
れもんに、こっそりと聞いてみる。もしかしたら、れもんもそうなっているのかもしれない。
「なに言ってるの?そんな訳ないじゃんw」
「だよね・・・」
しかし、りんごの左胸にはちゃんとランクが付いている。りんごは、魔法の力が少しこわく感じてしまった。もしかしたら、このランクは他のランクとは何か違うのかもしれない。しかし、先生や他の生徒に言ったところで、ましてやれもんでさえも、信じてはくれないだろう。
「ランクには、特秀、秀、優、良、無があります。現在、みなさんは無からのスタートですが、練習していけばきっと、ランクが上がっていくはずです」
最初は全員同じなんだと、りんごは少し安心した。コロンが、ポケットから顔をこっそりと出す。
「よかったじゃん、りんごちゃん!これでりっぱな魔法使いだね!」
「りっぱって・・・私なんてまだまだだよ・・・。フルーツ・キング一人でさえ、たおせないし・・・」
「でも、りんごは最高の魔法少女になれるんだよ!」
コロンは、必死だった。りんごをなぐさめようとしているのだろうか。
「なんで、なれるってわかるの?」
「それは・・・。たよりがいのあるぼくがついてるからだよ!」
胸を張るように、コロンは応えた。りんごは、思わず笑ってしまう。
「ふふ・・・ありがと。これからも、よろしくね!」
「うん!」
二人は、まるで友達のように仲良くなっていた。いや、もう友達というより親友と言ってもいい気がする。りんごが誰かと話していることにれもんは気づき、声をかけてみた。
「りんごちゃん、誰と話してるの・・・?」
れもんは、不思議そうに聞く。りんごは、他の人にバレたらまずいと、すぐにごまかす。
「い、いや何でもないよ!」
りんごは、れもんに向けて笑ってみせるが、それはごまかしているような笑いだったことが、れもんにはすぐに分かった。また、りんごはあせっている時には、右のポケットを気にするくせがあることを、れもんは知っていた。りんごは、右のポケットをさわっていたので、何かかくしていることにれもんは気が付いた。
(絶対、何かかくしてる・・・)
れもんは、どうしても気になり、りんごに聞いてみることにした。
「あの、もしかして右のポケットに何かいるの・・・?」
「えっ!?別に・・・?何も入ってないよ・・・」
幸い、コロンは他人には見えないようになっているが、まさかここまで探られるとは思っていなかった。
そして、りんごは緊張のせいか、トイレに行きたくなってきた。
(さっきの休み時間は、れもんと話してたから行けなかったんだよなあ)
もじもじとしているりんごに気づいたれもんは、りんごにそっと声をかける。
「もしかして、トイレ行きたい?」
「うん・・・」
「いいよ、亀森先生やさしいから、きっとだいじょうぶ」
「ありがとう・・・先生、トイレに行ってきてもいいですか・・・?」
「もちろん、大丈夫だよ」
りんごは、そう言われ、なるべく急いでトイレに向かって走り出した。もう限界に近かったのだ。だが、ギリギリ間に合い、りんごは教室に戻った。そして、ドアを開けると・・・。
教室には、水魔以外、誰一人いなかった。静かになった教室が、逆に恐怖を感じる。
「え・・・」
りんごは、がくぜんとしてしまう。りんごがいない間に、一体何があったのだろうか。コロンも、顔を出してきた。
「あれ?なに、その熊?かわいいねえ」
りんごは、水魔のなれなれしさにけいかいする。
「フルーツ・キングはね、君の姿も見えるし、君の声も聞こえるよ。君、魔法で生きてるんでしょ。名前は?」
「コロンだけど・・・」
コロンも、しっかりとけいかいしていた。
「コロンかあ。いい名前だねえ」
りんごとコロンは、水魔にこわがっていた。
「あれ?もしかして、わたくしのことをうたがってらっしゃいます?」
「みんなは・・・クラスのみんなはどこに行ったの!」
りんごはあせっていた。短時間でクラスの生徒や亀森先生が消えてしまったのだ。
「はあ。みんな、ぼくが食べちゃったよwえっ?フルーツ・キングは人間は食べないって?ああ、まあそうだけど、面倒くさいし、あいつらさわいでうるさかったから、一人ひとり食べちゃったよw生かしてると、周りに気づかれそうでさw」
まるで他人事のようにしゃべり続ける水魔に、コロンとりんごは真面目な顔をしていた。
「でも、よかったよ。りんごちゃん、君と一人になれる時間を待ってたんだw君は、フルーツ・キングでは有名でね。ここで、たおさせてもらう!」
りんごは、手をぐっと握りしめる。
「それは、こっちのセリフだよ!」
コロンが反論する。
「さあ、りんごちゃん!」
「うん!」
りんごは、目をつむって急いで魔法を出し、その魔法を見つめ、「フルーツ・チェンジ!」と唱えた。すると、りんごの衣装が制服から魔法の服に変わるとともに、りんごに再び魔法の効果くすぐりが現れた。
「んっ・・・これっ・・・どうにかできないのっ・・・ひゃっ・・・」
「魔法の効果は、魔法を唱えると必ず現れるから、どうしようもないと思う・・・」
コロンは、申し訳なさそうに答える。今のりんごの姿は、まさにいとおしく思えた。
「魔法の服になったところで、このシャインマスカットには勝てないのさ!」
ちなみに、水魔はすでにシャインマスカットに変身していた。今までのフルーツ・キングとは強さがちがう気がした。
「そんなことない!フルーツ・キングって、そうやって人をいじってきて、さいていっ!」
りんごのその言葉に、水魔はいっしゅん、とまどってしまった。
「・・・な、何ですとっ!このシャインマスカットに向かって、そんな口を利くとは許せませぬ!マスカットン!」
そう唱えると突然、りんごの方に向かってあざやかな緑色の魔法が飛んできた。それも、今までよりもスピードも速い。
「りんごちゃんっ!」
コロンが、その魔法に気づいたころには、もう魔法はすぐそこまで来ていた。りんごは、今度こそダメだと、目をつむった。果たして、りんごの命はどうなってしまうのだろうか・・・。

