ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 世界と一緒。【完結しました】
- 日時: 2012/08/25 15:08
- 名前: 結城柵 ◆cSPwlATP2E (ID: 49KdC02.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=13174
↑リメイク+新作
参照1600突破! ありがとうございます!
おはようございます。僕は結城柵、現在は白沢祐と名乗っているものです。
エグい描写が時折入ります。
目次 >>130 >>131
完結記念企画更新一覧
05/25 ryuka様より世界のイラストを頂きました! >>119
06/15 番外【ストーカーは歌姫がお好き?】 >>121
06/16 If話【もしも、過去で世界が死んでいたら】 >>122
07/12 番外【天の川】 >>125
07/14 番外? 【僕らの新たな物語】 >>126
07/23 番外 【神代と星野】 >>128
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- Re: 世界と一緒。 ( No.68 )
- 日時: 2012/01/27 18:49
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【神様は本当は無知なのですか?】
「ほら歌えよ、虚木」
ぐりぐりと頬に押しつけられる、黒い物体。痛い。わりと痛い。
何の真似だ、と星野に問いかければ、でぃすいずまーいく!なんて、わかりきった、そしてなんだかうざったい返答。
「さぁ、歌うんだ、ほ『ピルルルル、ピルルルル』ら…電話だ」
じりじりと近づいてきていた、星野の携帯が鳴った。
星野は舌打ちをしてたけど、正直助かった。
「はい。ん?…はぁ?…、ん、伝えとく、ばいばーい」
星野が携帯を閉じた時、いやな予感がした。いやしかしだな、そんなわけ…。
「虚木、悪いニュースと悪いニュースどっちがいい?」
「悪いのしか無いのかよ」
僕の突っ込みに、テヘペロと返してきやがった。わりとむかつくよね。
が、それは表に出さず、続けるように促した。
「あのね、神代のバカが虚木の家に入ってったのを見た子がいるの」
はい、と渡された携帯の液晶には、愛しのマイホームに入っていく神代が映っていた。
「どうするの?竜胆くん」
刻野がいつの間にか、僕の正面にいてびっくりした。
しばらく、落ち着いてから刻野を見て、決まってる、と口元を歪めた。
- Re: 世界と一緒。 ( No.71 )
- 日時: 2012/02/09 12:01
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: vGq5J7E8)
【とある少年のヒトリゴト】
はぁ、と小さく小さくため息を吐いた。背にした赤い屋根の家にいる、少女のことを思いながら。
いつもいつも、彼女に寄り添う彼が今日はいないことを、俺は知っていた。知っていたからこそ、今ここにいるんだ。…いたんだ、が正しいかもしれないけれど。
彼女は、優しくて柔らかくて、それでいて…無知だ。対して、寄り添う彼は、真っ黒で狡猾で、彼女を騙している。…と、ばかり思っていた。そうだったら、どんなに良かったのか。
事態は、思っていたよりも深刻だったんだ。
彼女に、少々無理矢理とも言える自分押しをしてみた。それも、彼を否定する形で。
別に、それしきで彼女が俺に傾くとは、悲しいが微塵も思っていなかった。ただ、柔らかく「そんなことないよ」とか、「竜胆は違うよ」と、彼をかばうような可愛らしい反応をすると思っていたんだ。
けれど、実際のところはどうだ!返ってきた返事は「どんなに竜胆を悪く言っても、私は理くんのものにはならないよ」というものだった。
ちなみに、僻みやらが混ざっているわけじゃない。素直に、ぞっとした。
彼女の目は、完全に据わっていて、発した声は驚くほど冷ややかだった。
その声から俺は、理解してしまった。ああ、彼女はただの馬鹿じゃなかったのかって。彼女は、彼が自分自身を縛っていると理解していながら、彼の元にいるんだ。
たぶん、彼も知らないだろう。彼女が、望んで縛られているなんて。気がつくはずがない。彼女ですらきっと、気付いていないんだから。
どうしたものか、とため息をついた。
彼は確実に、危ないと。大切な人を傷つけかねないと、思っていたんだけど。彼女自身が、理解した上でそれを拒まないなら…
「彼ごと…」
「やあ、かみだいりくん?どうして、僕の家の前にいるのかな?」
自分自身の、小さな呟きに重なった彼の声に、はっとする。辺りはもう、ぼんやりとした闇色に包まれている。
しまった、と思いながらも口元を歪めて、彼を見た。彼もまた、同じように楽しげに口元を歪め、目を細めている。
どうしようもない。腹をくくるしかない。俺は、彼を見つめた。そのコバルトブルーの瞳は、闇に濁って見えた。
- Re: 世界と一緒。 ( No.73 )
- 日時: 2012/01/24 17:50
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 最近、神城が良い奴に見えて困る。
【少年二人 1】
「やあ、竜胆くん、遅かったね。俺は、依代さんに会いに来ただけだよ」
「なんで僕の許可なしに、世界と会ってるの?」
「依代さんに会うのに、君の許可がいるの?君の物じゃないのにさ」
あざ笑うかのように、俺は口元をにやにやと歪めた。もちろんわざとだけれど。
俺は、彼が嫌いなわけじゃない。当然、俺は彼女が好きだから嫉妬はするし、なるべく彼の邪魔はしたい。けれど、嫌いなわけではないんだ。
けれど、彼はきっと、このままでは彼女を傷つける。傷つけるどころか、取り返しのつかないことになりかねない。それだけは、たとえ、彼女がそれを拒んでいなかったとしても、避けたいんだ。好きな人に傷ついてほしい人間なんて、いないはずだ。
「僕の物だよ」
迷うことなく答えた彼に、ため息をついた。信じらんない。睨んでやれば、彼は首を傾げた。まるで、なにか問題でも?と言っているかのようで。
「ふぅん?所有物って意味?彼女を物扱い?ま、そういう意味じゃないのはわかってるよ」
いったん言葉を切って、彼をみる。彼は、俺のよく回る口に対して、不快そうに眉を寄せていた。実に、彼らしい反応で、少し笑った。
- Re: 世界と一緒。 ( No.74 )
- 日時: 2012/01/24 21:11
- 名前: 夢姫 (ID: blFCHlg4)
始めまして。これはたわごとなので聞き流してもらってもいいです。
透明で切ない雰囲気を良いと感じたので、1人称だと少し透明さが鈍くなってしまうので、3人称視点で地の文を書いてみたらどうでしょう。今から変えるのは変かもしれませんし、あなたの良さを消してしまうかもしれないので断言はできないのですけれど……。
でも個人的には好きな空気でした。スッと読めるというか。頑張ってくださいね。
- Re: 世界と一緒。 ( No.75 )
- 日時: 2012/01/25 02:52
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
>>74 夢姫様。
はじめまして、こんばんは。
読んでいただき、ありがとうございます。
貴重な意見、ありがとうございます。
けれどあえて、私はこれを、三人称にはしていません。そして、しません。
これはあくまで彼、竜胆の日常の物語だから。
竜胆が、なにを思い、どう行動するかを一番伝えやすいのは、一人称だからと感じたからです。
けれど、空気が好き、というのはすごくうれしかったです。
ありがとうございました。
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