コメディ・ライト小説(新)

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フルーツ・ランク
日時: 2025/03/05 08:31
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

[はじめに]
初のコメディ・ライト小説を書いてみました!
ファンタジー小説に入れようか迷いましたが、考えた結果、こちらに提示することといたしました。

※読みやすくなるように、空白などを利用しております。

[あらすじ]
何故か突然、魔法少女になってしまった花咲中学校の生徒たち。一方で、「フルーツキング」と呼ばれるグループ組織が、学校や町の人たちを危険にさらしてしまう。しかし、「フルーツキング」が人間を危険にさらすのには、とある理由があって・・・。

※2月7日に更新いたしました。

[みなさんへ]
この小説は、作者が毎日管理しております。こちらに届いたコメントは、24時間以内に返信させていただきますので、よろしくお願いいたします。

※作者が体調不良などの場合は、各お話にて詳細をお伝えしていきますので、コメントを送信したのに、返信が来ないという方は、そちらを閲覧してください。

小学生を対象しておりますので、あえて分かりやすく、そして少しフィクションっぽくアレンジしております。また、お若い方にも読めるよう、常用漢字以外は使わないようにしています。

※一部に、誤字や脱字等があるかもしれません。見かけた場合はコメントにてお伝えください。

[目次]※ずいじ話を増やしていきます。
>>1第1話 私はりんご!
>>2第2話 いじられるということ
>>3第3話 そっか
>>6第4話 復讐
>>7第5話 一番きらいな授業
>>8第6話 三人の関係
>>9第7話 休み時間
>>10第8話 でも、りんごは・・・
>>11第9話 魔法は初めて!
>>12第10話 物や人を浮かす魔法※短編
>>13第11話 結局
>>14第12話 転校生※コラボ開始!※長編
>>15第13話 先生※長編
>>18第14話 そして、コロンは・・・
>>19第15話 演奏会
>>22第16話 友達になりたい!
>>23第17話 秘密のこと※長編
>>26第18話 とある作戦※長編
>>29第19話 一大事
>>30第20話 先生対生徒
>>31第21話 捜索※長編
>>34第22話 力を合わせて※長編
>>35第23話 戦いは初めて!
>>38第24話 れもんの異変
>>39第25話 最高の魔法少女は・・・
>>40第26話 りんごといちご
>>41第27話 れもんの力
>>42第28話 シャインマスカット
>>43第29話 イケメンバトル!?(長編)
>>44第30話 亀森先生(長編)
>>45第31話 りんごとコロン(長編)
>>46第32話 最高の魔法少女であり・・・
>>47第33話 日常茶飯事(短編)
>>48第34話 球技大会 前編
>>??第35話 球技大会 後編
※>>を付けて、各お話にリンクできるようにしました(>>のコピペOK)。

[注意していただきたいこと]
・荒らしとみられる行為をしてはいけません。
・この小説はフィクションです。
・この小説は、小説カキコにて連載しております。
・途中で気分が悪くなってしまった方は、閲覧をすぐに止めてください(1時間につき、5~10分程度の休憩をすすめます)。
・他サイトへの誘導とみられるスレは、対処いたしかねますので、ご理解ご協力をお願いいたします。
・この小説の各お話および本文(>>を除く)を別ページ(サイト)でご利用する場合には必ず、作者名(小説嫌いな医師)とこの小説名(「フルーツ・ランク」)を書いてください。

ぜひ、小説の世界をお楽しみください!

[前書き]
第1話の作成から、わずか3日で閲覧回数が140回を超えることができました。
また、第1話の作成から、24日で閲覧回数が400回を超えました。
応援していただきまして、本当にありがとうございます。

Q 一話に何分くらいかけて作っているのですか?
A 20から30分くらいですかねえ。1分間に100文字くらいのペースで書いていますので。結構、考えてみると、思いつくんですよねえ。それでいて、フルーツにしたりとか、いじられたりとか、他の話とはなるべくかぶらないように製作しております。

※第一話の「私はりんご!花咲小学校に通う、ふつうの小学生!」は、中学校(中学生)ということにしてください。申し訳ございません。

[「フルーツ・ランク」キャンペーン]
2025年「フルーツ・ランク」をお読みいただき、ありがとうございます。

「自分の作品を作者に見てもらいたい!」や「こんな設定にしてほしい!」などがあったら、コメントにて投稿してね!
また、作者の年齢と誕生日を当てられた方には、りんごからのコメントも投稿させていただくね!(雑談提示版を見ると、ヒントが書いてあるかも!)
※25歳2月11日→25211(例)

※あまりにも不快な内容ですと、返信できない場合がございます。

第9話 魔法は初めて! ( No.11 )
日時: 2025/01/20 16:35
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

そういえば、みなさんは魔法少女が登場するアニメで、何が一番好きですか?(ちなみに私はプリキュアですwいいんですよ、今の時代、男とか女とか関係ないですし、それでロリコンとか言ってくる奴がいたら、そいつには、「お前は時代遅れなんだな」と言ってやればいいんですよ)コメントにてお願いいたします!

