ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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絶対少女!! 
日時: 2010/06/04 19:00
名前: 夕月 (ID: ucWXZRi/)

こんにちは、夕月(ユヅキ)です!! (前は羽鳥、という名前でした。)
『白銀の少女』が終わったので、書くことにしました。
今回は【超能力】をメインにやっていきます!!

とにかく、頑張りますっ!!!

名前を変えました。 【ユエ】です。

◇   ◇   ◇   ◇

それは少しだけ歪み、おかしな日常。
道化師だなんて、言わないで?

主な登場人物>>1
第一章 空白の音とサヨナラ
>>6 >>10 >>19 >>26 >>27 >>30 >>36 >>39
>>43 >>46 >>49 >>55 >>60

第二章 真実は残酷だ。 夢は意地悪だ。
>>62 >>65 >>68 >>70 >>73 >>74 >>76 >>78
>>83 >>87 >>90 >>93

◇お客さま

アキラ(留依)様  夕月様  みどり様  ローズ様

こたつとみかん様  涼香(nanasi)様  白兎様

くれは様  神無月様  琥珀様  BiBiAn様

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Re: 絶対少女!!  ( No.73 )
日時: 2010/05/21 19:23
名前: ユエ (ID: 6U7QBJXl)

「み、海雪ちゃんっ……?!」

真っ青な顔をしたりあむが、すぐに近寄った。
だらり、とした海雪ちゃんの体。 
少しだけ開いている瞳は、全く光を宿していなかった。
小さく開いた口。 乱れた黒髪。 白い顔。
真っ赤に染まった、メイド服。

「うそ……でしょ………?」

りあむが海雪ちゃんの体から少しだけ離れた。
そして、右手を海雪ちゃんに向ける。
一体何をするつもりだろう?

まさか……、

「能力を使う気なの、りあむっ?!」

言い終わった瞬間、海雪ちゃんの下の地面がぐにょ、と歪んだ。
こてん、と人形のように海雪ちゃんが転がる。

「ちょっ、何をしたの?」

「よく見て、海雪ちゃんが倒れていた場所。
 ───血の跡が残ってない」

え? わたしは海雪ちゃんが倒れていた場所を見た。
すると、本当にりあむの言うとおり、血の跡がない。

ちなみに転がった海雪ちゃんのお腹からは、血が流れている。
どうして血が流れているのに、地面に跡がないの?

もしかして……、

「“絶対”に、海雪ちゃんは浮く」

ふわり、と海雪ちゃんの体は浮く。
なんかわたしたち、死体をいじりすぎじゃないか?

「あッ……」 「!!」

ふわふわと浮く海雪ちゃんの体。
下を見ると、血は流れていない。

そしてもう一つ……。

「影が、ない……」

そう。 浮いているのに、影がないのだ。
どういうこと? 

しばらくわたしたちは呆然としていた。






「心音さまっ、りあむさまっ」

遠くから、心也くんの声がした。
あれ、どれくらいここに立っていたんだろう……。
海雪ちゃんの死体? は浮いたままだ。

「心也、くん……」

「なかなか戻ってこないので……っ?!
 み、海雪っ?!」

心也くんも、驚いていた。
そりゃあ、驚くよね。

突然、心也くんは自分の眼鏡をはずした。
すると、心也くんの瞳が紫色に変化していったのだ。

「?!」

「ずっと言わないつもりでした……。
 僕は能力者です、【真理少年】成宮心也(なるみや しんや)です」

Re: 絶対少女!!  ( No.74 )
日時: 2010/05/21 19:47
名前: ユエ (ID: 6U7QBJXl)

心也くんが、能力者ぁ?!
わたしとりあむは、まだ呆然と立っている。
そして、ふわふわと浮く海雪ちゃんの死体?

完全に紫色になった心也くんの瞳。
心也くんは海雪ちゃんの死体らしきものを、睨みつけるように見る。

「“偽りはいらない、ただ、真だけを求めて!”」

言い終わると、心也くんの瞳の色は元に戻っていった。
能力者って、けっこう近くにいたりするんだね。

「……それで、どうだったんですか?」

りあむが訊く。

「あれは、誰かによって想像されたものです」

「想像、ですか?」

コクン、と頷く心也くん。

「想像され、造られ、誰かがわざと二人の前に出した。
 ……それが真理です」

うわあ、何かカッコイイな、この能力。

「この島に、怪しい者がいる、ということになります。
 ……エリカ様に伝えてきますので。
 お二人はそのまま、お散歩を続けても大丈夫ですよ」

心也くんは微笑みながら、造られた死体を持って帰ってしまった。
───また、れおんって人や美羽の仕業?

◇   ◇   ◇

わたしたちはその後、豪邸に戻り風呂に入った。
そして、各自そのまま就寝。

ベッドはふかふかで、夢みたいだった。


そしてわたしは───……。
【夢】をみた。 



『姉貴ぃー!』
遠くから、飛鳥の声がする。
こっちに向かって走ってくる、わたしの弟。 飛鳥。

『心音ちゃん!』
いつの間にか、隣には時雨がいる。
ニコッと笑っていて、とても可愛らしい。

『心音』
少し離れた場所から、エリカさんもやって来た。
ふわり、と炎が浮いている。


『飛鳥、時雨、エリカさんっ!』
わたしも、皆に手を振ったり、笑い返したりした。

だが突然、パキン、という氷結した音がきこえた。

壊れていく世界、
消えゆく仲間、
暗闇に包まれた空間がわたしを怯えさせる。

(はやく覚めないかな、こんな夢……!)

