ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

killer killer girl =断罪の花=
日時: 2010/05/17 16:15
名前: アキラ ◆cctlnLXfPA (ID: PA3b2Hh4)

登場人物>>62




■をpに直して下さい。




イメソン htt■://www.youtube.com/watch?v=5wbzn8jUnm0&feature=related




画像
フィアhtt■://star.ap.teacup.com/yellowboy02/img/1273887632.jpg



悪魔参考:ウィキペディアより

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.41 )
日時: 2010/05/08 10:49
名前: アキラ (ID: BnjQrs2U)

.





アヴィンは時折休憩を入れながら話し始めた。
時に、ラファエルが補足を入れながら。


アヴィンは昔から、神童とされていた。
聖書も完璧に暗記し、オルガンの腕も長けていた。

そして彼は、大司教からある命令を授けられる。

それは。

killerとなり、ロストを滅する事。

当時14歳のアヴィンは、犯罪機密組織を滅ぼす団体killerに入るよう、言われた。
そして、この事は他の子供には内緒にしていろと。

考えるのも面倒くさいアヴィンは、すぐに答えを出す。

「別に、いーけど」

彼は分かっていた。 
神を抗う者が、人間を殺すというその罪の重さを。

killerは聖域全体でたてた、ロストを滅する軍隊のようなもの。
人々から崇拝もされれば、人を殺すという行為はロストがしている事となんら変わらないと、批判も出てきている。

そこに神童と言われる自分が入れば、少なくとも人殺しのレッテルは貼られるわけで。

だけど。

軽い台詞で重い決断をし、アヴィンは天使・ラファエルを召喚した。
とても完璧な、手法で。




          ⅴ





「あなたも……killer……」
「俺は教会内では上の奴しかkillerだって事を知られてない。 バラさないでちょ」

軽く頷き、フィアはホッとする。

「エルバドールの子、もし良かったらあなたの悪魔と挨拶してもよろしいかしら」

興味からか、ラファエルが優しく尋ねた。
悪魔と天使。 
対なる者が打ち解ける事などできるのだろうか。

「…………シエル」

フィアが声をかけると、その影からシエルが現れた。
少しだけ不機嫌そうな顔で、ラファエルとアヴィンを見る。

「ボクは、天使と慣れ合うつもりはないな」
「私もよ。 アンシエル」
「それはもう違う。 ボクはシエルだ」

そうだったわね、とラファエルが微笑む。
シエルはアヴィンを見て、

「お前もkillerとやららしいな」
「あーまー、そーだね。 メンドくさいけど」

悪魔を目の前にしても、アヴィンの態度は変わらない。
シエルは別に気にしたふりもなく、どこか楽しげに笑った。

「エインズワースさん、もうそろそろ巡礼です」
「分かった。 すぐ行く」

監視官に促され、アヴィンはそのまま “封印の間” から出ようとした。

「アヴィン、私を影に戻して」
「ああ、そうだったー。 忘れてたわ」
「もう……我が主がそんなんじゃ仕方ないわ」

どこか嬉しそうにラファエルがそう言い、彼の影に隠れる。

「じゃーな。 悪魔の娘」
「さようなら。 話ができて、よかったわ」

アヴィンが巡礼に出かけ、自室に戻ったフィアは、運ばれた朝食を食べた。

「ボク、あまりあいつが好きじゃないな」

シエルがポツリとそう言った。

Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.42 )
日時: 2010/05/08 17:03
名前: ユエ (ID: cRxReSbI)

ラファエル召喚!! カッコイイッ!!
(【召喚】という言葉に反応してしまう・・・汗)

悪魔と天使・・・。
やっぱり打ち解けられないのでしょうか。
続き、頑張ってください!!

Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.43 )
日時: 2010/05/08 18:45
名前: アキラ (ID: c9ok9eqZ)

打ち解けられる……のかなあ??
未だに分からないです(~_~;)

頑張ります☆ミ

Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.44 )
日時: 2010/05/08 18:52
名前: アキラ (ID: c9ok9eqZ)

.