時間が止まっているから、大樹や秀平にいじられる心配もない。よし、やってみよう!
「フルーツ・チェンジ!」
これで、本当に何か起こるのだろうか。そのとき、目の前にあった丸い魔法が、強烈な光を放った。初めて見る光景に、りんごはおびえる。
「ほ、ほんとに、これで・・・いいんだよね・・・?」
りんごはおそるおそるコロンに聞く。
「もちろん!待ってれば勝手に来るよ」
コロンは余裕の表情だ。
「来るって・・・いったい何が来るの・・・?」
初めての感覚に、りんごは襲われた。
「ひゃっ・・・やめてっ・・あはっ・・・」
急にくすぐったくなったのだ。体全体がくすぐられているような気がする。
「これ・・・なに・・・っ・・・」
「ああ、魔法の効果だよ。変身するときは、なぜかどうしても、体がかゆくなっちゃうらしいよ。しかも人間だけ」
コロンが他人事に言ってきた。無責任なやつめ・・・。
「はあっ・・・はあっ・・・」
りんごは、息が荒くなってしまう。そして、ぐったりとしていた。
「やったじゃん!成功だね!」
コロンが嬉しそうに言う。
「あの・・・まだちょっとかゆいんだけど・・・」
どうやら、かゆみはしばらく続くようだ。怪我をした時みたいにひりひりとくる。
「がんばれ!きっと何回かやれば慣れるから」
コロンは、簡単に言うが、りんごには無理がある。
「無理だよ・・・もう死にそうだったもん・・・」
りんごは泣きそうになる。
「で、でもさ・・・ほら、自分の服みてごらん!」
自分の服を見てみると、本当に変身していた。まるで魔法使いのようだ。色は赤で、ボタンがりんごの形になっている。スカートも綺麗で、何だか魔法の力というのを感じた気がした。
「す、すごい・・・これが、魔法の力・・・?」
まさか、一瞬で服が変わってしまうなんて。
「そう!あ、まずい、そろそろ時間が・・・」
時間が元に戻る。周りのみんなは、もうすでにチェンジが終わっていた。
しかも、色や形が個性的で、みんな違うのだ。これも魔法の力だとしたらすごい。
「すごい!これで魔法が使えるの!?」
りんごは驚いてコロンに聞く。
「まだだよ。これは、準備だから。それに、魔法っていうのは色々と難しいんだよ。魔法使いになれたからといって、必ず魔法が使えるとは限らないんだから」
コロンが真面目に言う。先生が手をたたいた。
「はい、みんな上手に出来ましたね。では、次に一元魔法の一つ、念力移動を使ってみましょうか。自分の机の上に教科書が置いてありますよね。その教科書を、魔法で浮かせてみてください。やり方は簡単です。ただ、その教科書の一点を見つめて、動け!と思いを込めるだけです。ちなみに、慣れてくると物だけでなく自分を浮かすこともできますよ。では、やってみましょうか」
念力移動。初めてやる魔法だ。この教科書を、魔法で浮かす。そんなこと、できるのだろうか。
「動け!動け、動け!」
だが、何度やっても浮く気配を見せない。
「全然だめだよ」
コロンに聞く。
「そりゃ、そうでしょ。初めてでいきなり出来る訳ないって」
たしかに、他のみんなも苦戦している。
「でも、早く魔法使いたいー!」
「そんなこと言われても・・・。魔法が使えるかどうかは、本人の努力次第だから・・・特にマイペースなりんごちゃんだと・・・」
りんごはむっとする。
「誰がマイペースよ!」
「だって、学校に遅刻してたじゃん」
「あれは・・・」
りんごは何も言い返せなくなる。
「おーい、誰と話してるんだーwついにまぼろしでも見えたかー?」
秀平がりんごに向かって話してきた。
「べ、別に何でもないよ・・・」
コロンは急いでポケットの中に隠れる。隠れる必要ないのに。秀平がりんごの目の前にやってくる。
(ち、ちかい・・・)
お互い、顔がぶつかりそうになった。
「なんか隠してんだろ。お前、ほんと分かりやすいよなw」
「だから、何でもないって!」
りんごは、つい怒鳴ってしまう。
「ま、いいけど。せいぜい、がんばれよw」
なんて失礼な奴なんだ。秀平はそう言って、そのまま立ち去ってしまった。りんごは悔しくて顔をしかめる。秀平は、小学生の頃からそうだったんだ。身長が小さいのを理由に、いつもいじってきて。最近では、「お前、ほんと胸ないよなw」とか言ってくるようになった。それで、はあ!?女子にそういうこと言う!?こっちだって、胸がないのはコンプレックスなんだよ!それをわざわざ、言ってくんな!とか、思ったりして。でも、言い返すことは出来ない。りんごは昔から弱くて、けんかとかは苦手だから。さて、りんごは気持ちを切り替えて、もう1回魔法にチャレンジしてみた。しかし、やはり教科書はびくともしない。幸い、他の人もまだ出来てないけど。魔法は想像以上に難しいと思う、りんごなのだった。

ああ、ネタが少ない!もう少し頑張らないと!次回はとりあえず、物や人を浮かす魔法について書いていきます。ちなみに、一元魔法は全部で11種類考えております。とりあえず、ゆっくりとした展開で書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!そして、段々と他のキャラも登場させていきたいと思っております。いつかはクラスの人たちの、まだ紹介していない人も紹介していき、りんごの友達になるという展開に出来たらなと思っております。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

Q これってやばいんじゃないですか?
A これくらいは、中学生にはよくあることですよ、はい。別に、一種の少女漫画としてみれば、何の問題もありません。別に、性とかそういうのじゃありませんし。

