ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- しかくセカイ。 完結
- 日時: 2011/04/30 20:13
- 名前: アキラ (ID: ET0e/DSO)
やっぱり、アレですね。
携帯だと打ちにくい。
まぁ、どうでもいいけど。笑
□登場人物
イノウエ
井上 サクラ
16歳 白と茶の混じった髪の毛
ある事件からの後遺症で精神ともに障害がある。
自分は夢の中の住人だと思っている。
ミゾブチ
溝渕 なぎ
12歳 年齢の割りに大人びている少年。
サクラを好きで、彼女に振り回される毎日を過ごしている。
ツキミサト マユリ
月見里 繭理
16歳 ゴスロリで僕っこの少女。
髪が限界的に短い。
同性愛者。
サメウラ レイジ
早明浦 零時
25歳 基本的デンパな人。 変。
近所で喫茶店を開いている。
サクラが恋しがる「王子さま」。
本当は落ち着いた性格。
サメウラ カナ
早明浦 華奈
20歳 零時の弟。 頭イッてる人。
自分の名前がかなり大嫌い。
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- Re: しかくセカイ。 ( No.44 )
- 日時: 2011/04/05 13:33
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
緑紫さん、さすがです!(^^)!
わたしの間違いを的確に報告してくれてる!
すぐ間違いをなおしますねっ!
>緑紫さん
ツボ? 変なツボを押しちゃったのかナ?←笑
なんか思った以上に華奈クンの人気が高いのはどうして……
うれしいです、えへへ
>右左さん
サクラファン、ここに健在ですね。
王子様ですか。 なってやってください。 死ぬ気で喜びますから。
うへへ。
>yuriさん
- Re: しかくセカイ。 ( No.45 )
- 日時: 2011/04/05 14:06
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
街灯もない暗がりをサクラと一緒に歩いていく。
零時からは送っていこうかと言われたが、なぎはやんわりとそれを断った。
「王子様は今日もいなかった」
「そうだね」
「早く会いたいのになぁ。 会ってお礼がしたいのに」
お礼。
昔、サクラを常闇の世界から連れ出してくれたお礼。
なぎは全部見ていた。 知っていた。 わかっていた。
彼女のいう 「王子様」 が、想像通りの人物ではないことくらい。
「幸せそうだね、サクラ」
幸せな頭だ、と皮肉を込めたつもりだった。 だけどサクラは表面からそれを受け止め、自分のいいように解釈する。
「王子様が見つかったら、もっともーっと幸せかな」
「そうだろうね」
なぎは笑った。
笑ったつもりだった。
(うまく笑えてるかな)
針金で顔の筋肉を固定してほしいとすら思う。 そうでもしないと、サクラに笑顔を向けることがこの上なく難しい。
なぎの無愛想な笑顔を見てご機嫌なのか、サクラは小躍りしながら夜の道を行く。
その後ろ姿が、当時のサクラとまったく変わらない様子に、ひどく胸が痛んだ。
△
「ストーカーって言葉を知らんのか、テメェは」
「あっはは! そんなに睨まなくてもいいじゃんよう」
「目障りだ、消えろ、糞ガキが」
「いーやー。 サクラのコトを教えてくれるまでどかなぁい」
店は閉店したはずだった。
なのにこの少女はどこから入ってきたのだろうか。
怪訝な表情の華奈は、じっと目の前に立っている少女をにらみつけた。
月見里 繭里。
黒と赤を強調させたゴスロリファッションで、金髪に染めた髪の毛はかなり短い。 濃いアイラインを引いてはいるが、顔立ちは可愛らしいことはわかる。
奇抜な容姿で、零時がポカンとしながらジロジロ見ている。
「ちょっとオッサン。 聞いてんの?」
「気色悪いカッコで何うろついてんだァ? そんなに俺を怒らしてぇか、ああっ?」
華奈が威嚇しても繭里は表情一つ変えない。
「べっつに怒らせたいんじゃなくてぇ、さっき出て行った女の子のことを聞きに来たんだよ」
「……………テメーはあの糞ガキの知り合いか」
舌足らずな声で、繭里は答える。
「ううん。 コイビトだよぉ」
ブチリ。
青筋が切れ、華奈が繭里の胸倉をつかむ。
「おいコラ糞あまッ! 舐めってとマジで犯すぞゴラッ」
「ちょ、ちょちょちょ、オトートよ! リトルガールに何てこと言うのっ! 落ち着いて、落ち着いて!」
