ダーク・ファンタジー小説
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- 嫌いだ【作者より】
- 日時: 2019/03/14 22:11
- 名前: riyal (ID: Zodo8Gk0)
嫌いな人。
恨んでる人。
許せない人。
じゃあ。
殺っちゃえばいいんじゃない?
『あたし、君みたいな奴って』
冷たく嗤ってさ。
『嫌いだ』
***
はい。riyalです。
スレを立てるのは初めてです…!
なので初心者を見る目で見てくださると嬉しいです←
それでは。
目次 >>2
歳を食った作者より >>104
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.70 )
- 日時: 2016/02/14 16:34
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第26話 殺り方
『…サンに…何を…何を…』
ブツブツと何かを呟きつつ、恐ろしい眼の色をしている。
ルキちゃんを見なかったとしてもそれは伝わってきただろう。
「あー…んで?ミナミって奴はまァルキちゃんに殺らせるとして…ボクらはそこまでの道を開ければいいのかなァ?」
「…そうですね、あとお金盗ませてください」
「抜け目が無いな、ハルレ」
尋常じゃない殺気に弾かれそうになりつつも、ざっとルキちゃんの前に前衛っぽく立ちはだかり、雑魚を蹴散らすのに尽力することにする。
ルキちゃんは窓の所まで来ると、いつものナイフを握り締めて、物凄い勢いで振り下ろした。
((ガシャァァァ!!))
轟音。
幸いにもこの家は住宅街ではなくて小高い丘に建っているから、余計な注目を集めずに済み、助かった。
『…ミナミって奴は…何処かなぁ?』
酷く冷たく、低い声音が響き渡る。
そのままツカツカと土足で入り込むウチら。
勿論、すぐさま使用人達が向かってきて、ウチらを追っ払おうとする。大体30人とか40人とか、それくらい?
「雑魚いなァ、虐め抜いて殺してあげよ…♪」
「死に様がどうなるか、楽しみだね」
これくらいなら2人で大丈夫だ。
連携で相手取り、弄ぶように殺っていく。
その隙に、こちらもまたスイッチの入ったハルレは違う部屋に入り込む。おそらくは山ほど金目のものを盗んでくるだろう。
…思ったが、カインもウチも、快楽殺人者だ。
まずは敵が動けなくなるようにし、それから少しずつ殺る。反応を愉しむ。カインは録画までするほど。
悪趣味って言えば…まぁ悪趣味だが、だからといって変えられる性分でもない。
「カハハッ♪あー、愉しィ」
「あれ、もう殺られた?」
カインは薬を使って殺る。
少しずつ動けなくなっていく敵を見て愉しんでいる。
ウチはまず銃で動きを封じ、それからナイフでじわじわと追い詰めて殺っていく。
…うん…愉しい。
ふっと横目にルキちゃんを見る。
相変わらず物凄い殺気で、奥に進んでいっていた。
たくさんの叫び声。
悲鳴に叫び声に呻き声、阿鼻叫喚の地獄絵図。
それが、ウチらには堪らない。
緋く染まり果てる視界に、ゾクリとする程の快感を覚える。
カインも多分同じじゃないかな。
暫く、その光景を愉しみつつ、雑魚を蹴散らしていた。
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.71 )
- 日時: 2016/02/15 16:23
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第27話 理由
一気に階段を駆け上がり、ミナミがいるのであろう部屋まで疾走する。
扉を少々乱暴ながら開け放していき、1番奥の部屋へとたどり着いた。
「…あら、アンタ…久しぶりね、っていうかどうしてここに…」
「………」
「いやっ!?ちょ、何すんだよ!」
それには何も答えず、ミナミを瞬速で縛り上げる。
前回みたいに逃げられちゃ嫌だから。
『…サンに何したの』
「っ!?」
ドスを効かせた冷たく低い声で言う。
殺る前にこれくらいは訊いてもいいだろう。
『何したのって訊いてんだろう』
「………っ、……!?」