第10話 物や人を浮かす魔法 ( No.12 )
日時: 2025/01/23 07:34
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

※今まで(最初を除く)、作家プロフィールのURLを間違えて提示してしまい、申し訳ございませんでした。

今まで、「フルーツ・ランク」をお読みいただき、本当にありがとうございます。
ここで、重大発表がありますので、お知らせいたします。すでに、提示版の方を見ている方はご存じかもしれませんが、なんと、れもんさんとコラボすることになりました!(と言っても、私から話を掛けたのですが)なので、この小説の、のちに紹介されることとなる「れもん」というキャラは、れもんさんが考えてくれた設定を基にして作っています。初めてのコラボとなりますので、上手くいくかは分かりませんが、いずれ「れもん」というキャラが登場することを、頭の中に入れておいてくれればなと思います。

物や人を浮かす魔法。それは、一元魔法の一番基本の魔法でありながらも、なかなか初心者には難しいものである。
「動け!動け!」
りんごが何度言っても、教科書はびくともしなかった。それどころか、もう5時間目はあと、5分で終わってしまう。急がないとまずい。そう、教科書をこの時間内に動かすことが出来なかった場合、家で帰ってきてタブレットのカメラ機能で、動画を撮るのだ。そして、それを後日、提出しなければならなくなる。家でやるのは面倒だし、何よりプライベート時間がつぶれてしまうのは嫌だ。みんな、その一心に必死に魔法を唱えている感じだ。しかし、どうしても教科書を浮かすことはできない。
「教科書を浮かせられなきゃ、他の物なんて到底むりですよ。さ、残りあと3分。頑張ってください」
こっちだって必死に頑張っているのに、そう言われるとなんかむかつく。
「コロ~ン・・・助けて~・・・」
りんごは、ついにあきらめ、コロンに助けを呼んだ。しかし、コロンはポケットから出てこなかった。
「もう、こんなときに!」
コロンはびくともしなかった。せっかく、コロンに時間を止めてもらおうと思ったが、この様子では無理そうだ。こうなったら、あと3分以内に魔法を成功させるしか方法はない。そうしないと、宿題になってしまうのだから。
(魔法って、こんなに難しいんだ・・・)
そして、りんごは初めて魔法の難しさを知った。そして、みんなの着ていた服が元に戻る。魔法の力が消えたんだ。きっと、この「フルーツ・チェンジ」にも、時間制限があったのだ。だから、着ていた服が元に戻ってしまった。たしか、「フルーツ・チェンジ」を唱えたのは、今から30分前。つまり、効果は30分くらいといったところだろうか。もう少し、さっきの衣装でいたかったなと思ったが、りんごはあきらめた。また、魔法を唱えてもいいのだが、そんなことをしていたら、すぐに時間が過ぎてしまうだろう。もう、宿題を減らすために、この作業は1秒たりとも見逃せなかった。そして、ついに残り2分。4人ほどが成功していた。ほんのわずかだが、教科書が見事に浮いている。
「おお!教科書を浮かせることができましたね。これからも、毎日練習をして、教科書を天井の上まで浮かせられるようにしましょう!」
先生は、興奮状態だった。それに引き換え、りんごは全くできる気配がない。今日は、もう無理なのだろうか。でも、それでもいいと思った。なぜなら、秀平と大樹も、まだできていないのだから。

とりあえず、短編となりましたが、今回はここで終了とさせていただきます。もし、ご感想やご意見などがありましたら、コメントにて提示をお願いいたします。それでは、また午後に書きますので、よろしくお願いいたします。

小説好きな医師が体調不良、そして小説カキコを終了しました。今まで、1か月という短い期間でしたが、「日アイ」などの小説を手掛けており、皆様を圧倒したところ、閲覧回数も400回を超えており、すごいなと思いました。きっと、またどこかでお会いできることを楽しみにしております。もし、あなたが小説好きな医師なのであれば、早期の復帰を期待しております。どうか、一生のライバルでいてください。

第11話 結局 ( No.13 )
日時: 2025/01/22 18:25
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

閲覧回数が200回を突破しました!1週間という事で、ちょっと時間が掛かってしまいましたが、とりあえずって感じですね!ただ、「日アイ」は閲覧回数がすでに、400回を超えているので、それに超すよう、頑張りたいです。

[とあるコメント広場]
「なんかさ、読んでみたけどいまいちだよねw」
「そうそう、魔法使いの話になってから、急に現実的じゃなくなったw」
「コラボっていうけどさ、上手くいくのかなあ」
「作者によるんじゃない?」
「なんか、もう少し詳しく文を書いてくれればなあ」
「更新がおそい!早くしろ!」

あらら、結構やばいですね。更新については、本当に申し訳ございません。あと、その他は現状の私では、厳しい課題です。更新は、なるはやでやっていきますね。更新が、なぜおそいかって?さぼりです(おい!)。

そして、結局5時間目のチャイムは鳴ってしまった。
りんごを含めた19人は、宿題という形になった。しかし、りんごはそれどころじゃなかった。休み時間、りんごはぐったりと寝ている。とにかく疲れた。初めて使ってみた魔法、それがこんなに体力の要るものだとは思わなかった。りんごはこの時、初めてコロンの凄さを知ったのだ。時間をいつでも止められるコロンは、魔法を使いこなしている感じがする。しかし、それには相当な時間が掛かったのだろう。自分には到底まねできないなと思った、りんごなのだった。

