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killer killer girl =断罪の花=
日時: 2010/05/17 16:15
名前: アキラ ◆cctlnLXfPA (ID: PA3b2Hh4)

登場人物>>62




■をpに直して下さい。




イメソン htt■://www.youtube.com/watch?v=5wbzn8jUnm0&feature=related




画像
フィアhtt■://star.ap.teacup.com/yellowboy02/img/1273887632.jpg



悪魔参考:ウィキペディアより

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Re: killer killer girl ( No.16 )
日時: 2010/04/30 15:15
名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)




          †††





子守唄が、聴こえる。

胸に響く、愛おしい唄。





だけど。 永遠にそれは続く事はなくて。

落ちるのは、涙ばかりで。

魂なんて、捨てていたくて。

飢えと渇きだけが、体中を襲う。





閉ざされた闇の中、心の闇に埋まっていた憎しみが、

そっと。 そっと、開く。





赤く、赤く、色づく季節。

自分でも気付かないうちに抑えこんでいた冷たい感情に、涙する。


「ねえ………どうしてだと思う?」
「何がだい?」



愛らしく甘える事もできず、じっと、耐える。
もう、我慢はできないとそう誓ったはずなのに。





「もう、こんな処………やだわ」
「マスターが行くところなら、ボクはどこだって」





どうして、そうも嬉しい言葉を伝えてくれるのだろう。





悲しみばかりしか持っていない心に、一つの安らぎが浮かぶ。





ねえ。
あなたは、ご存じ?





倖せの在り処を。
     魂の在り方を。





大罪を犯したこの身に、光はあまりにも大きすぎた。

Re: killer killer girl ( No.17 )
日時: 2010/05/01 10:46
名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)

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断罪の花を、咲かせて?

































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Re: killer killer girl ( No.18 )
日時: 2010/05/01 13:47
名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)

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封印の間は、地下に造られた魔力を封じる場所だった。
フィアはそこで、手を鎖に繋げられ、茫然としていた。

自分の放った悪魔が、人を、殺めた。

その頃に罪悪感はあるが、涙など流れない。
白い白い髪のせいで毎日バカにされ続けたせいか、心が上手く働かない。

数人の監視の中、フィアは光の一切無い場所で、自由の無い生活を強いられていた。

「ねえ、シエル」

心の中に在る、シエルの存在に呼びかける。
なんだい? と問いかけるような感じがした。

「パパとママは……元気かな」

──マスターにも、親はいるのか。

「うん。 二人とも、髪の毛はブランドなんだけどね」

──その髪の色、ボクは綺麗だと思うけど。

「お世辞なんていいわ」
「お世辞じゃないさ」

すぐ後ろに、シエルの存在を感じた。
振り返ろうとするが、抱きしめられる。 冷たいけれど、確かに心は温かい。

「この色、雪みたいですごく綺麗だ」
「…………ありがとう」

いつも、老婆のようだとか言われてきたが、綺麗だと言われるのは初めてだった。
慣れない感情に戸惑い、フィアが泣きそうになる。

「ボクのマスターは、泣き虫だな」
「悪かったわね、泣き虫で」

そう言った時、スッとシエルの温かさが消え、存在が心の中に落ちた。

「シルバドール・フィア。 諮問室に来い」
「っ」
「大司教様とご両親がお待ちだ」

Re: killer killer girl ( No.19 )
日時: 2010/05/02 09:04
名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)

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          3



諮問室に居る自分の両親を見て、フィアは泣き崩れそうになった。
自分とは違う、ブランドの髪。

「フィア……」 「ママ……」

今まで寮生活で、ある程度の休みにしか会えなかった。
およそ6ヵ月ぶりの再会。 それがこんな最悪の結果になってしまい、フィアはただただ、項垂れるだけだった。

「エルバドール・フィア。 あなたの罪は、大罪です。 間違った召喚術を行い、悪魔を呼び寄せてしまった。 さらに、その悪魔に名を与え、契約を結んでしまった」

司祭の言葉に、ただただ、他の神父は唸るばかり。

「どういう経緯で、召喚術なんて行ったんだ」

厳しい神父の声に、ビクリとフィアが震える。

「……バカに、されたから」
「バカに?」  司祭が聞き返した。 フィアは頷き、

「私の髪の色のせいで……みんな私をバカにするの。 見返してやりたくて……、ただ、それだけなのに」
「見返しって。 そんな個人的理由で人が死んだんだぞっ」

神父の一人が怒鳴るのをなだめ、司祭がポンとフィアの肩に手を置いた。

「それで、天界の扉を開いたまではいいけれど、聖水をかけるのを忘れて、悪魔が呼び寄せられてしまった……」

ふむ、と司祭は頷き、

「本来なら、キミに聖水をかけ、悪魔払いの儀式を行えば、祓えるんだけど」
「それは嫌です!」

椅子から立ち上がり、フィアが司祭を睨みつける。

「シエルは私を認めてくれた。 だから、私はシエルを手放すつもりもないわ」
「お前、それが何を意味しているのか分かっているのか!」

神父の怒鳴り声にも臆する事なく、フィアはつっかかる。

「シエルは大事な大事な私の悪魔よっ」

髪の毛を誉めただけ。 優しく抱きしめただけ。
シエルはある意味驚いていた。
どれだけこの少女が愛に飢えているのか、改めて実感して。

「フィア、悪魔なんて手放して。 もしそうしないのなら……っ、あなたを子供と認めないっ」

母親の言葉に、フィアも凍りつく。
まさかの決別の言葉。

「ジルっ」 「お願いっ、悪魔を手放して! お願いっ」

母もまた、必死だった。
自分の娘が悪魔なんてものを召喚したら、どのような罰をフィアが受けるか分からない。
心を鬼にして、フィアが悪魔を祓う事を望んでくれと願っていた。
しかし。

「……ごめんなさい、ママ。 パパ」

フィアの決心は固かった。
例え、親との関係を断ち切っても、シエルは必要だった。
両親は、信じられないといった表情で立ち尽くす。

──いいのかい。

存在の中、シエルの声が聴こえた。

「いいのよ。 私は、シエルが居てくれれば」

Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.20 )
日時: 2010/05/02 15:20
名前: アキラ (ID: BLbMqcR3)

安芸


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