ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- しかくセカイ。 完結
- 日時: 2011/04/30 20:13
- 名前: アキラ (ID: ET0e/DSO)
やっぱり、アレですね。
携帯だと打ちにくい。
まぁ、どうでもいいけど。笑
□登場人物
イノウエ
井上 サクラ
16歳 白と茶の混じった髪の毛
ある事件からの後遺症で精神ともに障害がある。
自分は夢の中の住人だと思っている。
ミゾブチ
溝渕 なぎ
12歳 年齢の割りに大人びている少年。
サクラを好きで、彼女に振り回される毎日を過ごしている。
ツキミサト マユリ
月見里 繭理
16歳 ゴスロリで僕っこの少女。
髪が限界的に短い。
同性愛者。
サメウラ レイジ
早明浦 零時
25歳 基本的デンパな人。 変。
近所で喫茶店を開いている。
サクラが恋しがる「王子さま」。
本当は落ち着いた性格。
サメウラ カナ
早明浦 華奈
20歳 零時の弟。 頭イッてる人。
自分の名前がかなり大嫌い。
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- Re: しかくセカイ。 ( No.89 )
- 日時: 2011/04/30 19:33
- 名前: アキラ (ID: ET0e/DSO)
時間がとまった。
なにもかもが硬直し、すべてを受け入れるまで、時間がかかった。
ようやく自体を把握し、音がもどってきたのは数分経ってからだった。
「うわあああああんっ! うわあああああっ!」
大きな声でサクラが幼児のように泣き出す。 ナイフを床に落とし、返り血を浴びた顔をくしゃくしゃにしながら。
「さ……、くらっ」
肺に力をいれて彼女を呼ぶ。 だけど聞こえていないのか、泣き声は止まない。 若干鬱陶しく思いながらも、なぎは折れた足を引きずりながら、床を張ってサクラに近づく。
最後の最後で、彼女を殺人犯にしてしまったことに罪悪感を抱きながら。
「サクラ……っ」
必死で呼んだ声は、いきなり開いた部屋の扉の音によって、かき消された。
視界の端に光が射し込んで、眩しさに目をとじる。
「大丈夫かよっ」
「…………なんで、」
驚きすぎて目を見開く。
頭から水をぶっかけたかのように、ずぶ濡れの華奈がそこにいた。
「早明浦さん……、どうしてここに……」
なぎの質問も無視し、華奈が転がっている零時の自体を見下ろした。 サクラの顔に返り血がついているのを眺め、ある程度把握したらしい。
「まっ、無事ならいいわ。 テメェは変な方向に足が曲がってるけどな。 立派なアートじゃねぇか」
「………驚かないんですね」
「ああ。 いずれこうなるって分かってたしな。 こいつが殺人犯だって知ってたし。 この糞ガキの言う、王子さまってやつも、零時だって分かってた」
「なら、どうして警察に言わなかったんですか? そこまで知ってるのなら、サクラの父親を殺したのも零時さんだって、
分かってたでしょう」
サクラの父、井上ルイを殺したのは、 「王子さま」 である零時だ。
サクラが欲しいと言う独占欲が理性に勝ったからだろう。
「だって、そしたらこいつは悲しむだろう?」
華奈が泣きじゃくっているサクラを指差す。
「王子さまがいなくなったら、この糞ガキは泣くだろ。 それは嫌だったんでな」
「………早明浦さんは、いい人ですね」
「ぶっ飛ばすそ、テメェ」
華奈が笑ながらそう言ったとき、
ピタリと。
サクラの泣き声が止んだ。
「…………あっ、え?」
彼女が見ているのは、華奈。 サクラの目に生気が宿り、目の焦点があう。
手を伸ばし、確かめるようにサクラは、
「あなたが、王子さまなのね」
とてもとても、悲しい言葉を言った。
- Re: しかくセカイ。 ( No.90 )
- 日時: 2011/04/30 20:12
- 名前: アキラ (ID: ET0e/DSO)
華奈と零時は顔が似ている。 身長も体格も似ているため、双子に見えなくもない。 ただ、絶対的に違うのは、雰囲気。
物腰柔らかそうな零時と、他人をあまり好きではない華奈とでは、その雰囲気は明らかに違いすぎた。
今のサクラに、そんな判断はされていないだろうけど。
「ねぇ、あなたが王子さまなのよ! さっきのは王子さまのふりをした、全然違う人! だけどね、あなたはなぎにも優しいんだもの。 だから、あなたが王子さまよ! ね? そうでしょう?」
本当の王子さまは、彼女の足元に転がっているというのに。
なぎはサクラの異常さに吐き気を覚えながらも、どうするべきか悩む。
華奈が王子さまではないと言えば、きっと精神を完全に崩壊させてしまうだろう。 今でも歪だが、これ以上の衰退は望めない。
「ねぇ、そうでしょう?」
サクラは立ち上がり、笑みを浮かべて、華奈となぎの手を掴む。