りんごはしばらくして、目を覚ました。すでに、6時間目の授業が始まっていた。全くチャイム音に気づかなかった。いつの間に始まっていたのだろう。周りが立っていたので、りんごも急いで立つ。ちなみに、6時間目は数学だ。そう、りんごの一番嫌いな授業である。数学は、正直、必要ないと思っている。だって、数学をやったところで、今の時代は電卓アプリといったものがあるのだから、計算する必要なんてない(どこかで聞いたセリフ・・・?)とりんごは思っていた。
そして、号令が終わった後、先生は話し始めた。
「では、数学の授業を始めます・・・と思ったのですが、さっきの魔法が使えない人があまりにも多すぎたので、もう1回やってもらいたいと思います。すでに出来るという人は、さらに高く浮かせるようになる練習をしてみてください。あ、あと、先生は会議だから職員室に言っちゃうけど、静かにしてるのよ」
先生は、そのまま教室を去ってしまった。さて、先生は教室に居ない。これは、まずい状態だ。何やら、こそこそ話が聞こえてきた。
「なあ、魔法って人生に必要あると思う?」
「絶対ないだろwでも、ここに入学してきたんなら使えた方がいいけどな」
大樹と秀平が喋っているのが聞こえた。どうやら、りんごのことではないらしい。さて、安心したし寝よう。そう思ったのだが、いきなりドーンと大きな足音が聞こえた。そちらを向くと、男子が飛び跳ねていた。一体、何をしているのだろう。まあ、バカな男子だから、またくだらないことだろうけど。
「くそ!浮かねえ!」
「もっと高くジャンプするんだ!」
どーん!どーん!
男子によって、さらに足音は大きくなっていった。さすがに、それを見ていた他の女子が言い出す。
「ねえ、男子!そろそろやめようよ」
「そうよ!静かにしてって先生に言われたでしょ!」
しかし、女子が叱っている中、男子は聞く耳をもたない。男子は、こういう時は馬耳東風なのだ。その時、バタン!と先生が教室のドアを勢いよく開ける。ジャンプしていた男子も、すぐにやめた。
「せ、先生、どうしたんすか?」
秀平が問う。
「あのねえ、あんたたちのせいで、会議に集中できないのよ!」
「えっ・・・」
男子はおどろく。そうだった、職員室は、この教室の下にあるのだ。つまり、めちゃくちゃ職員室に、足音が響いていたという事か。それを察した瞬間、男子は恥ずかしくなった。
「もう、これ以上邪魔しないでください!」
そう言って先生は、再び職員室へ戻った。男子は、先生が教室を出たのを確認し、愚痴を吐く。
「ちぇっ、あれくらいで怒るとか、器の小さい人だなあ」
秀平が言う。
「だよなwほんと、先生がいなけりゃ、もっと楽しい事できるのにさあ」
大樹も頷く。
女子は、男子の事をにらんでいた。男子は、机の上に座っていた。足をぶらぶらとばたつかせている。ほんと、常識を守れないのが、このクラスの男子だ。女子も、さすがにあきれてしまい、魔法を唱えることに励むこととした。りんごも同様だった。
今度こそ、絶対できる・・・。
そう思いながら、心を込めて魔法を唱える。
「教科書、動け!」
すると、ほんの数ミリだが、教科書が一瞬だけ浮いた気がした。やっと、出来たんだ。魔法使いに比べれば、まだまだだけど、魔法を使う事ができたことに、りんごは嬉しくなっていた。
「浮いた!浮いたよ!」
コロンに急いで報告する。
「ふーん、よかったね。じゃあ、今度はもっと浮かせてみてよ」
コロンは、あまり興味が無さそうだ。
「なに、その言い方!だって、すごくない!?魔法が私にも使えたんだよ!」
りんごは少しむっとなった。
「魔法は使えて当然だよ。だって、その服には魔法の力が込められてるもん」
コロンが正論を言う。
「それは・・・そうだけど・・・・」
りんごは言い返せなくなる。
「それより、早く続けてよ」
コロンが言う。なんか、上から目線なんだよなあ。
「分かってる!」
りんごはそう言って、魔法を唱えるのを続けた。やっと、この時から達成感を得られ、魔法が楽しいと思い始めるようになったのだ。

次回は、新しい転校生を登場させようと思います。誰が来るかはお楽しみです。もしかしたら、りんごと友達になるかも・・・。そして、段々と秀平や大樹の方も関係性を表していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

※次回は長くなるかもしれません。

第12話 転校生 ( No.14 )
日時: 2025/01/24 07:42
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

※このお話からは、コラボを開始します。
※花咲徳栄高等学校とは全く関係がありません。名前が似ているだけです。

6時間目は終わり、下校の時間となった。みんな、後ろにあるロッカーから荷物を取り出し、机の上に置いた。

ちなみに、りんごのクラスは2年1組。この学校では全学年、3クラスまである。そこそこ生徒数の多い学校だ。

ついに、下校の時間になってしまった。せっかく、魔法が楽しくなってきたところだというのに。
(ああ、終わっちゃったなあ・・・)
学校に帰れるという嬉しみと、もう少し魔法を唱えたかったという悲しみが、りんごの心の中で混じった。黄昏ていた、りんごに秀平が声を掛ける。
「早くしろよw下校時間がおくれるだろw」
秀平が後ろから言う。分かってるのに。
りんごは、われに返った。そして、持っていたかばんを机の上に置き、すぐに席に座る。先生がそれを確認し、話を始めた。いつの間にか、どうやら帰りの会が始まっていたようだ。まったく気づかなかった。
(え、お前がにぶいんだろ?ちょっと屋上、一緒に行こうか?)
とまあ、ダークな話は置いといて。

