ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 包帯戦争。
- 日時: 2009/12/05 08:37
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
……ぬーがー。
もうダメだ。消えてしまったぁ……。死亡。
あー、じゃあ続きから。
コピるの大儀なんで、
http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12380
ここで読んでからどうぞ。
- Re: 包帯戦争。 ( No.42 )
- 日時: 2009/12/16 16:36
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
リアル鬼ごっこ・・・・・・・・本気でリアルですから。
- Re: 包帯戦争。 ( No.43 )
- 日時: 2009/12/16 17:04
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
もし、科学室で備品を割ってしまい、先生に怒られるとき、どう言い訳すれば逃がしてもらえるだろう。
今、僕はそんな小学生の気分を味わっていた。
「おい、何帰ってきてんだ。女連れて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「黙ってちゃわからんだろうが」
小春ちゃんがギロリと三白眼でこっちを睨んでいる。手には煙草。先端を灰皿に押し付け、火を消す。
「どうせ、遅刻ですから・・・」
「・・・・・・まぁ、いいわ。学校なんて面白くも何ともねーからな」
一社会人がそんな事言ってしまって良いんだろうか。この世界を甘く見ているような気がするけど。若干ね。
まぁ、高校生からグレてたけど宇美さんに育てられて立派にここまで自力で成長したんだから、尊敬に値する気もするけどねぇ。
「お前、何食うわけ」「ガム」「・・・・・あーそ」
代金を払って、ヒナトがくちゃくちゃとガムを噛む。僕も一応払って、四角い固体を口に入れた。染み出た味はグレープだった。
「ほんじゃーさー。お前らちょいとおつかい行ってくれねー?『初めてのおつかい』的みてーな」
「いいけど、制服じゃヤバいか。服着替えてくる」
二階へ上がって、制服を脱ぎ普段着に着替える。携帯を吊るして、一階へ。
「ヒナトは・・・・・そのままでもいいか」
「あたし、用意周到だ」
ただの成り行きデショ。とは言わないよ。
おつかいの内容は、山の方にあるちっさいスーパーでジャガイモと玉ねぎを買うという初歩的なもの。
どうやらカレーらしい。小春ちゃんは、カレーぐらいしか作れないこともないけど、カレーが一番美味しいから。リクエストしている。
「バッド、持っていくの?」「護身用。主に少年を守るため」「有難いけど、スーパーには入れないよ?」
しばらく唸り、ヒナトがバッドを珍しく置いて行った。日々成長しているのか?
スーパーは山のふもとにあるから、歩きでもかなりかかる。
よって、『二人乗り』という交通手段をとった。
後ろにヒナト、前で僕がスイスイペダルをこぐ。
南に向かって自転車をこいでいるわけで、でも風は北から来ている。ヒナトの伸びた長い髪が僕の方へきて鬱陶しいんだけど。
坂道をブレーキをかけながら降りて、左に曲がる。そのままずっと真っ直ぐだ。
しかし自転車に二人乗りすると、何でか黙りこくってしまうのは僕らのカップルだけなのか?
ヒナトもさっきからずーっと黙ってるし。声をかける気にもならないから、相手にしてないけど。
お互いに喋らずに20分。ようやくスーパーに着くことができた。いやー、遠い。遠すぎ。マジで。
でも田舎だからなぁ。
ここらは人通りも少なくて、近くに廃墟になった倉庫みたいなのがあって、正直気味悪い。
「少年」「う?」
久しぶりにヒナトが口を開く。
「あそこで、遊んでた」倉庫を指差す。
「・・・・・・・・・・そっかぁ」何して遊んでたのかな?なんて聞かない。聞いて数秒後に聞いた事を後悔するような答えが返ってくると思うから。予想だけど。
「久しぶりに、あそこ行ってみたい」
「はいはい。帰りにね」
「じゃー、あたし一人で行って来る」
ぬー、どうしようか。ヒナト一人で大丈夫か。
行ってらっしゃいの合図で手を振る。ヒナトはゆっくっりと歩みを進め、数十メートル離れた倉庫へ向かう。
僕も急いで買い物を終わらせよう。あの子何するかわからないから。
野菜子コーナーで安くて大きい玉ねぎと、ジャガイモをカゴにいれ、たいして並んでいないレジで購入する。
スーパーから出て自転車に乗り、先ほどヒナトが歩いていった倉庫へ急ぐ。
ヒナトの姿は伺えない。おいおい、止めてくれよー。
そう頭で考えながら、自転車を止め、倉庫を外から見てみる。