後ろから零時に抑えられ、華奈が盛大に舌打ちをする。
胸倉を掴まれていた繭里は不機嫌そうに顔をしかめ、
「ボク女の子には欲情するけど、オトコにはしないなぁ。 胸倉掴まれてもぜーんぜんダメ。 オンナノコがいいなぁ」
不意に恍惚とした表情になった。
自らの指先を赤い舌で舐め、彼女のことを思い出す。
「サクラ…………」
華奈と零時の背筋に悪寒が走る。
「き、きみ…………俺のリトルシスターのこと、どこで知ったんだい?」
「ええ? どこって、そりゃあ───」
決まってるよ、と。
繭里は微笑んで答えた。
「“狂おしき少女の血肉”」
- Re: しかくセカイ。 ( No.46 )
- 日時: 2011/04/05 14:34
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
△
「……………まだ、出回ってるのか」
深夜になっても、なぎはまだ起きていた。
隣ではすでに寝息をたてているサクラがいる。
起こさないよう、パソコンの検索サイトを開き、なぎはため息をついた。
キーワードは、“狂おしき少女の血肉”。
数年前、とある有名な画家が描き、そのあまりのリアルさに反響を呼んだ絵だ。
少女の滑らかな発展途上の肉体、そこからあふれ出す臓器など、少々気味の悪い絵ではあったが、モデルとなっている少女が美しいことで話題になった。
「検索結果…………ヒットしたのは23000件か」
多すぎる、と独り言を呟き、マウスを動かす。
画像も提示されていたが、それは見るのをやめた。
(今日会ったあのゴスロリ女……あいつは絵を見てサクラを知ったって言ってたよな)
(パソコンで調べたのか……? ああいう性格だと、こういうのに興味持つのか)
そう思いながらマウスを動かしていき───、
ピタリと、その手が止まった。
「……………っ」
それは、今回この田舎町で盛んに起きている連続幼児殺害事件と、昔のとある事件が酷似しているというものだった。
華奈の言ったことを思い出し、なぎは眉をひそめる。
数年前に起きた、幼児監禁虐待事件。
一人の男が自分の子どもを十数年にもおよび監禁し、さらに男子児童を誘拐監禁した事件。
実際には、その男子児童はほとんど無傷で解放された。
「似ているのは……犯行の手口ではなく……、被害者の遺体の損壊」
今回の事件と昔の事件との共通点。
惨たらしい残酷な遺体の損壊。
「誘拐や監禁はないけど……明らかにあの事件を真似ている」
損壊の特徴が、皮膚を彫刻のように斬られていること。
背中には、タトューのようにナイフで直にキレイな模様が描かれている。 血の赤で塗りたくられた、まるで、
被害者自身が 芸術品だと言わんばかりの───
──生きてんじゃねぇのか?
華奈の言葉が、なぎの頭に響く。
──似てるっつうか………、まったく同じだな。
「そんなこと、あってたまるかよ」
芸術品。
なぎの頭に別の男の声がする。 響く。 反響する。 むせ返るのは、サクラの、泣き声。
違う、となぎは首を横にふる。
違う、違う、
違う、 違う、
ちがっ、
ちがう
あれは、泣き声じゃない。
泣き声なんてものじゃなかった。
人間が発声するにはひどく困難な、聞いたこともないような声。
「しにたいヨ」
コンセントを抜いてパソコンを中断させ、なぎは自分の目から涙があふれ出すのを自覚していた。
頭をかち割って、取り出して、脳みそが空っぽの人間になりたい。
欠陥品だ、と自分を揶揄しながら、なぎは眠りについた。
- Re: しかくセカイ。 ( No.47 )
- 日時: 2011/04/05 14:42
- 名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)
絵を見てみたいものですねっ
華奈クンが沢山出てきてて個人的に凄く嬉しい、ふひひっ
繭里との言い合いが面白いですっ
- Re: しかくセカイ。 ( No.48 )
- 日時: 2011/04/05 16:02
- 名前: yuri ◆F3yWwB7rk6 (ID: DOGZrvXb)
- 参照: http://yaplog.jp/yurida/
おい誰だそこのアマ。
今時ゴスロリは流行んねえぞこら。
というかウチのお姫様ストーカーして良いと思っとんのかコラァ
すいませんつい感情が出てしまいました。
ブログ始めましたよ。
アキラさんがずっと前にこのブログやってたんで思わず登録しました。
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