「今日も一日、お疲れさまでした。魔法が上手くできなかった、大樹さんと秀平さんは、家で宿題となりますので、よろしくお願いしますね」
先生の話を聞いた瞬間、りんごは2人を向いてニヤリとする。2人は知らんぷりをしていた。
(くそっ・・・魔法はおれだけが使えればいいのにな)
秀平は、心の中で、ずっとそう叫んでいた。
魔法がおれだけ使えれば、きっと楽しいだろうな。他の人を魔法であっと驚かせてやれるのにな。そして、りんごにも魔法をかけて、いじってやるんだ。そんな毎日だったら、きっと楽しいだろう。テストの時は、魔法の力でカンニング。じゃんけんする時だって、相手の思考が魔法で読めれば、必ず勝つことができるだろう。秀平は、実は悪い事だけには頭が働く。
(そうだ!こうしちゃおう・・・w)
秀平は、先生の話も聞かず、ただ何かをたくらんでいた。それを、まだ誰も知ることはなかった。
ああ、楽しみだな。あいつの困る顔が目に浮かんでくるぜ。
さっきまで、あれほど嫌だった宿題も忘れ、秀平はそのことで頭がいっぱいだった。なので、もちろん宿題なんて、そっちのけにしてしまった。

先生が話を言い終える。やっと終わった。先生の話はいつも長いのだ。そして、最後の号令をしようとしたところで、突然、扉を開けて誰かが入って来た。容姿はめちゃくちゃ可愛く、我々と同じ中学生に見える。ただ、身長や体重は同じくらいなはずなのに、顔だけは大人っぽく見えた。「かわいい」。今、みんなから浮かんでくる言葉はそれだろう。彼女は、先生をどかすようにして、教卓の前へ行った。そして、こちらを振り向く。
「はじめまして、れもんです、よろしくお願いします」
(なぜ、この時間に・・・?)
プライドの高そうな子だ。りんごにとって、れもんは、前の時のみかんのような子で、めちゃくちゃ苦手なのだ。

「れもんさんは、今日から転校してきました。みなさんで、仲良くしましょうね」
仲良くなんて、出来る気がしない。りんごからしたら、ここにいるクラス全員が敵だ。それなのに、嫌いな人がさらに増えるなんて、たまったもんじゃない。
(ああ、魔法で彼女を追い出せたらな)
りんごは、そんなことを思っていた。

魔法を使いこなすのは難しいのは知っていたが、その一方で、魔法は使い方によっては、どんな効果も得ることができるのだ。
つまり、魔法が使えれば、やりたいことが何でもできてしまうということだ。しかし、今の自分には、そんなことができるはずがない。というか、まずやり方を知らないのだ。そんな魔法があるかも分からないし。
「えーと、では、りんごさんのとなりの席にしましょう」
げっ!まさか、自分のとなりに来るとは思わなかった。れもんは、平然として、りんごのとなりに座った。お互い、なんか顔を合わせにくかった。めちゃくちゃ嫌な雰囲気・・・。これは、絶対友達になれないやつ・・・。りんごは、そう察していた。気が合わないというか、何と言うか・・・。
「では、帰りの会を終わりにしましょう。日直さん、お願いします」

こうして、帰りの会はとりあえず終わった。そして、ついに帰ることができる。りんごは、すぐに教室を飛び出した。りんごに、友達はいない。だから、人の事を考えずに、急いで帰ることができるのだ。
(やった!やっと、帰れる!・・・うわっ!)
校門を出て、通学路に行ったところで、石につまづいて転んでしまった。
(うっ・・・)
身体を動かそうとすると、キズが出た場所がひりひりと痛む。とりあえず、運の悪い事に、しばらくは動けなそうだ。
(んっ!)
りんごは、石にいらつき、石をどこかに投げつけた。そして、その石はまっすぐと、秀平の足にぶつかった。
「いてっ!何すんだよ!」
秀平は、足を止めて、りんごの方を向いてにらむ。
「あ・・・ごめん・・・」
「まったく、次やったら、お前の秘密、さらけ出してやるからな!」
りんごは、そう言われ、顔色が変わる。あれだけはやめてほしい。あれだけは・・・。
わざとじゃないのに、しかし石(意思)を当ててしまったことは事実だ。
どうしよう、またやってしまうかもしれない。りんごは恐怖に包まれた。

