ダーク・ファンタジー小説

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嫌いだ【作者より】
日時: 2019/03/14 22:11
名前: riyal (ID: Zodo8Gk0)

嫌いな人。
恨んでる人。
許せない人。

じゃあ。

殺っちゃえばいいんじゃない?

『あたし、君みたいな奴って』

冷たく嗤ってさ。

『嫌いだ』
***
はい。riyalです。
スレを立てるのは初めてです…!
なので初心者を見る目で見てくださると嬉しいです←

それでは。

目次 >>2
歳を食った作者より >>104

Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.60 )
日時: 2015/03/22 20:05
名前: riyal (ID: bUOIFFcu)

燐想さん
読んでくださりありがとうございます!
オリキャラちゃんもありがとうございます!
使わせていただきます!!

味方キャラが増えていく…ッ(喜びを噛み締め中)

みーこさん
おおっ!オリキャラ2人も…!
ありがとうございます!どちらも使わせていただきます!

皆さん
ハルレちゃんの例があるように、オリキャラさんの過去を勝手に
つくることがあります。過去設定がある場合、それに沿って
少し上乗せされることがあります。
また、オリキャラさんの登場が遅くなる可能性があります。
予めご了承ください。

これからもよろしくお願いします!

riyal

Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.61 )
日時: 2016/02/14 15:35
名前: riyal (ID: bUOIFFcu)

第19話 複雑

あの後。
サンと別れ、洞窟から出たあの後。
ハルレは、すっと俯いたままだった。

『…ハルレぇ』
「何ですか…」
『仕方ないじゃん、ハルレの都合もあるしさ』
「そうですけど…サンからしたら捨てられたも同然ですから…」
『じゃあサンを選べば良かったじゃん?』
「そうですけど…!」

そうだけど、そういうことじゃない。
言いたいことはわかる。

『…メリット、デメリットって言ったけど、あたしといるメリットって何さ?』
「盗むのに効率がいいです。効率が良ければ収入が上がり、
収入が上がれば安定する」
『それならサンといても同じじゃない?』
「サンと一緒に住むなら、ルキちゃんと一緒にいられないじゃないですか」
『それの何処がダメなの?』
「…はぁ」

何だか深くため息をつかれてしまった。…何だろ?

「とにかく…私はルキちゃんと一緒にいる方がいいって、自分で判断したんです。今更、覆しはしません」
『…あ、そう』

そうこうしているうちに、ホテルまで辿り着く。
たったの1時間くらいしか経ってないのに、酷くたくさんの時間が流れたように感じた。

『はぁ、疲れた』
「ただいま帰りました」
「ん、おかえり」

ウキはすぐにハルレの異変に気付いたらしい。

「…ハルレ?だっけ。どうしたの?」
「はい?」
「なんか元気ないよ?」
「……結構遠くまでルキちゃんが行っていたので、疲れたんです」
『ちょっと、酷いなぁ』

ハルレが上手く誤魔化したんで、それに合わせることにする。
ばふっ、とベッドにダイブしつつ、タブレット端末を起動した。

『あ〜、ミナミって言ったっけ…』

画面に映るのは、ミナミであろう人間の居場所。
ひとつの建物の中で止まって動かないから、家ここだろうな。盗聴器と盗撮器仕掛けて見張ってやる。

「ミナミって誰?どうした?」
『ううん、何でも』

ちゃちゃっと仕事終わらしちゃおう、と考えているあたしは、ウキにも何も言わないことにした。

…サンを苦しめる人間は許さない。
ハルレの場合は、なんとも言えないけど。
サンが苦しんでいるなら、いつでも飛んで行って、苦しみの元凶を撲滅してやる。

それが、あたしにできる、サンへの恩返しだから。

Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.62 )
日時: 2016/02/14 15:39
名前: riyal (ID: bUOIFFcu)

第20話 思考

「…あの、ルキちゃん」
『ん?』
「それ…仕事、ですか?」
『あー…仕事って言えば、まぁ、そうかな…』

苦笑い。
殺しのことを、ウチ達は仕事って言う。
ハルレなら盗みだけど。

「手伝いますよ?」
『…そうだなぁ、じゃ、ここの家に盗聴器と盗撮器仕掛けるの手伝ってくれる?』
「わかりました」

普通なら非日常な会話が、ウチ達には日常の他愛もないものだ。
いや、他愛もなくはないけど。

「ここですか」
『うん、ここ』
「おぉ〜?またサンのこと?」

ニヤニヤと意地悪く言ってやったのに、至極真面目に返された。

『あぁ、また潰してくる』

ルキちゃんの表情が一変し、口調から何からガラリと変わった。
ゾクリ、とくる。

どうしてサンばかり、そんなに大事にするんだか。
ルキちゃんに訊いても全然答えてくれないし。

…そんな思考も、ルキちゃんの威圧オーラに掻き消された。

『全力で…撲滅する』

ただただ-----恐怖。
背筋が凍りつくような、冷たく響く音。
遠くを見つめる目線は鋭く、邪魔なものを全て射抜くようで。

圧倒された。
ハルレも、その場に凍りついている。

何がそんなにルキちゃんを突き動かすのか。
知りたかった、ずっと。
質問しても教えてくれず、はぐらかされるたびにもっと知りたくなり、ずっと訊き続けてきた。
未だ、教えてくれないけど。