           ⅴ



そこは、暗い世界だった。
光という光はなく、絶望だけが在る。

小さな部屋の、大きなベッドに、人影が見える。

華奢というか、細い体つきに、短い髪の毛は青みがかっている。
中性的な容姿から、性別は判断しにくい。

「眠れないよ」

少年のような声で、人影が言った。
いくら待っても、返事は帰ってこない。

「もう寝ちゃったの? サタン」

返事がないまま、人影はモゴモゴと動く。



.

Re: killer killer girl =断罪の花= ( No.45 )
日時: 2010/05/09 11:04
名前: アキラ (ID: c9ok9eqZ)

.




           6



そこは、空がひどく、しかし美しい漆黒に包まれていた。
白い星が散りばめている。

その空を見上げ、フィアはハーデル王国の東の町・ブルーレイ。
今は夜中だが、活気溢れるこの町はまだ人影が多い。

屋根の上に腰かけ、笑い溢れる人々の波を見下ろしながら、フィアはシエルに話しかける。

「楽しそうね」




数時間前。

ブルーレイの町で、ロストの一団と思われる人間がうろついていたらしい。
黒装束に、白い仮面。 それがロストの目印だった。

「エルバドール・フィア。 ロストの手掛かりを、追ってくれますか?」
「わかりました」







「ロストを探せって言われても、見つけられるのかしら。 目立つ服装だけど」
「悪魔の気配があったら、教えるよ」

シエルは影から出ており、目をこらしている。
時折人間の魂を喰らいたいという欲求を抑えながら。



           ⅴ


同時刻。 ブルーレイ。

一人の黒装束、白仮面の人影が、町の路地裏を歩いていた。
背は少し低めで、華奢な体つきをしている。
性別はうかがえない。

路地裏の、少し広い所に行くと、町の不良たちが溜まっていた。

「ああ? ンだお前」 「ここは俺らスナイパーの陣地だぜ? さっさと去れやー」

ざっと、二十人。 若い男たちが黒装束を囲む。

「なんとか言えよ、なあ」

一人の男が、太い腕を黒装束に伸ばした。
すると。

「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

突然黒装束が甲高く笑った。
ビクッと男が腕を引っ込める。

「なんだ、こいつ」 「気味が悪いっ。 やっちまえ!」

一斉に男たちが黒装束に襲いかかる。
しかし。

「魂!」

黒装束はそう叫び、男たちを、

闇が、
   包 み 込 む ──




          ⅴ


「ねェ、フィア」 「なに?」 「北。 5時の方向で、悪魔の気配がする。 ──強力しすぎて、吐き気がするよ」

フィアは立ち上がり、キュッとシエルの手を握った。
若干、震えている。

「……フィア?」 「何でもない。 行きましょう」



 
          ⅴ


「血、血、血、血ィィィィッ!」

歓喜。 これ以上ないほどの喜びのように、黒装束は舞う。
その影は四方八方に伸びており、そこに男たちが呑みこまれている。

その影は、男たちの体を圧縮し、ただの肉片にしている。

二十人は居たはずの男たちは、影に呑まれ、地獄に落とされた。
一瞬にして、かなりの量の魂が喰らわれた。

「おいしいかい?」

──かなり満腹ダ。

太く、響く声。
黒装束は何事もなかったかのようにその場から立ち去ろうとした。

「待て」 「……………」

フィアが、黒装束と対峙する。

「あなたは……、ロストかしら」 フィアの緊張度は、かなり限界に達していた。
目の前に居るのは、ロストの一人。

「キミは……誰だ?」

仮面のせいで、顔は見えないが、声からしてフィアと同い年か、少し下くらいの印象だった。

「私はエルバドール・フィア。 killerよ」
「キラー?」

黒装束が首を傾げる。

──俺たちを滅ぼす聖域の奴らだ。

また、声が聞こえた。
黒装束がポンッと手をうち、頷く。

「ああ、ボスから聞いてた、“ロスト狩り” の」
「……シエル、お願い」
「それが、あなたの願いなら」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13