錆びれて、窓ガラスもダンボールが張られている。そんなに広くもない。
野菜の入ったビニール袋を持って、イザ・お邪魔します。
「しょーねん」
呼ばれた。
名前を呼ばれた。
でも、ヒナトじゃない。
聞き覚えのある声。
振り向いた。
ヤシロがいた。
手に、僕の頭ぐらいの大きさの石を持っていた。
「しょーねんっ」
痛い、
真っ暗 暗闇 暗い ぎゃあ
いたーい。
そして、
そして僕はまた、監禁された。
- Re: 包帯戦争。 ( No.44 )
- 日時: 2009/12/16 17:44
- 名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)
うーん。夢オチだったらどれだけいいかなぁ。
この展開はー、ヤバイ方だよねぇ。うーん。どうすればいいのやら。
手を動かしてみる。無駄だった。足・・・・・も無理か。視界は暗い。真っ暗。でも、だんだん目が慣れてきた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
理解する。
あー、監禁されたんだ。アイツに。
目を横にやる。ヒナトと志乃岡がいた。
志乃岡、そういえば遅れて学校行ってたけど、無事に目的地にたどり着けなかったんだなぁ。
たとえ華奢だろうが、アイツは一応男なわけでありまして。
「・・・・・・・・・ヒナト」
呼んで初めて口にガムテープが貼られている事に気づいた。ヒナトがゆっくりとこちらを向く。
「殴られた?」「ちょー痛い」「ダイジョブ?」「な訳ない」「だろうねぇ」
僕だって今頭がかなり痛い。遠慮なく殴られたわけでして。ちっとは手加減しろよ。
「志乃岡は、大丈夫か?」
「だい、大丈夫じゃない・・・・・・・・」
「何かされたか?」
「な、んか『ノリトと話してたから』って言われて・・だ、から・・・・・・・・・何も、されてないけど」
はぁ。
ヤシロの奴、僕はノリトじゃないのに。でもそれ以上に厄介なのがヒナトだった。
「何ソレ。ノリトはいないよ?」
志乃岡は何も言わなかった。アイツは個人的にヒナトが苦手だからなぁ。
「お話、止めてくーださい」
先生のような口調で、ヤシロが会話を止める。手をパチパチ叩いて、姿を現した。
痩せた、よなー。髪も伸びてもう地面についてるし。
服装は、病院のパジャマだった。
「ねぇ、ねー、しょーねん。しょーねんはさぁ、何で嘘ついたのー?」
笑顔で聞いてくる。
顔が近い。でも、こうして見てもキレイだよな。
「嘘?ついた事ないけど」嘘っす。
「だって、コイツと居たよ」
ヒナトを指差すなぁぁぁ、ゴルラッ!
そう怒鳴りたかったけど止めた。
「僕と一緒の時より楽しそうだった。嘘つき。こいつから『しょーねん』って呼ばれてた。嫌い。嫌い。お前は、ノリトでしょう?」
「ちげーよ」
いい加減現実を見ようよ。あのな、ヤシロ。「もうノリトは」ここにいるよ「いねーんだよ」
嘘です。嫌いです。大嫌い。
本当は一条祝詞はここにいる。存在してる。でも、でも無理だ。求めてられていないし、求めもしない。ヤシロの追い求めているノリトじゃない。
「ノリトはお前が殺したんだよ、ヤシロ。お前のその手で。永遠にしたんだ。それが別れになるとも理解せずに、無知なお前は殺したんだよ」
理解できない理解できない理解できない理解できない理解できない理解できなり理解できない理解できない理解できないけど。
けど、でも、たぶん、きっと、しかし、また、いつか、ぜったいに、かならず、たとえば、もう、
ヒナトと同じだから、同情はしている。
それだけ。
それだけ。
「嘘・・・・嘘はダメ・・・・・・・・・嘘は、ダメッ!」
嘘じゃねーよ。吠えるな。
「ノリト、お前は『しょーねん』じゃないっ!少年じゃないっ!ノリト、ノリト、ノリト!!」
だから、あのね。違うんだっつってんだろーが。
「少年、コイツ五月蝿い」
低音の声色で、ヒナトがヤシロの心を突き刺す。
「少年のこと、祝詞祝詞って言ってる。何?意味わかんない。五月蝿い」
「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいい、あああああああああああああああっっ!!」
「五月蝿いッッ!!」
ヒナトが怒鳴る。志乃岡なんて、もう半泣きになってしまっているじゃないかー。
「いや・・・・・・・・っ、ノリトはどこ?どこ?いない、いないっ!どこにもいないいないいないいない」
それが、どれほど彼にとって辛く残酷で、信じたくない現実だったとしても、僕は関係ない。
「・・・・・・・・・・・・・この、うざい奴っっ!!」
平手打ち。ヒナトの頬がいい音を出す。
「バカッ!」「嫌い、お前なんて嫌いッ!ノリトに手ぇ出したらただじゃおかないッ!死んで、死んで、死んじゃえよぉっ!!」
殴られたヒナトが上半身を起こし、無表情でヤシロを見る。
死んじゃえ。
どっちが?
