ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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しかくセカイ。 完結
日時: 2011/04/30 20:13
名前: アキラ (ID: ET0e/DSO)

やっぱり、アレですね。
携帯だと打ちにくい。
まぁ、どうでもいいけど。笑


□登場人物

イノウエ
井上 サクラ

      16歳 白と茶の混じった髪の毛
      ある事件からの後遺症で精神ともに障害がある。
      自分は夢の中の住人だと思っている。
      

ミゾブチ
溝渕 なぎ

       12歳 年齢の割りに大人びている少年。
       サクラを好きで、彼女に振り回される毎日を過ごしている。


ツキミサト マユリ
月見里 繭理 

          
       16歳 ゴスロリで僕っこの少女。
       髪が限界的に短い。
       同性愛者。


サメウラ  レイジ
早明浦 零時

        25歳 基本的デンパな人。 変。
        近所で喫茶店を開いている。
        サクラが恋しがる「王子さま」。
        本当は落ち着いた性格。

サメウラ  カナ
早明浦 華奈

        20歳 零時の弟。 頭イッてる人。
        自分の名前がかなり大嫌い。
 
        

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Re: しかくセカイ。 ( No.59 )
日時: 2011/04/18 17:06
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: 4.ooa1lg)

題名がさらりと……何と羨ましい!!
あたしなんて何分も考えた末造って……連載中に何度も題名変えたがる方ですよ(汗

凄い……何かそそられるキャラばかりで素敵なんですが(汗
サクラの夢から醒めたくないと言うあれは……すげぇ分ります!! だって,夢の世界じゃ最強なんだぜ自分が♪
本当,屈折した人物を書くのが上手いですね^^
見習いたいぜ!

Re: しかくセカイ。 ( No.60 )
日時: 2011/04/19 17:18
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

あだるとちるどれんがロックされていたので、驚きましたが、pcを変えるんですね。
了解しました。
またロックが外れたら、お知らせください!(^^)!

早明浦兄弟と、サクラたちの関係はもう少しでわかります
>右左さん


おおう……
なんともいえぬお褒めの言葉をいただき、ありがとうです。
泣いていいですか。
サクラの思考は曖昧なので、自分なりに解釈してくれれば光栄です
>風さん

Re: しかくセカイ。 ( No.61 )
日時: 2011/04/19 17:45
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)




月見里 繭里は、異常だった。

それは彼女がレズビアンだからでも、奇抜なファッションに身を包んでいたからでも、ましてやマゾだったからでもない。
彼女の存在そのものが、異常だった。

もともと、彼女には母親がおらず、父親と二人で暮らしていた。
不満はなかった。
裕福とまではいかないが、普通のサラリーマンの父親は、厳しい所もあったが、優しい父だった。

ただ、一つ。


若い少年たちを家に呼ぶことを除いては。


繭里が男性を嫌ったのは、父親の影響だった。
父親が少年売春で逮捕されたときも、彼女は叫び、狂い、自らの血管に流れている血を搾り取りたいと本気で願った。 あの男と同じ血が流れていること自体、冗談じゃない。

幾度も自傷行為を繰り返し、
幾度も死んでしまいたいと思った。

だけど。

美術館で見たその絵の美しさを、残虐さを、もの悲しさを目にしたとき、彼女の中に奇妙な感覚が溢れた。


──彼女に会ってみたい。

──美しい彼女に触れてみたい。

──彼女を、愛してみたい。


絵に描かれた少女に恋をした繭里は、そんな欲望を胸に秘めたまま、思春期を過ごしていた。
同世代の友達が次々と彼氏を作っていく中、繭里だけは、あの絵の少女に恋をしていた。


──実物の人間じゃなくてもいい。

──ボクにとっての恋人はあの絵だ。


そして、彼女は驚愕する。

その数か月後、その絵を描いた画家が死亡したことに。
その画家の娘が、その絵のモデルであったことに───。






               ◇




「井上 ルイは最高の画家だね。 自分の娘を手にかけてまであんな作品を生み出して、挙句の果てには殺された。 まァ、誰に殺されたとかは知らないけれど。 ボクはショックと同時に嬉しかったなァ。 初めてサクラを見たとき、絵よりもキレイで驚いたんだぜェ?」

饒舌に語る繭里を、なぎが静かに睨み付ける。
拳を握りしめ、今にも爆発しそうな怒りを必死で抑え込んでいた。


広い部屋だった。


洋風な内装で、どこかの金持ちが好みそうな洒落た家具。 細部にまでこだわっているのか、上質な雰囲気が漂っている。

「ここでサクラが芸術品になったと思うとゾクゾクする。 ボクもその場に立ち会えたなら、どれほど良かったのかなぁ」

羨ましそうに、繭里がなぎを見つめる。

「キミが羨ましいなァ。 間近でサクラを見れてたんでしょお? 今だってサクラと住んでるんでしょお? ずるいよ、ずるーい。 ボクもサクラをギュッてしたーい」
「サクラはどこ?」

意外と静かな声が出て、自分でも驚いた。 もう少し、怒鳴り散らすのかと思っていたのに。

「ここにいるんだろ?」

ここ、とは。
2年前、画家である井上ルイが実の娘に暴行・性的虐待・監禁を行った屋敷だった。

「知りたいの?」

金髪に染めた髪を揺らして、繭里が問う。
どこか試すような、挑発するような口調。

「───どうやってサクラを部屋から連れ出したの?」

質問を変えると、繭里は少しだけ怒った表情になった。 目を細め、なぎではない誰かを睨み付ける。

「サクラが言ってたでしょお? 王子さまだよ」
「───どういうこと」
「王子さまがサクラを迎えに行ったの。 彼が憎らしいったら。 サクラの心を鷲掴みにしてさァ」

ドッドッドッと心臓が不規則に鼓動を告げる。 耳鳴りが酷く、頭が痛い。 
眼球も喉もカラカラに乾いて、吐き気と悪寒がする。

「ね、王子さま?」

繭里の視線は、なぎの後ろに向いていた。
振り向くな、となぎは思う。
振り返れば、きっと 「奴」 がいる。
こちらを見ている、あの男が。

血迷っていると、背後から 「奴」 に肩を叩かれた。
心臓が止まりそうなほど驚くが、振り返りはしなかった。


「なぎ」


自分を、呼ぶ声。
聞き覚えのありすぎる声に、なぎの目から生理的に水がこぼれてくる。




「サクラはこっちにいるよ、なぎ」




耳元で囁かれ、あまりの寒気に鳥肌がたつ。 深く呼吸をし、忘れかけていた自分の現状を飲み込み、振り向いた。



予想通りの人物が、そこにいた。



Re: しかくセカイ。 ( No.62 )
日時: 2011/04/19 17:50
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)




               ◇



王子さまは、わたしの言うことを何でも聞いてくれた。

おなかがへった、と言ったらパンをくれた。

頭がいたいの、と言ったらそっとなでてくれた。

あなたはだれって聞いたら、 「王子さまだよ」 って言ってくれた。

ゆめを見ているのかな。

そう言うと、なぎは 「それはゆめ。 ぼくだけが本物なんだ」 って言った。

わたしと王子さまがおしゃべりしていると、なぎは怒ってる。

なぎはわたしのお友だちで、王子さまではないものね。



Re: しかくセカイ。 ( No.63 )
日時: 2011/04/19 19:04
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 25〜27まで修学旅行ですあ

御久し振りです!!

なんだかブラックでダークでビターな展開になってますねっ←?

芸術品かぁ…恐ろしいもんだね、世の中←


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