恐怖の所為か、声が出ないらしい。
それでもあたしは止まらなかった。
『答えな』
「…殺そうとしたんだよ!」
『何で』
「気に入らなかったからに決まってんでしょ!?」
『だから何で』
「ミナミに逆らったからよ!」
『………?』
「ミナミに逆らおうだなんて生意気な!その上友達になろうだなんて図々しい!気に入らないわ!そもそもサンなんて弱々しい奴がミナミに何か言うこと自体おかしい!そうよサンなんて奴バカだったのよ!あんな柔なのが-----
そこまで言ったミナミの。
首をナイフで。
掻っ切った。
「ぁ_______________ 」
ミナミの目に正気がなくなる。
真っ黒なその瞳からは瞬く間に色が抜け落ちていく。
『お前みたいな奴、あたし』
死ぬ寸前のミナミに、これでもかというほどの嘲笑を向けて言い放った。
『嫌いだ』
ガクリ。
ミナミをこの世に繋いでいた糸が切れ、縛られたまま逝った。
『…お前みたいなのがサンに、よくそんなこと言えたな』
ザクッ、ザクッ、ザクッ…。
あたしにしては珍しく、亡骸を弄る。
憎悪の籠った目で、暫くの間弄り続けた。
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.72 )
- 日時: 2016/02/14 16:41
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第28話 醜い性格
「はァー…うん、雑魚っていいなァ」
「何で?」
「あしらうの簡単だし、何より反応がいいんだよォ」
「強い奴が苦しむ姿も中々にいいけど?」
「そういうのもあったね!カハハッ♪」
大人に満たない少女達の会話とは思えないだろうが、まぁそこは目を瞑ってほしい。
…そして、こんなことを言いつつ最後の1人を1番惨い殺り方で弄っているのにも、目を瞑ってくれるとありがたい。
「…出血多量で逝っちゃったらつまらないもんねェ…止血しとくよォ?」
そう言ってナイフで切った切り口をギュッと抑え込むカイン。
断末魔の叫び声が聞こえるが、カインは死なせてはくれない。
勿論、録画中だ。
「カイン、これいつまで続くの?」
「うーん…ルキちゃんが戻ってくるまでかな」
「成る程」
抑え込んでいる切り口と離れた部分を新たに斬る。
今度は脚だ。
ゆっくりとナイフを入れ、奥深くまで刺し込んでいく。
骨にあたると止まっちゃうから、わざと避けて通る。
この子の顔は、汗と涙と鼻水と血と、いろんなものが入り乱れて凄惨なことになっちゃってるが、そんなことは気にしない。
気にするほどウチらは優しくない。
「ハルレは…たくさん盗んできたかな?」
「まァ、そりャそうなんじャない?」
首を絞めて、死ぬ寸前で解放する。
これを何回も繰り返す。
既に声が枯れているけど、それでも痛さに叫び続ける。
そんな声がたまらない。
……………。
…いつからだっけな、こんな性格になったの…。
カインも同じようなことを思ったのか、少しだけ神妙な顔を
しているように見えた。
しかし、今はそれよりも、コレを殺るのを楽しもうではないか。
そんな結論に落ち着き、また苦しめ始めた。
もう少ししたらハルレも戻ってくるだろう。
それまでのお楽しみである。
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.73 )
- 日時: 2016/02/14 16:49
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第29話 殺意暴走
『…ふぅ…』
何かがプツッと切れるように、それまでの苛立ちも収まった。
精神的な疲労がピークなのか、身体は元気なのにも関わらずかなり疲れている。
あれから何時間経ったんだろう?
時間の感覚も無くなってしまうほど、何に熱中してたんだ?
目の前にあるぐちゃぐちゃなコレは…ええと、何だっけ?
そもそも視界が真っ赤に染まっているのはどうして?
ていうか、ここ、ホテルじゃなくて…何処?
何であたしはいつものナイフを握ってるんだ?
苛立ちが収まったって、何に対して苛立ってたんだ?
どうしてこんなに疲れてるんだ?
…何でどうして、何処だ何故だ?