僕が?ヒナトが?ノリトが?
叫び。さけび。サケビ。
どうにもならない、もどかしさ。
昔と、同じ。
同じ?
同じだよ。
暗い血染めの世界で這い蹲って、人間性を失ってエサをねだる事しかできなかった。
同類を食べて、吐いて、泣いて、震えて、何をしていたっけ?
押さえつけられて、口塞がれて、・・・・・・・・・・。
「い、・・・・・・・・・・や」
恥部を覗かれて、抵抗もできなくて、ただ、呆然としていて、
「や・・・・・・・・・だ、」
死ぬ事よりも、生きる事が酷く嫌で、
「
」
絶叫、声というよりかは、音。
長く、長く、長く、
ヒナトから発生しているその『音』は、鼓膜が破れるほどの音量があった。
耳を塞ごうにも両手がロープで縛られ、どうにもできない。
胃酸の匂い。
ヒナトが吐いたものには、さっき食べたガムも含まれているんだろうか。なんて考えてしまった。
真っ赤にそまったどす黒い記憶が蘇り、錯乱した。
あの日、ヒナトは確かに『僕』に助けを求めていた。でも、僕は助けられる事ができなかった。
『祝詞』を愛していたヒナトは、いつしか祝詞の像が崩れ、僕を僕と認識できなくなった。
「っるさい!!」
金属の何かで足を殴られ、ヒナトが悶絶する。人間性が取り戻され、『恐怖』と『痛み』の感覚が戻ってきたらしい。
「黙れ、気狂いッ!気色悪いッ!マジでうざいッ!」
罵倒し、息を整えてヤシロが僕を見下ろす。
笑っていた。
「にゃはは。殴ってしまった〜♪」
ざけんな、糞。
「ヤシロ・・・・僕はノリトじゃねーよ」「嘘だもん。ホントはノリトなんでしょー?お見通しだよっ」「あー、言い方を変えようか。僕はノリトだよ」「ほーら見なさいッ♪」
動かないヒナトをチラ見する。どうか、聞かないで欲しい。
僕は今から、『僕』を否定する。
「でも、ヒナトの『祝詞』なんだ」
ヤシロの顔が、表情が崩れる。物抜けのカラ。
「ヤシロの思っている『ノリト』じゃない。僕はヒナトの『祝詞』だ。誤解してるのは、」ヒナトもだけど「ヤシロの方だよ」
志乃岡が恐怖で青ざめた顔をこちらに向ける。無視した。
ヤシロが力なくうな垂れ、ヒナトを見る。
「・・・・・・・・・・ねぇ、しょーねん」
「何?」
「しょーねんさぁ、人間嫌いになってよ」
充分嫌いだけどね。
「そしたら、僕だけを見てくれる・・・・・・・?」
そんな世界、無いよ。
「無理だよ」
お願いされても、無理だ。人間が嫌いになって初めてヒナトだけを見ているんだから。
勘違いしないでよ。
お願い、します。
殴られた。
「ッ、が!」
いってーーーーーーーーーーーッ!!
ヤシロがどかどかと蹴りを入れてくる。主に腹部。
「や、止めてッッ!!」
志乃岡が叫んでる。いいよ、志乃岡〜。あ、でもちょい痛いかも。
「げほっ、ごほほほっ」
咳き込んだ。
ヤシロがポケットからナイフを取り出す。良い子は持っちゃいけないはずなのに、何で持ってんだろーねぇ。
「ノリトじゃないんなら、死んじゃえ」
- Re: 包帯戦争。 ( No.45 )
- 日時: 2009/12/16 17:56
- 名前: ラビ ◆bIXnO7zfJs (ID: gqZQq2JR)
見事に夢オチじゃないのですねー(゜×゜;;;)
ヤシロちゃんってどんだけ「ノリト」が好きなのでしょーか
こーしんオツカレさまですー
- Re: 包帯戦争。 ( No.46 )
- 日時: 2010/07/23 14:34
- 名前: 真由 (ID: UAMHtL4A)
はじめてみました!
すごいですね!おもしろいけど終わり方が(~_~;)
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