さて、水魔はまさかのシャインマスカットだったというお話でした。次回からは、りんごとシャインマスカットの戦いになりますね!りんごとコロンの久々のチームワークにも必見です!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!「フルーツ・ランク」は、ついに全話の6割を終えてしまいましたが、これからも読者の方々の期待に応え、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

第31話 りんごとコロン ( No.45 )
日時: 2025/03/01 08:24
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

皆様へ

昨日は、小説カキコ以外で作業をしていたため、こちらに書き込む時間がなくなってしまいました。よって、予定よりも2話おくれてしまっているので、なるべく急いで書き上げようと思います。ご理解ご協力をお願いいたします。

[とあるコメント広場]
「魔法少女っぽさが出ていいけど、途中で話がこんがらがってしまうんだよなあ。もう少し、具体的に分かりやすく書いてほしい」
「ヒロインが増えてきた中で、段々と終了に向かっていく、ちょっと悲しみがあるなあ・・・」
「このスピードからして、本当に残り20話書けるのかという気がしてきたよ」
「セリフは特にわかりやすく書いてほしい!」
1さん、具体的に分かりやすく書くというのは、情景を書くということですね?ただ、なかなか難しい面もありますが、がんばってみます。2さん、「フルーツ・ランク」は、なるべく急いで書き上げるつもりですが、ランクシリーズはこの後もしばらく続いていきますので、また新作で会えればと思います。「フルーツ・ランク」残り20話もよろしくお願いいたします。3さん、ご心配をおかけしましたね。スピードにはなるべく気を付けていますが、もう少しゆっくりなスピードや展開にするよう、努めてまいりますね。4さん、確かにセリフはいきなり話が飛んでしまうところがあり、読者には伝わりにくいんですよね。実際、作者もある程度の文を書いたら、一回読み上げています(誤字や脱字、文の曖昧さがないかなどの確認です)。ただ、それでも不備が出てしまうことが現状ありますので、これからは、より気を付けたいと思います。

「”フルーツ・ランク”、始まるよ!」
「・・・マスカットン!」
そう唱えると突然、りんごの方に向かってあざやかな緑色の魔法が飛んできた。それも、今までよりもスピードも速い。
「りんごちゃんっ!」
コロンが、その魔法に気づいたころには、もう魔法はすぐそこまで来ていた。りんごは、今度こそダメだと、目をつむった。果たして、りんごの命はどうなってしまうのだろうか・・・。