華奈は何か言おうとして口を開き、そのまま何も言わず、唇を噛み締めた。
しかし直後に、見たことのない柔らかな笑みを浮かべ、ゆっくりとサクラの手を握り返す。
そして、彼にとって、これからの人生を捨てるような言葉を告げる。
「ずっと待ってたんだよ、サクラ」
◇ ◇ ◇ ◇
「けっきょくは、逮捕されちゃったんですよねぇ。 ほら、やっぱ早明浦零時を殺しちゃったから。 でも早明浦華奈が保護者になったから、精神科からも早く退院できたみたいぃ〜」
ゴスロリファッションに身をつつみ、濃いアイラインを目元に引き、昔よりかなり伸びた金髪の女が、過去を語る。
手入れの行き届いた庭園。 ホワイトチェアに座っている、もう二十代前半になる月見里繭理は、自分と向かい合わせに座る女をじっと見た。
艶やかな黒髪は腰まであり、どこか憂いめいた美女だった。
年齢がまるでわからない。
妖艶な笑みを浮かべながら、繭理の話を聞き終わった女は、
「じゃあ、そのサクラって子は、今は華奈となぎっていう人と住んでるのね?」
「ボクはそう思うけどぉ? てか、アンタ誰? こんな話を聞いてくるなんて、かなりの物好きだよなぁ」
「お話ありがとね。 体で払おうかしら」
「あいにく、ボクは女のコしか興味ないからぁ〜」
クスリと女が笑い、その顔が彼女に似ているため、繭理が首を傾げる。
それに気づいたのか、女は目を細めた。
「よく似てるでしょ? あの子、わたしに似たから」
「………アンタ、あの子に……、サクラにどうして会いにいくの?」
女は振り返り、あまりにも官能的で美しい笑顔を、繭理に向けた。
「母親だから、娘に会いにいくのよ」
完
- Re: しかくセカイ。 完結 ( No.91 )
- 日時: 2011/04/30 21:47
- 名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)
う……うわあああああああああああッ!
かっかかかかかかか華奈ァ!((少し黙ろうか
アキラさんの作品の最後って、いつも叫んでる気がするー……
て、てゆーかァ! わたしの彼氏になんて事ォ!
つーか華奈ァ! その“サクラ”を僕の名前に変えてからもう一度ッ! もう一度僕に言ってェ!←
僕の為に人生捨てなさいッ!
つーかお母様ァ!? やめてェ! 今更……やめてェ!((何が言いたい
その笑顔もわたしに向けて、華奈ァ!((今お母様の話だろ
兎に角、完結おめでとうございます!(おめでとう、でいいのかな)
次回作も期待!(やるか分からないけど)
- Re: しかくセカイ。 完結 ( No.92 )
- 日時: 2011/05/01 18:20
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: c5zRNdeN)
えー、お久しぶりです。
いや、今更コメするのも何か違う気もするんですが、まず。
完結おめでとうございます!!
いやもう、アキラワールドが俺的には強烈過ぎて。
俺ごと気がコメをしていいのか迷った結果。
こんな感じに。
ヤンデレ君の時からちゃんと読んでました。
ただ、コメ出来なかったd(死
ただただアキラsの才能に感激です。
拍手!拍手!(サーセン
次回作、期待してます!!
- Re: しかくセカイ。 完結 ( No.93 )
- 日時: 2011/05/03 10:29
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
声、枯れないのか心配です。
華奈……、ですね。 もう最初から 「最後の王子さまは華奈にしよう」 って自分で結論ずげてました。
サクラの笑顔を守るために王子さまを探していたんだけど、たぶんなぎは本心は絶対に王子さまが現れないことを望んでいたんだと思う←
だってサクラが好きなんだもの!←
>右左さん
お久しぶりです。
アキラワールド……、感謝極まるお言葉です。
もし小説を書かれていたら、叶嵐さん、教えてください。
行きたいので!
>叶嵐さん
みなさん、本当にありがとうございました。
みなさんのおかげです、ここまで来れたのは。
おかげで受験にも乗り越えられました。
pc禁欲生活は微妙に続いていますが、アキラは幸せです。
あ、シリアス・ダーク小説のほうで、
「少年Sの沈黙」 という小説をたちあげました!
なんか、たちあげてから思ったんですが、某SОS団のと少し……てか、ちょっと題名が微妙にかぶってるんです。
中身はまったくもって違います!←
ドロドロです。 昼ドラ並みの。
なので、足を運んでくれたらなーと思います。
では、みなさん!
ありがとうございました!
PS。改行下手でごめんなさい!
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