パキッ。
わたしの隣に、小さな氷が現れた。

咄嗟にわたしは振り返り、能力を使う準備をした。
でも、そこにいたのは、

『りあむ……?』

冷たい瞳をした、りあむだった。
そのまま、りあむはわたしへ両手を向ける。



『人間兵器のくせに』

そう言い放ち、大きな氷を生み出した───……。








「───っ! ───……ね、心音!」
耳元で、誰かが大きな声でわたしを呼んでいる。
んもう……誰よぉ?

「んむ……っ。 だあれえ?!」

「寝起きが悪いようね、心音」

エリカさんでした。 あっちゃー!!

「すすすすす、すすすっ、すみませんっ!!」

無表情だから、少しだけこわいです。

「そろそろ朝食が出来るわ、りあむがそこで待っているから……」

それだけ言うと、エリカさんは出て行った。

Re: 絶対少女!!  ( No.75 )
日時: 2010/05/22 16:05
名前: こたつとみかん (ID: q1JDM65v)
参照: 誰か詠唱考えてぇ……! (必死)

おーいえ!
テスト期間終わってテンション状態が“素敵”になりました^^
誰かが偽造した海雪さんの死体を見破った心也くんの能力は『真理少年』ですか……。や、やばい……。あの伝説の“アニキ”の(私的な)ポジションを継ぐ格好良さですね^^;
はてさて、夢に出てきたりあむくんのアレは何なんでしょうね。展開に目が離せないです。
更新頑張ってください!
こたみかでしたっ!

Re: 絶対少女!!  ( No.76 )
日時: 2010/05/22 16:38
名前: ユエ (ID: NCw5IWsi)

こたつとみかんさん

テストお疲れ様でしたー!
アニキを覚えていてくれてたんですねっ…!
めっちゃ嬉しいですー(*´ェ`*)

頑張りますー!!

Re: 絶対少女!!  ( No.77 )
日時: 2010/05/22 17:09
名前: ユエ (ID: NCw5IWsi)

「おはよ、心音」

爽やかに、りあむからの挨拶を受けた。
きっとりあむは目覚めが良い人なんだろうなー。
わたしは本当に、朝は苦手……。

「うん……ぉはよ、りあむ………」

「もしかして、眠れなかったの?」

食堂へと続く廊下をノロノロと歩くわたしたち。
朝食の美味しそうな匂いがする。

「ううん。 わたし、朝が苦手で……」

ふあ、と欠伸をした瞬間だった。
曲がり角から小走りで、海雪ちゃんが出てきた。

「!」

思わず一瞬だけ、わたしとりあむは止まってしまう。
海雪ちゃんは立ち止まり、素っ気無く、

「おはようございます」

それだけ言うと、頭を下げ、また走り出した。
今のは、本物の海雪ちゃんだよね……。
再び歩き出す、わたしとりあむ。

「……昨日のこと、知ってるのかな」

「え?」

「海雪ちゃんだよ。 昨日の偽死体」

「あ……、あぁ………」

食堂の扉の前に立つと、なんと静かに扉が開いた。
え、センサーでもあるの?!

と思ったが、食堂から心也くんが開けてくれただけだった。
爽やかに笑い、頭を下げ挨拶をする。

「昨日のことを知っているのは、エリカさまと海雪だけですよ」

頭を上げると同時に、そう言った。

「他の人には、伝えないんですか?」

わたしが言う。

「この屋敷にいる能力者は現在、
 エリカさま、心音さま、りあむさま、そして僕。

 能力者には伝えるべきですよね?
 そして、海雪。 彼女は無能力者ですけど、ね。
 
 こういうことが起こった場合、能力者のみに伝える仕組みなんです。
 ───という、エリカさまの命令でして」

座ると、出来立ての朝食が出てきた。

「ちなみにこの屋敷にいる使用人は全員で、20人。
 休みの人もいますがね……。
 
 本当の屋敷には、もっといますよ」

ここが本当の屋敷じゃないのか……? ま、いいか。
朝も豪華すぎるお食事でした。

「そういえば海雪ちゃんって……」

とわたしが言いかけると、

「海雪は……。
 能力と能力者が大嫌いなんです。 すみません……」

あ、そうなんだ。 
でもエリカさん、能力者だよね?

「じゃあどうして、紅家に仕えているんですか?
 紅家は代々、能力者の家系ですよね?」

りあむが片手にパンを持ちながら訊く。

「海雪の家は昔、能力者に襲われたんです。
 そこを助けたのが、紅家の方でして。
 
 でも、遅かったんです。
 助かったのは海雪だけで……」

そりゃ、嫌いになりそうだな。

◇   ◇   ◇

自分も本当は存在しないんじゃないか、と考える時もある。

自分も想像されたものなんじゃないかって。

本当にそうだったら、今までのことはどうなるのだろう?
過去は、現在はどうなるの……?

◇   ◇   ◇

朝食を終えたわたしたちは、この屋敷を探検することにした。
まずは三階から。 最後は一階。

「んじゃ、行こうかー♪」

涼しい風が、窓から入ってきていた。








──────

【紅の花が舞う】という小説を書き始めました!
そっちも読んでいただけると嬉しいです!!


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