実は、りんごには、とある秘密があった。それは、今の2年生が、花咲中学校に入学したころの話。当時は、桜が満開だったことを覚えている。ただ、あの時は、めちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたのだ。
それは、たまたま、階段を上がるときのこと。下には秀平がいて、こちらを見ていた。そして、スカートの中を見られてしまったのだ。りんごは、すぐに後ろを隠そうとするが、もう遅かった。
修平が階段を駆け上がってくる。
「お前、スカートの中、そういう感じなんだなw」
最悪だった。嫌いな男子にのぞかれたのだ。すぐに殴りたくなってきたが、その気持ちを何とか抑える。
「いいか?このことは誰にも言うな?もし、先生にでも言ったら、俺もお前の秘密をチクってやるからな?」
秀平はめちゃくちゃ焦っていた。りんごは、どうしてもばれたくない秘密がいっぱいあったので、口止めを許した。実は、このほかにも、りんごにはいろいろな秘密がある。例えば、小1の時にはおもらしをしてしまったり、校則違反の下着をこっそり着てしまったり。何とか、みんなにはばれないようにやっていたのだが、秀平にだけは、簡単にばれてしまった。なので、これらの秘密は秀平とりんごだけの秘密となっている。

りんごは、すぐに秀平を呼び止めようとする。
「待って!ほんとにごめんなさい!あれだけは、みんなに言わないで!」
りんごは必死だった。涙が出始める。修平は後ろを振り返った。
「その顔、その顔wそうやってさあ、か弱くなるのが、女子の可愛いところなんだよwそうやって、簡単に必死になれるってすごいねw」
つまり、今までいじってきた理由は、りんごの反応が面白いからということだったのだ。
「お前、ほんと、すぐに反応しやすいからさwほんと、ちょろいねw」
秀平に言われ放題だ。しかし、りんごが反論できるわけがない。
反論してしまったら、またあの秘密をみんなに言ってしまうかもしれないから。
そうなってしまったら、りんごはさらに嫌われ、変なあだ名までつけられてしまうだろう。
しかし、だからと言って、親や先生にチクることはできなかった。
いつも、「チクったら、こっちもばらしてやる」と脅してくるのだ。
りんごは、その決まりをやぶることはできなかった。とにかく、秘密がばれてしまった方が、リスクが大きいと考えたのだ。
「じゃ、せいぜい頑張りなw」
そのまま、何事もなかったかのように、秀平はその場を立ち去った。
(最低・・・ほんと最低・・・)
そう言ってやりたかったが、秘密を盾にしている以上、一つでもおかしな行為をしてしまったら、それこそ秀平は、秘密をばらしてしまうだろう。ただただ、りんごは反論できず、涙を流すことしかできなかった。しばらくは、体が動かなくなっていた。いつもこうなるのだ。

例えば、昨日は「あの女にバカと言え、そうしないと帰らせねえぞ」と言われた。修平は、曲がり角で隠れて、りんごを見ていた。そして、ついに女が通りかかってきた。その子は、桜という名前で、クラスの中でもダントツで可愛い女の子だ。クラスの男子からは、いつもラブレターをもらっているらしい。そんな子に、「ばか」なんて言ったら、きっと格好の標的はりんごに向くだろう。そうとわかっていたが、秀平に脅されてしまい、りんごはいつの間にか、秀平の言いなりになっていた。
「ばか・・・」
ついに、言ってしまった。桜は、こっちを向く。その顔は、すごく怒っていた。
「あ・・・えっと・・・」
りんごは、何も言えなくなる。修平の方をチラッと向く。修平は、無責任なことに、「クスッ」と笑っていた。
「なに目、そらしてんのよ」
「ちがう!し、秀平が・・・あれ・・・?」
曲がり角に隠れていたはずの秀平がいない。だまされた。秀平は、きっと怖くなって先に帰ったのだ。「ばかと言ったら、すぐに俺が良い場所に案内してやるよ」とか言っていたくせに。
「秀平なんていないじゃん?ねえ、さっきの言葉、もう一回、言ってくれない・・・?」
桜はめちゃくちゃ怒っていた。それは、りんごにもわかるくらいだった。
りんごは、桜に何度も謝ることになったのだ。そして、下校途中の生徒にも見られてしまった。りんごの涙が零れ落ち、顔がぐしゃぐしゃになる。修平に、まただまされてしまった。じゃあ、秀平の言うことを信じなきゃいいじゃないかって?秀平の言うことを守らなかった瞬間、秀平はりんごの秘密をチクるに決まっている。そしたら、りんごは恥ずかしくてたまらなくなるだろう。なので、秀平の言いなりになるしかなかった。そうしないと、この学校生活は続けられない、そして、いつしか秀平からは逃げられないと思っていたのだ。りんごは、秀平に洗脳される毎日が続いた。嫌なことばっかりをさせられたが、「秘密を言ってやる!」と言われると、従うしかなかった。
修平は、自分が上の立場になっているように感じているのか、すごく楽しそうだった。とりあえず、これまで秘密は暴かれていないが、今まで恥ずかしいことをさせられた経験は、数多くある。
これも、りんごが弱いのが悪い。それはわかっている。でも、もうりんごは、秀平から逃れることはできなかった。

今回は、長文とさせていただきました。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。再び、ご感想やご意見があったら、コメントにて投稿してもらえればと思います。今回は、りんごと秀平の関係でしたね。そして、新しく来た転校生、れもんというキャラも気になるところです。次回は、主に先生についてご紹介いたします。そして段々と、れもんなど他の生徒もご紹介していきたいと思っておりますのでどうぞ、よろしくお願いいたします。

第13話 先生 ( No.15 )
日時: 2025/01/25 08:32
名前: 小説嫌いな医師 (ID: lCrzzWFh)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14085

今まで「フルーツ・ランク」をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、第13話となります。「フルーツ・ランク」は、学校生活が主となっており、先生や生徒のキャラが個性豊かなお話です。これからも、そういった生徒(先生)を紹介していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。そして、これからも応援をお願いいたします。

