ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 世界と一緒。【完結しました】
- 日時: 2012/08/25 15:08
- 名前: 結城柵 ◆cSPwlATP2E (ID: 49KdC02.)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=13174
↑リメイク+新作
参照1600突破! ありがとうございます!
おはようございます。僕は結城柵、現在は白沢祐と名乗っているものです。
エグい描写が時折入ります。
目次 >>130 >>131
完結記念企画更新一覧
05/25 ryuka様より世界のイラストを頂きました! >>119
06/15 番外【ストーカーは歌姫がお好き?】 >>121
06/16 If話【もしも、過去で世界が死んでいたら】 >>122
07/12 番外【天の川】 >>125
07/14 番外? 【僕らの新たな物語】 >>126
07/23 番外 【神代と星野】 >>128
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- Re: 悲哀と世界。 ( No.5 )
- 日時: 2011/11/27 08:32
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【世界を救う勇者だなんて】
次の日朝。
鈍く痛んだ左腕に目を覚ました。
今日は雨みたいだ。
カーテンを開けた厚い窓ガラスの向こうに見える灰色の空と、赤、青、緑とカラフルな傘の群れに笑みをこぼす。
さてと、お腹が減った。
「おは…よ…」
リビングでトーストをかじっていると、世界が目を擦りながら起きてきた。あーあ、腫れるぞ。
…世界は夕べのことに触れない。僕も何も言わない。
「せっかくの土曜日なのにね」
僕は呟きながら、世界を見て目を見開く。
「…どうしたの?」
静かに涙を流す世界に問いかける。
はっ、と荒い息を僕が吐き出す。
「こわいゆめ、みたの。みんないなくなっちゃって、せかいとりんど、ふたりだけで。
こわいひとにね、つかまっちゃうの。こわれちゃうの」
こわいよ、と小さく呟いた世界を抱きしめる。
甘い香りと華奢な体と小さな泣き声に、体が心が熱くなるのを感じた。
おさえろ、我慢しろ、僕。
「大丈夫だよ、世界、安心して。僕が世界を守るから」
勇者みたいじゃない?と笑ってみせれば、世界も明るく笑う。
…守るのは、守ったのは、
僕の 僕だけの セカイ
- Re: 悲哀と世界。 ( No.6 )
- 日時: 2011/11/28 20:32
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【男一人で可愛い店は拷問】
昨日の雨が嘘のように晴れていて、暑い。
けど、今日は世界への誕生日プレゼントを買いに行く日。
普段は一緒に買い物に行くけど、さすがにプレゼント選びには同行されたくない、と不満気な世界を置いて一人街をだらだらと歩く。
世界のお気に入りの雑貨屋に入ると、クーラーがきいていてほっとした。
店の中は女性ばかりで、男の僕は浮いて見えるんじゃないかと思ったけれど、バイトらしい店員さんが女の子と間違えて商品を勧めてくれたので、浮いていないようで安心した。安心はしたけど、複雑な気分にはなった。
世界が好きそうな可愛らしいぬいぐるみのコーナーに足を運ぶと、商品の棚を見る僕以上にういた存在がいた。
若々しく、可愛らしい空間にうきまくりのその人を見て僕は迷わず近づいた。
「おじさん、お久しぶりです」
最初は誰かわからなかったらしく、怪訝そうな目で僕を見ていたけど名乗ると、おじさんは真っ青になった。
僕はそれを見て思わず小さく笑う。
「今からお話いいですか?少し待っていてください」
有無を言わさずそう言うと、世界の好きなキャラのぬいぐるみを二・三個持って会計に行く。
ふふ、世界喜ぶかな。
- Re: 悲哀と世界。 ( No.7 )
- 日時: 2011/11/30 17:09
- 名前: 朝倉疾風 (ID: yqB.sJMY)
- 参照: http://ameblo.jp/ix3x-luv/
どうも、朝倉でございます(`・ω・´)キリッ
きっと感想がダラダラと続くでしょうけれど、
そこは……まぁ……勘弁くださいませ!
【非常食】の最後のセリフには、ゾクリとしました。
「非常食なら、ここにいるでしょ?」とサラリと
言ってしまえるのは、心に深くある歪んだ愛情からなのか、
それとも、本人からして見ればただ単純に 「そうであるべき」
ことだからなのか……。
傍から見ると歪んでいるように見えるけれど、
本人からしてみれば、それが「普通」だということが
ありますからね…。
名前のとおり、世界は竜胆にとって、世界そのものなのでしょう。
だから、彼女の美しい部分も、汚い部分も、受け入れられる。
それはある意味、とてもとても強い執着にも似た感情では
あると思います。
そして…おじさん。
おじさん?
新キャラクターかな…?
竜胆を見ると真っ青になったとあるけれど、一体誰なのかな…。
- Re: 悲哀と世界。 ( No.8 )
- 日時: 2011/12/01 06:22
- 名前: 結城柵 (ID: khvYzXY.)
- 参照: トリめんどいの。
朝倉さん
コメントありがとうございます。
朝倉さんに読ませたら恥ずかしいジャンルでした…w
竜胆は全て素直な気持ちで動いています。
非常食の場合は、世界のためならば食料になる。そうしたいし、自分はそのためにいると思ってる。そんな感じ。
そうですね、歪んでいるかもしれない。
けどきっと、竜胆たちにとったらそれが当たり前の愛し方なのかも。
執着ですね。
世界が世界(ややこしい)だから、守らなくちゃいけない。守らなくちゃいけないから世界は世界。
私たちが、地球の絶景も汚い東京湾も含めてこの地球が、世界が好きなのに似ているかも。
おじさんは意外と重要…?
すごく丁寧に読んでいただいて、とても嬉しいです。
ありがとうございました。
- Re: 悲哀と世界。 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/01 17:59
- 名前: 結城柵 (ID: khvYzXY.)
- 参照: トリめんどいの。
【父親】
喫茶店で、親子ほど年の離れた男二人が向かい合って座っている不思議な光景に、僕は思わず小さく笑う。
おじさんは気まずそうに視線を泳がせる。
「さて。十年ぶりですかね?何のために、いつ、こっちに戻ってきたんです?」
なるべくにこやかに話す。
内心では何も考えていないけど。ほんと、驚くくらい空っぽ。
おじさんは、諦めたようにため息を吐いて口を開いた。
「本当に久しぶりだね、竜胆君。元気だったかい?」
「はい、お陰様で」
僕の返答に、おじさんは少し頬を引きつらせただけだった。
大人のスルースキルって凄い。
「こっちには、たまたま仕事できたんだ。…もうすぐ世界の誕生日だな。どうだ、世界は元気か?」
世界にプレゼントを買うために、あの店にいたんだな。なるほど。
少し疑問に思ってたことが解消された。わーい。
けど。僕はこの人に容赦はしない。
「捨てた娘の心配ですか?世界はね、あの日のことも、貴方のことも忘れて、僕と二人で穏やかに暮らしてますよ。そうそう。おばさんなら、去年病気で亡くなられましたよ」
嘘だ。おばさんは病気でなんて亡くなっていない。
けど、この人に真実を教える必要なんてない。
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