やがてルキちゃんは暗い表情を消し、いつもの顔を見せた。

『えーと…ごめん、ちょっと本気マジになっちゃって』
「……ぁ、いえっ…」

改めて思い知った。
ルキちゃんは…他の人とは比べ物にならない程大量に人を殺ってきた、殺人鬼。
双子のウチすら恐怖するほどの殺気を纏う、殺し屋。
殺気で殺られることもあるくらいオーラがすごい。

ともすれば、簡単に人のひとりやふたり、殺気で殺れる。

何でそこまで殺気がすごいのかも、よくわからない。
これまた、ルキちゃんに訊けばはぐらかされる。

双子のウチでさえわからない。
そのルキちゃんを突き動かす、サンって…。

…あれ。
何でこんなに真剣になってるんだ。
何でこんなに考え込んでるんだ。

別に関係ないじゃないか。
双子とはいえ、ウチらは干渉しすぎることはまず無いんだから。
どうして…。

『………ウキ?』
「へ?」

ルキちゃんの声で、脳内が一掃される。

『何考えてんの?』
「あぁ…いや、別に」

思考に没入しかけたところで、引き返された。
………。
まぁいいかと、その考えを撤廃した。

『ところで』

Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.63 )
日時: 2016/02/14 16:07
名前: riyal (ID: bUOIFFcu)

第21話 慎重に確実に

「ん?」
『このミナミって奴、如何してやるのがいいかな?』

何かと思えば、作戦の話だった。

「うーん…ハルレも一緒に行ってごっそりモノ盗んできて、それから殺ってもいいんじゃない?」
『あー、そうだね』
「ま、何にせよ、まずはこいつの生活を調べて狙う時を定めなきゃいけないけどさ」

一回逃してしまったんだから、今度は慎重に調べて正確に
狙わなければいけない。

『むむむ。こういうのはあんま好きじゃないんだけどなぁ』
「そんなこと言ってもいられないでしょ」
『そうなんだけどさ〜』

サンに呼ばれた時に、獲物は確実に仕留めてきたルキちゃんにとっては、こういう殺り方は嫌いなのかもしれない。

『…ま、そうとなったら、確実に仕留めて殺るけど』

ルキちゃんの目がギラギラしだした。
正直言ってさっきとは別の意味で怖い。

取り敢えず明日作業に移ろうと言って、皆もう寝ることにする。

時刻は夜の12時を回っていた。

***

...サン。
ごめんなさい。

本当はあなたと一緒に暮らしたかった。
本当はあなたと一緒に笑い合いたかった。

でも、ダメだよ。

私なんかと一緒にいたら、サン、あなたが危うくなっちゃう。
もしものことがあって、私が捕まったら、またあなたは虐められてしまう。
病弱なあなたのことだから、また何度も吐血して、命すら危険になるかもしれない。

だからごめん。

突き放すことを許して。

ただ、あなたの身にもしも、死ぬかもしれないくらいの危険が迫った時は、全力で助けに行くから。

だから。

お願い...。

そのまま私はまどろみ、意識を手放していった。

Re: 嫌いだ【オリキャラ募集中】 ( No.64 )
日時: 2016/02/14 16:14
名前: riyal (ID: bUOIFFcu)

第22話 変わり者達

「ふぁ…」

早朝。
1番に起きたのは私だ。
私は真面目人間のようで、いつもこの時刻に起きる。

くるくるとあたりを見回し、まだ誰も起きてないかと、
ひとりで着替え始めた。

『………』
「………」

ルキちゃんとウキさんは双子揃って朝に弱く、まだ寝ていた。
時たまルキちゃんは意味不明な寝言を言う。

『…いや、違…くも…なくも…ない…こと、ない…か』
「何がですか」

思わず突っ込みたくなることを連発するルキちゃんの思考回路はどうなっているのだろうか。

ウキさんはウキさんでさっきから何回も「…Assassin…」と寝言で呟いていた。何故。

この2人は意味がわからない。
それを2人に言ったら「『ハルレこそ意味がわからない」』って言われてしまった。...何故。

「…まだ寒いな」

着替え終わったところで、ローブを身体に巻きつけて暖かくする。
暖房入れりゃいいじゃん、ってことだが、残念ながら壊れている。
だからこそ安く泊めてもらえたらしい。

そのまま、朝の時間を1人で過ごしたのだった。

***

『えー…コレはあたしの手で決着つけたいんだけど…』

ミナミの家への移動中、ルキちゃんは誰かと電話していた。
どうやら手伝いを申し出る電話らしい。

『いや、だから他の人の手をあんまり借りたくないっつうか…いやそりゃ1人は要るかもしれないけど…もうその1人いるし…あー、はいはいわかりましたわかりました』

承諾した!?
バッとルキちゃんの方を(ウキさんと一緒に)振り向くと、ルキちゃんはバツが悪そうに笑った。

サンからの依頼の時は、よっぽど状況が悪くない限り他の人の手を借りないルキちゃん。
そのルキちゃんが承諾したって…一体どんな奴なんだろう。

『んじゃ、現地集合で…は?面倒?協力させてあげるだけ感謝してよ…あー、だから自分の脚で来る!場所送っとくから!じゃ、また後でねー』

ブチッ。
ツー、ツー、ツー…

…一体どんな我儘が来るんだろう…。


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