今回は、番外編ではないですけど、先生の紹介をしていきたいと思います。復讐がてらに見てください。

谷口先生
2-1の担任の先生。特に、りんごや転校生には厳しく、器が小さい。ただし、それでも生徒を思いやってくれる優しい先生だ。ちなみに、担任の先生は、亀森先生のことが好きらしい。先生同士の初恋、なんだか面白いネタになりそうです・・・。

亀森先生
全学年の音楽を指導している先生。昔は、有名な音楽大学に所属しており、本人は「音楽は楽しむべきだ」と語っている。また、顔もめちゃくちゃイケメンで、女子生徒は亀森先生に、いつも大はしゃぎ。その光景には、さすがの男子も引いているらしい・・・。

とある午後の2-1で、亀森先生はピアノの練習をしていた。実は、ピアノがあるのは、ゆいいつ2-1だけなのだ。
もう外は夕方で、そろそろ生徒の下校時刻だが、先生はそう早くは帰れないのが現状なのだ。

ああ、この働き方をせめて、改革してほしい。そうすれば、残業も少なくなるというのに。
ちなみに、なぜピアノの練習をしているかといえば、明日は大きな行事である演奏会があるからだ。
演奏会とは、この学校の一大行事であり、先生がともに演奏を披露する会だ。

ただ、これは体育館でやり、全校生徒に見られるため、1回でも失敗してしまえば、大恥をかくことになるという行事。さらに、亀森先生が間違えてしまえば、恐ろしいことになるだろう。

実は、今日の朝、会議で演奏会の話があって、亀森先生は音楽家だからという理由で、無理やり主旋律に入れられた。

その時は自分もまだ、軽い気持ちでいたが時間が経つにつれ、自分は間違えちゃいけないんだという気になった。

そして、その主旋律が崩れてしまっては、せっかくの演奏会も台無しになるだろう。それだけは嫌なので、必死で練習をしていた。

(よし、もう1回やろう)
練習をすればするほど、うまくなると思い、亀森先生は同じパートをもう一度弾いてみることにした。ここだけ、なぜかうまくいかないのだ。

その時、扉の奥からノックが聞こえてきた。こんな時間に、誰だろうか。
亀森先生はピアノを弾くのをやめ、「どうぞ」と声をかけた。
「失礼します」
そう言って、中に入ってきたのは谷口先生だった。
谷口先生は、女の先生で背が高く、眼鏡をかけている。谷口先生を知らない人から見たら、真面目な人だと思えるだろう。しかし、意外にもそんなことはない。

亀森先生は、谷口先生の方を向く。
「谷口先生!どうしたんですか?」
谷口先生は暗い表情をしていた。いつもの谷口先生じゃないと、亀森先生は悟った。
「あの、明日の演奏会についてなんですけど、実は急遽、水森先生がお休みになってしまって・・・」
水森先生とは、1-1の担任の先生で、おくびょうだけど、音楽は意外と得意な先生だ。水森先生には、2番目に大事なフルートのパートを任せていた。でも、まさかお休みになってしまうだなんて・・・。
「み、水森先生が!?」
亀森先生は、突然告げられたことにおどろいた。もう、演奏会は明日だというのに。このまま実行しようと思っていたのに。
「どうしよう!1人足りなくなってしまった!」
亀森先生は頭を掻く。
「そうですよね・・・。あの、これは職員室の皆さんから出したアイデアなのですが、亀森先生が2パートやるというのは、できませんかね・・・」
「私が!?無理ですよ!主旋律だけでも精一杯だというのに、これ以上、仕事を増やされてしまっては困ります!せめて、もっと前ならいいですが、そう事前に言われても・・・」
「ですよね・・・じゃあ、どうしましょうか・・・」
2人は、じっくりと考えた。その時、ガチャッと扉が開いた。2人は扉に注目した。
「あっ、失礼します・・・」
正体はりんごだった。一体、何の用だろう。
「こんな時間に、どうしたの?」
谷口先生が聞く。
「ごめんなさい、リコーダーを忘れてしまって・・・」
りんごは、すぐに自分の席からリコーダーを取り、急いで立ち去ろうとした。
「ちょっと待って!」
亀森先生が、りんごを呼び止めようとする。りんごは、リコーダーを両手に持ったまま、振り向く。
「あの・・・もし、よかったら、水森先生のパートをやってくれないか?」
亀森先生の顔は本気だった。
「わ、私がですか!?無理です!無理です!だって・・・生徒だし・・・それに、みんなの前でやるのは・・・恥ずかしいし・・・」
りんごは必死で逃げようとする。全校生徒がいる前で、演奏をするなんて無理に決まっている。
「そうですよ、亀森先生!事務員さんを探してみれば、いいじゃないですか!」
「いいから、彼女にやらせてくれ・・・。私の勘が、そう言っているんだ・・・」
亀森先生は黄昏ていた。
「なに、バカなこと言ってるんですか!ピアノのやりすぎで、おかしくなっちゃってるんじゃないですか!」
谷口先生も必死だった。
「私は音楽の先生だ。私に逆らうというのか?たしか、演奏会はすべて私が率いていいと言われたが?」
たしかに、おととい、そんなことを言った気がする。でも・・・。
「でも、それでもだめです!生徒にやらせるなんて・・・今までにありませんよ!」
谷口先生と亀森先生の口論は続く。
りんごは、どうしていいのか分からずにいた。
ただ、リコーダーを取りに来ただけなのに、こんなことに発展してしまうなんて。
「今までにないからこそ、面白い演奏会になると思うんだ!お願いします!」
亀森先生は、その場で土下座をする。
「そ、そんなことされても、無理なものは無理ですよ!大体、もう今からじゃ、遅いですし!」

