ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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世界と一緒。【完結しました】
日時: 2012/08/25 15:08
名前: 結城柵 ◆cSPwlATP2E (ID: 49KdC02.)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=13174

↑リメイク+新作

参照1600突破! ありがとうございます!

おはようございます。僕は結城柵、現在は白沢祐と名乗っているものです。

エグい描写が時折入ります。

目次 >>130 >>131


完結記念企画更新一覧

05/25 ryuka様より世界のイラストを頂きました! >>119
06/15 番外【ストーカーは歌姫がお好き?】 >>121
06/16 If話【もしも、過去で世界が死んでいたら】 >>122
07/12 番外【天の川】 >>125
07/14 番外? 【僕らの新たな物語】 >>126
07/23 番外 【神代と星野】 >>128

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Re: 世界と一緒。 ( No.98 )
日時: 2012/03/28 18:23
名前: 神楽妖 (ID: Zodo8Gk0)
参照: 妖は、あやって読みます

はじめまして!

タイトルに惹かれてやってきました。

あれ?ふと気が付けば一気読み完了……?
いつの間にか1時間経過……?

ああどうしよう、塾の宿題がまだ終わっていないのに!


いよいよ過去が明らかになる感じですね!
続き楽しみにしてます!

Re: 世界と一緒。 ( No.99 )
日時: 2012/03/29 06:27
名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

>>98 神楽妖様

はじめまして、いらっしゃいませ。

タイトル詐欺に引っかかったわけですね、わかります。

あわ、そんな一気読みなんて……嬉しいです。
でも宿題はやりましょうね。

過去ですね、過去。
コメント、ありがとうございました!

Re: 世界と一緒。 ( No.100 )
日時: 2012/03/29 08:37
名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【とある夏の、とある思い出 3】

「なぁ、に……?これ……」
 小屋の中を見て、言葉を失った。何を言えばいいのかわからなくて、口をただみっともなくパクパクさせることしかできなくて。
 床の至るところに散らばった、白い液体と小さなしろい体。一番近くにあったそれは“ゆくえふめい”になっていた、同じクラスの女の子。ぐったりと目を閉じて、まるで
「奥を見てごらん」
 不吉なことを考えかけたとき、亜蝉さんの声で思考が遮られた。タイミングが良かったと思う。よけいなことを考えなくて済んだ。
 亜蝉さんに促されて奥を見て……息を飲んだ。
 まっしろなからだ。その中でも、いやに目立つピンク色が二つ。滑らかな手足は、何のためか縛られている。瞳は、黒い布で隠されていて見えない。異常な、その光景。
 そこにいたのが、別の女の子だったらもう少し冷静でいられたのかもしれない。けれど、そこにいたのは……紛れもなく、世界だ。しっかりとした確証があるわけじゃない。だけど、あれは
「ほら、竜胆君。綺麗だろ?」
 亜蝉さんの毛深い浅黒い手が、しろいからだを撫でた。びくりと肩を震わせたその子の瞳を覆う布を、亜蝉さんは笑いながら外した。

Re: 世界と一緒。 ( No.101 )
日時: 2012/04/13 12:28
名前: ゆかな ◆lN5LnRg9pE (ID: blFCHlg4)

>亜蝉さんの毛深い浅黒い手が、しろいからだを撫でた。びくりと肩を震わせたその子の瞳を覆う布を、亜蝉さんは笑いながら外した。

ここのところを読んだとき、とってもゾクゾクしました!!余り書きこむことの少ない私なんですけど応援しています!がんばってください♪

Re: 世界と一緒。 ( No.102 )
日時: 2012/04/14 14:40
名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 一気に更新しちゃいますね。

【とある夏の、とある思い出 4】

「せ、かい……」

 苦痛なのか、なんなのか。きゅぅ、と固くつむられた世界の瞳が、露わになった。そんな彼女を呼ぶ僕の声に、世界は小さく呟いた。

「りん、ど、う……?」

 痛々しいほどにかすれた声は、ぐちゅぐちゅとした汚らしい水音にかき消される。それでも僕の耳は、彼女の声を聞き逃さない。

たすけて。くるしい。どうして?

 そんな、恐怖に満ちた潤んだ瞳が開かれた。彼女は、真っ直ぐに僕を見つめている。
 抱きしめたかった。けれど、動けなかった。触れられなかった。彼女が、触れたら壊れてしまいそうなほど、ひどく儚げだったから。

「き、れ……い……」

 世界のなきごえが耳に響く。鼓膜を震わせる。
 苦しげな表情のままのともだちは、そんな僕を叱咤するかのようにみつめている。

 それでも、口をついて出た言葉。
 くらりくらりと、甘い蜜が流れ込んでくるかのように、思考回路が麻痺していく。
 蝉の声が、ひどくうるさい。


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