りんごは、最後に魔法の力にたよった。そして目を開けてみた。
すると、りんごの目の前で魔法が止まっていた。
「!?・・・なぜだ、なぜマスカットンが効かない!?」
シャインマスカットはおどろいていた。せっかくの最上級の魔法が、こんなことになるなんて。
シャインマスカットに続き、コロンもおどろきをかくせていなかった。
「すごい・・・これが魔法の力・・・!?」
りんごは、これが魔法の力だということに気づいた。そして、おどろきで少し力を弱めてしまった。それが原因だろう。止まっていたマスカットンの魔法は、魔法の力がうすれたことにより、再び動き出した。りんごは、それに気づき、急いでにげようとする。
(間に合え・・・!)
魔法の力には、時間制限がある。この魔法の力は、他の魔法を止められるが、時間制限は10秒と短く、さらに消費する力も大きいらしい。
さて、りんごは心の中でそう願った。しかし・・・。
「きゃっ!!」
りんごは、そのままマスカットンの魔法におされる。再び体を動かそうとしても、動くことができない。かんきのため、開けていたまどをそのまますり抜け、りんごはベランダの外まで放り出されてしまった。りんごは、目を開けた。その目には涙がうつっていた。どうやら、マスカットンの力は、直線に進むらしく、当たった場合数十メートル先までとばされるらしい。つまり、マスカットンの力が終われば、りんごはこのまま地面に落ちてしまうということである。
(ベランダが・・・どんどん遠ざかっていく・・・)
その時、シャインマスカットは平然としていた。
「運が悪かったなw」
「りんごちゃん!!」
笑いをみせているシャインマスカットを放って、コロンは急いでベランダの外へ行こうとした。その時、シャインマスカットがコロンに呼び止める。コロンはその場で止まり、シャインマスカットの方を向いた。
「待て!いいか、コロン?もう、りんごは俺がベランダから落としたんだ。それがどういう意味かわかるよな?」
「全然わからないよ。ぼくは、りんごちゃんは生きているって信じてるから!」
コロンが再びベランダの外へ行こうとするところで、再びシャインマスカットは呼び止めた。
「そんなこともわからないとはおろかものめ!いいか、お前のためにもっと詳しく言ってやる。お前は失格したんだ!」
「失格・・・?」
コロンの顔が一変する。さっきまでは、あせっていたコロンがたった一言で、あぜんとしてしまった。シャインマスカットがコロンの問いかけに続ける。
「そうだ、お前は失格したんだ。りんごを最高の魔法少女にすることにな」
「何が言いたいの・・・?」
シャインマスカットの口調も急変した。
そして、さっきまでは青空だったのに、急にまた黒い雲が空をおおいはじめる。
「つまり・・・お前のやり方が悪かったんじゃない。りんごを選んだのがまちがいだったんだよ」
コロンは、急いで否定する。絶対にそんなはずはない。そうではないと今まで思ってきた。
「ちがう!りんごちゃんは最高の魔法少女になるんだ!」
「それは、神が言っていたことだろう?その言葉に何かしらの根拠はあったか?りんごを最高の魔法少女にさせなきゃいけない理由でもあったか?」
「それは・・・」
コロンが心細くなるのを見て、シャインマスカットは笑ってみせる。
「ない・・・だよな?」
「ない・・・です・・・」
シャインマスカットが再び口を開こうとしたところで、コロンが口をはさんできた。
「でも!でも、りんごちゃんは、忘れ物が多かったり、ちこくが多かったりしたけれど・・・それでも・・・ぼくはりんごちゃんが最高の魔法少女になるって思ったんだ!特に、そこに根拠とかはないよ、何か悪い?」
コロンは今にも泣きだしそうだった。りんごが、今苦しんでいるかもしれないと思うと、心が痛くなる。
「お前はりんごを最高の魔法少女にするって決めたんだろ?だから、”フルーツ・キング”にねらわれたんだよ。”フルーツ・キング”は、我々をたおす存在、魔法使いというのが大嫌いなんだ。つまりさ、お前がりんごを選んだせいで、今こうして不幸にあってんだよwなあ、他にもう少しマシな奴がいただろ?ああ、りんごはかわいそうだなーwお前のせいで、りんごはストレスを背負ってきたんだなあwりんごは、きっとお前にうらみを持ってると思うよwなんで自分を選んだんだ、なんで自分だけこんな目に遭わなきゃいけないんだってね。りんごってさ、きっとストレスかかえてたんだよーw」
そう言われれば、そうかもしれないとコロンは思った。自分のせいで、りんごを危ない目にあわせてしまっている、そんなことは今まで考えたこともなかった。りんごが危ない目にあったときは、自分が助けられれば十分だと思っていたけれど、日に日に”フルーツ・キング”の存在が分かってくるにつれ、自分が何もしてあげられないことに気づいた。そう思うと、神に言われたことは強制ではなかったわけであり、その神が嘘をついていると見抜くことができれば、りんごをこんな目に遭わせることはなかったのだろう。
「ぼくの・・・せいだ・・・」
コロンは、飛ぶのをやめ、うなだれてしまった。もう、動ける気力さえなくなってしまっていた。

さて、ここまでとしましょう。次回からは、りんごの行方について、詳しく書いていきたいと思います。りんごやクラスの生徒、亀森先生はどうなってしまうのだろうか。そして、徐々に知らされていく真実、なぜ神はりんごが最高の魔法少女になれると思い、りんごが最高の魔法少女にならなければならない理由があったのだろうか。りんごとコロンの出会いにつながるストーリーが、次回から始まる・・・!


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