こうして、口論は続き、10分後・・・。亀森先生が何とか勝ち、りんごは演奏会に出ることになった。りんごは、楽譜を渡された。この曲の、2パート目の部分を、最初から最後まですべて覚えなければいけないらしい。
(どうしよう・・・)
りんごは、倒れそうになりながらも、通学路を歩く。
道中、コロンがポケットから、顔を出してきた。
「よかったじゃん!演奏会なんて!人気者になれそう!」
「逆の意味でね」
「逆の意味?」
「きっと、明日は私が失敗して、先生を困らせてしまって、みんな私を見て爆笑するんだ・・・。
たしかに、そうなれば人気者にはなれるよね・・・」
「ちがう!ぼくが言いたかったのは・・・えっと・・・」
コロンは言葉が出てこない。慰めようとしているのに、こういう時に限ってうまく言い出せないのだ。
「やめてよ!そうやって、慰めようとするの!いつもいつも、コロンが上みたいでいやなんだよ!」
りんごは、泣きじゃくり、こちらを見ていた。その顔は、ぐちゃぐちゃになっていた。
(・・・・・・)
コロンは、突然のりんごの怒りに心配する。りんごは、そのままコロンをポケットから出し、逃げ出した。なぜかはわからないが、とにかくコロンの顔を見たくなかったんだろう。今まで、我慢してきたけど、別に慰められたくないし、そうやって言われるのは嫌だった。

(言っちゃった・・・)
りんごは、自分のやったことが悪いと思い、足を止めて後ろを振り返った。しかし、いつもは、ついてくるはずのコロンが、見当たらなかった。
「コロン・・・?」
呼びかけてもだめだ。りんごは、走った道を急いで戻る。
「コロン!コロン!」
どうしよう、私のせいだ。私があんなことを言ったから、コロンはいなくなっちゃったんだ。また、大切な友達を失ってしまったことに、りんごは後悔する。りんごは、涙を流しながらも、来た道を戻って、必死にコロンを探した。しかし、見当たることはなかった。時計を見ると、もう5時20分。早く戻らないと、母親に怒られてしまうというのに。頑張って探すも、コロンは見つからなかった。通学路の真ん中で、りんごはそのまま座り込む。
(はあっ・・・はあっ・・・)
すごく心が苦しい。せっかくの友達を失ってしまったこと、それを考えると気持ちが暗くなる。
「お願いだから・・・返事してよ・・・コロン・・・・」
りんごが、いくら泣いても、いくら問いかけても、コロンが現れることはなかった。自分がポケットからコロンを追い出し、その場から逃げ出してしまったからだろう。きっと、コロンは嫌われたと思っているんだ。でも、そんな遠くには行かないはず・・・なのに・・・。
「おじょうちゃん、どうしたの・・・?」
通りかかった高齢の男性が、りんごに声をかける。
「うっ・・・うっ・・・」
りんごは、泣くことしかできなかった。
急いで、手で涙をふさごうとするが、涙はポロポロとアスファルトの道にこぼれてしまう。本当のことを言っても、信じてくれることはないだろうと思い、黙り込むしかなかった。
「困ったなあ・・・あっ!ちょっと!」
りんごは、再び走り出す。なぜかはわからないが、その場にいるのが嫌だった。心配されるとか、慰められるとか、そういうのは嫌いだ。やはり、自分だけで頑張るしかないと、りんごは再び、コロンを探すのであった。きっと、まだ探していない所があるはず・・・・・・・。
りんごの服は、涙と座り込んだ時の汚れがついていたが、今はそんなこと気にならなかった。とにかく、コロンを探す方が先だと思ったのだ。
(そういえば、初めてだ・・・)
こんなことは初めてだった。友達のために、涙を流したり、必死で探したりしたことは、今まで一度もなかった。昔の自分なら、そのまますぐに、友達のことなんて忘れてしまっていたであろう。しかし、今は違う。コロンは、りんごにとって一番の、本当に大切な友達なんだ。自分がやってしまったんだ、自分で見つけ出さないと、だめ・・・なんだ・・・!りんごは、諦めずにずっと、ずっと探し続けた。しかし結局、コロンは見つからなかった。そして、母親が心配して、こちらに駆けつけてくれた。そのあとは、そのまま帰ってしまったと思う。その日は、りんごは夜も眠れなかった。ずっと、ずっとコロンのことが頭から離れられなかった。

やばいです、自分で書いた小説なのに、なんでこんなに涙が出てくるんでしょう!(知らねえよ)友達って大事ですね!皆さんも、小説カキコでも、現実でも、友達は大切にしていきましょう!私も大切にします!今回も、長文とさせていただきました。次回は、コロンが見つかるかどうか、そして演奏会について書きたいと思います!まだ、「フルーツ・ランク」は終わりませんので、安心してくださいね!それでは、また午後にお会いしましょう!ありがとうございました。


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