これほど思考がショートするようなこと、といったら…
…あぁ。
そっか、また、殺意が暴走したのか。
あたしはたまに殺意が暴走する。
それこそ何も目に入らない程。
けど、だからこそ、精神的な疲労が半端じゃない。
最大の殺意で、最大の怒りで、ぶっ続けなんだから。
しかも時間を忘れる程だしさ。
目の前のこのぐちゃぐちゃなやつは肉片か。
まあ、既に肉片だし、もう用はない。部屋を出ることにする。
それにしてもホント何時なんだろ。
この部屋時計無いし…。
時計どころか窓も無いし。
この部屋の持ち主はどういう神経をしているんだろうか。
取り敢えず、出口であろうドアを開け、廊下に出た。
廊下にはかなり大きめの窓があり、月明かりが射し込む。
…夜か。
廊下の角にある階段を降り、リビングに出る。
今度は、壁一面が窓のような物凄い大きさの巨大窓があった。
全体的には窓多いのにな…何であの部屋だけ?
時計を探す。
アンティークも程々にしろと言いたくなるような時計を見つけた。
『…2時半』
相当な時間だ。いつもに増して長く殺り続けたっぽい。
でも目の前にあった肉片は一人分くらいだったし...ひとりをこんなに長く斬り続けたのか。...そういえば、ミナミとかいう奴を殺しに来たんだっけ...じゃあ、あの肉片はミナミ?
少しずつ考えがまとまっていき、辻褄が合ってくる。
ゴッ、と何かが足に当たった。
…血塗れだ。
ウキが殺ったのかな?…カインも?
男は殺った覚え無いし。
とにかく、出るか…。
今は血で濡れているが、金ぴかだったのであろうドアノブに手を掛けて、回した。
開くと-----
- Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.74 )
- 日時: 2016/02/14 16:54
- 名前: riyal (ID: bUOIFFcu)
第30話 ミルア
「よ、ルキちゃん」
『………ミルア?』
「訊かれなくとも」
ニッと笑い、開けたドアから入ってくるミルア。
ひょろひょろと背の高い身体を見流し、特に何もせずにその場にとどまってしまう。
「あー、調味料は無いけど…まぁ、充分かな、まだそんなに経ってないっぽいし…腹減った」
そんなことを言ってミルアは死体の1つに手を掛けた。
ミルアは人食体質だ。
見て字の通り、人を食らう。
生活水は人の血で、人の肉が主食…っていうか、それしか食べられない。吸血鬼みたいな奴である。
そんなミルア曰く、人の悲鳴は『調味料』らしい。
カインとかウキとかに思想が似てる。殺る時、殺られる人間が出す悲鳴がたまらないのだそうだ。
…あたしにはよくわからない。
「ルキちゃんは何でここに?」
むしゃむしゃと死体を貪りながら訊いてくるミルア。
後ろで1つに束ねた長い白髪が血で汚れていく。
『…ミルアは?』
「んー、俺は、途中ですれ違ったウキちゃんとかに、さっき30〜40人くらい殺ってきたから、お腹空いたなら食べれば?って言われて来た」
『へぇ…あたしは、見ての通りだよ』
「うーん…見ての通りって言われても、もともと着てる服が赤いから返り血とかわかんないんだよね。誰か殺ったの?」
『うん、まぁ』
そうか、あたしの服赤かったっけ...。
「この家の主か?」
『…えーと…うん、そうだね』
「そう」
そうか、ミナミはこの家の主だったのか。思い出した。
「…ふぅ、これくらいかな」
見れば、ミルアは既に3体ほど筋肉質な男達の死体を平らげていた。
「ルキちゃん、ぎゅー!」
…これもまた、ミルアの体質というかなんというか…非常によく抱きついてくる。ハルレもだが、女に抱きつかれるのと男に抱きつかれるのとでは大きく違う。
『………ウザい』
「ふぎゃっ!?…いてて…っ」
無論、殴り飛ばした。
が、ミルアは半ば快感そうな顔をする。
…ドMロリコン。ミルアは最悪な星の下に生まれてきてしまったようだった。
抱きついていき、殴られ、快感を覚える。ミルアに取ってはこれ以上ない良循環なのだろうが、あたしにとっては悪循環以外の何でもない。
『今度こそ出るよ』
「うわぁ、ルキちゃん待ってっ」
ドMロリコン食人鬼がついてくるなんて気持ち悪いことこの上ないけど、ミルアだということに免じて殺さなかった。
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